サンケイリアルエステート投資法人(2972)IPOが東証リート市場に新規上場承認されました。スポンサーはサンケイビルになり1951年創設と実績ある企業です。現在同社はフジ・メディア・ホールディングスグループ傘下にあり、幅広いアセットタイプの開発や運営管理機能を網羅するプラットフォームを活用することで、持続的成長を目指しています。
2019年3本目のリートになりますが不人気だと予感させられます。都市開発や観光事業の中核として、分譲マンションやシニア事業なども行う企業ですが、リートを初値で買う投資家が少ないため公開価格前後の初値になるのではないでしょうか。そもそも初値利益を狙いに行くようなIPOではありません。
サンケイビルは、東京大手町を中心とした大規模オフィスビルの他、都心3区を中心に展開するハイグレードミッドサイズオフィスビル「S-GATE」シリーズに代表される中規模オフィスビルを保有しています。均築年数は15.3年になるようです。
サンケイリアルエステート投資法人(2972)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証(REIT) |
決算期 | 2月末、8月末 |
資産運用会社 | (株)サンケイビル・アセットマネジメント |
会計監査人 | EY 新日本有限責任監査法人 |
公開予定 | 3月12日 |
ブックビルディング期間 | 2月25日~3月04日 |
想定価格 | 100,000円 |
仮条件 | 98,000円~100,000円 |
公開価格 | 3月05日 |
企業情報 | https://www.sankeibldg.co.jp/ |
【手取金の使途】
一般募集における手取金22,723,800,000円については、後記「第二部 ファンド情報/第1 ファンドの状況/2 投資方針/(2)投資対象/③ 取得予定資産の概要」に記載の本投資法人が取得を予定する不動産及び不動産信託受益権(以下「取得予定資産」といいます。)の取得資金の一部に充当する予定です。なお、一般募集と同日付をもって決議された第三者割当による新投資口発行の手取金上限1,136,200,000円については、手元資金とし、支出するまで金融機関に預入れの上、将来の特定資産(投信法第2条第1項における意味を有します。以下同じです。)の取得資金の一部又は借入金の返済資金の一部に充当する予定です。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 227,238口 |
売出株数 | 0口 |
公開株数(合計) | 227,238口 |
オーバーアロットメント | 11,362口 |
上場時発行済み株数 | 228,238口(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約228.2億円 |
幹事団 | 大和証券(共同主幹事) みずほ証券(共同主幹事) 野村證券(共同主幹事) SMBC日興証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 auカブコム証券 |
サンケイリアルエステート投資法人(2972)上場評判とIPO分析
想定発行価格100,000円を基に吸収金額を算出すると約227.2億円となり、オーバーアロットメントを含めると約238.6億円規模の上場となります。リートしての上場規模は小さく大手資産運用のターゲットにはなりにくいようです。投資対象は都心のオフィスビルを中心にしており、空室状況も少ないようです。オフィスビルとサブアセットを対象とし8対2の投資割合を設定しています。上場後もサンケイビルが保有するオフィスビルを中心に外部成長を図るり、規模拡大を続けるようです。
取得物件は8物件で434億円規模になります。平均鑑定NOI利回りは4.1%とやや低いように感じます。都心を中心としていることから投資家からの人気はそこそこあるように思いますが、ファンドが買わないと「売」を吸収できない可能性が高いように思います。
LTVの上限は60%を基本方針として、巡航水準では40~50%程度を維持していくそうです。借入先はみずほ銀行及び三井住友銀行となります。
オフィスビルの他に、ホテルインターゲートシリーズを展開しており、訪日外国人需要が運営収益のアップサイドに係ってくるそうです。スポンサーシリーズは4つ保有しているようです。今後の開発計画で大阪プロジェクトが1件あるようです。
サンケイリアルエステート投資法人(2972)物件詳細とLTV
サンケイリアルエステートが上場により取得する資産は8物件になり、その詳細は下記の物件になります。殆どがオフィスビルになり、サブアセットはホテルインターゲート東京京橋だけです。NOI鑑定利回りは全体的に低いようです。目論見によれば、東京都心案件かつ大規模オフィスに人気がるようです。大阪に比べると賃料の開きもかなりあるようです。
また、戦略的なバリューアップ投資やテナントサービスの向上に積極的に取り組むことにより、サンケイビル保有物件の稼働率は極めて堅調に推移しているそうです。
物件名 | 所在地 | 鑑定NOI利回り |
東京サンケイビル | 東京都千代田区 | 2.8% |
ブリーゼタワー | 大阪府大阪市北区 | 4.7% |
S-GATE日本橋本町 | 東京都中央区 | 3.8% |
S-GATE秋葉原 | 東京都千代田区 | 3.9% |
日比谷サンケイビル | 東京都千代田区 | 3.7% |
八丁堀サンケイビル | 東京都中央区 | 4.7% |
東陽パークビル | 東京都江東区 | 4.4% |
ホテルインターゲート東京京橋 | 東京都中央区 | 3.9% |
【LTVとは】
J-REITは、一般企業と同様に資本効率を高めるため借入金(負債)によるレバレッジ効果を利用しています。一般企業の場合は、D/Eレシオで負債比率を判断することが多くなっていますが、J-REITの場合は借入金比率(LTV=Loan To Value、以下LTV)を投資指標として使う場合が大半です。
J-REITのLTVは「総資産LTV=借入金÷総資産」で算出する場合が多くなっています。また総資産LTVと併せて「鑑定額LTV=借入金÷(総資産±保有不動産の含み損益)」を開示している銘柄もあります。総資産LTVも鑑定額LTVも決算期の数値を利用するものですが、J-REITは銘柄によって決算期が異なるため銘柄間の比較をする場合には、「取得額LTV=借入金÷保有不動産取得額」を利用する場合もあります。
※SBI証券抜粋
【野村證券用語集】
年換算のNOIを所有不動産の簿価(取得原価)で割った率のこと。不動産賃貸事業の運用利回りの基準となる指標。REIT(不動産投資信託)の投資尺度の一つでもあり、NOI利回りが高いほど収益力が高く、投資家への高分配につながる。
【2018年REIT上場銘柄】
CREロジスティクスファンド投資法人(3487)NOI利回り5%
ザイマックス・リート投資法人(3488)NOI利回り6%
タカラレーベン不動産投資法人(3492)NOI利回り5.2%
伊藤忠アドバンス・ロジスティクス投資法人(3493)NOI利回り5%
エスコンジャパンリート投資法人(2971)NOI利回り4.6%
サンケイリアルエステート投資法人の分配金について
サンケイリアルエステート投資法人の分配金はわかり次第記載したいと思います。分配金基準は2月末となり、上場日は3月05日なのでしばらくは分配金を意識した株価とはならないでしょう。【追記】
2019年8月期1口分配金予想は1,066円となります。2020年2月期予想は2,373円になり同年8月は2,161円となる見込みです。2020年算出の分配利回りは4.5%です。NOI利回りが低いため利回りも低くなりますが、東京サンケイビルが物件に含まれリートとしての信用は高いはずです。
本来であれば人気があるようにも思えますが格付けなしの約238.6億円吸収、利回りが低いことなどを考えると公開価格前後の初値となりそうです。東証REIT指数も元気がなく横ばい状態が続いています。
個人的にはパス案件として考える方向に気持ちが傾いています。無理して参加しなくても普通株のIPOが沢山出てきていますからね。
サンケイリアルエステート投資法人(2972)IPO私見と申し込みスタンス
サンケイリアルエステートのIPO参加スタンスは中立とします。先に上場をするエスコンジャパンリート投資法人(2971)の初値を確認してからでも日程的に間に合います。インフラファンドのエネクス・インフラ投資法人(9286)の株価も確認できるため市場の勢いがあれば参加してもよいかと考えています。大和証券を中心としてみずほ証券と野村證券の3社が共同主幹事となっているため何となく割れないきがしています。そんな時は不参加にしたほうがよいと思いますが、最終判断は仮条件発表後まで先送りします。
上場後には格付けを取得してくると思いますが、公募組にはあまり関係がないでしょう。参加するのか不参加なのか迷う方は不参加をお勧めします。
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