unerry(ウネリー)[5034]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。業績急拡大のタイミングで上場し黒字化予定となっています。
主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数467,600株、オーバーアロットメント70,100株です。上場規模は想定発行価格1,170円から計算すると約6.3億円になります。
この規模であればセカンダリーも期待できるかもしれません!
※ウネリー公式サイト引用
unerry(ウネリー)は主にリテールDXやスマートシティ領域でリアル行動ビッグデータを活用し、マーケティングや街づくりに必要なサービスを提供しています。
店舗ファシリティや支払・セルフ操作端末、AI(人工知能)ソリューションが主要サービスになります。
特にAIソリューションは来店客や店内の画像解析や基幹データの活用の展開が進み、2030年には2019年対比で4.5倍の市場規模になる見通しだそうです。
そのため同社領域サービスも拡大すると見込まれています。大手企業との取引も確認できることから、ビーコンプラットフォームや業務効率性の高いプロダクト開発の需要が見込めそうです。
IPOでは人気の情報通信業ですし、上場規模が小さいため個人投資家を中心に盛り上がりそうです!!
unerry(ウネリー)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 7月28日 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 人流データによるビッグデータプラットフォームの運営、小売・メーカー・自治体へのデータ分析や広告サービスの提供 |
ブックビルディング | 7月12日~7月19日 |
想定価格 | 1,170円 |
仮条件 | 1,170円~1,290円 |
公開価格 | 1,290円 |
初値結果 | 3,000円(公開価格2.33倍) |
企業情報 | https://www.unerry.co.jp/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 140,000株 |
売出株数 | 327,600株 |
公開株数(合計) | 467,600株 |
オーバーアロットメント | 70,100株 |
上場時発行済み株数 | 3,526,400株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約41.3億円 |
幹事団 | SMBC日興証券(主幹事) SBI証券 みずほ証券 いちよし証券 楽天証券 岩井コスモ証券 松井証券 極東証券 マネックス証券 丸三証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
unerry(ウネリー)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格1,170円を基に吸収金額を算出すると約5.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.3億円規模の上場となります。unerryは創業者かつ代表の内山英俊氏が、将来企業がオムニチャネルに関心を持ち、今後ビーコンが重要なツールとなると考えたことから発足しています。
シェアする位置情報サービスを提供するIoTプラットフォームを作り事業を開始したようです。沿革ではコカ・コーラボトラーズジャパンと業務提携し、NTTデータや三菱商事と資本業務提携を行っています。
実社会のデータを解析し、リアルとデジタルが融合した環境知能社会を実現するためのリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」を運営する企業と目論見にあります。
主にリテールDXやスマートシティの領域でリアル行動ビッグデータを活用し、マーケティングや街づくりに必要なサービスを提供しています。
※有価証券届出書引用
サービスの内容を確認すると「分析・可視化サービス」「行動変容サービス」「One to Oneサービス」の3サービスで顧客体験を向上するDXを一元的に提供していました。
分析・可視化サービスの「ショッパーみえーる」等では、収集した位置情報データをもとに、小売事業者、商業施設運営事業者、消費財メーカー、自治体等それぞれのニーズに応じてカスタマイズした行動分析レポートを提供しています。
これらを基にリアル行動データを活用したDX推進の支援、スマートシティや店作り等の参考となる各種分析を行います。
行動変容サービスでは小売事業者や消費財メーカー等に対し、リアル行動ビッグデータのAI解析により来店可能性が高い顧客群と商圏を発見します。
また、当該顧客群を中心にSNSや動画等で情報を配信することで、消費者等の行動変容を促す広告サービスを提供しています。
※有価証券届出書引用
One to Oneサービスでは、主に小売事業者や商業施設運営事業者等向けに、オリジナルアプリの開発や統合マーケティング基盤を構築して、1人1人へのパーソナル体験を届けるシステムソリューション全般を支援しています。
同社はリアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank®」を運営し、1.1億IDのGPSデータ・ビーコンデータにより、屋外と屋内の行動を把握しているそうです。
月間300億件以上のログ、210万個のビーコンと反応した網羅的なデータを保有しています。※2022年5月時点
国内ではオープンプラットフォームで大規模なビーコンネットワークを構築しており、生活者の行動をリアルタイムに捉えることが可能だそうです。
※有価証券届出書引用
その他の特徴では、リアル行動データを意味付ける独自開発のAI群と、データを活用したデジタルマーケティングの豊富なノウハウで顧客の売上高向上を実現しています。
主に「ショッパーみえーる」導入顧客がサクセスするための上位サービスをクロスセルする仕組みを構築し、三菱商事や電通、コカ・コーラボトラーズジャパン等の業務提携や共同事業推進などを行い好循環を生みだしているそうです。
同社の収益はリカーリング性の高い安定収益となっています。
そのため、比較的単価の低い分析・可視化サービスを起点として、より顧客単価の高い行動変容サービス・One to Oneサービスをクロスセルすることができ売上の積み上げを図っているそうです。
unerry(ウネリー)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2015年8月20日、東京都港区虎ノ門一丁目17番1号虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階に本社を構えます。社長は内山英俊氏(1976年3月17日生まれ)、株式保有率は34.58%(1,256,000株)です。
従業員数38人で臨時雇用者0人、平均年齢34.6歳、平均勤続年数2.0年、平均年間給与5,957,000円です。セグメントはBeacon Bank事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
内山 英俊 | 1,256,000株 | 34.58% | ○ |
株式会社UC AIR | 528,000株 | 14.54% | ○ |
三菱商事株式会社 | 303,200株 | 8.35% | ○ |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 280,000株 | 7.71% | ○ |
CQベンチャーズ株式会社 | 226,000株 | 6.22% | ○ |
鈴木 茂二郎 | 188,000株 | 5.18% | ○ |
斎藤 泰志 | 180,000株 | 4.96% | △ |
上位株主には180日間(2023年1月23日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合、CQベンチャーズ株式会社、FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合、かながわ成長企業支援投資事業組合の4社には90日間(2022年10月25日まで)のロックアップと発行価格(売出価格)の1.5倍以上でロックアップか解除される条件が付与されています。
上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
親引けは行われません。
unerry(ウネリー)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が1,170円~1,290円に決定し想定価格を下限として上限方向に120円広げられました。今期業績が急拡大することやコロナ禍による同社サービスの需要の高まりが背景にあるようです。
AI(人工知能)やビックデータなど個人投資家に人気となるキーワードを含んだIPOになり、個人投資家需要は強いと思います。
直近上場のIPOには資金流入やセカンダリー売買に強弱があるため、難しい展開となる可能性も否定できないようです。上場による吸収金額は約6.9億円に修正されますが、それ以上の資金流入となる可能性は高いようです。時価総額は45.5億円になります。
個人的にもこのIPOが駄目ならしばらくIPOに資金が向かわないと思います。VC出資がありロックアップ解除となる公開価格1.5倍の1,935円辺りは投資家が気になる数値です。
きりのよい2,000円ジャストで初値が付くことも地合い次第ではあると思います。ただ大手予想はその上を行くみたいです。
同日上場のHOUSEI(ホウセイ)は上場承認時の予想値から下げられましたが、同社の場合は承認時の予想上限を維持しています!
修正値2,500円前後
直前予想3,000円
※注目度B
業績を確認すると2022年6月期の単独予想を確認することができました。売上13.64億円となり前期比74.20%増、経常利益0.7億円となり前期-1.62億円からの黒字となっています。
四半期利益は0.7億円となり前期-1.62億円からの完全黒字化予想となっています。何とか黒字化して上場すると言ったイメージになりますが、同社の人流データはコロナ禍による人の行動様式の変化により需要が伸びているようです。
そのため今後も業績が伸びるとされています!
さらにストック収益が9割を占めクライアントからの解約も殆どないようです。そう考えると今後も増収増益が期待できると思います。
公開価格が1,290円決定の場合の指標はEPS22.52からPER57.28倍、BPS221.60からPBR5.82倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
ビーコン技術はこれまでもあり他社も利用しています。しかしunerry(ウネリー)のビーコン技術は各事業者のビーコンデータを共有するため、これまでよりも広範囲で取得が可能になるとされています。
コロナ禍により追い風を受ける事業になるため機関投資家の評価も高そうです。
大手情報では今期の増収率が60%未満を想定しているとされ業績拡大になると判断しているようです。営業利益ベースで3.1億円~3.2億円程度の達成が見込まれるようです。
先のことはわかりませんが業績拡大となる予想が出ていることで資金流入となる可能性は高いと考えています。初値が高すぎるとセカンダリーが心配になりますが、続くIPOも少ないため短期売買のターゲットになれば面白いと思います。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
SMBC日興証券 | 421,200株 | 90.08% |
SBI証券 | 18,700株 | 4.00% |
みずほ証券 | 11,600株 | 2.48% |
いちよし証券 | 2,300株 | 0.49% |
楽天証券 | 2,300株 | 0.49% |
岩井コスモ証券 | 2,300株 | 0.49% |
松井証券 | 2,300株 | 0.49% |
極東証券 | 2,300株 | 0.49% |
マネックス証券 | 2,300株 | 0.49% |
丸三証券 | 2,300株 | 0.49% |
情報通信業で人気が期待できそうなIPOだと思います。上場規模も軽量級なので初値が飛びそうです。
当選を狙うのであれば主幹事のSMBC日興証券からの申込を中心に行っておきましょう。個人的には6月IPOで3連続当選しているため今回も期待したいと思います。
公開株数が少なくなっていますが申し込まないと当たりませんからね。IPOルールは下記記事でまとめています!!
SMBC日興証券のIPO抽選ルールについて徹底的に調べました。個人的にも過去の当選履歴から一番IPOに当選できている証券会社かもしれません。IPO取扱い数も業界最高水準のため、口座がない方は早めに作っておいたほうがよいと …
IPOが儲からないと考えている方は大手クラウドファンディング事業者に投資を行ってみては如何でしょうか。もちろんこれまで元本割れしたことはありません。
Funds(ファンズ)だと上場企業を中心にした貸付を行えるためリスク軽減につながると思います。
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
アイリッジ(3917) | PER16.84倍 | PBR1.66倍 |
True Data(4416) | PER126.74倍 | PBR2.66倍 |
Geolocation Technology(4018) | PER26.64倍 | PBR5.32倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2018年6月29日~2028年6月28日 | 4,800株 | 928円 |
2018年6月29日~2028年6月28日 | 7,200株 | 928円 |
2020年6月29日~2028年6月28日 | 24,000株 | 910円 |
2020年4月15日~2030年4月14日 | 180,000株 | 519円 |
2020年4月15日~2030年4月14日 | 4,000株 | 519円 |
2022年4月15日~2030年4月14日 | 85,600株 | 503円 |
2020年6月29日~2030年6月28日 | 14,000株 | 519円 |
2022年6月29日~2030年6月28日 | 400株 | 503円 |
2023年6月15日~2031年6月14日 | 37,240株 | 963円 |
ストックオプション(新株予約権)は320,000株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数3,526,400株に対する新株予約権の割合は10.1%に相当します。新株予約権による潜在株式数は357,240株です。
unerry(ウネリー)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
unerry(ウネリー)IPOは需給の不安がないため全力で獲得を狙ってよいと思います。こんなに軽量級のIPOが出てくるとは思いませんでした。ただ同日2社上場となるため資金分散はどうしても起きてしまいます。
※ウネリー公式サイト引用
同社は独自特許や独自AIによる技術優位性を活かすことで、ネットワーク効果を持つビーコンプラットフォームや業務効率性の高いプロダクトを開発しています。
上場後は競争優位性を確保するため、ユーザの状況推定やペルソナ推定、店舗の混雑状況や来店者予測等のAIアルゴリズムを開発するそうです。
どの程度優位性があるのかわかりませんが、大手企業が出資していることから将来性はあるものと考えられます。新しい発想にスイッチできるようなサービスが出てきた場合は優勢性が損なわれる可能性は常にあります。
IPOは売出株が公開株数の70%程度を占めておりVCからの売出しが多くなっています。ただ株主を確認すると資本提携企業や株式引受け企業からの売出はありません。
そのためあまり悪い印象はないと思います。
今期が第7期になりこのまま成長できるのかはわかりませんが、IPOとしては魅力がありそうです。社歴が浅く売上も低いため短期的に盛り上がった後は類似企業と似たような株価になると思います。
海外展開も事業拡大戦略の一環として考えているようです。まだまだそのレベルではないと思いますけどね。
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