ピー・ビーシステムズ(PBシステムズ)IPOが福岡証券取引所Q-Boardに新規上場承認されました。主幹事はエイチ・エス証券になり、公開株数は210,000株でオーバーアロットメント30,000株、上場規模は約3.3億円と小粒上場になります。
前回は大英産業の主幹事を務め公募割れでしたが今回は人気が出そうなIPOとなっています。
事業はセキュアクラウドシステム事業とエモーショナルシステム事業を行いクラウドやVRを扱います。IPO市場でも特に人気が高い事業になるため初値利益を狙えそうです!
売上規模は少ないですが4D王でウルトラマンゼロや頭文字D、新幹線変形ロボシンカリオンなどの取扱いがあります。
また主力事業の仮想化技術をベースとしつつ、顧客企業のリアルなニーズに対応した高品質なIT技術を提供することでセキュアクラウドシステム事業の継続的な成長を目指したいそうです。
ピー・ビーシステムズ(4447)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | 福岡証券取引所Q-Board |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、VRシアター4D王の製造販売を行う「エモーショナルシステム事業」 |
公開予定 | 9月12日 |
ブックビルディング期間 | 8月26日~8月30日 |
想定価格 | 1,370円 |
仮条件 | 1,280円~1,380円 |
公開価格 | 9月02日 |
企業情報 | https://www.pbsystems.co.jp/ |
【手取金の使途】
差引手取概算額181,560千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の差引手取概算額上限37,812千円を合わせて、①事業拡大に係る採用費及び人件費、②社内のサーバ・ストレージ及びネットワーク機器並びにソフトウエア等購入費、③長期借入金の返済に充当する予定であります。具体的には以下を予定しております。
①事業拡大のための新規人材の採用費及び人件費として130,000千円(2020年9月期50,000千円、2021年9月期80,000千円)
②生産性向上・セキュリティ強化のための社内システム投資として、サーバ・ストレージ・ネットワーク機器及びソフトウエア等購入費用15,000千円(2020年9月期5,000千円、2021年9月期10,000千円)
③金融機関からの長期借入金の返済資金として60,012千円(2019年9月期30,012千円、2020年9月期30,000千円)
※なお、上記使途以外の残額については、将来における当社の成長に資するための設備投資及び人件費の増加分等に充当する方針ではありますが、当該内容等について具体的に決定している事項はありません。上記調達資金は、具体的な充当時期まで、または具体的な資金需要が発生し、支払い時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 150,000株 |
売出株数 | 60,000株 |
公開株数(合計) | 210,000株 |
オーバーアロットメント | 30,000株 |
上場時発行済み株数 | 1,309,200株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約17.9億円 |
幹事団 | エイチ・エス証券(主幹事) SBI証券 ←ポイントを貯めて100万円抜きも FFG証券 西日本シティーTT証券 岡三証券 岡三オンライン証券 ←前受け金不要 東洋証券 エース証券 |
ピー・ビーシステムズ(4447)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,370円を基に吸収金額を算出すると約2.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.3億円規模の上場となります。業績的には前期の赤字が気になりますが今期は黒字化となっています。同社の事業セグメントは、企業の基幹システムをクラウド化する「セキュアクラウドシステム事業」、特殊な映像技術を用いて空間を仮想化する「エモーショナルシステム事業」の2つのセグメントで構成されています。
セキュアクラウドシステム事業は創業間もない時期から取り組んでいる主力事業であり、目安として売上高100億円~500億円規模の中堅企業を主な顧客ターゲットとしています。同事業の属する国内クラウドサービス市場は、2018年度の市場全体の規模は約1兆9,422億円、2023年には4兆4,754億円まで拡大すると予測されている有望かつ潤沢なマーケットと言われております。
同社はプライベートクラウドを実現する主要なソフトウエア企業である、Citrix、VMware、Microsoftの製品群を熟知、これら各社の戦略を理解し顧客企業にとって最適な選択を行うことを第一に考え、派生する多数のセキュリティ、ストレージ、サーバー等のハードウェア商品及び各種ソフトウエア商品を含めた総合的な提案を柔軟に行っています。
特にシトリックス・システムズ・ジャパン社のスペシャリスト認定者が最も多い企業として「Citrix Specialist of the Year」を2017年に受賞、「Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award」を2017年2018年の2年連続受賞するなど既に国内では主だった仮想化技術企業として評価を得ているようです。
セキュアクラウドシステム事業は、サーバーの仮想化や強固なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、顧客が望む独自機能を満たすためのスクラッチ開発(手作り開発)を行う「カスタマイザー」の3つの区分で構成されており、プライベートクラウド構築だけでなく、企業システム全般を対象としたサービスを中堅企業向けに提供しています。
エモーショナルシステム事業は、VR(仮想現実)シアター4D王の技術開発及び製造販売を中心に行っています。4D王は特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)を取得しており、360度スクリーンに切れ目なく3D映像を投影する特許技術を基にした移設可能なミニシアターです。
円筒形のスクリーンの中に客席が設置され、スクリーンに囲まれた空間に映像が縦横無尽に飛び回り観客を突き抜ける特殊効果と、映像に同期した立体音響、突風、地面の揺れによって360度に展開するストーリーに観客を没入させる、独自のVR空間を作り上げる装置となっています。
ヘッドマウントディスプレイ型のVRと異なり軽量な3D眼鏡を使用することで仲間と感動を共有する、いわゆる「体験共有型VRシアター」と言えるそうです。
2019年7月末現在、4D王の常設設置箇所は遊園地を中心として国内17箇所、海外2箇所、計19箇所となっているそうです。最近では、博物館や科学館で設置されるようになったほか、工場見学等産業系をはじめとした様々な用途に対応するシミュレーターとしての利用が検討されるなど、販売・設置先が遊園地系以外にも広がりつつあります。
また、4D王は運搬や設置に時間と労力を要する常設型のシアターだけではなく、装置の運搬・設置・解体を簡易化し、これらの時間を大幅に短縮させた可搬型のシアターである4D王ギャロップも製品化しています。
一定の平面箇所があれば設置可能なラインアップを大小にわたって取り揃えていることから、平面スクリーンと稼働椅子を使ったシアターと比較して、設置にあたって柔軟な対応が可能となっています。
ピー・ビーシステムズ(4447)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第21期 | 第22期 |
決算年月 | 2017年9月 | 2018年9月 |
売上高 | 1,591,790 | 1,485,725 |
経常利益 | 89,385 | 14,396 |
当期(四半期)純利益又は当期純損失 | 91,245 | △87,318 |
資本金 | 99,000 | 99,000 |
純資産額 | 123,973 | 36,655 |
総資産額 | 705,826 | 848,878 |
1株当たり純資産額 | 106.95 | 31.62 |
1株当たり当期(四半期)純利益金額又は1株当たり当期純損失金額 | 78.71 | △75.33 |
自己資本比率(%) | 17.6 | 4.3 |
自己資本利益率(%) | 116.5 | – |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 158,958 | 171,211 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △74,025 | △25,638 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △113,658 | 87,419 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 129,717 | 362,709 |
第23期第3四半期累計期間(自2018年10月01日~2019年6月30日)
売上高1,222,796千円
営業利益121,902千円
経常利益112,527千円
四半期純利益122,413千円
当社の属する情報通信業界は、ソフトウエア投資の拡大局面が継続するなど良好な事業環境が続きました。とりわけ、2020年01月に迫るWindows7 / WindowsServer2008 サポート終了に伴うクラウド化・仮想デスクトップの導入需要、全国的な人手不足や政府が推進する働き方改革に対処する業務効率化のシステム需要、消費税増税と軽減税率制度対応のシステム需要、巧妙化するサイバーセキュリティリスクへの対応需要などが企業のIT投資需要を加速しています。
このような環境の下、当社は主力事業であるセキュアクラウドシステム事業の収益性拡大と顧客満足の向上を図るため大口パートナーとの関係強化と中堅企業顧客の開拓に努めるとともに、エモーショナルシステム事業の再構築に向け4D王販売の強化、代理店ネットワークの増強に注力しました。
ピー・ビーシステムズ(4447)従業員と株主の状況
会社設立は1997年2月06日、福岡市博多区東比恵三丁目3番24号に本社を構えます。社長は冨田和久氏(1963年7月17日生まれ)、株式保有率は28.50%です。従業員数46人で平均年齢45.6歳、平均勤続年数8.8年、平均年間給与5,906,120円です。セグメント別従業員はセキュアクラウドシステム事業32人、エモーショナルシステム事業4人、全社共通10人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
冨田 和久 | 410,800 | 28.50 |
森﨑 高広 | 72,000 | 5.00 |
彌永 玲子 | 65,000 | 4.51 |
加賀電子株式会社 | 54,000 | 3.75 |
株式会社ユニリタ | 50,000 | 3.47 |
日本アジア投資株式会社 | 48,000 | 3.33 |
山代ガス株式会社 | 48,000 | 3.33 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である冨田和久、当社株主である森﨑高広、彌永玲子、冨田美香、山本智弘、冨田良彦、大原和司、冨田良郎、宮地洋、松下幸史、前原俊介、廣渡愛子、山田一郎、吉富裕之その他31名(当社の役職員(執行役員を含む。)又は代表取締役社長の親族)の計45名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2020年3月9日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。
また、当社の株主である加賀電子株式会社、株式会社ユニリタ、日本アジア投資株式会社、山代ガス株式会社、株式会社ゼネラルアサヒ、イメージ情報開発株式会社、K&Pパートナーズ1号投資事業有限責任組合、株式会社E3、みやざき未来応援ファンド投資事業有限責任組合及び株式会社バリュー・アップは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2019年12月10日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、当社普通株式の売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う証券会員制法人福岡証券取引所での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。
加えて、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行、ストックオプションの行使による新株式発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、2019年8月8日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。
上位株主には180日目(2020年3月09日まで)のロックアップが付与されています。この他、一部の株主とベンチャーキャピタルに対してロックアップ90日間(2019年12月10日まで)、発行価格又は売出価格の1.5倍以上のロックアップ解除が設定されています。
VC保有株の割合は多くありませんが、地方上場になるためまとまった買いが入らない場合もあるため注意が必要です。
ピー・ビーシステムズ(4447)IPO大手初値予想と各社配分
仮条件は1,280円~1,380円に決定しました。上限1,380円から上場に伴う吸収額を算出し直すと240万円増え、約3.31億円規模の上場になります。地方上場では決して軽いとは言えませんがクラウド系の事業を行っていることから個人投資家を中心に人気が出そうです。2019年9月の単独業績予想は売上17.7億円で前期比19.33%増、経常利益1.2億円予想で前期比771.43%増になる見込みです。四半期利益では前期が-8,700万円で今期が1.26億円のプラスになる予想が出ています。上場タイミングとしては悪くなさそうです。
EPSは108.20になるため予想PERは12.75倍、BPS262.92からPBRを予想すると5.25倍になります。配当や株主優待の設定はありません。
公募割れしたステムリム(4599)が上場したのは8月09日です。ピー・ビーシステムズの上場は9月12日なので1ヶ月以上のIPO空白期間が発生します。
もしかして上場当日は初値付かずも?あり得るのかもしれません。マザーズ市場であれば翌日持ち越しになるような銘柄ですよね。
続く上場はアミファ(7800)とサイバー・バズ(7069)になりますが1週間空くため同社への資金流入は通常よりも多めかもしれません。地方上場でもIT系はたまにぶっ飛びます!
初値予想2,000円~3,000円
初値予想2,500円~2,800円(修正値)
幹事名 | 配分単位(株) | 引受割合(%) |
エイチ・エス証券(主幹事) | 172,200 | 82.00 |
SBI証券 | 21,000 | 10.00 |
FFG証券 | 8,400 | 4.00 |
西日本シティーTT証券 | 2,100 | 1.00 |
岡三証券 | 2,100 | 1.00 |
東洋証券 | 2,100 | 1.00 |
エース証券 | 2,100 | 1.00 |
類似企業 | PER | PBR |
アセンテック(3565) | PER46.54倍 | PBR9.25倍 |
テクノスジャパン(3666) | PER18.31倍 | PBR1.92倍 |
テラスカイ(3915) | PER52.22倍 | PBR7.39倍 |
株数から考えると主幹事からの当選以外は難しそうです。しかも福岡証券取引所への上場になるため地方証券が幹事入りしており配分は厳しそうです。SBI証券だとIPOチャレンジポイントを使った当選もできそうですがポイントと利益の割合がどうなるのか微妙なところです。
SBI証券と言えば今月もSBIネオモバイル証券でTポイントを使った投資ができるのではまっています。先日は抽選で10,000Pが当選したので毎月買い注文を入れて増やす予定です!
あとは前受け金が不要の岡三オンライン証券から申し込むだけ申し込んでおきたいと思います。外れて当たり前の精神で申し込みをしておきましょう。岡三証券が主幹事の時は岡三オンライン証券への配分も高くなります。
IPOには直接関係がありませんが、IPOに当選できない日々が続いているのでソーシャルレンディングへの投資はいかがでしょうか!日本で初の貿易系ファンドを取り扱う企業が人気です。あまりにも口座開設完了のハガキが来ないため電話をしてみたら口座開設者が多くて書類発送が遅れていると言われていました。
COOL(クール)という企業なんですが、これからファンドを多数用意できると言われていました。規模が大きい案件の取扱いもあるそうです!第一号は3万円からの投資でしたが基本的に1万円になると言われていました。
ピー・ビーシステムズのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
2003年4月01日~2021年9月30日 | 99,400 | 150 |
2019年1月14日~2026年12月27日 | 182,800 | 504 |
新株予約権(ストックオプション)は282,200株あり全ての株が行使期限を迎えています。取締役と従業員、役員知人へ割り当てが行われています。
ピー・ビーシステムズ(4447)IPO私見と申し込みスタンス
ピー・ビーシステムズ(PBシステムズ)は地方上場になりセカンダリーに参加する投資家が少ないと予想できますが、吸収規模が小さいことやIPO市場で人気のクラウドやVR(仮想現実)などのワードがあります。しかも4D王は特許を取得し体験共有型VRシアターに魅力があり通常よりも買われるのではないでしょうか?類似企業があるのかどうか現段階ではわかりませんが、4D王の販売がうまく言えば中長期的に収益拡大に結び付くのではないかと思われます。
主力事業の仮想化技術をベースにしたクラウドシステムは既に実績があるため上場効果で売上期待があります。種仮想化ソフトウェアの導入コンサルティング、設計、実装、保守及びそれらに付随するハードウェア、ソフトウェア販売には定評があるようです。
HMDを装着せずにVR空間を実現化し複数人で同時に体験できるVRシアターは日本やアメリカ、台湾、インドで特許を取得しているそうです!
また2004年4月から15年連続でシトリックス認定販売パートナーのトップカテゴリ(Citrix Solution Advisor Platinum)にリストされているそうです。ただ目論見を見る限りクラウド市場が拡大し続けるので同社の売上も自然に伸びますよ!的な感じを受けました。
技術的には既存パッケージのカスタマイズは殆ど行わず、顧客ニーズと顧客状況に応じたシステムを手作りで構築できることが特徴となっているため技術力の評価はできそうです。
IPO空白期間が出来たためピー・ビーシステムズの初値は高くなりそうですね。ただ当選しにくいためそこが悩みとなります。
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