テクノロジーズ(5248)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。2023年1月上場の銘柄が発表されました。


主幹事は東洋証券が務め公開株数700,000株、オーバーアロットメント105,000株です。上場規模は想定発行価格950円から計算すると約7.6億円になります。


テクノロジーズ(5248)IPOが上場承認
※テクノロジーズ公式サイト引用


同社は映像ソフトウェア開発やAIといった技術領域、そしてソフトウェアサービスの提供を行っている企業です。


企業向けSaaSビジネスも行っていますが、こちらはこれから成長していくと考えられます。同社もSaaS事業の早期事業拡大が重要な課題だと認識しているようです。


上場承認時の売上確認では勢いがあるようには感じられません。


ただ2023年上場の承認第1号のため人気が見込めそうです。2022年の第1号はウクライナ問題で期待外れとなりましたが、2023年はIT企業かつ上場規模が小さいため公開価格を超える可能性は高いと思います。


業績水準は低いけれど人気があると思います!


テクノロジーズ(5248)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日1月26日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容映像ソフトウェア制作、AI等デジタル技術に関連したシステム開発、人材派遣会社向け業務管理システムの提供
ブックビルディング1月11日~1月17日
想定価格950円
仮条件900円~1,000円
公開価格1,000円
初値結果3,650円(公開価格3.65倍)
企業情報https://technologies-group.co.jp/
監査人監査法人銀河
手取金の使途
  • 採用費及び人件費
  • 広告宣伝費及び販売促進費


項目株数データ
公募株数300,000株
売出株数400,000株
公開株数(合計)700,000株
オーバーアロットメント105,000株
上場時発行済み株数2,715,400株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約25.8億円
幹事団東洋証券(主幹事)
SBI証券
東海東京証券
マネックス証券
楽天証券
極東証券
松井証券
岩井コスモ証券
水戸証券
あかつき証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


テクノロジーズ(5248)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格950円を基に吸収金額を算出すると約6.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.6億円規模の上場となります。


同社は事業持株会社になり、テクノロジーズと連結子会社1社(株式会社Cotori)の合計2社で構成されています。ゼグメントはITソリューション事業とSaaS事業にわかれています。


ITソリューション事業では、エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発、AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発の領域における受託開発、及び金融自動売買システムの販売を行っています。


グループ従業員の約80%が技術者であり、技術者が持つ経験やナレッジを活かし、総合的な視点にたった顧客の価値を創出するITサービスを提供しています。


テクノロジーズ(5248)の業績
※有価証券届出書引用


エンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発では、企画から映像ソフトウェア開発や組込まで、一貫したワンストップ体制でエンターテイメントに関連する映像ソフトウェア開発を中心に行っています。


3Dデジタルサイネージ、プロジェクションマッピング、アパレルAR(仮想)試着アプリ、3Dアニメ映像制作といったソフトウェアの開発を行うそうです。IPOでは人気が見込めそうなキーワードがたくさん含まれています。


AI等のデジタル技術を利用したシステム・アプリケーション開発では、AI等のデジタル技術を利用した、顧客企業のサービスや業務システム等の開発を行っています。


同社グループは、AI(人工知能)分野における認識・解析・提案の技術に強みを持っているそうです。


実績としては「自動車自動運転アプリ開発」「自動車遠隔制御システム開発」「ライブ配信アプリ開発」などがあります。


テクノロジーズIPOの強み
※有価証券届出書引用


金融自動売買システムの販売では、自社開発の金融自動売買システム「SAZANAMI SYSTEM」の販売を行います。


為替取引において、過去のデータを基にバックテストを実施し一定のアルゴリズムを事前設定することで、自動で為替取引がされるシステムです。


売切り型の製品になり販売後のシステム更新等は行っていないそうです。企業経営オーナーや富裕層を中心とした顧客向けに販売を行っているそうです!


テクノロジーズIPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


SaaS事業では、自社プロダクトとして、SaaSの開発・提供を行っており同社が販売及びカスタマーサポート業務を行います。


また、子会社のCotoriが開発・保守・メンテナンス等の業務を行っています。主として顧客企業からクラウドで提供するサービスの対価を利用期間に応じて受領する仕組みだそうです。


売切り型ではなく、継続的なサービスの提供を前提としているため、継続的に収益が積み上がっていくストック型のビジネスモデルとなっています。


同時に新規契約数の増加により高い成長を目指せるビジネスモデルだそうです。


上場時点の主力はITソリューション事業です。2022年1月期売上だと売上の97.3%を占めています。ITソリューション事業はわずか2.7%となります!


テクノロジーズ(5248)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2014年8月05日、東京都中央区東日本橋二丁目7番1号フロンティア東日本橋5階に本社を構えます。社長は良原広樹氏(1982年7月02日生まれ)、株式保有率は60.01%(1,449,600株)です。


従業員数9人で臨時雇用者0人、平均年齢31.8歳、平均勤続年数1.3年、平均年間給与3,251,000円です。連結従業員数は45人になります。


連結のセグメント別従業員数はITソリューション事業36人、SaaS事業7人、全社共通2人です。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
良原 広樹1,449,600株60.01%
石原 慎也317,800株13.16%
伊藤 繁三231,600株9.59%
畠山 学228,800株9.47%
株式会社エコ革154,800株6.41%
宮内 駿32,800株1.36%×
※全株主6名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年7月24日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


伊藤繁三氏だけ90日間(2023年4月25日まで)のロックアップが別にあります。こちらもロックアップ解除倍率の設定はありません。


宮内駿氏が保有する32,800株は全て売出株として売却されます。親引けは行われません。


テクノロジーズ(5248)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲は900円~1,000円に決定し想定発行価格を中心に上下に50円幅で決定しています。吸収金額は最大で約8.0億円、時価総額約27.2億円となります。


株価設定は類似企業比較でかなり割高との観測が出ています。業績水準も低く上場後しばらくすれば公開価格割れとなる可能性も指摘されています。


イメージ的には短期筋がいなくなると株価がダダ下がり状態になるようですね。来期業績が良ければ多少長持ちするかもしれませんが、主幹事が中堅であることもデメリットとなっています。


2023年第1号のIPOだからこそ注目され資金が入る予想となっています。販売先も遊技機関連メーカーとなっており、業績安定となるのか微妙なところです。


また、ベンチャーキャピタル出資がないことは好感されます。なんだかんだで初値は高くなると思うので公募組はIPOを手に入れることができればまとまった利益が出ると思います。


大手初値予想1,800円~2,200円
修正値2,500円~3,000円
直前予想3,000円

※注目度B


業績を確認すると2023年1月期の連結予想を確認できました。売上10.51億円となり前期比33.21%増、経常利益1.51億円となり前期比147.54%増となります。


四半期利益は0.69億円となり前期比14.81%減となります。特別損失により減益となるようです。


公開価格が1,000円決定の場合の指標はEPS28.70からPER34.84倍、BPS251.40からPBR3.98倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


SaaS事業に期待したいところですが売上拡大となっていも解約率が高く事業自体は赤字となるようです。2023年第1号のIPOでなければ初値1.5倍~2倍程度を期待するような銘柄でしょう。


東洋証券のネット口座ではIPO抽選に参加できないため、店頭組の当選確率は高いかもしれません。数年に1度のIPOのために証券口座を開設する方も少ないと思います。


主幹事の場合はネット口座から申込めるはずでしたが今回は対応していません。証券会社のスタンスが伺えます。


割高感があっても上場1日目には初値が付かないとされています。スマサポ(9342)のように一旦上に行くことができればセカンダリーにも資金が入りそうです。


個人的にはナイアガラやジリ貧状態だけは避けてほしいところです。続くIPOまで間が開くため物色される可能性は高いと思います。ただリスクある投資なのでセカンダリーに参加される方は気を付けてください!


幹事名割当株数引受割合
東洋証券(主幹事)581,000株83.00%
SBI証券42,000株6.00%
東海東京証券14,000株2.00%
マネックス証券14,000株2.00%
楽天証券14,000株2.00%
極東証券7,000株1.00%
松井証券7,000株1.00%
岩井コスモ証券7,000株1.00%
水戸証券7,000株1.00%
あかつき証券7,000株1.00%


業績の伸びはあまり確認できませんがIPO的には好まれる事業だと思います。グループ企業では15年以上の開発実績があるとされていますが、利益1億円には届いていないようです。


上場規模も小さいが業績水準も低く、これから成長すると考えられます。


主幹事が東洋証券のため公募組は絶望だと思います。私も証券口座を開設していましたが利用しない日が1年経過するとどうやら強制的に解約となるようです。


通帳に出金されている金額があり証券口座が無くなっていることで気が付きました。そのため主幹事なしでブックビルディングに参加することになりそうです。


当選する可能性が低く抽選に参加する前から落選だと考えています。


マネックス証券が幹事上位にあるため少しだけ期待しておきたいと思います。公募組はみな同じ考えでしょうね。IPOルールは下記記事にまとめています。




株式投資型クラウドファンディングを行うイークラウドで口座開設キャンペーンが行われています。詳しくは下記記事でまとめています。


未上場企業の株主になり企業成長を楽しむことができます。大和証券グループのサポートがあるためイグジット期待もできそうです。2022年はイグジット銘柄が出ています!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
モルフォ(3653)PER-倍PBR1.33倍
フィーチャ(4052)PER55.98倍PBR6.39倍
ポーターズ(5126)PER14.43倍PBR4.94倍
※2023年1月11日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
該当事項なし-株-円


ストックオプション(新株予約権)は該当事項なしとなっています。


ベンチャーキャピタル保有株はありません。


テクノロジーズ(5248)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

テクノロジーズIPOは文句なしで参加する予定です。


売上8億円程度の企業が約7.6億円の吸収には好感が持てませんが、初値だけなら利益が狙えると思います。公募組は似たような考えでしょうね。


テクノロジーズ(5248)IPOのまとめ
※テクノロジーズ公式サイト引用


受託開発ソフトウェア市場を考えると市場全体としては拡大傾向にあります。


目論見にはデロイトトーマツグループテクノロジー企業成長率ランキングで「2021年日本テクノロジーFast50」を受賞したとあります。投資材料にはなりそうですがどうでしょうか。


上場後はITソリューション事業で取引先を拡大させながら、SaaS事業による契約件数の獲得が急がれます。収益から考えると上場費用も重荷となりそうです。


仮にSaaS事業が失敗するとさらなるステージへの成長は難しそうです。


為替取引の自動売買システムの売切りなどはどうなんでしょうね。そんなの世の中にたくさんありますからね。仮想通貨決済システムもあるようです。


目論見では成長期にあると確認できる情報がありました!


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