AnyMind Group(エニーマインドグループ)[5027]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。2022年3月30日に上場を予定していましたが中止となっていた再承認案件です。
主幹事はみずほ証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が共同で務めます。公開株数2,689,500株、オーバーアロットメント403,400株と上場規模もそこそこ大きいようです。
上場による吸収金額は想定発行価格970円から計算すると約30.0億円になります。前回の上場承認時は99.8億円だったのでかなり絞ってきました!!
※エニーマインドグループ公式サイト引用
赤字上場になり人気業態と考えても初値は厳しいと思います。2022年12月の業績予想では営業損失が-2.13億円となるそうです。
売上は増加傾向にありますが、エンジニア及び営業人員への先行投資を行っているため赤字になるようです。これを強気と考えて良いのかわかりませんが、初値ではあまり人気が見込めないかもしれません。
同社はブランドコマース領域におけるワンストップソリューションの強化を行い、国内向けのサービスだけでなく、海外クリエイターや法人クライアントに対する支援も行います。
上場承認時の情報では13ヶ国で事業を行っています。アジア市場での収益が見込めると考えており上場後も同じスタンスで取り組むようです。
設立から3年弱のスピード上場承認になりますが、一度も黒字化したことはないようです。前回承認時よりは上場内容が良くなっていますが今期も第3四半期開示情報だと赤字みたいですね。
AnyMind Group(エニーマインドグループ)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 上場中止 ※2022年2回目の承認取消し、12月15日に上場を予定していました |
市場 | グロース市場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | ブランド企業向けマーケティング支援、パブリッシャー及びクリエイター向け収益化支援、D2C支援に関するプラットフォームとサービスの開発・提供 |
ブックビルディング | 11月30日~12月06日 |
想定価格 | 1,150円→ 970円 |
仮条件 | 970円~1,000円 |
公開価格 | 1,000円 |
初値結果 | 未 |
企業情報 | https://anymindgroup.com/ja/ |
監査人 | PwCあらた有限責任監査法人 |
手取金の使途 | 事業拡大のための人件費 |
項目 | 株数データ |
公募株数 | 885,300株 |
売出株数 | 1,804,200株 |
公開株数(合計) | 2,689,500株 |
オーバーアロットメント | 403,400株 |
上場時発行済み株数 | 56,986,200株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約552.8億円 |
幹事団 | みずほ証券(共同主幹事) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同主幹事) SBI証券 松井証券 SMBC日興証券 岩井コスモ証券 岡三証券 |
委託見込 | 岡三証券 auカブコム証券 |
AnyMind Group(エニーマインドグループ)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格970円を基に吸収金額を算出すると約26.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約30.0億円規模の上場となります。新興市場では荷もたれ感が強い吸収金額です。売出株は代表者の十河宏輔氏とベンチャーキャピタル複数社などになっています。
同社グループはブランド構築や生産管理、メディア運営、ECサイト構築・運営、マーケティング、物流管理等のソリューションをワンストップで支援するプラットフォームを提供しています。
地域別売上収益比率を確認すると日本45%、東南アジア40%、インド・中華圏等のその他地域14%となっています。

※有価証券届出書引用
AnyMindグループは13ヶ国(地域)において事業展開を行い、マーケティング支援とパブリッシャー及びクリエイターを軸に、EC戦略やECサイト構築運用、生産管理、物流管理に至るまでを提供します。
法人クライアントや個人の事業支援を行うテクノロジーカンパニーになります。
同社プラットフォーム上で様々なデータを活用し、一気通貫で事業支援を行える特徴があります。利用者はビジネスをよりシンプルに行えるようになります。

※有価証券届出書引用
同社はインターネット関連事業の単一セグメントになりますが「ブランドコマース」「パートナーグロース」の2つの領域を行います。
ブランドコマース領域では、インフルエンサーマーケティング等のマーケティングに加えて、ECとD2C領域を中心にブランドの設計・企画を行います。
また、生産管理やECサイトの構築・運用、物流管理に至るまでのバリューチェーン全体を「ブランドコマース」と定義し、その各プロセスでサービスを提供しています。

※有価証券届出書引用
パートナーグロース領域では、インターネットメディアやモバイルアプリ運営事業者などのパブリッシャーやクリエイターを中心とするパートナーに対して、データ解析や収益化支援、ユーザーエンゲージメント向上支援を行っています。
この2つの事業の他には「その他」があり、タイ国で従業員の勤怠管理ツール提供やエンジニア人材等の採用支援を行う人事部門向けソリューションの運営を行っています。
AnyMind Group(エニーマインドグループ)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2019年12月26日、東京都港区六本木六丁目10番1号に本社を構えます。社長は十河宏輔氏(1987年4月07日生まれ)、株式保有率は37.21%%(23,400,000株)です。従業員数8人で臨時雇用者0人、平均年齢34.6歳、平均勤続年数2.6年、平均年間給与9,100,000円です。連結従業員数は1,271人で臨時雇用者は0人です。
セグメントはインターネット関連事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
十河 宏輔 | 23,400,000株 | 37.21% | ○ |
小堤 音彦 | 6,000,000株 | 9.54% | ○ |
株式会社SMBC信託銀行 | 4,260,000株 | 6.77% | ○ |
JATF VI (Singapore) Pte. Ltd. | 4,171,800株 | 6.63% | ○ |
JAFCO Asia Technology Fund VII Pte. Ltd. | 3,023,400株 | 4.81% | ○ |
JIC ベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 2,463,100株 | 3.92% | ○ |
JPインベストメント1号投資事業有限責任組合 | 1,799,700株 | 2.86% | ○ |
上位株主には360日間(2023年12月09日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
売出人やベンチャーキャピタル等に対しては180日間(2023年6月12日まで)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率設定なしとなっています。
さらに、売出人の「JATF VI (Singapore) Pte. Ltd.」「JAFCO Asia Technology Fund VII Pte. Ltd.」は180日間のロックアップと発行価格の1.5倍以上のロックアップ解除設定が設けられています。双方とも1,352,100株が上限となります。
上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
親引けは行われません。
AnyMind Group(エニーマインドグループ)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が想定発行価格を下限として決定し970円~1,000円となりました。上場規模は最大約30.9億円、時価総額569.9億円になります。
再承認案件でありVC保有株が多い銘柄です。完全スルーでも良いと思っていますが上場内容が改善しているため、初値だけなら多少期待できそうです。
材料はインパクトがある内容が目論見に書かれています。
アセットマネジメントOneが最大で7億円相当の株式を購入すると関心表明を行っています。このような材料を見かけることが少ないため「何なのか?」と調べると拘束力のない関心表明となっています。
裏返せば買わない選択肢もあると言うことでしょう。
某紙情報ではアセットマネジメントOneはみずほ系の機関投資家となっています。現在は資本関係がないそうですが過去を知っている投資家には印象が良いとは言えないようです。
雰囲気的には主幹事のみずほ証券が「割らせない?」と言った覚悟が伺えます。30.9億円の上場で三菱UFJモルガン・スタンレー証券との共同主幹事という材料もあります。
修正値1,100円~1,200円
※注目度A
業績を確認すると前回承認と同じで赤字となっています。ただ業績が改善しているため来期は黒字化も見えてきそうです。
最新の業績発表は2022年12月期の連結会社予想になり、売上収益245.89億円となり前期比27.72%増、営業利益-1.32億円となり前期-2.13億円から赤字額が減ります。
四半期利益は-2.00億円となり前期-8.09億円から大幅に赤字縮小の予想となっています。営業損益の改善が目立ちます。
公開価格が1,000円決定の場合の指標は赤字のためPERは算出不可、BPS213.06からPBR4.69倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
類似企業も赤字が多くある程度は赤字が許容されるのかもしれません。個人的にはさわりたくないIPOだと考えていますが割れない意見もあるようです。割れたら主幹事のメンツがつぶれそうですからね。
同日上場のスマートドライブ(5137)のほうが面白そうではあるが多少気になる銘柄です。リスクある銘柄だと思うので程々に参加しておきたいと思います。
上場承認時よりもイメージが良いと個人的に考えています!!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
みずほ証券(共同) | 1,741,600株 | 64.76% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同) | 827,200株 | 30.76% |
SBI証券 | 53,700株 | 2.00% |
松井証券 | 20,100株 | 0.75% |
SMBC日興証券 | 20,100株 | 0.75% |
岩井コスモ証券 | 13,400株 | 0.50% |
岡三証券 | 13,400株 | 0.50% |
先行投資の部分が多いと思いますが赤字企業は嫌われます。人気があるとは考えていませんが、当選を狙うのであれば主幹事のみずほ証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの申込みを優先しておきましょう。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券のほうが個人投資家に優しいイメージがあります。特に店頭だと配分の可能性が高いでしょう。また委託経由でauカブコム証券でも取り扱が期待できます。
後期型抽選なので気になる方は申込んでおきましょう。抽選参加と購入申込の2段階が必要なのでとりあえず抽選に参加しておくことも可能です。岩井コスモ証券も同様に後期型抽選になります。
抽選参加後に利益が見込めないと思ったら購入申込を行わなければ良いだけです!
auカブコム証券のIPOルールを詳しく調べてみました。同社は三菱UFJフィナンシャル・グループなので基本的には三菱UFJモルガン・スタンレー証券引き受け分をauカブコム証券に回します。 …
株式で利益を狙えない時は他の取引で楽しむこともできます。ヒロセ通商だと取引数によりにより食品などを頂くことができます。
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
プレイド(4165) | PER-倍 | PBR9.80倍 |
Appier Group(4180) | PER-倍 | PBR6.46倍 |
Birdman(7063) | PER37.00倍 | PBR19.34倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
普通株式が金融商品取引所に上場された日から4年間 | 1,440,600株 | 81円 |
普通株式が金融商品取引所に上場された日から4年間 | 61,800株 | 81円 |
2022年12月29日~上場後4年間を経過した日まで | 1,594,800株 | 81円 |
2022年12月29日~上場後4年間を経過した日まで | 152,400株 | 81円 |
2022年9月30日~上場後4年間を経過した日まで | 93,600株 | 81円 |
2022年9月30日~上場後4年間を経過した日まで | 27,600株 | 81円 |
2021年12月01日~2028年11月30日 | 2,594,400株 | 81円 |
普通株式が金融商品取引所に上場された日から4年間 | 349,200株 | 1円 |
2023年7月15日~上場後4年間を経過した日まで | 7,200株 | 195円 |
2024年10月07日~2032年9月21日 | 167,400株 | 885円 |
2024年10月07日~2032年9月21日 | 206,400株 | 885円 |
2024年10月07日~2032年9月21日 | 84,000株 | 885円 |
新株予約権による潜在株式数は6,779,400株となっています。また、発行済株式総数及び潜在株数の合計62,880,300株の10.8%に相当するそうです。
潜在株数が多く投資妙味はあまり感じられません。
AnyMind Group(エニーマインドグループ)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
AnyMind Group(エニーマインドグループ)のIPOは消極的参加になると思います。唯一無二的な何かがあれば良いのですが上場ゴール感があります。上場規模後前回の3分の1以下にしても人気が見込めるのか微妙です。
![AnyMind Group(エニーマインドグループ)[5027]IPOの評価](https://ipokimu.jp/wp-content/uploads/2022/02/798ab5f0e42205dcd6ee54a90fa69695.jpg)
※エニーマインドグループ公式サイト引用
Saasやサブスクリプションのビジネスではないため赤字状態で投資を行うには不安があります。
また、取引先の多くが年度末に予算配分を行うことが多く、年度末に売上収益が集中する傾向にあるそうです。日本国内とインドは主に3月、その他海外では12月に売上収益が集中するそうです。
さらに、各国の現地通貨で資産・負債を保有しているため、連結財務諸表を作成する場合は現地通貨を円換算する必要があるそうです。為替予約等は行っていないそうです。
そのため地政学リスクなどによる為替の影響も多少考えておいたほうがよさそうです。個人的にはあまり乗り気にならないIPOだと感じています。
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