リックソフト(4429)IPOがマザーズに新規上場承認されました。大和証券が主幹事となり公開株数が256,000株、オーバーアロットメント38,400株と公開株数が少ない案件が登場しました。業績も好調に推移していますし、IPOでは人気の事業になり初値期待もできると思われます。


事業はAtlassian Pty Ltd.が開発したソフトウェア製品のライセンス販売や導入支援(コンサルティング)などを行っています。国内だけでなく海外でも同社サービスが拡大していることから今後も成長期待ができそうです。ソフトウエアー開発業務では国内のみならず海外68ヶ国に販売している実績も持ち合わせています。


リックソフト(4429)新規上場と初値予想


売上推移を確認するとライセンス&SI業務を中心に好調になっており、大手製造業の新規顧客やアップグレード案件が業績を伸ばしているそうです。主力商品であるAtlassian製品の継続したマーケティング活動により顧客からの問い合わせ件数も増加傾向にあるようです。


リックソフト(4429)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容Atlassian Pty Ltd.が開発するプロジェクト管理用ツールをはじめとしたソフトウェア製品のライセンス販売及び導入支援等
公開予定2月26日
ブックビルディング期間2月08日~2月15日
想定価格3,840円
仮条件3,840円~4,000円
公開価格2月18日
企業情報https://www.ricksoft.jp/


【手取金の使途】

手取概算額289,296千円及び「1 新規発行株式」の(注)5に記載の第三者割当増資の手取概算額上限146,456千円については、今後の事業拡大に向けて行うライセンス販売に伴い、お客様要望により発生する導入支援やアドオンソフトの開発を担当するシステムエンジニア等の人員採用費として20,000千円(平成32年2月期に10,000千円、平成33年2月期に10,000千円)を、当該人員等の新規採用後の人件費として114,000千円(平成32年2月期に26,000千円、平成33年2月期に88,000千円)を、当社主力製品のWBSガントチャート for Jiraの機能改善等の既存製品改善及び新製品開発のための研究開発費として90,000千円(平成32年2月期に40,000千円、平成33年2月期に50,000千円)を、基幹システムにかかる設備投資資金として30,000千円(平成32年2月期に15,000千円、平成33年2月期に15,000千円)を、事業拡大及び人員増加に伴う本社増床にかかる保証金及び内装設備等の設備投資資金として30,000千円(平成32年2月期に30,000千円)を、米国子会社Ricksoft, Inc.への投融資として50,000千円を充当する予定であります。

米国子会社への投融資の具体的な内訳としては、システム開発者及びマーケティング担当者を人員増強するための人件費に30,000千円(平成32年2月期に10,000千円、平成33年2月期に20,000千円)を、自社ソフトのグローバル販売のための広告宣伝費に20,000千円(平成32年2月期に10,000千円、平成33年2月期に10,000千円)を充当する予定であります。

残額については、将来における当社サービスの成長に寄与するための支出又は投資に充当する方針でありますが、当該内容等については現時点で具体化している事項はなく、今後具体的な資金需要が発生し、支出時期が決定するまでは安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。



項目株数データ
公募株数76,900株
売出株数179,100株
公開株数(合計)256,000株
オーバーアロットメント38,400株
上場時発行済み株数2,063,900株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約79.25億円
幹事団大和証券(主幹事)
SMBC日興証券 ←識学主幹事
SBI証券
岡三証券
岡三オンライン証券 ←前受け金不要
いちよし証券
水戸証券


リックソフト(4429)上場評判とIPO分析

想定発行価格3,840円を基に吸収金額を算出すると約9.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約11.3億円規模の上場となります。上場規模は通常サイズになりますが、最低単元100株の株単価が大きいい銘柄になります。売上は拡大傾向にあり、利益もしっかり出ています。


グループ企業は連結子会社を含め2社で構成され、自社開発ツールを用いて調査や分析から設計・構築・稼働・運用に至る一連のサービスを提供する「ツールソリューション事業」を主な事業として取り組んでおります。


ツールとはPC上で利用するソフトウェアを指し、Atlassian社、Alfresco社、Tableau社が開発するソフトウェア及び自社開発のソフトウェアになります。販売するソフトウェアはそれぞれ様々な用途で使われますが、同社グループで最も販売実績のあるAtlassian社のソフトウェアは、ソフトウェア開発の工程管理や課題管理として使用されています。


リックソフト(4429)評判


リックソフトIPOの純利益


提供するサービスは「ライセンス&SIサービス」「クラウドサービス」「ソフトウェア開発」に業務が区分されます。ライセンス&SIサービス業務では主にAtlassian社のソフトウェアの導入支援を行っており、課題解決のために提案からライセンス販売、コンサルタントとしてのプロジェクト参画やSI、研修、運用支援まで包括的に行っています。


主な収益モデルとしては、顧客の新規導入時にAtlassian社から当社がライセンスを仕入れ、顧客に対してライセンスを販売しています。また、翌年以降の更新時には毎年保守費用として顧客及びAtlassian社との間で取引が発生します。Atlassian社への支払いに関しては、パートナーランクに応じてディスカウントが適用される仕組みです。


クラウドサービス業務では、同社グループで取り扱う製品の稼働環境としてのクラウド環境提供を迅速に行っています。24時間365日対応で取り扱い製品の専任技術者が運用管理するフルマネージドクラウドサービスとなっています。


主な収益モデルとしては、同社クラウドサービスを利用する顧客に対しライセンス料に加えてクラウド上の運用代行費用を受領しています。利用開始後は毎月売上を計上する流れになります。


リックソフト事業内容と戦略


ソフトウェア開発業務では、Atlassian製品の主力製品であるJiraやConfluenceに拡張機能をアドオン製品として自社開発を行い、Atlassian Marketplaceにて販売しています。


主な収益モデルとしては、新規購入時には製品毎の標準価格で販売し、翌年以降に更新された際は毎年一定の更新料を受領しています。なお、Atlassian Marketplaceの使用料として、Atlassian社に対して販売価格の25%の手数料を支払っているそうです。


リックソフト販売実績と取引先


販売実績や取引先大手は上記のようになります。デンソー(6902)への販売割合が高くなっているようです。


リックソフト(4429)の企業財務情報と配当性向

回次第15期第16期
決算年月平成29年2月平成30年2月
売上高764,3671,728,256
経常利益84,877129,827
親会社株主に帰属する当期純利益60,45593,145
包括利益60,30192,565
純資産額357,757450,321
総資産額531,057806,023
1株当たり純資産額180.03226.61
1株当たり当期純利益金額30.4346.88
自己資本比率(%)67.455.9
自己資本利益率(%)18.523.1
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー55,219101,521
投資活動によるキャッシュ・フロー△6,658△18,312
財務活動によるキャッシュ・フロー△32,23030,000
現金及び現金同等物の期末残高288,265403,059
※数値は千円単位


第17期第30四半期連結累計期間(平成30年3月01日~平成30年11月30日)
売上高1,763,801千円
営業利益244,713千円
経常利益266,108千円
親会社株主に帰属する四半期純利益は177,674千円


今後は、コネクテッドカーの普及によりIoT化の進展が見込まれる「自動車・輸送機器」、デジタルヘルスケアの市場が拡大している「医療」、スマート工場やスマートシティが拡大する「産業用途(工場、インフラ、物流)」などに分類されるIoTデバイス数の高成長が予測されます。 ~省略~ 売上推移を見ると、ライセンス&SI業務を中心に好調で、特に大手製造業のお客様の新規、アップグレード(現在使用中のライセンスのユーザー数を増やして契約更新することを言います)の案件が多く、業績に大きく貢献しました。また、Alfresco製品のライセンス販売も実績が出てきており、当社の課題であるAtlassian製品以外の事業拡大にも大きなインパクトをもたらしました。



リックソフト(4429)従業員と株主の状況

会社設立は2005年1月04日、東京都千代田区大手町二丁目1番1号 大手町野村ビル8階に本社を構えます。社長は大貫浩氏(昭和45年1月24日生まれ)、株式保有率は17.46%です。従業員数は68人で臨時雇用者が2人、平均年齢38.5歳、平均勤続年数2.09年、平均年間給与5,336,000円となります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
HS株式会社1,000,00045.93
大貫 浩380,00017.46
NVCC7号投資事業有限責任組合257,00011.81
神山 直規180,0008.27
ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合160,0007.35
山本 隆一100,0004.59
服部 典生100,0004.59
※株主上位7名の状況


【目論見抜粋】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である大貫浩、並びに当社の株主であるHS株式会社、NVCC7号投資事業有限責任組合、ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合、山本 隆一及び服部 典生は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(平成31年5月26日)までの期間(以下、「ロックアップ期間」という。)、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く。)を行わない旨を合意しております。

また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしに、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換もしくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得もしくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、グリーンシューオプション、株式分割及びストックオプションにかかわる発行等を除く。)を行わない旨合意しております。



上位株主には90日間(平成31年5月26日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍となります。ベンチャーキャピタルは2社あり417,000株が発行価格1.5倍解除されるため必ず確認しておきたい材料です。


リックソフト(4429)IPO大手初値予想と各社配分

想定発行価格を下限とし仮条件は3,840円~4,000円に決定ました。仮条件上限4,000円算出の吸収額は約10.2億円、オーバーアロットメントを含めた額は約11.8億円になります。初値2倍程度は見込みがあるようです!


2019年2月の連結業績予想は売上32.3%増、経常利益120.1%増(1.55億円増)の増収増益を予想しています。EPS93.71からPERを算出すると約42.68倍、BPS452.00からPBRを算出すると約8.85倍になります。配当や株主優待はありません。


初値予想8,000円~9,000円


IPO地合いの回復により初値予想が情報修正されています。9,000円~9,350円という数値が出ているようですが、どうやら当日の売買上限になるようです。翌日に持ち越すと売り気配に?単価が大きいため公募組も当日決着のほうがメリットが高そうです。流石に即金規制となれば買いは減るでしょう。


幹事名配分単位(株)
大和証券(主幹事)235,800
SMBC日興証券7,600
SBI証券5,100
岡三証券2,500
いちよし証券2,500
水戸証券2,500


類似企業PER
PBR
テクノスジャパン(3666)PER13.22倍PBR4.82倍
コムチュア(3844)PER24.14倍PBR8.03倍
アイ・ピー・エス(4335)PER26.51倍PBR3.04倍


識学に続き株数が少ないIPOの登場となりました。大和証券からの申し込みを行いつつ他の証券会社からの申し込みも忘れないようにしましょう。株価設定が高いため大きな利益が見込めそうです。業績も絶好調のようですから上場タイミング的にもよさそうです。


岡三オンライン証券は前受け金不要でIPO抽選参加が可能なため忘れずに申し込みを行っておきましょう。幹事構成をみると水戸証券の口座だけが私はありません。下記は岡三オンライン証券の詳細記事になります。


岡三オンライン証券IPO抽選ルール詳細


SBI証券はIPOチャレンジポイントを貯めて当選確率を上げておきましょう。コツコツ貯めることで100万円抜きができる可能性があります。ポイントを貯めるにも時間が掛かりますが、未成口座を利用することで利益を複数口座で出せる期待があります。


SBI証券IPO当選履歴


考え方次第ですが、ローリスクに投資ができるポイント枠当選は資金が乏しい方には特に魅力だと思います。私もこのポイント当選により2018年も利益を出せています。時間はかかりますが魅力的なシステムだと思います!


リックソフトのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
平成31年11月01日~平成35年5月12日180,000500
平成31年11月01日~平成35年5月12日10,000500


上場時点で行使期限を迎えている株はなく公開株式以外の株が流通する可能性は低いようです。VCの動き次第となりますが、需給は良さそうな銘柄です。ストックオプション合計株数は190,000株になります。


リックソフト(4429)IPO私見と申し込みスタンス

リックソフトは人気になりそうな要素を含んでいます。仮条件が引き上げられるとやや荷もたれ感が出そうな上場規模ですが、業績や事業面から考えても人気化しそうです。公開株数も少ないことから初値は1.5倍以上になる可能性が高いように思います。VCが早期売却しなければ2倍は確実か?


2018年末の地合い悪化も改善傾向にあるため、このまま日経平均が20,000円を超えているようであれば上場日に売買が賑わうと思います。識学上場と3営業日しか間があかないことでメリットもありそうです。識学は初値付かずになりそうなので、リックソフトにも恩恵が?


できる限り多くの証券会社からの申し込みを行い当選確率を引き上げることしかできませんが、申し込みを忘れないようにしておきましょう。リートに申し込むくらいなら普通株のIPOに資金を使ったほうがよさそうだと個人的に思います。


2月から3月にかけて多くの上場企業が承認されてくると思われるため、資金と口座の準備を行っておきましょう。私は相変わらず金欠のためいざとなれば店頭証券から出金したいと思います。実は少しづつ出金していますが、まだ電話はありません。

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