Delta-Fly Pharma(4598)IPOが新規上場承認されました。デルタ・フライ・ファーマの主幹事はみずほ証券となり公開株数700,000株、オーバーアロットメント105,000株、市場から吸収する金額は約37.6億円となります。同社は創業系バイオベンチャー企業となり、業績は赤字体質となっています。


事業は「医薬品等の研究開発、製造、販売」となりますが、抗がん剤開発に特化した企業となります。バイオ系の企業は基本的に長い赤字に陥ることが多いと思いますが、中にはペプチドリーム(4587)のように業績がよい銘柄もあります。そーせいグループ(4565)のように赤字から黒字転換し、再度赤字になると捕まってしまい逃げることも難しくなります。


Delta-Fly Pharma(4598)新規上場と初値予想


バイオ系銘柄はある一部の投資家に人気ですが、難しい値動きをするので個人的に手出し無用です。IPOでは初値売却で利益が出せるのかだけ考えていたほうがよいでしょう。セカンダリーは難しいように思います。


Delta-Fly Pharma(4598)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種医薬品
事業内容医薬品等の研究開発、製造、販売
公開予定10月12日
ブックビルディング期間9月25日~10月01日
想定価格4,670円
仮条件4,570円~4,770円
公開価格10月02日
企業情報https://www.delta-flypharma.co.jp/


【手取金の使途】

上記の手取概算額2,996,980千円及び「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限451,122千円の合計手取概算額上限3,448,102千円については、平成31年3月期より平成33年3月期における開発パイプラインDFP-10917、DFP-11207、DFP-14927及びその他のパイプラインの研究開発費、人件費及び経費にそれぞれ充当する予定であります。具体的には以下のとおりです。

①DFP-10917(がん細胞周期調節作用):臨床第Ⅲ相試験の研究開発費として、平成31年3月期に324,000千円、平成32年3月期に525,000千円、平成33年3月期に457,000千円を充当。

②DFP-11207(がん細胞代謝調節作用):臨床第Ⅱ相、第Ⅲ相試験の研究開発費として、平成31年3月期に32,000千円、平成32年3月期に318,000千円、平成33年3月期に291,000千円を充当。

③DFP-14927(抗がん剤高分子デリバリー):臨床第Ⅰ相試験の研究開発費として、平成31年3月期に24,000千円、平成32年3月期に120,000千円、平成33年3月期に435,000千円を充当。

④その他のパイプライン:前臨床、臨床第Ⅰ相試験の研究開発費として、平成31年3月期に46,000千円、平成32年3月期に140,000千円、平成33年3月期に638,102千円を充当。

⑤人件費及び経費:開発体制の強化、特許関連費用等として、平成31年3月期に10,500千円、平成32年3月期に34,500千円、平成33年3月期に53,000千円を充当。

※なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する予定です。



項目株数データ
公募株数700,000株
売出株数0株
公開株数(合計)700,000株
オーバーアロットメント105,000株
上場時発行済み株数4,305,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約201億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
SMBC日興証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
auカブコム証券 ←後期型抽選
SBI証券
いちよし証券
エース証券
岩井コスモ証券 ←後期型抽選
藍澤證券
香川証券


Delta-Fly Pharma(4598)上場評判とIPO分析

想定発行価格4,670円を基に吸収金額を算出すると約32.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約37.6億円規模の上場となります。上場規模は荷もたれ感があり、基本的にIPOにおいて敬遠されるバイオ銘柄になります。ただ、一時期バブルがありその後は業績による値動き感が強いようです。


一般的な医薬品の研究開発プロセスには、新しい開発化合物を探索する「基礎研究」、実験動物等を用い開発化合物の有効性及び安全性を確認する「前臨床試験」、患者への投与により有効性及び安全性を確認する「臨床試験」の段階があります。


また、開発の進捗にあわせた製造規模と品質確保のため、原薬・製剤にかかる製造法開発も随時行う必要があります。医薬品の販売承認を取得するには、これらの品質や有効性及び安全性にかかる膨大な試験データに基づき、各国の規制当局に対し承認申請を行い、審査を受ける必要があります。


この結果、一つの医薬品を開発するためには、約10~15年に亘る長い期間と数十億円~数百億円に到る大規模な資金が必要になるそうです。医薬品開発は、承認に到るまでの各段階において、試験データや事業環境の変化等から開発中止に到るリスクが大きく、世界の製薬会社や創薬ベンチャー企業にとっては、研究開発プロセスの効率化と開発リスク低減が大きな課題となります。


Delta-Fly Pharma(4598)上場評判


同社の開発商品は5つあり、がん細胞周期調節作用(DFP-10917)、がん免疫機能調整作用(DFP-14323)、がん細胞代謝調節作用(DFP-11207)、抗がん剤高分子デリバリー(DFP-14927)、核酸医薬デリバリー(DFP-10825)となっています。


抗がん剤開発へ特化した事業体制をとり、種々の工夫や組み合わせで副作用を少なくして、治療効果を改善できる可能性が極めて高い領域を得意としています。安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供する企業として、事業領域を抗がん剤開発としているようです。


Delta-Fly Pharma(4598)IPO開発商品


同社は研究開発のマネジメント業務に集中し、具体的な業務については、外部の研究開発受託会社や製造受託会社に委託する形で研究開発を進めています。独自のモジュール創薬により新規抗がん剤候補物質を探索し、前臨床試験及び臨床試験を実施し、製薬会社に対し医薬品の開発権及び販売権等を許諾して提携関係を構築し、事業を推進する方針だそうです。


収益は当面の間、提携製薬会社からの収入になります。一般的に、研究開発の段階においては、「契約一時金」、「マイルストーン」及び「開発協力金」を受け取ります。さらに、将来、提携対象の製品が上市に至った場合には、売上高に応じた「ロイヤリティ」の収入を受け取る予定になります。


Delta-Fly Pharma(4598)IPOの取引先

Delta-Fly Pharma(4598)の企業財務情報と配当性向

回次第7期第8月分期
決算年月平成29年3月平成30年3月
事業収益902,046150,000
経常利益又は経常損失323,286△244,505
当期純利益又は当期純損失305,106△246,268
資本金967,5001,117,500
純資産額768,762822,493
総資産額968,229864,145
1株当たり純資産額222.51228.15
1株当たり当期純利益金額又は当期純損失金額88.31△71.20
自己資本比率(%)79.495.2
自己資本利益率(%)49.5
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△251,582100,042
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,020
財務活動によるキャッシュ・フロー△6,792292,724
現金及び現金同等物の期末残高387,885781,250
※数値は千円単位


第9期第1四半期累計期間(平成30年4月01日~平成30年6月30日)
事業収益-円
営業損失105百万円
経常損失104百万円
四半期純損失105百万円


当社では、がん患者の高齢化が進む中、安心して身内のがん患者にも勧められる治療法を提供することを目指して、「モジュール創薬」に基づく研究開発に取り組み、着実に臨床開発を前進させました。

抗がん剤候補化合物DFP-10917は、臨床第Ⅲ相試験の主要評価項目をCR率(Complete Remission rate)として、治験責任医師や生物統計解析専門家との協議を重ね、プロトコールを作成しFDAに提出しました。抗がん剤候補化合物DFP-14323は、臨床第Ⅱ相試験を国内で開始し、第1症例の登録ならびに治験薬の投与が開始されました。抗がん剤候補化合物DFP-11207は、臨床第Ⅱ相試験を開始する前の段階として、食事の影響試験を進め、症例登録を完了しました。また、抗がん剤候補化合物DFP-14927は、三洋化成工業㈱との共同開発に基づき、米国での臨床第Ⅰ相試験に向けて治験薬製造の準備を進めました。



Delta-Fly Pharma(4598)従業員と株主の状況

会社設立は2010年12月06日、徳島県徳島市川内町宮島錦野37番地の5に本社を構えます。社長は江島淸氏(昭和24年8月20日生まれ)、株式保有率は20.64%です。従業員数は11人で平均年齢46.7歳、平均勤続年数4.3年、平均年間給与5,557,211円となります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
江島 淸775,00020.64
京大ベンチャーNVCC1号投資事業有限責任組合770,00020.51
ヤクルト本社437,50011.65
三菱UFJキャピタル3号投資事業有限責任組合225,0005.99
イノベーション・エンジン三号投資事業有限責任組合192,5005.13
ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合150,0003.99
三洋化成工業150,0003.99
※株主上位7名の状況


【目論見抜粋】

本募集に関連して、貸株人である江島淸並びに当社株主である京大ベンチャーNVCC1号投資事業有限責任組合、株式会社ヤクルト本社、三菱UFJキャピタル3号投資事業有限責任組合、イノベーション・エンジン三号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル4号投資事業有限責任組合、ディーアイティー・パートナーズ株式会社、みずほ成長支援投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル2号投資事業有限責任組合、協和化学工業株式会社、富士製薬工業株式会社、飯塚健蔵、和田洋巳、福島正和、坂田久美子、株式会社阿波銀行及び江島京子は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後90日目の平成31年1月9日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。



上位株主には90日間(平成31年1月09日まで)のロックアップが付与されており、ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍となります。ベンチャーキャピタル保有株が多くロックアップ解除後の値動きには注意が必要です。ヤクルト本社(2267)や三洋化成工業(4471)などの上場企業も株主名簿に名前があります。


Delta-Fly Pharma(4598)IPO大手初値予想と各社配分

仮条件は4,570円~4,770円に決定し、想定発行価格が中間となります。下限方向に広げられると考えていましたが、予想に反して上限方向にも広げられています。仮条件上限による市場からの吸収額は約33.4億円、オーバーアロットメントを含めて約38.4億円となります。


2019年3月単体業績予想は売上33.3%増、経常利益7.4億円の赤字(前期2.44億円の赤字)となります。大きな赤字に陥るようです。EPSは-188.32という数値になり、PERは算出できません。BPSは715.09となりPBR6.67倍となります。


初値予想4,670円~5,000円

初値予想(第2弾)4,770円~5,200円


IPOが盛り上がっていない状況が続いているため、何とも言えない銘柄ですが、初値は公開価格を超えてくる可能性はあります。個人的にはSBI証券のIPOチャレンジポイント狙いになります。機関投資家のヒアリングが良かったのは、VC保有率が高いから?といった理由でないことを願いたい。もしくは主幹事のムリクリ?


バイオ系の銘柄は難しいので、申し込みは控えたいと考えています。


幹事名配分単位(株)
みずほ証券(主幹事)602,000
SMBC日興証券35,000
三菱UFJモルガン・スタンレー証券21,000
SBI証券7,000
いちよし証券7,000
エース証券7,000
岩井コスモ証券
7,000
藍澤證券7,000
香川証券7,000


類似企業PER
PBR
ナノキャリア(4571)PER-倍PBR4.88倍
シンバイオ製薬(4582)PER-倍PBR2.83倍
ソレイジア・ファーマ(4597)PER-倍PBR3.75倍


当選狙いはみずほ証券からでしょうか。案外申込む方は少ないと思われるため、SMBC日興証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券、いちよし証券あたりでも当選期待ができそうです。


資金があれば後期型抽選のauカブコム証券岩井コスモ証券なども良いかと思います。株数はそれほど多くありませんが、1枚あたりの単価が大きい銘柄のため申し込みには気を付けましょう。


SMBC日興証券IPO抽選ルール完全版


auカブコム証券IPO抽選ルール


Delta-Fly Pharmaのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
平成28年2月25日~平成33年2月25日120,000800
平成28年2月25日~平成33年2月25日30,000800


ストックオプションはすべて行使期限を迎えており150,000株存在します。付与対象者が「当社取締役」となっているため基本的に売却はされないかと思われます。


Delta-Fly Pharma(4598)IPO私見と申し込みスタンス

Delta-Fly Pharma(デルタ・フライ・ファーマ)は現在のところ様子見になります。今期の業績予想がどのようになっているのかわかったのちに判断したいと思います。第一四半期開示時点では事業収益が計上できていないため、四半期予想を見ないと何ともいえません。


大手予想も参考にしたいと思いますが、株数的にはいけそうな気もします。仮条件の引き上げなどが行われれば機関投資家からの需要は高いと思います。株主に上場企業の名前があるのは安心感につながりますが、やはり業績や今後の見通しでしょう。


日本新薬ではDFP-10917の独占的特許実施許諾、協和化学工業ではDFP-14323の独占的特許実施許諾などライセンス契約が今後収益と結びついてきそうです。がんは人類の課題ですが、すでに2人に1人が発症すると言われています。世の中に必要な企業ですが、市場で評価されるのは業績です。


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