ランディックス(LANDIX)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。事業は富裕層顧客を中心とした不動産売買となっています。
主幹事は大和証券になり公開株数650,000株、オーバーアロットメント97,500株で想定発行価格1,530円から算出される上場規模は約11.4億円です。不動産にITを組み込み効率的な集客を行っている企業です。
IPOでも人気になりそうなので積極的に抽選に参加してよさそうです。不動産と富裕層の組合せはIPOでもたまに出てきます。結構人気となる銘柄が多いと感じます。
富裕層をターゲットとしていることで終活などによる売買も行われそうです。高齢化社会による企業収益も期待が出来そうです。ランディックスの不動産カテゴリーは大企業による支配が進んでおらず中小企業の割合が多い業界になるそうです。
ランディックス(2981)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 不動産業 |
事業内容 | 富裕層顧客を中心とした不動産売買、仲介、注文住宅マッチングサービスの提供及び自社ポータルサイト「sumuzu」の運営 |
公開予定 | 12月19日 |
ブックビルディング期間 | 12月04日~12月10日 |
想定価格 | 1,530円 |
仮条件 | 1,530円~1,630円 |
公開価格 | 12月11日 |
企業情報 | https://landix.jp/ |
監査人 | 有限責任 あずさ監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額604,000千円については、「sumuzu」サービス基盤拡張のためのシステム開発に対し117,761千円(2020年3月期28,598千円、2021年3月期42,458千円、2022年3月期46,706千円)、物件の取得に伴う長期借入金の返済に419,170千円(2020年3月期232,744千円、2021年3月期120,016千円、2022年3月期66,410千円)、残額を子会社への投融資に充当する予定であります。
また、子会社に関する投融資は、物件仕入に伴う長期借入金の返済に充当する予定であります。なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 400,000株 |
売出株数 | 250,000株 |
公開株数(合計) | 650,000株 |
オーバーアロットメント | 97,500株 |
上場時発行済み株数 | 2,734,693株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約41.8億円 |
幹事団 | 大和証券(主幹事) SBI証券 みずほ証券 楽天証券 ←後期型抽選 岡三証券 岩井コスモ証券 SMBC日興証券 |
委託見込 | 岡三オンライン証券 ←前受け金不要 SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
ランディックス(2981)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,530円を基に吸収金額を算出すると約9.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約11.4億円規模の上場となります。業績よりも上場規模や事業に魅力があるIPOでしょう。同社グループは不動産の仕入から販売、そして売買に係る仲介やオーダーメイド住宅のマッチング、建築後のアフターフォローに至るまでのプロセスをワンストップソリューションで提供する事業を展開しています。グループは同社と連結子会社(株式会社グランデ)の合計2社で構成されています。
事業の特徴はリセールバリューの高いオーダーメイド住宅を顧客に届けることを信念とし、土地購入サポートだけではなくデザイン会社や施行業者とのマッチングまでを同社営業員が行います。
従来は対面型の営業で営業員が個別に顧客の希望を確認して最適な建築業者のマッチングを行っていました。2018年1月にオープンした自社サイト「sumuzu」を導入したことで、オンライン上で顧客と建築業者とのマッチングサービス機能を搭載しオンライン上でマッチングが成立する体制の強化を行っています。
事業は「sumuzu事業」と「賃貸」事業の2つになりメイン事業はsumuzu事業になります。
同社グループは東京23区の中でも主として富裕層の多いエリアである城南6区を中心に事業を行っています。渋谷、二子玉川、自由が丘のトライアングルエリアにおいては、高所得者や高学歴者の割合が高いと同社は考えているそうです。メイン顧客層が多いと思われる当該エリアをカバーするように3つの支店(桜新町、自由が丘、恵比寿)を設置しています。
直近のITの取組みとして、マーケティングにおける過去データの利用や自社サイトを通じた当社注力エリアの不動産情報の提供を行っており、リアル不動産ビジネスで培ったノウハウとITを駆使したリアルエステートテックを推進しています。
富裕層とは年収1,000万円以上の顧客と同社では考えているそうです。城南6区とは世田谷区、目黒区、渋谷区、大田区、港区、品川区を指しています。
リアルエステートテックとは、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと
「sumuzu」事業では、住宅用地等を仕入れて分譲することによる売買収入、不動産仲介収入、オーダーメイド住宅建築に伴う建築業者からの紹介手数料収入を得ています。
同社グループは主に戸建住宅用の土地の売買を行っていますが、全国の住宅着工数推移によると戸建住宅は全国的にも新築住宅着工数は安定的に推移しており、東京都の戸建住宅の着工件数は全国1位だそうです。
その中で、特にターゲットとしている城南6区は住宅エリアとして人気があり、東京都23区の中でも最大の戸建住宅着工数である世田谷区を含んでいます。また東京都財務局の地価調査から、現在の地価は安定的に上昇していると考えられるそうです。
住民の流入も増加傾向にある地域であることから、今後も継続して安定した需要が想定されるエリアだそうです。さらに富裕層の特徴として一度取引した後も買い替えなどを行ったり、家族分の購入等を目的として複数回の取引を行う事が確認されているそうです。
まじか!お金持ちって庶民の感覚とやはり違うんですね。
2019年3月期の実績でグループの成約顧客の集客経路は、建築業者からの紹介による成約が22.0%、既客および会社関係者からの紹介による成約が11.0%、過去の成約顧客の保有不動産売却が9.0%、過去の成約顧客による再度の購入が3.5%となっているそうです。
関係事業者や顧客、会社関係者との関係を長期的に保つことで既存の人的関係から顧客や取引先の紹介サイクルが生まれているそうです。また、累計顧客データ数は2019年3月末時点で約8,000件、2019年9月末時点で約9,700件だそうです。
また、顧客の要望に応えるためデザイン性に優れたリセールバリューの高いオーダーメイド住宅を実現すべく、デザイン性に優れた施工業者、デザイナーをアレンジするコンサルティングを実施しています。
さらに、ITを活用した効果的な不動産集客を行いオムニチャネル戦略により、ネットとリアルを融合した集客を行っています。
特にスマートフォンの普及により、インターネットでいつでもどこでも不動産情報を入手できるようになり、インターネット上での集客が極めて重要になってきているそうです。2019年3月期実績では30.0%がインターネットからの集客による成約となっています。
同社では、他社運営の不動産情報ポータルサイト、自社サイト「sumuzu」、自社ホームページ、その他チラシおよび販売現地の看板反響等から集客を行っています。
賃貸事業は収益用不動産を購入し、賃料収入を継続的に得ることで安定収益の基盤を形成しているそうです。
ランディックス(2981)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第18期 | 第19期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 |
売上高 | 5,581,200 | 6,441,093 |
経常利益 | 664,429 | 832,728 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 436,919 | 571,611 |
包括利益 | 436,919 | 571,611 |
純資産額 | 2,632,440 | 3,191,619 |
総資産額 | 6,053,067 | 6,813,854 |
1株当たり純資産額 | 1,133.21 | 1,367.04 |
1株当たり当期純利益金額 | 191.29 | 245.70 |
自己資本比率(%) | 43.5 | 46.8 |
自己資本利益率(%) | 18.3 | 19.6 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 129,083 | 188,735 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,947 | 55,870 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 179,670 | 107,186 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 2,241,325 | 2,593,398 |
第20期第2四半期連結累計期間(2019年4月01日~2019年9月30日)
- 売上高4,948,759千円
- 営業利益740,800千円
- 経常利益730,279千円
- 親会社株主に帰属する四半期純利益500,108千円
個人消費が持ち直し景気回復基調となっているため、東京都全域で地価公示価格が上昇しているそうです。また商業領域不動産は大幅な上昇傾向となり、住宅領域不動産は微増、低金利環境の継続により富裕層の実需用は堅調に推移しているそうです。
さらに営業社員のスキルアップによる従来の対面接客販売高が伸びたこと、消費税率が2019年10月から10%に増税される前の駆け込み需要もあり販売が好調に推移したそうです。消費税による落ち込みなどは懸念されるかもしれません。
ランディックス(2981)従業員と株主の状況
会社設立は2001年2月13日、東京都世田谷区新町三丁目22番2号に本社を構えます。社長は岡田和也氏(1969年5月24日生まれ)、株式保有率は60.70%(1,510,000株)です。従業員数は42人で平均年齢33.4歳、平均勤続年数2.3年、平均年間給与7,507,000円です。連結従業員数は49人になりセグメント別ではsumuzu40人、賃貸1人、全社共通8人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
岡田 和也 | 1,510,000株 | 60.70% | 〇 |
MJ・R合同会社 | 500,000株 | 20.10% | 〇 |
岡田 英利子 | 120,000株 | 4.82% | 〇 |
岡田 光盛 | 120,000株 | 4.82% | 〇 |
渡邉 光章 | 35,000株 | 1.41% | 〇 |
古室 健 | 35,000株 | 1.41% | 〇 |
小野 雅之 | 35,000株 | 1.41%% | 〇 |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である当社の株主、貸株人かつ代表取締役である岡田和也、並びに当社の株主かつ取締役である渡邉光章、古室健及び中山周一郎、並びに当社の株主かつ当社子会社代表取締役である小野雅之、並びに当社の株主かつ監査役である髙木和則、並びに当社の株主であるMJ・R合同会社、岡田英利子、岡田光盛、宇野康秀、岡田純子、宇都宮孝志、松村隆平、木村珠美及びランディックス従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年3月17日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得することを除く。)を行わない旨を合意しております。
また、当社の新株予約権を有する渡邉光章、古室健、小野雅之、中山周一郎、髙木和則、松村隆平、宇都宮孝志及び木村珠美は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2020年3月17日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
新株予約権を有する株主に対してもロックアップ期間中の売却は基本的に不可となります。親引けなどは行われないようです。
ランディックス(2981)IPOの初値予想と幹事引受け株数
仮条件は想定発行価格を下限として1,530円~1,630円に決定しました。仮条件上限の1,630円算出による吸収額は約12.2億円です。十分吸収でき初値利益が狙えると思います。2020年3月の連結業績予想は売上78.5億円で前期の64.4億円から21.8%増、経常利益9.4億円で前期8.3億円から12.7%増になります。四半期利益は6.5億円で前期5.7億円から13.1%増となり業績が好調に推移しているようです。
EPS263.64からPERを計算すると約6.18倍、BPS1,610.51からPBRを計算すると約1.01倍になります。ITを使っているようですが普通の不動産業の指標水準と変わりありません。初値後は公開価格前後にまで株価が下げてくる可能性が高いようです。
初値予想2,000円~2,300円(修正値)
不動産業で富裕層をターゲットにしているIPOって初値は高くなる傾向がありますよね!
配当金が42.3円出るため配当利回りを算出すると仮条件上限で2.6%あたりになります。配当狙いだけなら他社を選ぶと思いますが初値だけは高くはじまるようです。
ベンチャーキャピタル保有株もないため需給は良さそうですね。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
大和証券(主幹事) | 572,000株 | 88.00% |
SBI証券 | 26,000株 | 4.00% |
みずほ証券 | 19,500株 | 3.00% |
楽天証券 | 13,000株 | 2.00% |
岡三証券 | 6,500株 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 6,500株 | 1.00% |
SMBC日興証券 | 6,500株 | 1.00% |
ランディックスは当選を狙い申込を行ってよいと思います。積極的にブックビルディングに参加するべきIPOでしょう。株数は少し多めなので当選期待はあります。大和証券からの申込を中心に口座を保有している平幹事からも積極的な申込を行いたいと思います。
楽天証券などの後期型申し込みを行う企業は参加者が減りそうです。12月上場も終盤に差し掛かり後期型まで申し込む余裕がないと考えられます。岩井コスモ証券も後期型抽選なので資金と時間的余裕がある方にお勧めできます。
ブックビルディングが重なると申込者もどれに申し込んでよいのかわからなくなるため気を付けておきましょう。IPO投資を始めたばかりの方は下記記事を参考にして頂くとよりIPOのことがわかると思います。
IPO投資みたいに爆発的な利益をだせませんが「安定的に利益」を出せるソーシャルレンディングへの投資はいかがでしょうか!利回り重視であればクラウドクレジットがお勧めです。キャンペーンで5,000ポイント貰えるのでお得です。実際に投資を行っているので下記記事が参考になると思います。
またSBIポイントが5,000P貰えるためSBIポイントについても詳細記事を書いています。いつものようにネットショッピングを行うだけでポイントを2重取りすることも可能です。先日もポイントが付与されていたのでこの技は使えます!
⇒ SBIポイントでTポイント2重取り!ポイント投資攻略とコツ
私の場合はSBIポイントをTポイントに交換し、そのTポイントで株を購入しています。ポイント投資なので気楽に投資できるためお勧めです。100円くらいから株が買えるため手元に余っているTポイントがあればお勧めします。nanacoポイントやAMAポイントにも交換可能です。
SBIネオモバイル証券に口座を開設しなければなりませんがSBIグループなので安心できます。ポイント投資の先駆けとなっています。
SBIネオモバイル証券の詳細情報を知りたい方は下記記事にまとめているので参考にしてください。個人的には楽天ポイントよりもTポイントにはまっています!
SBIネオモバイル証券(ネオモバ)評判とデメリット!Tポイント投資で業界激震類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
エー・ディー・ワークス(3250) | PER20.67倍 | PBR0.89倍 |
アグレ都市デザイン(3467) | PER10.63倍 | PBR1.21倍 |
リーガル不動産(3497) | PER4.74倍 | PBR0.99倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2019年12月26日~2027年11月25日 | 137,000株 | 1,120円 |
2020年12月14日~2028年11月13日 | 10,000株 | 1,320円 |
2021年3月19日~2029年2月18日 | 6,000株 | 1,320円 |
ストックオプション(新株予約権)で行使期限を迎えている株数は137,000株です。また発行価格が高いため安値売却することはないでしょう。発行価格が高いと投資家の印象も良いです。
1円発行とはあり得ない?と思うことだってありますよね。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
IPOの最新情報やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入しています。ランディックス(2981)IPOの評価と申し込みスタンス
ランディックス(LANDIX)IPOは初値利益が狙えるでしょう。地域を絞った戦略になり関係企業の仲介が多くなっています。今後ITの進化により不動産購入プロセスの変化に対応したマーケティングの最適化、ビッグデータをベースとした透明性が高く信憑性の高いデータを顧客に提供することにより、不動産取引の活性化を図ることを狙いとしています。
現在は集客までネット上で完結できるそうですが最終的には対面接客が必要になるそうです。その部分についてもネット上で完結するサービスを行う予定だそうです。
事業エリアの拡大については城南エリアでさらなる富裕層顧客の支持を獲得したいそうです。そして今後はITも力を入れることで地方の主要都市へ事業展開を行いたい意向があるそうです。中長期的な戦略として視野に入れているそうです!
同社は販売までの在庫保有期間が短く、物件仕入れに要した借入の返済について長期間にわたる安定的な返済実績の蓄積があるそうです。2019年3月期末で流動負債に対する現預金比率が114.1%となっています。
高齢化社会が進む中で顧客相談案件が増加しているという背景から土地や住宅、保有している収益用不動産等の売却ニーズが増加しているとと考えられ業績が見通しは明るいようです。
事業リスクは景気の落ち込みや金利変動、地価変動になると考えられます。経済情勢の変化は、土地の購入代金、建築費等の変動要因になります。考えても仕方がないところなので市場に任せるしかありません。
IPOを手に入れ初値売却する方にはあまり関係がありませんが、今後の業績見通しは明るいようです。上場規模が小さいため全力参加でしょう。
DMM.com証券がIPO取扱いをついに発表しました! 【前受け金不要で抽選に参加できる】
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