住信SBIネット銀行(7163)のIPOがスタンダード市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。実は2022年3月24日に上場する予定でしたが中止となっていた案件です。


主幹事は野村證券やSBI証券など5社が務め、公開株数41,468,400株、オーバーアロットメント6,220,200株となります。上場規模は想定発行価格1,260円から計算すると約600.9億円です。


前回の承認では約1,328.2億円を調達予定でしたが大幅に削られています!!


住信SBIネット銀行のIPOが再承認
※住信SBIネット銀行公式サイト引用


再承認では公募が行われず全て売出しとなっています。グローバルオファリングとなっていますが前回承認時と比べ吸収金額が半減しています。


東証プライム市場であれば大きな吸収になるはずがスタンダード市場なので仕方がないのかもしれません。それでも大型ですけどね。


時価総額も想定ベースで3,000億円から1,900億円になりましたが上場するようですね。しかも混雑している3月29日に上場予定となっています。


割安であれば投資を行いしばらく寝かせておけば利益が出るかもしれません。この辺りも考えて投資を行いたいと思います。


前回の承認記事は下記になります。上場規模などを比較してみると面白いと思います!!

住信SBIネット銀行の上場データと初値予想を考察


住信SBIネット銀行(7163)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日3月29日
市場スタンダード市場
業種銀行業
事業内容インターネット専業銀行
ブックビルディング3月14日~3月17日
想定価格1,260円
※前回承認時は1,920円
仮条件1,200円~1,260円
売出価格1,200円
初値結果1,222円(公開価格1.02倍)
企業情報https://www.netbk.co.jp/contents/
監査人有限責任あずさ監査法人
手取金の使途記載なし


項目株数データ
公募株数0株
売出株数41,468,400株
国内売出株式数29,546,400株
海外売出株式数11,922,000株
公開株数(合計)41,468,400株
オーバーアロットメント6,220,200株
上場時発行済み株数150,793,800株
想定ベースの時価総額約1,900億円
幹事団野村證券(共同主幹事)
SBI証券(共同主幹事)
ゴールドマン・サックス証券(共同主幹事)
大和証券(共同主幹事)
UBS証券(共同主幹事)
SMBC日興証券
シティーグループ証券
BofA証券
アイザワ証券
岩井コスモ証券
岡三証券
極東証券
東洋証券
松井証券
みずほ証券
委託見込LINE証券
SBIネオトレード証券
CONNECT
岡三オンライン
DMM.com証券


住信SBIネット銀行(7163)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,260円を基に吸収金額を算出すると約522.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約600.9億円規模の上場となります。


同社グループは住信SBIネット銀行と連結子会社6社及び持分法適用関連会社1社で構成されています。


主にモバイルアプリ・インターネットをチャネルとした預金業務・貸出業務等の銀行業務、クレジットカード業務、BaaS(Banking as a Service)事業等の金融サービスを提供しています。


セグメントは「デジタルバンク事業」と「BaaS事業」の2つになります。


住信SBIネット銀行IPOの業績推移
※有価証券届出書引用


デジタルバンク事業は、主にモバイルアプリ・インターネットをチャネルとした預金業務・貸出業務等の銀行業務、クレジットカード業務等の金融サービスを提供しています。


2007年の営業開始以降、モバイルアプリ・インターネットを用いて個人・法人顧客にフルバンキングサービスを提供しています。


昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大によるキャッシュレス化やデジタル化の流れの加速も受け、2022年12月に預金口座数が590万口座を突破しています。


また、2022年12月末に住宅ローン累計取扱高が8.9兆円を突破しています。


住信SBIネット銀行(7163)の事業内容
※有価証券届出書引用


BaaS事業は、銀行が手掛ける預金、貸出、決済などの金融機能を提携先に提供するものになります。


同社が手掛けるBaaS事業は2020年にサービス提供を開始したもので、同社の銀行サービス機能の中から提携先の課題解決に必要な銀行機能を、APIなどのFinTechの機能を活用してスムーズに提携先に提供する事業です。


ビジネスモデルは提携先を通じて開設された顧客口座数に応じたアカウント手数料を、同社が提携先から毎月受け取る一方で、同社銀行サービス提供を通じて提携先の顧客から得た金融収益の一部を提携先に還元するビジネスモデルです。


BaaS事業は提携先の顧客、提携先、そして住信SBIネット銀行にそれぞれ「Win・Win・Win」の関係を生み出すビジネスモデルになるそうです。


住信SBIネット銀行(7163)のデータバンク事業
※有価証券届出書引用


前回承認時から1年程度が経過し業績を比較してみるとかなり伸びています。


業績面の心配は現在ないと言えそうです。今期の業績予想を確認しIPO抽選に申込むのか決定したいと思います。


結局、機関投資家が積極的に参加するスタンスであれば個人投資家が追随する流れになると思います!プライム市場に上場できないことが残念ですよね。


住信SBIネット銀行(7163)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は1986年6月03日、東京都港区六本木一丁目6番1号に本社を構えます。社長は円山法昭氏(1965年5月12日生まれ)、株式保有率は0%です。


三菱UFJ銀行やSBIホールディングス、アルヒ株式会社などにお勤めの略歴を確認できました。アルヒ株式会社(SBIモーゲージ)は現在も代表取締役会長執行役員CEOになるようです。株式会社テミクス・データの取締役会長も現任されています。


従業員数531人で臨時雇用者140人、平均年齢38.1歳、平均勤続年数4.4年、平均年間給与7,947,000円です。連結従業員数は683人で臨時雇用者は168人です。


連結のセグメント別従業員数はデジタルバンク事業607人(臨時165人)、BaaS事業76人(臨時3人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
三井住友信託銀行株式会社75,396,900株50.00%
SBIホールディングス株式会社75,396,900株50.00%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年9月24日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


前回承認時よりも上場による売出し株が減っているため、ロックアップが解除された後に売ってくる可能性もありそうです。


親引けはありません。


住信SBIネット銀行(7163)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,200円~1,260円に下振れしたことで人気のなさが伺えます。吸収金額は最大で約600.9億円、時価総額約約1,900.0億円になります。


前回承認時よりも大幅に株価が引き下げられ、海外配分率も引き下げ、そして公募も行われない状況となっています。どこに買われる要素があるのか?と個人的に疑問です。


さらに前回承認時は東証1部上場で今回はスタンダード市場になります。プライム市場への直接上場であれば需給不安はなかったかもしれませんが、旧東証2部にあたるスタンダード市場では消化不良となる可能性があります。


既に某紙では売り気配濃厚なのでは?との観測まで出ています。さらに上場中止(延期)も考えられるかもしれません。


アメリカでは銀行が破綻し日本でも銀行株が売られています。地合い最悪の状況で600億円以上も集めなければならないため幹事は厳しいと感じているかもしれません。


身近な投資家の話では営業の電話もかかってきているそうです。タイミング的にゆうちょ銀行の公募増資(PO)もかなり酷い状況のようです。


株価設定は類似企業比較で割安との観測が出ています。今となっては多少割安でもリスクを取りたくない投資家が多いのかもしれません。


大手初値予想1,200円~1,400円
修正値1,200円~1,300円
再修正1,000円~1,200円
直前予想1,140円

※注目度S、再修正は3月22日に追記、直前予想の1,140円は幹事引受け価格


業績を確認すると2024年3月期の連結予想を確認することができました。経常収益は確認できませんでしたが経常利益だと340.00億円となり前期218.07億円から55.91%増となります。


四半期利益は234.00億円となり前期145.46億円から60.87%増となります。業績が好調のため上場後に見直し買いとなる可能性もありそうです。


公開価格が1,260円決定の場合の指標はEPS128.65からPER9.79倍、BPS838.21からPBR1.50倍になります。配当や株主優待の設定は現時点で決まっていません。


状況的に機関投資家も関心があまりないとの観測があるようです。増益傾向にあるにもかかわらず市場は不人気観測なんですよね。


一番の問題は銀行株が直近で売られまくっていることでしょう。業績面の評価はできると思いますが公開価格前後で発進するのであればわざわざIPOで買う理由がありません。


金利上昇により銀行株が上がり、そして米国の銀行破綻で急激に銀行株が売られているため、割安設定の株価でも躊躇する方が多いはずです。


ブックビルディング期間中に前向きになるような材料が出ればと考えています。主幹事構成からは期待できますが今回も上場タイミングが悪いようです!!


幹事名割当株数引受割合
野村證券(共同)9,770,000株33.07%
SBI証券(共同)9,386,000株31.77%
ゴールドマン・サックス証券(共同)118,000株0.40%
大和証券(共同)9,386,000株31.77%
UBS証券(共同)118,000株0.40%
SMBC日興証券156,000株0.53%
シティーグループ証券29,000株0.10%
BofA証券29,000株0.10%
アイザワ証券79,200株0.27%
岩井コスモ証券79,200株0.27%
岡三証券79,200株0.27%
極東証券79,200株0.27%
東洋証券79,200株0.27%
松井証券79,200株0.27%
みずほ証券79,200株0.27%


当選を狙うのであればどこから申込んでも配分の見込みがありそうです。人気化すればと思いますがスタンダード市場に上場するため指数関係のインデックス需要が見込めないはずです。


将来は東証プライム市場に昇格すると思います。ただIPO時に公開価格を超えてくる力があるのか?と感じます。


株価設定が前回に比べ大幅に下げられていることは好感します。と言っても旧東証2部にあたるスタンダード市場ですからね。


引受幹事も前回に比べ増えています。店頭で欲しい方は大量に貰うことも出来ると思います!


また、SBIネオトレード証券で申込んでみると当選できるかもしれません。資金不要でIPO抽選に申込めるため資金効率は良いと思います!面白そうですねよね。


IPOルールは下記記事にまとめています!




LINE証券やCONNECT(コネクト)でも取扱いがあると思うので申込んでみると当選できるかもしれません。売買手数料を考えるとネット証券やスマホ証券のほうがメリットが高いと思います。


CONNECTだと売却時に無料配布のチケットを利用すれば株式手数料を無料にできます。大和証券が幹事入りするとIPOを取扱います。


こちらもIPOルールをまとめています。当選確率は野村證券とSBI証券が高いはずです。SBI証券も手数料プランをデフォルトから変更すれば手数料面でメリットがありますよね。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ゆうちょ銀行(7182)PER13.03倍PBR0.45倍
SBI新生銀行(8303)PER11.53倍PBR0.49倍
セブン銀行(8410)PER15.38倍PBR1.24倍
※2023年3月14日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
該当事項なし-株-円


ストックオプション(新株予約権)はありません。


ベンチャーキャピタル出資もありません。上場前の株主は三井住友信託銀行とSBIホールディングスの2社のみです。


住信SBIネット銀行(7163)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

住信SBIネット銀行のIPOはスタンダード市場への上場になるため利益を考えると微妙です。


プライム市場に直接上場できないことで機関投資家などから本格的に買われない可能性もあります。


住信SBIネット銀行IPOのまとめ
※住信SBIネット銀行公式サイト引用


インターネット専業銀行になり最大手です。ネット専業銀行としてはこれまで上場した銘柄はないはずです。


銀行株はどこもしばらく前から上昇傾向にあります。それにコロナ禍によりキャッシュレス決済が追い風となり同社の業績を押し上げています。


金利上昇も追い風ですよね。収益的にはBaaS事業を伸ばしていく必要があると思いますが、現時点でメイン事業が拡大し続けている状況です。


スタンダード市場で600億円以上の吸収ができるのか見ものです。IPO的には消極的な参加になるのでは?と考えています。機関投資家の動向は後日確認し追記します!


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