ペルセウスプロテオミクス(4882)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数2,970,000株、オーバーアロットメント445,500株です。想定発行価格960円による上場規模は約32.8億円になります。
LSBMで開発された蛋白質発現技術とファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術、シーズ探索技術を駆使して「がん」「その他の疾患の治療用抗体医薬品の研究開発」を行う企業です。
赤字バイオと聞くだけで不人気だと考えてしまうほどIPO市場では好感されない事業です。しばらく前まで親会社が富士フイルムだったことなどは材料になりそうですね。
再承認されたため新しく記事を作成し直しました。下記記事から最新情報をご確認ください。
【上場】ペルセウスプロテオミクス(4882)IPOの初値予想
ペルセウスプロテオミクス(4882)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 医薬品 |
事業内容 | 医薬品等の研究開発、製造、販売 |
公開予定 | 上場中止 |
ブックビルディング期間 | 3月05日~3月11日 |
想定価格 | 960円 |
仮条件 | 540円~600円 |
公開価格 | 3月12日 |
企業情報 | https://www.ppmx.com/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
【手取金の使途】
差引手取概算額2,613,104千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限393,465千円と合わせた、手取概算額合計上限3,006,569千円について、第Ⅰ相試験実施中のPPMX-T003の研究開発費、抗体医薬品の新規パイプラインの研究開発費及び事業運営経費に充当する予定であります。
①PPMX-T003の研究開発費用(第Ⅰ相試験及び第Ⅱ相試験)として2021年3月期に240,000千円、2022年3月期に160,000千円、2023年3月期以降に1,300,000千円
② 抗体医薬品の新規パイプラインの研究開発費用として2021年3月期に50,000千円、2022年3月期に150,000千円、2023年3月期以降に300,000千円
③事業開発及び運転資金の事業運営経費として2021年3月期に250,000千円、2022年3月期に230,000千円、残額は2023年3月期以降に充当
※なお具体的な充当時期までは安全性の高い金融商品等で運用する予定であります。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 2,970,000株 ※1,575,000株に変更 |
売出株数 | 0株 |
公開株数(合計) | 2,970,000株 ※1,575,000株に変更 |
オーバーアロットメント | 445,500株 ※236,000株に変更 |
上場時発行済み株数 | 9,116,400株(公募分を含む) ※7,721,400株に変更 |
想定ベースの時価総額 | 約87.5億円 ※約46.3億円に変更 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) SMBC日興証券 SBI証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 エース証券 いちよし証券 |
委託見込 | auカブコム証券 SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
ペルセウスプロテオミクス(4882)上場評判とIPO分析
想定発行価格960円を基に吸収金額を算出すると約28.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約32.8億円規模の上場となります。上場規模が大きく需給不安があるように思います。同社は東京大学先端科学技術研究センター・システム生物医学ラボラトリー(LSBM)で開発された蛋白質発現・抗体作製技術を基盤として、診断・創薬標的に対応する抗体の医療への活用を目指して設立されています。
創業以来、医薬品シーズ抗体を創生することで、がん及びその他疾患の治療用医薬品の研究開発、及び関連業務を行っています。
LSBMで開発された蛋白質発現技術は、従来調製が困難であった膜蛋白質を効率的に発現し、これを動物免疫法と組み合わせること、親和性の高い抗体の効率的な取得を可能にしています。
さらに同社は多様性に富むファージ抗体ライブラリと特許技術でもある独自の抗体スクリーニング技術を保有しており、これらを対象とする疾患の細胞に適用することで、創薬標的の探索、及び従来の動物免疫法で得られるものとは異なる特徴を持つ高機能シーズ抗体の同時取得を可能にしています。
同社の技術はこれら二つの抗体技術とシーズ探索術を融合し、医療ニーズにマッチした医薬品シーズ抗体を取得することを特長としています。また東京大学発であることを起点として、さらにそのネットワークを広げ多くのアカデミアとの連携により最新のサイエンスのもとで創薬を行うことを使命としているそうです。
同社は長年の経験に基づいた動物免疫法と、独自のスクリーニング技法を取り入れたファージディスプレイ法により、高機能抗体を取得したうえで、抗体に遺伝子工学的な改変あるいは化学的な修飾を施し抗体医薬品候補としての研究開発を進めています。
これまでに創出したがん治療用抗体のうち、肝臓がんを標的とする抗体及び固形がんを標的とするRI標識抗体を、それぞれ製薬メーカーである中外製薬及び富士フイルムに導出し、導出先で臨床試験が行われています。
また、難治性血液がんを標的とした抗体は2014年に国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)に採択され開発を進め、2018年より企業主体の開発に切り替えて推進中です。
さらに、難治性固形がんを標的とした薬物結合抗体(ADC)等数々のがん治療用抗体の研究・開発を進めているそうです。
近年、抗体医薬品の認知が高まり多数の抗体医薬品が上市され、抗体医薬品ビジネスの競争も激化しつつあります。これに伴い非臨床段階では有利な経済条件で導出することが難しくなりつつあるそうです。
同社は抗体医薬品を早期に患者様に届けるため自社でも積極的に臨床試験を実施し、製薬企業に導出していくことを推進するそうです。
目論見提出時において、導出済みの3抗体に続く薬剤候補である抗トランスフェリン受容体抗体の開発に集中するとともに、新規抗体のシーズ探索を行っています。
新規抗体に関しては保有する「がん特異的抗体ライブラリ」を探索した結果、複数の候補が見つかっているとのことです。また新規標識技術との組合せによるADC化などのFeasibility研究も進んでいます。
抗体研究支援では、これまでにがん等を対象とした抗体医薬品や研究用試薬の創出を通じて培ってきた技術や経験を活かして、抗体に関連した研究支援(研究受託)を実施しています。
特にアカデミアや製薬企業に対する抗体研究支援は、当社の創薬活動とのシナジー効果が期待されるそうです。
抗体・試薬販売では、がんや生活習慣病など各種疾患のバイオマーカーとなる核内受容体抗体を全48種類取り揃えており、世界の研究者に向けて研究用試薬として販売しています。
またPentraxin3(PTX3/TSG-14)のELISAキットの開発に成功し、研究用試薬として販売しています。
開発品の詳細については証券会社から発行されている目論見をご確認ください。富士フイルムへの売上げ依存度がかなり減っているようですね。
ペルセウスプロテオミクス(4882)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第18期 | 第19期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2018年3月 |
売上高 | 303,983 | 275,959 |
経常損失 | △163,663 | △145,545 |
当期純損失 | △178,284 | △163,054 |
資本金 | 799,970 | 799,970 |
純資産額 | 1,490,676 | 1,327,621 |
総資産額 | 1,514,980 | 1,360,169 |
1株当たり純資産額 | 242.53 | 216.00 |
1株当たり当期純損失 | △69.08 | △26.53 |
自己資本比率(%) | 98.40 | 97.61 |
自己資本利益率(%) | – | – |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △132,356 | △329,661 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 10,647 | △15,945 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,395,040 | – |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,449,016 | 1,100,128 |
- 売上高61,877千円
- 営業損失686,739千円
- 経常損失704,672千円
- 四半期純損失709,798千円
同期間はパイプラインPPMX-T003の第Ⅰ相試験を開始しました。また前事業年度より準備を進めてきた治験薬製造を完了しています。さらに第Ⅰ相試験開始に向けて独立行政法人医薬品医療機器総合機構に治験届を提出し、被験者に治験薬投与を実施し、第Ⅰ相試験を開始しています。
なお次期テーマ探索研究は複数の候補化合物を取得しており、今後詳細な評価を行いながら早期に次期テーマを決定することを目指しています。
ペルセウスプロテオミクス(4882)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2001年2月01日、 東京都目黒区駒場四丁目7番6号に本社を構えます。社長は横川拓哉氏(1960年10月13日生まれ)、株式保有率は4.45%(300,000株)です。1985年4月に富士写真フイルムに入社している方になります。しばらく前まで富士写真フイルムが親会社になっていましたが現在はその他の関係会社になっています。
従業員数18人で平均年齢48.7歳、平均勤続年数10.0年、平均年間給与6,587,031円です。人員の割り振りは事業部門別14人、管理部4人になります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
富士フイルム株式会社 | 2,988,210株 | 44.28% | ○ |
NVCC8号投資事業有限責任組合 | 1,274,370株 | 18.89% | ○ |
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合 | 390,000株 | 5.78% | ○ |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 384,300株 | 5.70% | ○ |
横川 拓哉 | 300,000株 | 4.45% | × |
三菱UFJキャピタル株式会社 | 284,910株 | 4.22% | ○ |
SMBCベンチャーキャピタル4号投資事業有限責任組合 | 256,110株 | 3.80% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集に関連して、貸株人である富士フイルム株式会社並びに当社株主であるNVCC8号投資事業有限責任組合、イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル4号投資事業有限責任組合及び富士フイルム富山化学株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年6月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う取引所での売却等を除く)等を行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2020年6月21日まで)のロックアップ付与、またロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍となっています。
今回の上場は公募のみになり売出株がないためイメージは良いものの、赤字バイオなので敬遠してしまいます。親引け設定などはありません。
ペルセウスプロテオミクス(4882)IPOの初値予想と幹事引受け株数
想定発行価格960円から大きく価格を変更し、仮条件範囲が540円~600円に変更されました。また公開株数とオーバーアロットメントも変更されています。ご注意ください!吸収金額は当初約32.8億円でしたが、変更後は10.9億円にまで落ち込みました。某社によればこの水準であれば吸収可能だそうです。ロースタートになりその後盛り上がる可能性もあるとか?私は余裕がないため不参加にしておきたいと思います。
創薬ベンチャー企業で赤字傾向が強いため上場で資金をできるだけ多く必要とするはずですが地合いが最悪です。それにバイオブームが過ぎ去り閑散としている気がします。せめて第Ⅲ相試験に入っていればと思いますがまだ先は長そうです。
2020年3月の業績予想は売上0.8億円になり前期2.75億円から大きくダウンしています。経常利益に至っては-8.99億円になり前期-1.45億円から拡大しています。赤字方面に大きく拡大しているため前途多難な印象を受けます。
バイオ株は基本赤字になる傾向が強いものですが、いつ黒字化できるのかわからないだけに長期戦になります。そのまま上場廃止だってあり得ますからね。
修正値620円~700円
バイオ株は博打株とも言われ一攫千金を狙った投資が流行りました。このことからだいぶ投資市場を離れた方もいます。逆に数千万円の利益を得た方もいますが真似するべきではありません。
EPSは-145.55でBPSは332.99になります。PERは算出不可でPBRは1.80倍になります。個人的に手出し無用の事業だと思っています。スキルがない方は参戦しない方が良いかと思います。初値だけ楽しむのであれば自己責任で問題ありません!
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 1,449,200株 | 92.01% |
SMBC日興証券 | 47,200株 | 3.00% |
SBI証券 | 31,500株 | 2.00% |
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券 | 15,700株 | 1.00% |
エース証券 | 15,700株 | 1.00% |
いちよし証券 | 15,700株 | 1.00% |
赤字バイオなので投資家の意見がわかれると思いますが、公開株数が多いため容易に当選できそうです。2019年12月に上場承認されたファンペップもみずほ証券主幹事でした。前回は上場中止でしたが今回は上手く上場させてくるのかも?2019年はバイオIPOは全く駄目でしたからね。
SMBC日興証券でIPOが当選した場合はキャンセルすると1ヶ月間IPO抽選に参加できないためよく考えて申し込みを行ったほうがよいです。バイオベンチャー企業に投資する投資家が少なくなった感があるためどうでしょうね。今年もあまり人気がないのでは?と思うところがあります。
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それが個人投資家でもできる時代となっています。少し異なりますが、FUNDINNO(ファンディーノ)でイグジットした企業も出てきているため未上場企業への投資も面白いと思います。
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誰かに毎回当選しているため申し込み続けて利益を積み上げていくしかありません。地味な投資なので意外とメンタルも必要になります。
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
ソレイジア・ファーマ(4597) | PER-倍 | PBR2.29倍 |
Delta-Fly Pharma(4598) | PER-倍 | PBR1.83倍 |
カイオム・バイオサイエンス (4583) | PER-倍 | PBR2.79倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2021年6月21日~2029年6月20日 | 601,500株 | 391円 |
ストックオプション(新株予約権)は上場時点で行使期限に入る株はありません。予想外に少なくて驚いています。
新株予約権は上場日以後6ヶ月間を経過した場合に限り、新株予約権を行使することができると条件設定が行われています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。ペルセウスプロテオミクス(4882)IPOの評価と申し込みスタンス
ペルセウスプロテオミクスIPOは様子を見ながらIPO抽選に参加するのか考えたいと思います。無理をするような銘柄ではないと思うのでスルーする可能性も大きいように思います。同日上場もあることで資金が向かわない可能性も考えられます。
同社は継続的に新規抗体を創出することが目標であり、そのために開発パイプライン充実に向けた探索研究を継続的に実施するとともに早期臨床開発を実施しなければなりません。
バイオベンチャーへの投資リスクは医薬品開発を行っても成功しなければ意味がないことです。莫大な資金を投じても回収できないことも考えられます。
上場資金は研究開発費用に使われるため成功を願うしか投資家にできることはなさそうです。バイオ株は博打的な株なので素人は手出し無用というイメージがあります。乱高下も激しいですからね。
仮条件発表と有料レポート待ち?でしょうか。
期間限定でAmazonギフト券プレゼント中!SAMURAI(サムライ)証券では口座開設キャンペーン中となっています。詳細は下記記事でまとめてみました。
SAMURAI(サムライ)証券でAmazonギフト券キャンペーンが行われています。しかも調べてみるとSAMURAI&J PARTNERS(4764)の100%子会社となり透明度が高い企業でした。またトラブルもな …
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