FUJIジャパン(1449)IPOが札幌アンビシャスに新規上場承認されました。主幹事は藍澤證券が引受け公開株数が110,000株と少なく、想定発行価格730円から算出した上場規模は約8,000万円です。個人でも吸収可能な規模となりますが、地方上場となるため上場後数日で売買が細ってくることが予想でき、参加の際には注意が必要です。
事業は、外壁材の製造や販売を行う「リフォーム事業」を行っています。北海道という地域のため寒冷地に特化した外壁リフォームが可能のようです。新築よりもリフォームやリノベーションの流行も大きく関係がありそうです。
同社は2018年初の地方上場銘柄となります。2017年12月22日にミダック(6564)が名古屋証券取引所2部へ上場し公開価格1,300円が2,000円となっています。6月21日にはエコモット(3987)がアンビシャスに上場し公開価格2,730円が4,195円を付けています。主幹事はどちらも岡三証券でした。
さらにさかのぼり2017年2月23日上場では岡三証券がアンビシャス上場のフュージョン(3977)主幹事を行っています。公開価格1,140円が初値2,872円と地方上場でも大きく利益が出ていることがわかります。事業や上場規模により人気が異なりますが、今回もそれなりに人気だと思います。
FUJIジャパン(1449)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | アンビシャス |
業種 | 建設業 |
事業内容 | リフォーム事業(外壁材の製造、販売、卸、施工、並びに総合リフォーム事業) |
公開予定 | 12月13日 |
ブックビルディング期間 | 11月26日~11月30日 |
想定価格 | 730円 |
仮条件 | 720円~740円 |
公開価格 | 12月03日 |
企業情報 | https://www.fujijapan.net/ |
【手取金の使途】
手取概算額36,396千円については、主に新規出店にかかる費用と営業部の高校新卒社員の人件費に充当する予定であります。具体的には下記のとおりであります。
①新規出店にかかる費用
イ.平成31年1月頃出店予定の関東地区新規支店に係る費用(事務所及び寮の家賃・敷金・仲介料、設備、現地中途社員の採用費等)として平成31年12月期に13,510千円
ロ.平成31年10月頃出店予定の北関東地区新規支店に係る費用(事務所及び寮の家賃・敷金・仲介料、設備、現地中途社員の採用費等)として平成31年12月期に3,340千円
②営業部の高校新卒社員の人件費
平成31年4月に採用予定の営業部の高校新卒社員約10名の給与及び法定福利費として平成31年12月期に19,546千円
なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 60,000株 |
売出株数 | 50,000株 |
公開株数(合計) | 110,000株 |
オーバーアロットメント | 0株 |
上場時発行済み株数 | 710,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約5.2億円 |
幹事団 | 藍澤證券(主幹事) 岡三証券 岡三オンライン証券 ←前受け金不要 SBI証券 エース証券 上光証券 マネックス証券 ←完全平等抽選 |
FUJIジャパン(1449)上場評判とIPO分析
想定発行価格730円を基に吸収金額を算出すると約0.8億円となり、オーバーアロットメントの設定はありません。上場規模が小さく公開価格割れの心配はさなそうです。地方上場の場合は買いが入りにくくなりますが、同社は大丈夫だと思われます。同社は企画提案から施工、メンテナンスまで一貫した外壁リフォーム工事の販売・施工を目的とし北海道で事業を開始しています。主たる事業は「外壁リフォーム工事」になり、寒冷地である北海道で実績を積み上げ東北・関東まで事業エリアを拡げています。また、外壁リフォーム工事以外にエクステリア及び水廻り等のリフォーム工事を行う「その他リフォーム工事」があります。
外壁リフォーム工事の際に使用する建材は、OEM先製造会社と協力して開発したオリジナルの外壁材・施工資材です。これらのオリジナル外壁材・施工資材等は耐久性、耐熱性、防汚性等を備えており、外壁リフォーム工事で使用することに留まらず、直接工務店等に卸販売する材料販売でも使用しているそうです。
外壁リフォーム工事は、オリジナル外壁材「ハッピーエンドシリーズ」を使った外壁リフォームの提案や施工、メンテナンスを行っています。ハッピーエンドシリーズの外壁材は耐久性、断熱性等の外壁材に求められる機能を追求したものとなっています。施工に関しては、寒さの厳しい寒冷地において10年以上にわたる施工実績に裏付けされた技術力を有しているそうです。
施工体制については、指定工事店に対する「外注」によって対応しています。外注する指定工事店の開拓にあたっては、外壁リフォーム工事の施工実績や一定の技術水準、顧客満足度に対する高い意識など、同社が定める基準を満たした工事店に限定しており、平成30年9月末現在で31社となっています。
その他リフォーム工事は、一般住宅に対して外壁以外の塗装やエクステリア、内装工事などの総合的なリフォーム工事を行う事業です。
既に外壁リフォーム工事を施工させて頂いた顧客に対し、施工管理担当者が塗装やエクステリア、水廻りなどといったリフォーム工事を提案し、下請け工事店が施工する流れになります。また、工務店やハウスメーカーなどからリフォーム工事を請負い、一般住宅に施工する業務も行っています。
材料販売も行っており、同社がOEM先製造会社と協力して開発したオリジナルの外壁材・施工資材等を直接、工務店などの法人に対して卸販売をしています。
FUJIジャパン(1449)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第12期 | 第13期 |
決算年月 | 平成28年12月 | 平成29年12月 |
売上高 | 1,053,513 | 1,235,978 |
経常利益 | 31,946 | 47,883 |
当期純利益 | 21,076 | 31,594 |
資本金 | 45,000 | 45,000 |
純資産額 | 109,462 | 141,056 |
総資産額 | 370,234 | 417,410 |
1株当たり純資産額 | – | – |
1株当たり当期純利益金額 | 32.43 | 48.61 |
自己資本比率(%) | 29.6 | 33.8 |
自己資本利益率(%) | 21.3 | 25.2 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 40,373 | 36,562 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,768 | △4,828 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △52,670 | 6,198 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 48,669 | 86,602 |
第14期第3四半期累計期間(平成30年1月01日~平成30年9月30日)
売上高963,655千円
営業利益42,510千円
経常利益43,654千円
四半期純利益は34,643千円
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、各国の通商問題や政治情勢、金融政策の動向に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善や個人消費に持ち直しの動きが続いたことから、緩やかな回復基調となりました。
リフォーム業界におきましては、リフォーム工事の事業者数は年々増加しており、専門会社以外のハウスメーカーや住宅設備メーカー、ホームセンターなど多岐にわたっております。
このような社会環境の中、当社では、北海道・東北・関東の三つのエリアの営業展開を引き続き図り、営業活動を行ってまいりました。また、先々を見据えたエリア拡大のための基礎を固めるべく積極的に採用活動を行い、人材育成及び営業力強化に注力した体制作りを継続してまいりました。
FUJIジャパン(1449)従業員と株主の状況
会社設立は2005年03月22日、札幌市中央区大通東四丁目4番地18に本社を構えます。社長は佐々木忠幸氏(昭和42年1月03日生まれ)、株式保有率は92.31%です。従業員数は55人で平均年齢35.6歳、平均勤続年数5.4年、平均年間給与4,304,000円です。氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
佐々木 忠幸 | 600,000 | 92.31 |
FUJIジャパン従業員持株会 | 21,000 | 3.23 |
樋口 俊一 | 10,000 | 1.54 |
佐賀 一郎 | 10,000 | 1.54 |
大内 宏 | 3,000 | 0.46 |
黒川 明則 | 3,000 | 0.46 |
大高 誠 | 2,000 | 0.31 |
國見 政明 | 1,000 | 0.15 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である佐々木忠幸は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年6月10日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出しは除く。)等は行わない旨合意しております。
また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行を除く。)等を行わない旨合意しております。
なお、上記のいずれの場合においても、主幹事会社はロックアップ期間中であってもその裁量で当該合意の内容を一部若しくは全部につき解除できる権限を有しております。
売出人の佐々木忠幸氏に180日間(平成31年6月10日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。また、ベンチャーキャピタル出資はなく、従業員持株会と個人名があるのみです。
FUJIジャパン(1449)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格730円に対し、仮条件上限が10円引上げられ720円~740円に決定しました。上限740円による市場からの吸収額は約8,100万円となります。時価総額は約5.25億円です。思ったほど初値が高くなるようなことはなさそうです。公開価格割れも規模的に考えにくいため無難な発進が予想されます。2018年12月の業績予想は売上6.9%増、経常利益4.2%増(200万円増)の増収増益見込みとなります。12月本決算となっているため業績のブレも少ないでしょう。EPS66.54からPERを算出すると約11.12倍、BPS310.50からPBRを算出すると約2.38倍となります。指標的には妥当な数値だと思います。
初値予想800円~1,000円
幹事名 | 配分単位(株) |
藍澤證券(主幹事) | 90,200 |
岡三証券 | 11,000 |
SBI証券 | 4,400 |
エース証券 | 2,200 |
上光証券 | 1,100 |
マネックス証券 | 1,100 |
類似企業 | PER | PBR |
安江工務店(1439) | PER12.66倍 | PBR1.21倍 |
エムビーエス(1401) | PER25.66倍 | PBR4.19倍 |
NITTOH(1738) | PER12.08倍 | PBR0.64倍 |
当選を狙うなら藍澤證券の口座は必須になります。しかし、ネット取扱いが行われるのかは微妙です。口座を開設しているもの、一度もIPOに申し込んだことがありません。ひょっとするとログインすらできない可能性があります。特定口座から一般口座になっている可能性もあるため、個人的には参加できそうにありません。
株数から当選は絶望的だと思いますが、仕方がないでしょう。申込めるところから抽選に参加したいと思いますが、SBI証券のIPOチャレンジポイントを1P貰って終了となりそうです。ポイントを貯めているといずれIPOに当選できるため頑張っています。
そろそろ、恒例のお年玉キャンペーンを意識して取引に慣れておくとよいかもしれません。それはヒロセ通商さんのお年玉キャンペーンです。下記に3年分の画像があります。2019年も行われると思います。IPOが暇な時期に参加できます!
FUJIジャパンのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
ストックオプションは該当事項なし | – | – |
ストックオプション(新株予約権)は採用されていません。従業員持株会が第二位株主となっています。
FUJIジャパン(1449)IPO私見と申し込みスタンス
FUJIジャパンは資金があまりないのであればスルーで構わないと思います。株単価が低いため余力を考えるとそれほど負担になりませんが、公開株数が少ないため当選は難しいでしょう。北海道胆振東部地震により同社の仕事も忙しいと推測できますが、どの程度業績を押し上げるのかはわかりません。四半期利益の伸び率はよいと思いますが、ありふれた事業となります。
上場により知名度をアップさせる狙いがあると思いますが、震災による特需が終了するとどうでしょう。地場だけではなく東北や関東などの仕事も引き受けているようですから、その前に開拓が進めばさらなる業績引き上げとなりそうです。自社オリジナル外壁材となっていますが、特許などはないようです。
新築よりも税金の面でリフォームを促進する流れや、国土交通省の「住生活基本計画」により施策が行われるなど、リフォームに対する国民の意識もさらに高まる可能性があります。
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