Chordia Therapeutics[コーディアセラピューティクス](190A)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。前回承認時は黒字でしたが今期はまた赤字転落となっています!


主幹事はSBI証券が務め公開株数9,100,000株、オーバーアロットメント1,365,000株です。上場規模は想定発行価格153円から計算すると約16.0億円になります。


Chordia Therapeutics[コーディアセラピューティクス]IPOが上場承認
※Chordia Therapeutics公式サイト引用


IPOでは不人気の創薬系企業です。前期黒字予想だったので上場タイミングを逃がしたと言えそうです。


しかも今は地合いが良いとは言えませんからね。


2024年はバイオIPOに多少資金が入っているため投機資金が向かうことに期待したいと思います。単価が低いためIPOに参加する方は多いと思います。


ベンチャーキャピタル出資が多いため上場も株価が軟調になりそうな気がします。何か隠れた材料に期待したいところです。


Chordia Therapeutics(190A)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日6月14日
市場グロース市場
業種医薬品
事業内容RNA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等
ブックビルディング5月30日~6月05日
想定価格153円
※前回承認時は150円
仮条件143円~153円
公開価格153円
初値結果255円(公開価格1.67倍)
企業情報https://www.chordiatherapeutics.com/
監査人有限責任あずさ監査法人
手取金の使途運転資金として自社で臨床試験を実施している抗がん薬化合物CTX-712にかかる開発業務委託費用に充当する予定


項目株数データ
公募株数9,100,000株
売出株数0株
公開株数(合計)9,100,000株
オーバーアロットメント1,365,000株
上場時発行済み株数65,543,800株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約100.3億円
幹事団SBI証券(主幹事)
野村證券
みずほ証券
あかつき証券
岩井コスモ証券
岡三証券
極東証券
東洋証券
広田証券
松井証券
丸三証券
水戸証券
楽天証券
委託見込SBIネオトレード証券
岡三オンライン
DMM.com証券


Chordia Therapeutics(190A)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格153円を基に吸収金額を算出すると約13.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約16.0億円規模の上場となります。


同社は新規抗がん薬の上市を目指して研究開発を行う創薬ベンチャー企業です。


未だに満たされていない医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)の高いがん領域で、これまでになかった新しい作用機序を有する低分子の画期的医薬品の研究開発が主要な事業内容となっています。


マネジメントと研究業務(探索研究、前臨床研究、臨床研究)、特に候補化合物の探索や評価、最適化、臨床試験に事業が集中しています。


また、外部協力先が得意な業務、中でも基礎研究や原薬や製剤の製造や製剤、販売などは各外部協力先に委託するという形を取ってビジネスを進めています。


Chordia Therapeutics[コーディアセラピューティクス]IPOの業績
※有価証券届出書引用


同社は効率的な創薬事業を実現するために、大学や公的機関、事業補完性のある企業、製薬会社などと積極的に共同研究やライセンス提携などの協業を行い、より短い期間で効率的に新しい抗がん薬の創出に取り組んでいます。


事業開発の基本戦略は、パイプライン上市への確率が高まったタイミングで日本国外の販売権についてライセンス交渉を行うそうです。


また、第2相臨床試験の結果を確認できるタイミングでライセンス交渉を行うことが最適なタイミングだと考えているようです。


Chordia Therapeuticsのパイプライン概要
※有価証券届出書引用


パイプラインは2つの臨床パイプライン(CLK阻害薬、MALT1阻害薬)に加え、1つの前臨床研究段階のパイプライン(CDK12阻害薬)、探索研究段階のパイプライン2つ(GCN2阻害薬、新規パイプライン)の合計5つのパイプラインを保有しています。


そのうちMALT1阻害薬は全世界での開発及び商用化の権利を小野薬品工業株式会社に導出し、その他のパイプラインは全世界での権利をChordia Therapeuticsが有しています。


収入形態は当面の間、ライセンス契約に基づく提携企業からの収入を想定しています。


ライセンス契約の収入には「契約一時金」「開発マイルストン収入」「販売マイルストン収入」「ロイヤリティ収入」があります。


Chordia Therapeuticsの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


2020年12月に小野薬品工業株式会社との間で全世界におけるCTX-177の独占的ライセンス契約を締結しています。


2020年12月に8億円の契約一時金受取り、2023年2月に初回開発マイルストンとして25億円を受取っています。今後最大で496億円のマイルストーンと売上高に応じたロイヤリティに期待できるそうです。


先のことはわかりませんが投資材料にはなりそうです。


Chordia Therapeutics(190A)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2017年10月12日、神奈川県藤沢市村岡東二丁目26番地の1に本社を構えます。代表取締役は三宅洋氏(1970年6月25日生まれ)、株式保有率は6.12%(3,930,000株)です。※新株予約権を含む


従業員数21人で臨時雇用者2人、平均年齢45.82歳、平均勤続年数3.73年、平均年間給与11,036,290円です。


セグメントは医薬品事業のみの単一セグメントです。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
武田薬品工業株式会社9,453,400株14.71%
イノベーション京都2016投資事業有限責任組合7,954,800株12.38%
New Life Science 1号投資事業有限責任組合6,598,600株10.27%
日本グロースキャピタル投資法人5,052,800株7.86%
ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合4,615,600株7.18%
当社従業員17名4,286,000株6.67%
MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合4,210,800株6.55%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には90日間(2024年9月11日まで)、180日間(2024年12月10日まで)、360日間(2025年6月08日まで)のロックアップが付与されています。


ロックアップ解除倍率の記載は目論見にないため設定なしになります。ベンチャーキャピタル出資分も解除条項なしになります。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは以下のようになります。3社合計で4.5億円~5億円を予定しています。


  • 武田薬品工業株式会社が取得金額2億円を上限として要請予定
  • 株式会社メディパルホールディングスが取得金額2億円を上限として要請予定
  • New Life Science 1号投資事業有限責任組合が取得金額5,000万円を上限に要請予定※最大1億円まで増額される可能性がある


Chordia Therapeutics(190A)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が143円~153円に決定し上場による吸収金額は最大で約16.0億円、時価総額は約100.3億円になります。


目論見には、仮条件の下限80%~上限120%以下で「115円以上183円以下」の範囲内で発行価格を決定するとあります。ただし引受価額は会社法上の払込金額(121.55円)以上の価額になります。


もしかすると不人気なら仮条件範囲以下で公開価格が決定する場合もありそうですね。どうやら現在もIPOに資金が回らず地合いが良くないみたいです。


親引け分を差し引くと11億円程度の吸収になるため深刻な状況とは言えませんが、何しろ主幹事鞍替え案件の再承認ですからね。


前回主幹事の野村證券が幹事入りしているため揉めたわけではなさそうですが、今回は短期筋を好むネット証券の顧客層も心配です。儲からないとわかればすぐに手放す可能性が高そうです。


ということは公開価格割れの場合は悲惨な結果となる可能性もないとはいえません!


大手初値予想150円~200円
修正値140円~160円
最終予想150円

※注目度B


業績を確認すると2024年8月期の単独予想を確認することができました。売上は前期25億円から0になります。経常利益は前期2.25億円から-22.78億円の赤字転落です。


四半期利益は前期2.23億円から-22.80億円の赤字予想が出ています。


公開価格が153円決定の場合の指標はEPS-40.40からPERは計算不可、BPS52.87からPBR2.89倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


Chordia Therapeutics[コーディアセラピューティクス]のIPOは警戒している投資家が多いため波乱はないかもしれませんが、初値で利益を狙える感じがしないため個人的には運試しでSBI証券からの申込みに抑えておきたいと思います。


kimukimu

アストロスケールホールディングス(186A)の上場で地合いが一変する可能性もあるけどここは慎重に行きたいと思います!



同社は将来は製薬会社への転身も狙っているそうですけど現時点での評価は低そうです。


仮条件発表の時間も遅かったので色々気になります。今のタイミングで上場しないとより資金繰りが悪化するのかもしれませんね。


幹事名割当株数引受割合
SBI証券(主幹事)7,735,000株85.00%
野村證券455,000株5.00%
みずほ証券455,000株5.00%
あかつき証券45,500株0.50%
岩井コスモ証券45,500株0.50%
岡三証券45,500株0.50%
極東証券45,500株0.50%
東洋証券45,500株0.50%
広田証券45,500株0.50%
松井証券45,500株0.50%
丸三証券45,500株0.50%
水戸証券45,500株0.50%
楽天証券45,500株0.50%


前回承認時よりも想定ベースで約12.8億円スリム化されています。上手く上場できることを願うしかありません。


それと前回承認時は野村證券主幹事でしたが今回はSBI証券となっています。違和感がありますよね。


IPOには当選しやすくなりましたが営業力はネット証券なので劣るはずです。ただIPOに参加する方は多いと予想できます。


また、SBI証券の委託販売でSBIネオトレード証券でも取扱いがあると思います。入金不要でIPO抽選に参加できるため運試しで申込む方もいそうです。


当選すれば記念になりまからね。IPOルールは下記記事でまとめています!





SBIグループになったROBOPROでETF投資を始めてみませんか?公式サイトに驚きの実績が掲載されています。


スマートフォンがあれがAI予測による投資が可能になるサービスです。投資した後はほったらかしでOKです。リバランスも自動で行います。AI予測などについてまとめてみたので下記記事が参考になると思います。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
NANO MRNA(4571)PER-倍PBR3.51倍
カイオム・バイオサイエンス(4583)PER-倍PBR5.17倍
ノイルイミューン・バイオテック(4893)PER-倍PBR0.94倍
※2024年5月30日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
新株予約権発行の取締役会決議の日後2年を経過した日から10年を経過する日まで1,190,000株36円
新株予約権発行の取締役会決議の日後2年を経過した日から10年を経過する日まで40,000株36円
新株予約権発行の取締役会決議の日後2年を経過した日から10年を経過する日まで100,000株36円
2021年6月28日~2031年6月27日2,796,000株52円
2021年6月25日~2051年6月25日460,000株1円
2023年6月25日~2031年6月15日1,549,000株50円
2023年6月25日~2031年6月15日150,000株50円
2024年10月15日~2032年10月14日1,412,000株68円
2024年10月15日~2032年10月14日110,000株68円
※前回承認時から変更なし


ストックオプション(新株予約権)は6,285,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数56,443,800株に対する新株予約権の割合は13.8%に相当します。新株予約権による潜在株式数は7,807,000株です。


発行済株式総数と潜在株式数を合計した株式数に対する割合だと12.2%になります。


Chordia Therapeutics(190A)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

Chordia Therapeutics(190A)のIPOは面白半分で申込む方も多い気がします。


SBI証券だと取引手数料も無料なので気楽に取り組めそうです。ただ利益が出るのかはわかりません。


Chordia Therapeutics[コーディアセラピューティクス]IPOのまとめ
※Chordia Therapeutics公式サイト引用


同社は現時点で製品売上による利益を安定的に計上するステージにはありません。


パイプラインで最も進んだものでも第1相なのでこれから資金が莫大に発生すると考えられます。


元々、武田薬品が処分しようとしたパイプラインを守るために設立された企業だと観測されているため期待しないほうが良いかもしれません。


前回承認時が約28.8億円の吸収で今回が約16.0億円なのでスリム化されています。それでも創薬ベンチャーは危険かもしれません。


VC出資の多くが137.5円みたいなので仮条件でこのラインを攻めてくる可能性もありそうです。前回承認時はVCのロックアップ解除1.5倍以上となっていましたが今回は設定されていません。


kimukimu

一応、ダウンラウンド案件になり直近だと237.5円から大きく割り引かれています。



全体的に弱気な印象を受けます。主幹事SBI証券は店頭系証券とは顧客層が異なるためやや不安なところもありそうです!


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