Speee(スピー)IPOがJASDAQスタンダードに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。またこの記事は再承認に合わせて最新の内容に変更しています。
主幹事は野村證券が務め公開株数975,600株、オーバーアロットメント146,300株です。上場規模は想定発行価格2,270円から計算すると約25.5億になります。この規模まで縮小してくれば初値利益が狙えそうです。
ベンチャーキャピタル出資はないためとりあえず上場を目指す展開でしょう。前回の承認時は約83.5億円の吸収となっていました。
※この記事は2020年6月10日の再承認に合わせて最新の情報に更新しています
ビッグデータ解析技術を基盤として事業を展開している企業になります。強みは事業開発全体へのデータの活用、人材及び組織、事業開発フローを強力にサポートする独自システムになっています。
売上は伸びているようですが利益面に不安を抱えているように思います。売出株が少なく公募株中心のIPOとなっていますがWebコンサルティングやアドネットワークを行う企業も多いため今回はあまり人気化しないかもしれません。
再承認の上場規模が大きく変更されたことは好感が持てると思います。私は大手レポートを提供して頂いているため読破し仮条件後にスタンスなどを含め追記したいと思います。
Speee(4499)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ⇒ JASDAQスタンダード |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | データ資産を利活用したマーケティング活動を支援するMarTech事業及び消費者と事業者を繋ぐプラットフォームサービスを提供しリアル産業のデジタルシフトを促進するX-Tech事業の運営等 |
上場日 | 7月10日(再承認) |
ブックビルディング期間 | 6月25日~6月30日 |
想定価格 | 2,590円⇒ 2,270円に修正 |
仮条件 | 2,520円~2,880円 |
公開価格 | 2,880円 |
初値結果 | 5,150円(公開価格1.79倍) |
企業情報 | https://speee.jp/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額1,774百万円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限305百万円と合わせて、運転資金として①採用費及び人件費、②広告宣伝費に充当する予定
①採用費及び人件費
既存事業の規模拡大のための開発人員、営業人員及び管理体制強化のための管理人員の採用費及び人件費に659百万円を充当する予定。既存事業の機能拡充に努めており、開発人員を増強し、またシステムの導入に関する営業を強化する為に、営業人員を増強する予定であります。
②広告宣伝費
当社グループサービスの認知度向上及び顧客基盤拡大のための広告宣伝費に1,421百万円を充当する予定。当社グループの提供するイエウール及びヌリカエについて、認知度向上及び顧客基盤拡大のための広告宣伝に活用していく予定であります。
※なお将来における具体的な充当時期までは安全性の高い金融商品等で運用する方針
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 2,607,000株⇒ 855,600株に修正 |
売出株数 | 195,000株⇒ 120,000株に修正 |
公開株数(合計) | 2,802,000株⇒ 975,600株に修正 |
オーバーアロットメント | 420,300株⇒ 146,300株に修正 |
上場時発行済み株数 | 9,755,600株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約221.5億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) SBI証券 みずほ証券 楽天証券 SMBC日興証券 大和証券 マネックス証券 ←完全平等抽選 藍澤証券 いちよし証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
Speee(4499)上場評判とIPO分析
想定発行価格2,270円を基に吸収金額を算出すると約22.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約25.5億円規模の上場となります。前回の上場承認は想定発行価格2,590円でOAを含めた吸収額が83.5億円だったことを考えると大幅に修正されています。3分の1以下の規模で再承認となっています!グループ企業は同社と連結子会社(PT.SPEEE RECRUITMENT NUSANTARA、株式会社Datachain、株式会社Velocity、株式会社ThinQ Healthcare)の計5社により構成されています。事業セグメントは「MarTech(マーテック)事業」「X-Tech(クロステック)事業」「Data Platform(データプラットフォーム)事業」「その他」になります。
MarTech事業ではデータ分析を元にしたマーケティングソリューションサービスを提供するほか、データを活用したマーケティング施策のオペレーション代行等を行っています。
人々の消費活動の複雑化に伴いマーケティング活動は高難易度化していることから、それに即した形で多種多様なデータや解法が存在する一方、それらの活用難易度も高い状態になっています。
同社は自社で蓄積したデータと世の中に散在するデータや解法を収集・整理し、活用方法を紡ぎ出すことで顧客企業の成果最大化を目指しているそうです。
コンサルティングサービスでは顧客の事業に本質的に貢献できるようなサービスを目指して、「Webアナリティクス」、「トレーディングデスク」、「PAAM」を主要なサービスとし首都圏を中心に316社の顧客に利用されています。※2020年2月末調べ
広告の表示に当たって人工知能(機械学習)の技術を活用し、ユーザーが来訪するページの文章等から記事の意味内容やテーマを推定したり、ユーザーの属性情報から媒体への来訪意図を推定する機能を持ったアルゴリズム等を自社で利用しています。
また掲載する広告が導入先の媒体と親和性の高いものになるよう、デザイナーを交えて開発を行い、さまざまな広告のレイアウトへの対応を行っています。
X-Tech事業の主力サービスは中古不動産売却におけるマッチングサービス「イエウール」、外壁リフォームにおけるマッチングサービス「ヌリカエ」となっています。
両市場は集客支援メディアとして参入後、ツールの提供等を通じて価値提供の幅を拡大する方針を採っているそうです。
「イエウール」は不動産一括見積もりサイトになり、不動産の売却を検討するユーザーを複数の不動産業者に紹介するサイトです。ヌリカエは自社審査をクリアーした優良塗装店から一括で複数の見積りを取ることができるサイトになります。
どちらもWebサービス開発とプロモーションの体制、そして成約率向上への注力が特徴となっています。
「ヌリカエ」も外壁塗装は物件の種別のみならず、塗装箇所の大きさや劣化状態、塗料の材質などによっても大きく価格が変動することが特徴です。そこで本サービスでは「カスタマーサポート」のチームを設け、Webサイトでユーザーから情報を集めた後、直接ユーザーに電話でも問合せを行い詳しい情報を収集しています。
これにより紹介すべき適切な業者を判断し成約率を向上させることができるそうです。
Data Platform事業は重要なデータに関して、全ての取引履歴について第三者による検証が可能であり、意図しない相手へのデータ流出を防ぎつつ、中央管理者を介さずに当事者間でデータ流通が完結する取引形態を実現することで、ブロックチェーン技術とトークンエコノミーによってデータ流通を革新することを目指しているそうです。
ビッグデータやAIといった潮流がある中で、世界にはデータが溢れているイメージがあるものの、重要なデータは共有されず、データを活用しきれていない課題があるためサービスを展開しています。
同社グループでは将来の企業成長の柱となる事業の立ち上げを目指し、インドネシア共和国における人材関連サービス「Job-Like」、従業員のヘルスケア領域に対してテクノロジーを活用したサービスの運営をおこなっています。
Speee(4499)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第11期 | 第12期 |
決算年月 | 平成2018年9月 | 平成2019年9月 |
売上高 | 7,165,064 | 7,420,781 |
経常利益 | 165,254 | 189,956 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 226,495 | 21,853 |
包括利益 | 227,229 | 22,054 |
純資産額 | 884,688 | 918,742 |
総資産額 | 3,403,439 | 3,286,587 |
1株当たり純資産額 | 103.81 | 105.34 |
1株当たり当期純利益金額 | 28.32 | 2.53 |
自己資本比率(%) | 26.0 | 27.9 |
自己資本利益率(%) | 29.9 | 2.4 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 485,976 | △192,148 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 72,001 | △152,238 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △65,916 | 54,212 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,866,417 | 1,576,435 |
- 売上高2,283,960千円
- 営業利益289,612千円
- 経常利益290,158千円
- 親会社株主に帰属する四半期純利益451,660千円
コンサルティングサービスでは国内企業におけるWebマーケティングの強化及びデータ活用意欲の高まりにより、案件獲得が堅調に推移しています。プロダクトではネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」の広告審査体制の見直し、そしてアルゴリズム開発に注力し広告主の広告効果最大化及び媒体社の満足度向上に取り組んでいます。
X-Tech事業は営業活動が堅調でありMarTech事業で培ったWebアナリティクス技術を「イエウール」及び「ヌリカエ」に活用した結果、広告宣伝費の割合を低減させ利益率の向上を達成したそうです。
Speee(4499)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2007年11月29日、東京都港区六本木四丁目1番4号に本社を構えます。社長は大塚英樹氏(1985年8月23日生まれ)、株式保有率は29.91%(2,895,000株)です。従業員数270人で臨時雇用者60人、平均年齢30.4歳、平均勤続年数2.9年、平均年間給与5,888,000円です。連結従業員数は302人になり臨時雇用者67人です。
連結従業員セグメント別ではMarTech事業139人、X-Tech事業72人、Data Platform事業12人、その他21人、全社共通58人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
大塚 英樹 | 2,895,000株 | 29.91% | ○ |
久田 哲史 | 2,610,000株 | 26.96% | ○ |
株式会社Print | 2,510,000株 | 25.93% | ○ |
渡邉 昌司 | 805,000株 | 8.32% | ○ |
安田 智之 | 730,000株 | 7.54% | ○ |
松嶋 良治 | 75,000株 | 0.77% | × |
株式会社バルーン | 55,000株 | 0.57% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人である大塚英樹、当社株主である久田哲史、株式会社Print、渡邉昌司及び株式会社バルーン並びに当社新株予約権者である安田智之は、主幹事会社に対して、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年10月07日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く)を行わない旨を合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2020年10月07日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見に書かれていません。上場後90日以降にならないと株式売却ができないという事です!再承認でも同様の内容となっています。
親引け設定はありません。またベンチャーキャピタル出資はありません。
Speee(4499)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は後日記載します。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。※再承認の日程に合わせ仮条件発表の2020年6月23日以降に追記します
仮条件が決定しました。想定発行価格2,270円に対して仮条件範囲が2,520円~2,880円に決定しています。上限設定の吸収額は約32.3億円になります。どちらかと言えばあまり人気が見込めないIPOになると言われているため仮条件引上げが心配です。
ただ先に上場したロコガイド(4497)の株価を見る限り初値投資を行う個人投資家や機関投資家が多くいるようです。個人的には公開価格割れもあると考えています。ロコガイドよりも吸収額が低めになりますが、業種や評価される対象が異なるため心配です。
もう一社の初値予想はもうしばらくお待ちください。わかり次第追記します!
修正値5,000円~6,000円
※注目度B、6月26日に追記
※注目度5段階中上から3番目、6月25日に追記
2020年9月の連結業績予想が発表されています。売上は87.5億円となり前期の74.2億円から18.0%増を見込んでいます。経常利益は5.4億円となり前期1.9億円から2.84倍(184%増)になるようです。業績の伸びは良いため安心感があります。
四半期利益は5.0億円となり前期2,100万円から23.67倍になります。異常なくらいの伸びになっていますが前期の数値が低いだけのようです。EPS54.95なのでPERは52.41倍、BPS329.38からPBRは8.74倍です。既にかなり評価されているため初期投資を考えた場合、もう少し実績が欲しいと感じます。
前回の承認はマザーズ上場でしたが、再承認ではジャスダック上場となっています。あまりこのパターンはこれまでなかったと思います。珍しい案件のため色々と気になる部分が多いです。
IPO的な評価だと現在の地合いで初値に対して1割高になればよいと思います。もしかすると公開価格割れも考えられます。機関投資家へのリサーチが悪ければ仮条件上限決定はないかもしれません。攻めたいIPOですけれどかなり公募組も悩むIPOとなっています。
キャンセル前提の申込みもあり得るかもしれません。主幹事が野村證券のため売り急ぐ投資家がいないメリットはあると思います。利益を狙うには少し難しいのかな?と感じています。
BBスタンスを変更します。IPO市場が活況のため積極的に申込みを行うことに決めました。利益が数万円狙えそうな環境なので積極的投資に変更します。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 849,100株 | 87.03% |
SBI証券 | 58,500株 | 6.00% |
みずほ証券 | 36,500株 | 3.74% |
楽天証券 | 9,700株 | 0.99% |
SMBC日興証券 | 7,800株 | 0.80% |
大和証券 | 7,800株 | 0.80% |
マネックス証券 | 2,400株 | 0.25% |
藍澤證券 | 1,900株 | 0.19% |
いちよし証券 | 1,900株 | 0.19% |
再承認によりIPOに参加しても良いレベルにまで上場規模が縮小されています。地合いの変化がなければ利益が見込める水準だと考えています。
投資家にとってはIPOに当選できるチャンスのようにも感じます。新型コロナウイルス感染症の影響は日本で縮小傾向にあります。また株式市場も好調に推移していることでIPO抽選に参加する方も多いでしょう。
上場規模がやや大きいため地合いの変化に気を付けていたほうが良いでしょう。IPO投資について下記記事でまとめているのでよかったら参考にしてください。これからIPO投資を始める方に向けて記事を書いています!
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全て無くなってもトータルでは損失にならないため勉強代だと思っています。ここで買えると凄いのかもしれません!これから仮想通貨を始める方はDMM Bitcoinだと口座開設で1,000円貰えます。深追い厳禁?それとも爆益か?
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
フルスピード(2159) | PER14.76倍 | PBR2.1倍 |
アウンコンサルティング(2459) | PER-倍 | PBR2.06倍 |
GMO TECH(6026) | PER100.53倍 | PBR4.84倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2016年10月01日~2024年9月29日 | 50,000株 | 60円 |
2018年3月30日~2028年3月29日 | 630,000株 | 84円 |
2023年1月01日~2028年3月29日 | 100,000株 | 82.02円 |
ストックオプション(新株予約権)は680,000株が行使期限を迎えています。そのうち安田智之氏が保有する630,000株はロックアップ対象となっているようです。
新株予約権の数が12,600個あり、「信託A 6,300個」「信託B 6,300個」となっています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。Speee(4499)IPOの評価と申し込みスタンス
Speee(スピー)IPOは大手予想を見ながらスタンスを決めたいと思います。2020年3月の上場承認時と異なり地合いが急回復し、上場規模も縮小されています。手取金の使途が人件費と広告宣伝費となっていることから「お金が欲しい」と感じてしまいます。地合い回復で何とか公開価格割れしなければ良いのでは?と思うIPOです。3月の地合い悪化の中で83億円以上を集めようとした企業なので再承認でもイメージがあまり良くありません。
買い材料としては「検索データやサイトコンテンツに関するデータ蓄積」「不動産売買仲介・リフォーム契約の仲介を通じた査定仲介データや見込み顧客データ蓄積」「インドネシア共和国で行っている求職サイトのアクセスデータ蓄積」などがあります。
また売上が前期の2019年9月期で74.2億円、経常利益1.9億円、四半期利益2,100万円になっています。2020年3月期の決算発表は売上46億円で経常利益4.8億円、四半期利益5.4億円となっています。急激に改善していますけど今期の業績予想を見なければ売上が落ちているため不安です。
上場規模が縮小されても何となく不安を覚えるIPOだと感じています。再承認で3分の1以下の吸収額に抑えているのは何かしら不安があるからなのかもしれません。
IPOの当選を狙うなら穴場銘柄だと思います。ただ急激に回復した地合いのなかSpeee(スピー)が選ばれるのかは現在のところわかっていません。機関投資家の参戦がポイントになるはずです。
上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました
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