JRC(6224)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。ニッチ事業になりある程度のシェアを既に確保しているようです。


主幹事はSMBC日興証券とみずほ証券が共同で務めます。


公開株数は6,165,300株と多く、オーバーアロットメントは924,700株になります。上場規模は想定発行価格1,005円から計算すると約71.3億円と荷もたれ感があります!


JRC(6224)IPOが上場承認 
※JRC公式サイト引用


主力のコンベヤ事業は砕石や発電所、土木など新設が見込めない、かつ成熟した企業を対象としているため成長性が限られるようです。


JRCは屋外ベルトコンベヤの設計や製造、販売、メンテナンスなどに取り組む企業です。投資先としてはニッチ過ぎて個人投資家の資金が向かいにくそうです。


しかもVC(ファンド)の売出株が多く、イグジットに利用される内容となっています。コロナ禍が終わったと思ったらVC案件ばかりになり面白くありません。


VC案件は公開価格割れとなることが多く投資初心者の方にはお勧めできません。同社の場合はどうでしょうか。確認してみたいと思います!!


JRC(6224)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日8月09日
市場グロース市場
業種機械
事業内容コンベヤ部品の設計・製造・販売及びコンベヤ設備の運用改善/メンテナンス、ロボットを活用した自動設備などの設計・製造・販売
ブックビルディング7月25日~7月31日
想定価格1,005円
※想定仮条件900円~1,110円の平均価格
仮条件1,000円~1,110円
公開価格1,110円
初値結果1,022円(騰落率-7.93%)
企業情報https://www.jrcnet.co.jp/
監査人有限責任あずさ監査法人
手取金の使途コンベヤ事業の設備資金として自動組立機の新設投資に充当する予定


項目株数データ
公募株数50,000株
売出株数6,115,300株
公開株数(合計)6,165,300株
オーバーアロットメント924,700株
上場時発行済み株数12,672,860株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約127.4億円
幹事団SMBC日興証券(共同主幹事)
みずほ証券(共同主幹事)
大和証券
SBI証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
岩井コスモ証券
松井証券
丸三証券
東海東京証券
楽天証券
岡三証券
マネックス証券
委託見込大和コネクト証券
岡三オンライン
SBIネオトレード証券


JRC(6224)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,005円を基に吸収金額を算出すると約62.0億円となり、オーバーアロットメントを含めると約71.3億円規模の上場となります。


同社グループはJRCと100%子会社のJRC C&M株式会社、株式会社大成、吉艾希商事貿易有限公司により構成されています。


主に屋外用ベルトコンベヤ部品の製造・販売、コンベヤ課題解決ソリューションを提供する「コンベヤ部品事業」を主力にしている企業です。


この他、製造業に対しロボットによる自動化技術で解決・支援する「ロボットSI事業」を行います。時代が直面する課題を解決し社会発展の基盤づくりに貢献するソリューションを創造しているそうです。


JRC(6224)の業績
※有価証券届出書引用


コンベヤ事業(コンベヤ部品事業)では、各種産業の生産・物流工程における連続搬送の合理化・効率化に必要不可欠な「屋外用ベルトコンベヤ」の部品の設計、製造及び販売を行っています。


同社グループの主たる事業領域は屋外用のベルトコンベヤ用の部品になります。


屋外用のベルトコンベヤは大規模かつ劣悪な環境で使用されることが特徴であり、主に製鉄所、建設・工事現場、セメント工場、鉱山、発電所等における長距離・重量物搬送といった場面で使用されています。


コンベヤ事業において84億57百万円の売上規模を有し、国内コンベヤ部品市場というニッチ領域において確固たるポジションを確保しているそうです。


国内市場においては有力なプレイヤーが限定的であり、原材料費等の変動があっても一定の交渉力をもって着実に利益を確保できる状況にあると自負しています。


その結果、コンベヤ事業の営業利益率は15%と高い水準を維持しているようですね。


JRC(6224)の中期経営戦略
※有価証券届出書引用


日本全国に工場4拠点、営業所8拠点、物流センター2拠点の事業拠点があるそうです。


豊富な在庫とネットワークを活かした即納体制を確立し、顧客との地理的な近接性により営業活動がスムーズに行える環境となっています。


納入リードタイムの短縮、物流コストの削減等のメリットがあるそうです。日本全国のネットワークにより即納体制と営業力が強みになります。取引代理店数も増加傾向にあります。


JRC(6224)の販売実績
※有価証券届出書引用


ロボットSI事業は、2018年に「ALFIS」ブランドで本格展開を開始した新規事業です。


自社工場の自動化などを通じて培った自動化ノウハウ、コンベヤ事業で培った同社グループのメーカー目線でのソリューション提案能力を活用します。


少子高齢化社会における労働力不足という社会課題を産業用ロボットや協働ロボットの導入・利活用によって解決することを目標としています。


成長事業であり、2023年2月期における売上高成長率は267%となっています。IPO的には「ロボットSIer」という言葉が出ています。ロボットシステムの構築も行うようです!


JRC(6224)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は1991年3月01日、大阪府大阪市西区阿波座二丁目1番1号に本社を構えます。社長は浜口稔氏(1964年12月11日生まれ)、株式保有率は20.28%(2,940,140株)です。


従業員数271人で臨時雇用者0人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数11.3年、平均年間給与5,088,000円です。連結従業員数は335人で臨時雇用者は0人です。


連結のセグメント別従業員数はコンベヤ事業306人、ロボットSI事業29人です。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
インテグラル3号投資事業有限責任組合5,471,500株37.75%
浜口 稔2,940,140株20.28%
浜口 佳宏2,720,000株18.76%
Innovation Alpha L.P.868,500株5.99%
インテグラル株式会社200,000株1.38%
浜口 芳秋200,000株1.38%
林田 信弘200,000株1.38%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2024年2月04日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは以下のようになります。最大4.15億円を予定しています。


【親引け販売先と取得金額】
  • 株式会社日伝は取得金額200百万円に相当する株式数を上限として要請を行う予定
  • 吉野ゴム工業株式会社は取得金額30百万円に相当する株式数を上限として要請を行う予定
  • 奥平パイプ興業株式会社は取得金額30百万円に相当する株式数を上限として要請を行う予定
  • 福栄鋼材株式会社は取得金額20百万円に相当する株式数を上限として要請を行う予定
  • JRC従業員持株会は取得金額135百万円に相当する株式数を上限として要請を行う予定


JRC(6224)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,000円~1,110円に決定し吸収金額は最大で約78.7億円、時価総額は約140.7億円になります。


親引けは基本的に想定通りに行われるようですが、JRC従業員持株会の取得金額が1.35億円のところ最大で0.29億円しか買わないようです。これはイメージが悪すぎますね。


またファンド出口案件のIPOに資金が入っていないため同社も苦戦する可能性が高いようです。


ベルトコンベヤー部品の設置や製造、販売において国内最大手となりますが株価設定が高いとの観測があります。上場規模に比べ利益が一桁億円のため欲張り過ぎの印象もあります。


大手初値予想900円~1,400円
修正値1,000円~1,200円
最終予想1,050円

※注目度B


業績を確認すると2024年2月期の連結予想を確認することができました。売上95.41億円となり前期比6.47%増、経常利益13.54億円となり前期比6.61%増となります。


四半期利益は9.10億円となり前期比9.64%増を予想しています。


公開価格が1,110円決定の場合の指標はEPS72.02からPER15.41倍、BPS339.65からPBR3.27倍になります。配当金が21円予定なので配当利回りが1.89%になります。


コンベヤ部品事業の他にロボットSI事業を行いますが、成長性は見込まれるものの業績に対し寄与度が低いと観測されています。


また、グロース市場よりもスタンダード市場がお似合いのようです。上場承認時から私も気になっていましたけどね。


参入障壁は高いと思いますが、現時点で業績に魅力がなく成熟業態のため成長性は感じられません。ファンド出口案件じゃなくても初値は飛ばないと思います。


上場後は海外展開も行うようですが現時点で勝算があるのかも微妙です。同社的には十分勝負できると判断しています。


上場日の8月09日前後にIPOがないため面白いかも?と思いましたがリスクのほうが大きいようです。抽選に参加される方はご注意ください!!


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興証券(共同主幹事)3,299,100株53.51%
みずほ証券(共同主幹事)2,435,200株39.50%
大和証券86,300株1.40%
SBI証券86,300株1.40%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券43,100株0.70%
岩井コスモ証券43,100株0.70%
松井証券43,100株0.70%
丸三証券43,100株0.70%
東海東京証券21,500株0.35%
楽天証券21,500株0.35%
岡三証券21,500株0.35%
マネックス証券21,500株0.35%


JRCのIPOもファンド売出し色が強い案件となっています。このパターンのIPOばかりになると利益が狙えません。割安水準の株価設定であればと考えています。


業績水準はそこそこですが事業的に投資家の資金が向かいにくいはずです。よく考えてIPO抽選に参加しておきましょう。


IPO当選後にキャンセルするとペナルティーがあるSMBC日興証券からの申込みだと当選確率が高いと思います。


IPOルールは下記記事でまとめています。主幹事を引受けることが多いため証券口座だけは開設しておきましょう!




VC売出し株案件が続いているためIPOよりも安定した利益を得たい方もいるかもしれません。そんな方は「不動産投資型クラウドファンディング」への投資は如何でしょうか?


上場企業が直接運営しているCREAL(クリアル)であれば四季報などで業績を確認しながら資産運用ができます。


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類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ニッタ(5186)PER8.97倍PBR0.70倍
NCホールディングス(6236)PER27.2倍PBR1.24倍
日伝(9902)PER17.13倍PBR0.88倍
※2023年7月25日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2022年2月14日~2030年1月31日889,560株340円
2022年2月14日~2030年1月31日287,740株340.2円
2024年2月25日~2032年1月31日261,600株340円
2024年2月25日~2032年1月31日267,720株341.5円
2025年2月27日~2033年1月31日106,000株488円
2025年2月27日~2033年1月31日62,580株496.4円


ストックオプション(新株予約権)は1,177,300株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数12,622,860株に対する新株予約権の割合は14.9%に相当します。新株予約権による潜在株式数は1,875,200株です。


JRC(6224)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

JRCのIPOは人気がなさそうです。ただ8月は上場する企業が少ないため資金が集まる可能性もあります。


株価設定などが割安であればIPO抽選に参加したいと思います。基本的に人気がないと考えているためスルーする可能性もあります。


JRC(6224)IPOのまとめ
※JRC公式サイト引用


ロボットSI事業は今後伸びるのかもしれませんが、2023年2月期の売上は全体の5.62%しかありません。


また、上場で得た資金はコンベヤ事業の設備資金に利用されます。何とも言えませんね。


株式は海外販売も行われるため海外引受に期待といった感じでしょうか。親引けも上場規模から考えると低く魅力が感じられません。


原材料の高騰については現時点でそれほど影響がなく、順次製品価格への転嫁を進めていくそうです。


競合は存在しますが、自社工場の自動化ノウハウや導入実績、保有特許等から優位性があると同社は考えています。


現在はインテグラルグループ(ファンド)から派遣されている役員がいますが、いなくなるとやや心配かもしれません。将来的に退任を想定しているそうです。


kimukimu

2020年1月にインテグラルが資本参加しています。利益がそこから伸びているため流石です。色々とあるでしょうけどね。



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