スマートプラス(SMART+)の評判やデメリットについて詳しく調べました。株式取引手数料が無料という新しいタイプの証券会社が登場しその全貌がわかってきました。証券業大手の大和証券が関わっているためもしかすると日本の株取引に大きな影響を与えるかもしれません。


スマートプラスが提供しているSTREAM(ストリーム)という株アプリを使ってこれまでにない仕組みを作り上げていることは評価できますが、企業収益に疑問が残ります。


逆に投資家は手数料無料で株式売買ができるため大きなメリットになると考えられます!!


スマートプラス(SMART+)評判とデメリット
※ストリーム公式サイト引用


スマートプラスを調べてみると大和証券とFinatext(フィナテキスト)により立ち上げられたベンチャー企業となっています。Finatextは投資に関するモバイルアプリを多く世の中に提供し、国内最大規模のモバイル投資家コミュニティを生み出しています。


有名なところでは楽天証券の楽天ラップ、日本IBMのロボアドバイザーエンジンなどが挙げられます。そう考えるとこれから証券業界に大きなインパクトを与えそうです。


既にアメリカではRobinhood(ロビンフッド)という証券会社が手数料無料で株取引を行っています。スマートプラスも似たような仕組みを採用していることから期待できそうです。


また2021年12月にFinatextが上場しSTREAM(ストリーム)でIPOの取扱いも行われています!!

【この記事を読んでわかること】
  • 株式売買手数料がどうして無料になるのか詳しく調べている
  • 企業収益の仕組みを詳しく調べた結果を書いている
  • BaaS(バース)証券システムについて調べている
  • オンライン入金と口座開設について調べている
  • メリットとデメリットを調べ口座開設してよい企業なのかまとめている


スマートプラス(SMART+)の特徴を3つ調べてみた

同社の特徴やサービス内容をまず調べてみました。今回とにかく気になっていることは従来型の株式委託手数料が無料となっていることです。しかも何回取引を行っても無料です。


個人的に意味がわからずかなり調べてみましたが、現物取引や信用取引も全て無料となっています。


公式サイトにも堂々とゼロ円表示があり驚きを隠せません。これまで証券会社が取引金額や預入金などで一部の富裕層に取引手数料無料を行っていることはありましたが、一般の投資家向けにサービスを行うことに驚いています。


スマートプラスの現物取引手数料


スマートプラス信用取引手数料


上記は記事作成時の株式取引手数料になります。公式サイトに堂々とゼロ円と書かれているため間違いありません。


圧倒的に安い手数料と書かれていますが、そもそも手数料無料なので安いという言葉が適正ではない気もします。

信用金利が業界最安値水準!さらに貸株料も業界最安値水準

同社のSTREAMコミュニティを使うことで信用金利が低くなるサービスがあります。そもそもアプリを利用した取引になりますが、コミュニティ型無料株取引アプリと称し面白いサービスが行われています。


個人的にはそんなに頻繁に利用することはない気もしますが「みんかぶ」や「ヤフー掲示板」、「仮想通貨チャット」などが好きな方は、ポイントを沢山貯めて信用金利を低く抑えることができそうです。


信用金利を安くする方法


※クラスの変動は、他のユーザーとの取得ポイント優劣により決まります。他のユーザーがより多くポイントを得ることによりクラスが降格することがあります。またその場合、信用金利が割高になることがありますのでご了承ください。



ソーシャルステータスのクラスというものがあり、ログインしたりフォローやコメントなどでポイントが貯まります。アクションを起こしクラス分けされるシステムなので、頑張る方は費用が低く抑えられると思います。


最低ランクのDランクの3.49%は少し高いと感じます。大体どこでも2.8%あたりで提供していると思います。売買手数料が無料と考えれば安く済むかもしれませんが、この辺りは企業収益にも関係がありそうです。

SOR(スマート・オーダー・ルーティング)約定で株が安くなる

SOR(スマート・オーダー・ルーティング)とは、東証や東証立会外取引などの複数市場から最良の市場を選択し、注文価格より有利であると判断された価格で約定を行うことができる仕組みになります。


SBI証券などはこの仕組みを既に提供しています。


SOR(スマート・オーダー・ルーティング)約定の仕組み


一般的には知られていませんが、東証立会外取引(ダークプール)という仕組みがあります。同社の場合は東証・東証立会外取引の2ヶ所で価格と数量を照合するとあります。


顧客に有利になるような条件で約定され、SOR内の優先順位に従って約定する仕組みが備わっています。


公式サイトの注意事項は下記のようになっています。


※SORにおける比較の結果、お客様にとって東証の価格のほうが東証立会外取引の価格より有利であると判断された場合は、東証で約定が執行されます。SORでは、お客様からの株式注文を受けた時点で、東証と東証立会外取引から、有利であると判断された価格で約定を行いますが、価格は常に値動きしますので、結果として有利な価格で約定ができない場合があります。



機関投資家の大口注文を利用した取引になり日常的に行われています。似たような取引では証券会社内で大口取引が入り個人投資家へ割安配分されることもあります。


約定単価や約定率のメリットがありダークプール自体は投資家にメリットしかありません。


スマートプラスはどうやって収益を得ているのか?

株式手数料が無料になれば顧客は取得コストが発生しないためメリットしかありません。しかし、企業活動を行うには収益が発生しないことにはシステム費用や人件費を支払うことができません。


ではどうやって収益を出しているのか?ここが個人的に最大の疑問でした。


調べると、東証立会外取引(ダークプール)を利用した収益構造と信用取引時の金利などが収益になるようです。


東証立会外取引(ダークプール)の仕組み


上記でも書きましたがSORを利用した注文方法を行うことで投資家は株式を割安で購入することができます。機関投資家などの大口注文は株価を上下に大きく動かすことがあるため、立会外取引を利用する場合も多いようです。


同社はここに目を付け投資家の注文と大口注文をマッチングさせることに成功したと言えます。東京証券取引の公式サイトでも立会外取引(ToSTNeT)について拡大する意向であると書かれています。


【東京証券取引所公式サイト抜粋】

ToSTNeT(Tokyo Stock Exchange Trading NeTwork System)取引は、東京証券取引所の立会外取引です。

ToSTNeT市場は、オークション時間外の立会外取引として、1998年6月29日から単一銘柄取引(1999年9月30日までは大口取引)・バスケット取引(ToSTNeT-1)を、同年8月7日から終値取引(ToSTNeT-2)を開始して以来、売買立会(オークション方式による売買)における円滑な執行が困難である大口取引やバスケット取引等に対応するための取引として利用されてまいりました。

しかし、近年、取引が高度化・多様化するにつれ、より柔軟な利用のニーズが高まっていました。そこで、2008年1月15日から、取引時間を拡大し、ToSTNeT市場としてオークション方式による市場(立会市場)から独立した市場とするとともに、新たな取引制度として自己株式立会外買付取引を導入し、さらに取引対象商品の拡充など取引制度の改正を行いました。また、その後も、更なる取引時間の拡大や呼値の範囲の見直し等の取引制度の改正を行い、利便性の向上を図っております。

立会市場に上場する、内国株、外国株、ETF、REIT、転換社債型新株予約権付社債はToSTNeT市場にも上場します。



例えば、100,000円で注文を出した株が立会外取引で99,000円という価格で成立した場合、1,000円安く買えたことになります。その1,000円の500円分を同社利益として徴収する仕組みが構築されています。


顧客が得をした差額相当の半分を手数料として徴収する新しい考え方です。顧客数が増えることで一定以上の収益を確保する狙いがあると思います。


これまで投資に関係がなかった方の障壁を下げることで新規顧客を取り込む狙いもこの辺りにあるように感じます。アプリを使った投資が日常的になる時代がいよいよ迫っていると言えます。


日本でも多くのスタートアップ企業が登場し、同社のサービスが証券業界に良い刺激となることを望みます!


信用金利が少し高い気もしますがシステム維持のためには仕方がないのかもしれません。ソーシャルステータス上位を維持できれば業界最安値水準になります。


株式売買執行プラットフォームサービスBaaS(バース)でシステム費用コスト減

同社では収益構造の他に、BaaS(バース)という証券システム開発の初期費用を大幅に抑えることに成功しています。従来の開発費用の10分の1程度しか初期費用が発生しないそうです。


この辺りにも株式売買手数料無料につながる大きなポイントがありそうです。


BaaSを利用することで初期費用が掛からない


Finatext(フィナテキスト)が絡んでいると言うことで専門的な知識があり心配無用だと思います。膨大な開発費用などが低く抑えられ、取引所接続や証券保管振替機構への接続、情報ベンダーとの接続などもコストがかかるところです。


また、システムエンジニアや証券システム開発など優秀な人材確保についてもBaaSを使うことで大幅に低減することが可能となっています。


このことから証券フロントサービス開発に専念できると同社が発しています。これまでにない新しい証券サービスを目指すというだけことはありそうです。


スマートプラスに口座を開設する前にチェックしておきたいこと

同社のサービスを試すため私も口座を開設してみたいと思います。その前に確認しておきたいことがあるため調べてみました。


口座開設は特定口座を利用することが可能となっています。源泉徴収ありと源泉徴収なしを選択でき、年間取引報告書も発行できるようです。


一般口座の取扱いはないそうなのでお気を付けください。確定申告などが面倒だと感じる方は「特定口座源泉徴収あり」を選択しておけば基本的に確定申告の必要はありません。


項目源泉徴収あり源泉徴収なし
源泉徴収お取引ごとに税制に基づき源泉徴収されます。源泉徴収されません。
確定申告・原則、確定申告は不要です
・当社で税制に基づき損益通算したうえで納税します。なお、他の金融商品取引業者の取引と損益を通算したり、税金の還付を受けようとする場合等は確定申告することができます。
・確定申告を行ってください。
・当社が発行する「年間取引報告書」を用いることで簡易に申告、納税ができます。
損益通算への反映・譲渡損と配当金の損益通算を行う場合は、配当金受取方式を「株式数比例配分方式」を選択してください。
・年間の譲渡損を翌年以降の繰越控除としたい場合は、当社が発行する「年間取引報告書」を使用してください。
・源泉徴収が行われないため、確定申告の時に損益通算を行ってください。

オンライン即時入金サービスを使って入金手数料を無料化できる

オンライン即時入金サービスについて調べてみました。株式手数料が無料なのに即時入金がないのであればかなり残念だと思いましたが、しっかりと用意されています。


ゆうちょ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行などもあります。ジャパンネットや楽天銀行など大手ネットバンクもあり入金環境は良さそうです。


オンライン即時入金サービス対応金融機関


ネット送金ができない方は、専用口座が用意されているので振り込み代金を自分で支払って入金することになります。この場合は振り込み窓口で定められている振込手数料が必要になります。


オンライン入金を使うことで口座にリアルタイム反映されるため投資チャンスを逃がしません。また出金の際も手数料無料で登録口座に出金されます。

口座開設手順とストリームアプリを使うまでの流れ

口座開設を行う手順を説明したいと思います。STREAM(ストリーム)株アプリを使わないといけないため、まずは公式サイトからアカウント開設を行わなければなりません。


登録にはマイナンバーや本人確認書類が必要になるため、画像を用意しておくとスムーズに開設できそうです。


口座開設手順画像


口座開設ができると気になるのが資金の管理方法です。証券会社となっているためこの辺りもしっかり対応し預け入れ資金は分別管理されます。


公式サイトには「有価証券の分別管理」「金銭の分別管理」「投資者保護基金」とあり、預け入れ資金は二重のセーフティネットを利用しているとあります。


この他、わからないことがあればカスタマーサポートサービスがあり電話で問い合わせることが可能となっています。セキュリティーでは金融情報システムセンター(FISC)と金融ISACに加入しているそうです。


スマートプラスのメリットとデメリットをまとめてみた

同社のサービスをわかりやすくまとめていました。日本初のサービスと言うことでこれから大手証券会社に採用される可能性もありますが、現在のところオンリーワン企業になります。


東京証券取引所の立会外取引(ToSTNeT取引)を利用しているためこのようなサービス提供ができます。


    【メリット】

  • 株式売買手数料が無料
  • 約定代金にかかわらず現物取引や信用取引も手数料がゼロ円
  • ロットが小さく顧客はSORによるメリットが大きい
  • 複数ニュースソースや適時開示、銘柄ごとの掲示板、Twitterなど情報が豊富
  • ユーザー同士の交流が可能で情報共有できる
  • ニュースや情報に関連する銘柄タグあり即株購入が可能



    【デメリット】

  • 手数料無料でやっていけるのか不安
  • 他の証券会社がSORを利用し始めた場合のサービス存続
  • 約定率などがどうなるのか不安



あとは顧客売買が増えることや、同社のサービスを各証券会社自体が利用する可能性もあるため個人的にも期待しています。まずは自分で口座を開設し楽しんでみたいと思います。


大手ネット証券では既にSOR注文を利用している企業もありますが手数料無料ではありません。発注した価格以下で約定したことも実際にあるためどんどん採用する企業が増えることを願います。

SNS機能を利用しユーザー同士で交流ができるメリットも?

SNS機能というものが存在しTwitterやFacebookのようにユーザー同士の交流ができます。株売買を初めて行う方に特にメリットがありそうです。「コメントボタン」や「いいねボタン」を押すことで書き込みができるようになっています。


コミュニティ型株取引アプリログイン画面


いいねボタンが多いと書き込みの評価が高くなると考えてよいでしょう。約定報告機能を使うことでSNSに参加している方とシェアできるシステムもあります。


MyNewsリストでは「いいね」した情報にタグづけされているニュースやツイッター、ユーザーコメントが一元的に集約され効率的な情報収集が可能となっています。

会社概要や設立年月日を調べてみました

同社の会社設立は2017年3月となっています。そして現物取引サービスを開始したのは2018年7月、信用取引サービス開始は2018年9月となっています。


信用取引の最低保証金を念のため調べると30万円、委託保証金33%となっています。現引きや現渡しなどの決済方法も利用できます。もちろん買建と売建の利用が可能です。


項 目その内容
会社名株式会社スマートプラス(英文:Smartplus Ltd.)
金融商品取引業者関東財務局長(金商)第3031号
加入協会
  • 日本証券業協会
  • 一般社団法人第二種金融商品取引業協会
  • 一般社団法人日本投資顧問業協会
所在地〒102-0073
東京都千代田区九段北三丁目2番11号 住友不動産九段北ビル4階
資本金(資本準備金含む)6,623,611,000円(2019年2月時点)
事業内容第一種金融商品取引業
会社設立2017年3月
※2022年1月17日調べ


スマートプラスを調べた結果とまとめ

フィンテック技術が向上し新しい投資ができる企業が増えています。単元未満株取引に特化した企業が出てきたと思えば、今度は手数料無料で株式売買ができる企業が現れました。


スマートプラスを調べた結果


新しいサービスと言うことでこれから改善が行われ使いやすくなっていくのかもしれませんが、本当に手数料無料が続くのであれば投資家には嬉しいことだと感じます。


SNSを使ったサービスというのも若年層に人気になる可能性があるように思います。また業界的には「証券3.0」とキーワードが今後注目され、同社が使っているBaaS(バース)証券システムが世の中に普及していくと言われているようです。


意味合い的には証券2.0がシステム追求型になり、証券3.0は投資家一人一人にマッチする証券サービスになるそうです。メディアに取り上げられる機会も多くなっていることから期待できそうです。


同社のコンセプトの一つに「手数料ゼロ、めんどさゼロ 、楽しさ無限大」というワードがあり、手軽に投資ができる環境が既に存在します。その前にスマートフォンを持っていない方は、同社のサービスを利用できない可能性があり注意が必要です。


フィンテック最前線企業なので、スマホお手軽投資の代表格になるかもしれませんね。まずは試してみたいと思います。


また親会社のFinatextホールディングス(4419)が上場し巨額資金を得ることに成功しています。


kimukimu

スマートプラスが提供するSTREAM(ストリーム)でもIPOの取扱いが行われています。もしかしたら今後もIPO取扱いが行われる期待があるかもしれません!



スマートフォンに特化した売買が可能とあって操作性は抜群です。現物取引や信用取引、投資信託などの金融商品以外にも幅広いターゲットを対象とした証券サービスを提供していくそうです。


実際に取引してみると本当に手数料が無料です。ただスマートフォン取引になるため比較的若い方が取引の中心だと感じました。スマートフォンで株取引を頻繁に行う方にはお勧めできると思います。投資家同士の交流でわからないことを聞けるため利用価値はあると思います。


【追記】
ストリームのサービスは2024年10月31日(木)をもって終了になります。新規口座開設も終了しています。

株式買付けは2024年4月30日大引けで終了。売却は2024年10月31日大引けで終了します。単元未満株式の売却は2024年10月30日までとなっています。

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