ダイバースファームがイークラウドで資金調達を行います。株式投資型クラウドファンディングを利用して上場(IPO)を目指すのではなくM&Aによるイグジットを将来的に行うようです。
面白みのある事業となっているため投資家目線で評価してみたいと思います。ダイバースファームは培養肉を扱い代替食品の開発を目指しています。
評判や口コミがかなり気になる企業だと思います。また培養肉は日本の食文化に大きな影響を与えると考えられます。
※イークラウド公式サイト引用
既に培養肉を使った料理の試作品が出来ているため、安全基準や法整備が整えば面白い投資先になると思います。
ただ大手食品関係企業の競合も存在すると個人的に考えています。小規模だからこそフットワークよく動くことも可能なのかもしれません。
メンバーには料理人や養鶏場の生産者、科学者、ビジネスマンなど多様なバックグランドを持ち合わせており、ワクワク感も感じます。
日本初のブランド培養肉を作る挑戦を応援したい方は投資を検討してみると面白そうです。ある程度実績が積み上がればイグジット(EXIT)の可能性は高そうです。
培養肉の基準が未整備の状況なのは気になりますが、誰かが日本の将来のためにきり開かないといけない市場だと思います。
ダイバースファームは何を改善できる企業なのか?食の安定的供給を目指す
世界中でサステナブルな代替食品の開発が進んでいます。日本は遅れていると考えられますが同社のように早期から取り組む企業も存在します。日本は輸入に頼っている部分が多く食品についても同じです。日本は後継者問題もあり農業・畜産・漁業についても多くの問題を抱えます。
※イークラウド公式サイト引用
イークラウド公式によれば、2050年には2005年時のタンパク質の約2倍の供給量が必要になる計算だそうです。
現在の農業・畜産業の在り方のままでは耕作可能な農地や水の確保が難しくなる試算が出ています。2025~2030年頃には需要と供給のバランスが崩れはじめるそうです。
そのためたんぱく質の元となる代替肉の開発が進められています。大きなビジネスチャンスだと同社は捉えているはずです。
※イークラウド公式サイト引用
一般的に浸透しているのは植物性代替肉になります。メディアでも既に報じられ大手ファストフードでも利用されています。
米ファストフードのマクドナルドでは既に植物性代替肉の販売も行われ、温暖化対策に結び付く期待があるそうです。
ただダイバースファームの場合は培養肉の方になります。
培養肉はタンパク質変換効率が高い食材になると言われ非常に効率の良い食材です。水や飼料、農地の利用量も抑えることが期待され、エネルギー使用量や温室効果ガス排出量を抑えることができるとされています。
この辺りは考え方の違いかもしれませんが、代替肉を量産し提供することができれば食関連のコストが下がる可能性があります。
これまで数年かかっていた肉の提供が数週間で提供可能になることも考えられています。
気候変動や紛争などのカントリー・リスクによる原材料供給への影響も受けにくいため期待できる市場と言えそうです。必要な分だけ生産することも可能なのでフードロス問題にも対応できそうです。
特長を考察するとネットモールド法がポイントだとわかる!
ダイバースファームの特長を調べると培養肉作製の独自技術というものがありました。再生医療由来の特許技術「ネットモールド法」を利用し、肉本来の食感に近い培養肉を開発(生産)しています。
※イークラウド公式サイト引用
ネットモールド法については深掘りしませんが、再生医療の研究者である大野次郎氏は再生医療ベンチャーのティシューバイネット創業、東京女子医科大学で細胞培養技術の共同開発などを行っているため専門家です。
その専門家が良いと思った手法なので評価が高いのでは?という期待があります。
ネットモールド法に関して、ダイバースファームはフード領域について実施許諾契約を締結済みとなっています。また、権利は大野次郎氏に帰属するそうです。
食肉以上に安全な環境で作成されるため、食肉に比べ有害な微生物等による汚染を避けることができ、食中毒のリスクが低くなるそうです。
良い話に聞こえますが、人間がさらに感染症などに対して弱くなりそうで怖い部分もありそうです。
この他の大きな特徴としては、ミシュラン1つ星の一流料理人である島村雅晴氏が共同創業者となっていることです。
8年連続ミシュランの星を獲得した日本料理店「雲鶴」の料理長となっています。
また主要メンバーは以下のようになります。各分野のプロフェッショナルから構成され、細胞培養の元となる動物のタネ細胞生産から料理の提供まで行える面白いビジネスとなっています。
※イークラウド公式サイト引用
資金募集段階のフェーズでは培養鶏肉の作製に着手しています。ニワトリの塊肉、及びひき肉の作製に成功しているとイークラウドで用意された動画で仰っています。
今後は鴨肉やフォアグラ、ウナギなどの実用化に向けた展開も検討していくそうです。
牛肉や豚肉などの代替肉も考えているようですが、まだ先になるようです。大量生産によるコストダウンやサイズの大型化などは、本格的に事業を勧めてからだと思います。
ダイバースファームの企業概要とバリュエーションを調べてみました
時代と共に食文化の変化が起きるのは当たり前ですが、再生医療を基にした食品は面白そうです。ただ再生医療自体もまだ開発がそれほど進んでいないようにも感じます。食肉と考えると単純に培養すればいいのかもしれませんが、なにかしら政府のお墨付きが今後必要になると思います。
長期的に考えると日本の場合は培養肉需要はあると思います。ただそれに伴い既存の「農業・畜産・漁業」などが衰退すると困ります。
この辺りはバランスが必要になりそうですね。
項 目 | その内容 |
商号 | ダイバースファーム株式会社 |
所在地 | 〒530-0043 大阪府大阪市北区天満一丁目18番17号 |
代表者 | 大野次郎 |
資本金 | 9,193,500円 |
発行可能株式総数 | 10,000,000株 |
発行済株式総数 | 149,200株 |
株価 | 2,200円 ※ECF時の株価 |
調達前時価総額 | 328,240,000円 |
設立年月日 | 2020年9月1日 |
決算期 | 12月 |
株主構成 |
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ECFは1株2,200円で募集されるため時価総額は約3.28億円になります。バリューションとしてはシード期の資金調達のため一般的だと思います。
市場の成長性は大きく2040年には約70兆円に培養肉市場が成長するそうです。記事作成時点では殆ど市場規模がありません。
世界の食肉市場は今後約20年でおよそ200兆円に拡大すると試算も出ています。現在は140兆円以下になるようです。
同社はその中で「培養肉のハイエンド市場」を目指し、日本品質を武器に世界における高級培養食品のプラットフォーマーを目指すそうです。
培養肉市場で「高級品」を目指す狙いがあるとは驚きです。日本の食品は世界で信頼されている部分があるためその辺りを利用するみたいですね。
ダイバースファームの口コミを調べてみました
Twitterでダイバースファームの口コミを調べてみました。目標募集額を既に上回っているため案件自体は成立する見込みです。投資家の意見も様々だと思いますが、将来的には期待できそうな分野だと思います。
イークラウドのダイバースファームに申し込みました! pic.twitter.com/axCUk0glEn
— がっと (@gatsan_desu) April 23, 2022
後、ダイバースファーム株式会社も個人的には気になる。培養肉はこれから人類の食文化を支えていくと思っているから応援したい企業。
— アッシュTK (@TK41518099) April 14, 2022
でもちょっとリスクが高いか気がします。
1日も経たずに、目標の応援数が集まっています🎉🙆(130%・117人)
— RYUSEI MAEDA👨🔬⚗️🧬|研究と教育の話が好きです (@ryusei_ohayou) April 24, 2022
インターン先の新規案件である、ブランド培養肉に挑戦する「ダイバースファーム」🧫
株式投資型クラファンという手段から、科学技術と社会の接点が新しく増えていく世界線は素敵です!
にしても、培養肉作製技術の奥が深い… pic.twitter.com/fSIY3aMA7w
調べると似たような事業に進出している企業も確認できたため培養肉の需要は見込めそうです。
同社の場合はブランド培養肉にこだわっているところがポイントだと思います。基準や法整備などは気になりますが、技術的なベースはできているようなので期待している投資家も多いようです。
また、気になっているけど出資まではどうかな?と考えている方もいるようです。
ダイバースファームのビジネスモデルと売上について調べました!イグジット計画あり
2022年4月現在の状況で日本国内では、培養肉の法律上の位置づけや安全基準にかかわる法制度が整備されていないそうです。培養肉販売の許認可整備後に販売を行うため売上による収益はまだ未定となります。イークラウド公式サイトでは「関係省庁との調整を進めている段階」と表記があります。
※イークラウド公式サイト引用
2022年はラボとパイロットプラントの建設となっているため投資を行うにはリスクが高いのかもしれません。既に事業が発信し提携先がある状況ではなさそうです。
一気に業績が拡大するタイミングを考察すると2025年の大阪万博になりそうです。培養肉の技術は成功していると思うので施設ができ上がれば問題ないでしょう。
同社は大阪万博で培養肉料理の提供を目指しているんですよね~
同社にキャッシュがいくらあるのかわかりませんが、ECFをイークラウドで行うため厳しい審査を受けているはずです。大和証券も関わる企業ですからね。
一番問題なのは「培養肉の製造・販売認可の取得」になると思います。法整備に時間がかかることも考えられると思います。
この辺りを同社に質問してみると良さそうですね。
※イークラウド公式サイト引用
M&Aによるイグジット(EXIT)を2026年~2029年の間で行うことを予定しているようです。
業績によっては上場(IPO)を行うことに変更してくるかもしれません。先にことはまだわからない状況だと思います。
共同開発者の島村雅晴氏は懐石料理「雲鶴」を開店していますが、父親が研究開発の仕事をしていたことに刺激を受け起業することを選択したようです。
料理人がなぜ培養肉の研究?と疑問でしたが納得できる材料がありました。
イークラウドについて詳しく知りたい方は下記記事が参考になると思います。代表取締役の波多江直彦氏にインタビューさせていただいています。
ちなみにオンラインで3回くらいお話をさせて頂いたことがあります。メディアにも出ている方なのでご存知の方も多いはずです。
株式投資型クラウドファンディングに「イークラウド」という企業が登場しました。そこで評判や評価などを考察し、投資を行う際のデメリットは何なのか考えてみました。既に投資を行っている投資家も多いと思います …
イークラウド(Ecrowd)代表取締役の波多江 直彦氏に直接インタビューをさせて頂きました。株式投資型クラウドファンディング(ECF)に興味があるけれど、まだ投資を悩んでいる方へ参考になる内容だと思います。 今回も普段お …
ダイバースファームに投資を行っても問題ないの?まとめ
同社は「生産農家 X バイオテクノロジー X 伝統料理技術」を組合わせたユニークなスタートアップ企業だと思います。第1段階として「雲鶴」で日本料理のコースとして培養肉の提供を行うそうです。
その後、高級店を中心とした飲食店に培養肉を提供し、最終的にはスーパーや専門小売店など一般消費者向けに販売を検討しています。
募集情報は下記のようになっています。
項 目 | その内容 |
募集株式の数(上限) | 普通株式45,000株 |
募集株式の払込金額 | 1株当たり2,200円 |
増加する資本金の額 | 1株当たり1,100円 |
増加する資本準備金の額 | 1株当たり1,100円 |
申込期間 | 2022年4月22日(金)~2022年5月07日(土) |
払込期日 | 2022年5月25日(水) |
目標募集額 | 1,494万9千円 |
上限募集額 | 9,900万円 |
手取金の使途 |
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昨今は世界で見ると食肉の消費量が増加しています。
原油の価格高騰などもあり食肉のコストが高まり販売価格も上昇しています。このような環境だからこそ代替肉が話題となり、培養肉の必要性も議論されているはずです。
地球全体では人口が増加傾向にあります。また、食料自給率が低い日本では注目されるビジネスだと思います。
※イークラウド公式サイト引用
ダイバースファームに投資を行う場合の事業リスクは以下の3点になります。
- 認可に関係するリスク
- 競合に関するリスク
- 開発の遅延リスク
最大の問題は培養肉の法律上の位置づけと安全基準でしょう。イークラウドがサーポートを行っていくと考えられるため早期にクリアーして頂きたいと思います。
夢がある事業だと感じますよね。企業収益が世の中にためになる素敵なビジネスなのかもしれません。
また、今回の株式投資型クラウドファンディング(ECF)には株主優待が設定されています。日本料理店「雲鶴」で培養肉コースの特別席が用意される予定です!!
※イークラウド公式サイト引用
完全予約制で優先的に株主1人あたり1回分の予約枠を用意するとあります。培養肉は記事作成時点で認可が降りておらず実現後の提供になります。
さらに、エンジェル税制が設定されており、所得税の優遇措置AまたはBが選択可能となっています。
過去にBS11やWBS(ワールドビジネスサテライト)でも取り上げられている企業です。日本経済新聞や毎日新聞、日本テレビやNHKなどのメディアでも取り上げられています。
面白いビジネスなので人気がありそうです。最近のECFは募集金額が低く設定され何とかクリアーさせようとしている感があります。
市場の状況的に出資する方が減っていると感じますが、ダイバースファームは面白みがありそうです。
新しい食文化のイノベーションに関心がある方は出資を検討してみると良いかもしれません。投資を行う前に投資家の質問事項をチェックしておくことをお勧めします!
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