南海化学(4040)のIPOがスタンダード市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。前身の南海硫肥株式会社からだと創業116年以上経過しています。


主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数626,300株、オーバーアロットメント93,900株です。上場規模は想定発行価格1,660円から計算すると約12.0億円になります。


南海化学(4040)が上場承認
※南海化学公式サイト引用


沿革確認では1920年2月に和歌山株取引所に上場しています。


その後、中山製鋼所と合併、また激増する需要に対応するため中山製鋼所から分離され南海化学工業として設立されています。


中山製鋼所グループの一員として成長していたところ、2013年3月に保有する同社株式の売却方針が決定され、同社経営陣によりMBOが実施されています。


中山製鋼所(5408)と共に成長してきたようですが、最終的には処分されたのかもしれません。中山製鋼所の株価も当時はかなり下げているようです。


南海化学(4040)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日4月20日
市場スタンダード市場
業種化学
事業内容化学工業薬品、農薬、医薬部外品及び食品添加物の製造・販売、産業廃棄物の収集、運搬及び中間処理に関する事業、並びに、塩の製造、加工、販売に関する事業
ブックビルディング4月05日~4月11日
想定価格1,660円
仮条件1,660円~1,740円
公開価格1,740円
初値結果2,533円(公開価格1.46倍)
企業情報https://www.nankai-chem.co.jp/
監査人仰星監査法人
手取金の使途全額を設備投資資金に充当する予定


項目株数データ
公募株数600,000株
売出株数26,300株
公開株数(合計)626,300株
オーバーアロットメント93,900株
上場時発行済み株数2,330,330株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約38.7億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事)
野村證券
SBI証券
楽天証券
松井証券
岩井コスモ証券
岡三証券
マネックス証券
あかつき証券
委託見込岡三オンライン
DMM.com証券


南海化学(4040)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,660円を基に吸収金額を算出すると約10.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約12.0億円規模の上場となります。


創業は1906年にまでさかのぼり、化学品メーカーとして出発しています。


現在は、様々な製品の基礎原料として使われる苛性ソーダや殺菌、消毒に使われる次亜塩素酸ソーダをはじめとする「基礎化学品事業」、酢酸ナトリウムやグルコサミンをはじめとする「機能化学品事業」、


土壌殺菌剤として使われる農薬クロルピクリンをはじめとする「アグリ事業」、廃硫酸のリサイクルを中心とする「環境リサイクル事業」、塩の加工・販売に関する「各種塩事業」の5事業を展開しています。


関係会社は、南海化学及び国内外の連結子会社6社、持分法適用関連会社2社で構成されています。


南海化学(4040)の業績
※有価証券届出書引用


売上の半分は基礎化学品になり、塩水の電気分解により生成される苛性ソーダを中心に、併産される塩素や水素を活用した各種製品の製造販売を行います。


具体的には水資源関連・医療・食品等の分野で漂白や殺菌、中和用に利用されるクロール・アルカリ製品、浄化槽やプール水及び魚肉の解体場、食品工場等の衛生管理に利用される塩素系殺菌・消毒剤、工場排水や下水排水などに利用される水処理凝集剤などがあるそうです


新たなラインナップとして重亜硫酸ソーダ、含鉄バンドの取扱拡大も行います。


南海化学IPOの売上高と沿革
※有価証券届出書引用


商社経由あるいはメーカー直販の商流になり、原料メーカーや中間製品メーカーといった製造業を中心に提供しています。


製品の特性上、又は輸送コストの観点から遠隔地への供給には適していないものが多く、関西地方を中心に供給を行うそうです。


南海化学(4040)の販売実績
※有価証券届出書引用


各種塩事業は連結子会社のエヌエムソルトが行います。


オーストラリアやメキシコから輸入した原塩(天日塩)を洗滌などの加工工程を経て、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造しています。


国内有数の梅干しの原産地である和歌山県南部地区の梅干加工業者や、全国の食品メーカーをはじめとした各種メーカーに販売しています。


また、融雪塩として道路を維持管理する団体などに販売しているそうです。


2022年3月期の売上比率では化学品事業81%、各種塩事業が19%になっています。


南海化学(4040)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は1951年6月26日、大阪市西区南堀江一丁目12番19号に本社を構えます。代表取締役社長執行役員は菅野秀夫氏(1957年11月16日生まれ)、株式保有率は1.47%(20,000株)です。


従業員数199人で臨時雇用者0人、平均年齢47.4歳、平均勤続年数8.9年、平均年間給与6,756,000円です。連結従業員数は304人です。


セグメント別従業員数は化学品事業230人、各種塩事業28人、全社共通46人となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
南海化学従業員持株会76,000株5.59%
東亞合成株式会社70,000株5.15%
ソーダニッカ株式会社63,000株4.63%
土居 弘子58,124株4.28%
大中物産株式会社54,516株4.01%
不動恒産株式会社52,800株3.88%
根岸運送株式会社50,000株3.68%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年10月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


親引けは取得金額70百万円に相当する株式数を上限として、南海化学従業員持株会が引受け先となる予定です。


南海化学(4040)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,660円~1,740円に上振れし吸収金額が最大約12.5億円、時価総額は約40.5億円です。


成熟業態のスタンダード銘柄、期待の配当金も少なく投資妙味は低いと思います。株価設定が低かったせいか仮条件が上振れしています。


だからと言って多くの方は投資したいと思わないでしょう。


ダウンランド案件観測が出ているため上値の期待はあるかもしれませんが、初値で買いたい投資家が少ないかもしれません。短期筋も個人投資家が好まない事業のため期待できないでしょう。


原油などのコスト増なども今後あるかもしれませんし、急いで買われるよな銘柄ではないと思います。


大手初値予想1,700円~2,000円
修正値1,800円~2,000円
直前予想1,850円

※注目度C


業績を確認すると2023年3月期の連結予想を確認することができました。売上193.84億円となり前期比11.19%増、経常利益7.84億円となり前期比9.50%増となります。


四半期利益は4.96億円となり前期比7.36%増を予想しています。


公開価格が1,740円決定の場合の指標はEPS385.86からPER4.51倍、BPS4,045.47からPBR0.43倍になります。配当金は15円予定されているため配当利回り0.86%になります。


大手情報によれば実質PERが6.6倍~6.9倍になるとのことです。競合比較では割安のため公開価格を超えてくるようです。


上場規模が小さいため何とかなりそうな気もしますが、私は積極的に申込みは行いません。


中山製鋼所(5408)から独立した企業になりますが、中山製鋼所の配当利回りが株価924円で6%弱あるため気が進みません。


主幹事とSBI証券からの申込みにとどめておきたいと思います!


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興証券(主幹事)564,100株90.07%
野村證券18,700株2.99%
SBI証券12,500株2.00%
楽天証券6,200株0.99%
松井証券6,200株0.99%
岩井コスモ証券6,200株0.99%
岡三証券6,200株0.99%
マネックス証券3,100株0.49%
あかつき証券3,100株0.49%


個人投資家にはあまり人気がない銘柄のようです。


他の銘柄との兼ね合いを考えブックビルディングに参加したいと思います。予想配当金が高ければ参加のスタンスでしょうか。


当選を狙うのであればSMBC日興証券からの申込みでよさそうです。平幹事から積極的に申込むようなIPOでもなさそうです。IPOルールについては下記記事でまとめています!




相場が下落貴重なのでETF投資をはじめるチャンスかもしれません。積立を行っていれば中長期だと利益が狙えるはずです。過去の相場が物語っています。


ドコモユーザーの方だとdポイントを貰えるためTHEO+docomoがお勧めです。1万円からETF投資ができます。


ドコモユーザーじゃなくても利用価値はあると思います!私は他社ユーザーですが利用しています。詳しくは下記記事で説明しています。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
東ソー(4042)PER8.59倍PBR0.76倍
大阪ソーダ(4046)PER9.16倍PBR1.12倍
ソーダニッカ(8158)PER11.82倍PBR0.70倍
※2023年4月05日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数払込金額
2021年7月11日~2029年6月27日77,500株2,072円


ストックオプション(新株予約権)は77,500株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数2,330,330株に対する新株予約権の割合は3.2%に相当します。新株予約権による潜在株式数は目論見表記の73,500株で計算しています。


南海化学(4040)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

南海化学のIPOはスルーしてもよさそうです。


南海化学(4040)IPOのまとめ
※南海化学公式サイト引用


MBO以前は、化学品のシナジーを生かしたプロダクトアウト型となっていましたが、現在は顧客ニーズ寄りのマーケットイン型の企業へ企業体質を転換しているそうです。


顧客に近接した工場立地、硫黄や水素などの原料を自社製造できるコスト競争力を強みに発展を行うそうです。


また、原材料価格や用益費の急激な増加を如何で吸収し、製品単価へ適正に転嫁することが収益確保につながると考えているようです。これは急務だと思います。


環境に貢献する新規ビジネスによる成長分野の確立にも取り組むそうです。


IPOとしては人気がないため地合いを考慮した抽選申込みになると考えています!!


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