CaSy(カジー)[9215]のIPOがマザーズに新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。IPO的には微妙な銘柄ですが利益は見込めると思います。


主幹事はSBI証券が務め公開株数211,600株、オーバーアロットメント31,700株です。上場規模は想定発行価格1,350円から計算すると約3.3億円になります。


ただ上場規模が小さくてもガンガン買われるようなIPOではなさそうです。


CaSy(カジー)[9215]IPOが上場承認
※カジー公式サイト引用


家事代行サービスとお料理代行サービスがメイン事業になり、サービスの優位性としては家事代行サービスのDX化の先駆者である事、さらに価格競争力と使い勝手のよさを追求している事だそうです。


継続的に蓄積されるストック型のビジネスモデルをもとに信頼関係の構築を行うことで成長が期待できます。


顧客登録者数は2021年11月末で13万人となっています。また定期UU数が堅調に増加しており2021年11月末で約5,500人だそうです。


目論見では月次定期解約率が3%に改善し、定期契約の積み上がりによりARRが約11億円となっています。同社は家事代行サービスが特に人気となっているようですね。


CaSy(カジー)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日2月22日
市場マザーズ
業種サービス業
事業内容家事代行などの「暮らしの中の時間を創る」サービスのマッチングプラットフォーム運営
ブックビルディング2月04日~2月10日
想定価格1,350円
仮条件1,230円~1,350円
公開価格1,350円
初値結果2,001円(公開価格1.48倍)
企業情報https://corp.casy.co.jp/
監査人太陽有限責任監査法人
手取金の使途
  • 広告宣伝費
  • システム開発費
  • システム開発に係る費用


項目株数データ
公募株数125,000株
売出株数86,600株
公開株数(合計)211,600株
オーバーアロットメント31,700株
上場時発行済み株数1,892,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約25.5億円
幹事団SBI証券(主幹事)
みずほ証券
松井証券
マネックス証券
丸三証券
楽天証券
岩井コスモ証券
極東証券
東洋証券
水戸証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


CaSy(カジー)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,350円を基に吸収金額を算出すると約2.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.3億円規模の上場となります。オファリング・レシオを絞って上場させる感じですね。


同社は「お掃除代行サービス」「お料理代行サービス」「その他暮らしのサービス」を9都府県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、京都府、愛知県、宮城県)で行い、サービス対象エリアで提供するマッチングプラットフォームとして運営しています。


社名のCaSy(カジー)は、時として負担と感じる「家事」を、「Easy(簡単)」に「Cozy(安心)」して依頼できるようにすることで、笑顔があふれる暮らしを楽しんでほしいという思いが込められているそうです。


家事代行サービスを必要とする個人もしくは世帯をターゲットとしています。


CaSy(カジー)の業績
※有価証券届出書引用


依頼を受けた顧客は同社スタッフが訪問し家事代行サービスを行います。


サービスの依頼から支払いまで全てのやり取りは、スマートフォンアプリ「CaSy」もしくはサービスサイトで行うそうです。主な収益はスタッフが行ったサービスの利用料となります。


営業担当との電話や訪問等のコミュニケーションは行わないスタイルとなっています。また、家事代行サービスのオンラインギフト券も販売しているそうです。


CaSy(カジー)IPOの特徴
※有価証券届出書引用


同社はマッチング自動化システムや専用アプリを独自開発しています。


ITテクノロジーを活用しマッチングの最適化を行うことで家事代行サービスにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進しています。


DX化を実現する技術開発の他には、エンゲージメントの取り組みによる品質管理体制の強化も推進しているそうです。


CaSy(カジー)[9215]IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


目論見では、蓄積したデータを活用したマッチングアルゴリズムのチューニングとマッチング機会の最大化と書かれています。またアプリのUI/UX改善なども行っています。


しかしどう考えても投資家はビジネススタイルがダスキン(4665)だよね?と考えたはずです。


同社の場合はスマートフォで操作を行い依頼を行うため現代風だと思います。約6割がファミリー世帯で約4割が単身世帯となっていました。


以外に利用者が多くて驚きです。忙しい世の中なので依頼者も多いのでしょうか?一般世帯でも利用者がいるのかはわかりませんが、お金がないとできない事ですよね。


CaSy(カジー)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2014年1月30日、東京都品川区上大崎三丁目5番11号に本社を構えます。社長は加茂雄一氏(1982年10月28日生まれ)、株式保有率は21.56%(406,170株)です。


従業員数23人で臨時雇用者11人、平均年齢36.3歳、平均勤続年数2.2年、平均年間給与4,884,000円です。


セグメントは家事代行サービス事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
加茂 雄一406,170株21.56%
ワタキューセイモア株式会社360,000株19.11%
池田 裕樹334,500株17.75%
胡桃沢 精一150,000株7.96%
株式会社I.K.D71,670株3.80%
みずほ成長支援投資事業有限責任組合67,050株3.56%
イーストベンチャーズ投資事業有限責任組合66,000株3.50%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


加茂雄一氏と池田裕樹氏、I.K.D、三山晋大朗氏には180日間(2022年8月20日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


また一部の株主とベンチャーキャピタルに対して90日間(2022年5月22日まで)のロックアップとなっています。こちらはロックアップ解除が発行価格の1.5倍以上となっています。


新株予約権者の一部は売却を行わない合意がなされています。この他、第三者割当等による割当者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは行われません。


CaSy(カジー)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が想定発行価格を上限として1,230円~1,350円に決定しています。吸収金額は3.3億円で時価総額25.5億円のままです。


個人的には地合い悪化のため株価設定が高く需要が見込めない可能性があると考えています。Recovery International(9214)とセイファート(9213)が連続で公開価格割れとなっています。


投資家心理が冷え切っている状況なのでカジーIPOも不安です。ただ上場規模が軽量級のため個人投資家の心理状況によりマネーゲームを期待することもできそうです。何かきっかけが欲しいところですね。


大手初値予想2,000円前後
修正値1,500円~1,800円

※注目度B


業績予想を調べると2022年11月期の単独予想を確認できました。売上14.59億円となり前期比25.24%増、経常利益5,300万円となり前期-500万円からの黒字転換となっています。


四半期利益は6,700万円となり前期300万円から22.33倍になります。黒字予想になりますがオミクロン株などの影響も今後業績に響いてきそうです。


公開価格が1,350円決定の場合の指標はEPS36.29からPER37.20倍、BPS141.96からPBR9.51倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


類似企業の株価がPER20倍程度なので同社の株価設定は高いと言えそうです。黒字化していますが業績水準が低くいため不安があります。


またベンチャーキャピタルは公開価格1.5倍以上でロックアップが外れます。公開規模が小さくても楽観視できないIPOになってしまいました。


IPOに当選する確率は上がったかもしれませんが、利益が見込めるのかは投資家の心理状況次第だと思います。機関投資家の参戦は見込めず個人投資家主体のIPOだと思います。心理戦ですね。


幹事名割当株数引受割合
SBI証券(主幹事)179,800株84.97%
みずほ証券19,000株8.98%
松井証券2,100株0.99%
マネックス証券2,100株0.99%
丸三証券2,100株0.99%
楽天証券2,100株0.99%
岩井コスモ証券1,100株0.52%
極東証券1,100株0.52%
東洋証券1,100株0.52%
水戸証券1,100株0.52%


当選狙いで良いと思いますが上場ゴール感がありますよね。IPO的には事業への魅力はありませんが吸収金額が低いため利益が狙えると思います。


主幹事のSBI証券から申込を行っておきましょう。当選して「数万円~」の利益が出れば嬉しいですからね。


地合いを考慮しても初値2倍くらいは視野に入る可能性があると思います。VC出資はありますが、売出には応じていません。と言うことでIPOには全力で参加予定です。SBI証券のIPOルールは下記記事でまとめています。




そろそろIPOの他にも利益を狙ってみませんか?クラウドファンディングへ投資を行うと資金の有効活用が可能です。


実は今月で終了すると思われたCOZUCHIとのタイアップが延長になりました。全く聞いていなかったため予想外の展開です。


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カジーのIPOチャレンジポイントボーダーラインを予想してみました!!

2021年12月上場で共同主幹事だったJDSC(4418)とサスメド(4263)は実績から外して作成しています。ちなみにJDSCは450ポイントが当選ボーダーで100株当選のようです。利益はわずか100円なので手数料負けとなった方もいるかもしれません。


またCS-C(9258)の当選ボーダーは230ポイントで100株当選だったようです。SBI証券引受け株数が159万株以上あったため300株セットだと思っていましたが違ったようです。


そうなると複数株当選狙いは辛いですね。


CaSy(カジー)のIPOチャレンジポイント予想表


第7期売上は10億円に届いていません。そして1.2億円以上の赤字を計上しています。VCが売出に参加していないため将来性があると考えて良いのか?と思うところもあります。


カジーはテレビや雑誌などで取上げられることもあるため知名度はあると思います。ただこれまで黒字化した実績はあるのか?と疑問です。今期が黒字化のタイミングでしょうか。


地合いが良いとは言えませんが、ロックアップを外しにくるはずなので初値1.5倍~2.0倍あたりは期待できるかもしれません。


今回もSBIネオトレード証券からIPO抽選に参加できると思うので、SBI証券のグループ企業からの申込みも徹底しておきましょう。


資金不要でIPO抽選に参加できるため入金を1度も行わずに抽選に参加できます。IPOに当選した場合のみ入金すればOKです。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ダスキン(4665)PER19.09倍PBR0.91倍
ポピンズホールディングス(7358)PER22.77倍PBR3.61倍
みらいワークス(6563)PER22.32倍PBR3.67倍
※2022年2月04日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年12月01日~2027年11月15日40,950株600円
2020年12月01日~2028年11月25日15,000株1,667円
2021年11月02日~2029年10月30日51,000株1,667円
2022年12月26日~2030年12月23日11,400株1,667円


ストックオプション(新株予約権)は106,950株が上場時に行使期限を迎えます。新株予約権者の多くは売却を行わないことになっています。


発行済株式総数と潜在株式数の合計1,884,150株から新株予約権117,150株の割合を計算すると6.22%になります。


目論見の新株予約権等の状況にある株数とは少しズレがあるようです。


CaSy(カジー)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

CaSy(カジー)IPOは微妙ですよね。SBI証券が主幹事を行う銘柄はIT系が多かったのですが昨年あたりから減っています。今回も初値高騰とはならない気がしています。


同社サービスは富裕を対象としていたサービスが一般家庭や独身者向けに拡大されたと考えて良さそうです。新規利用者は増えていますが単価は下がっているはずです。


競合もかなり多いみたいで個人事業主も多くいます。ただ上場することで知名度が上がり業績アップとなる期待はあります。


公募組にはあまり関係がないと思いますけどね。


CaSy(カジー)IPOの評価
※カジー公式サイト引用


課題としては業務プロセスの効率化とコスト削減だそうです。また対象が富裕層ではないためトラブルも増加する可能性があります。依頼者が良い人ばかりではないはずですからね。


また競合も多く価格競争も激化しているためやや心配する面もあります。その他、コロナ禍により依頼が減るのでは?とも考えられます。


同社としてはさっさと上場し資金確保を行いたいところでしょう。ITを利用していることはわかりますが新奇性は感じられません。


サービス依頼者は増加傾向にありますが、収入が減る方も多いようなのでITを上手く活用し技術革新のスピードにも対応する必要がありそうです。


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