Hmcomm(エイチエムコム)[265A]がグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。幹事が1社しかないため驚きました。
主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数910,800株、オーバーアロットメント136,600株です。上場規模は想定発行価格850円から計算すると約8.9億円になります。
※Hmcomm公式サイト引用
上場規模は小さめですが業績規模も小さくIPOとしての期待は微妙かもしれません。AI関連なので本来であれば初値に期待できそうです。
売出株が多くベンチャーキャピタル出資も確認できます。
最近はパッとしない銘柄ばかりで盛り上がりません。
同社の事業は「音」へのAI活用になります。音声のテキスト化や感情分析、異音検知の領域に関する研究・開発を続けています。面白そうな事業なんですけどね。
Hmcomm(エイチエムコム)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 10月28日 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 音声認識処理、異音検知・自然言語解析処理を用いたプロダクトの提供等 |
ブックビルディング | 10月10日~10月17日 |
想定価格 | 850円 |
仮条件 | 800円~850円 |
公開価格 | 10月18日 |
初値結果 | 未 |
企業情報 | https://hmcom.co.jp/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 198,800株 |
売出株数 | 712,000株 |
公開株数(合計) | 910,800株 |
オーバーアロットメント | 136,600株 |
上場時発行済み株数 | 3,956,800株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約33.6億円 |
幹事団 | SMBC日興証券(主幹事) |
委託見込 | DMM.com証券 |
Hmcommの事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格850円を基に吸収金額を算出すると約7.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約8.9億円規模の上場となります。同社はIT技術のコンサルティング業務を目的として事業を開始しています。その後、人工知能(AI)の活用により音を可視化し利用者の課題解決のためのサービス提供も行っています。
「音」に着目したAIの研究・開発を行い、その成果を社会実装することを目指しているそうです。
また、最近では生成AIと同社AIプロダクトを摺り合わせて、利用者の利便性向上や工数削減などの取組みを進めています。
※有価証券届出書引用
同社の特徴は「音」に着目したAIに関する研究開発から製品提供まで、自社内で完結することを目的に研究開発人材を採用し、またこの独自の研究開発型ビジネスプロセスを実践しているところにあるそうです。
2014年8月の産総研技術移転ベンチャー認定取得、2019年10月と2020年2月の国立研究開発法人の政府予算による複数件の研究開発プロジェクトの採択などで音声認識技術や異音検知技術の研究開発を実施しています。
※有価証券届出書引用
AIプロダクト事業では、音声認識・言語解析プロダクトを開発しコールセンター向けに研究開発型ビジネスプロセスを推進しています。
AIソリューション事業では、AIプロダクト開発事業を通して培ったノウハウを集結し、データの持つ力で新たな社会的価値を創造する「データサイエンス」により企業の課題解決やDX化の推進をトータルにサポートを行っています。
※有価証券届出書引用
Hmcommの株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2012年7月24日、東京都港区芝大門二丁目11番1号に本社を構えます。代表取締役CEOは三本幸司氏(1965年10月19日生まれ58歳)、株式保有率は31.22%(1,280,000株)です。※2024年9月21日調べ従業員数37人で臨時雇用者2人、平均年齢39.3歳、平均勤続年数3.7年、平均年間給与7,735,000円です。
セグメントは「AI×音」サイエンス事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
三本 幸司 | 1,280,000株 | 31.22% | ○ |
伊藤 かおる | 640,000株 | 15.61% | ○ |
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 | 406,000株 | 9.90% | ○ |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 | 226,000株 | 5.51% | ○ |
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社 | 204,000株 | 4.98% | × |
三本 智美 | 160,000株 | 3.90% | ○ |
ウィルグループHRTech投資事業有限責任組合 | 128,000株 | 3.12% | ○ |
上位株主には180日間(2025年4月25日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載はありません。
ベンチャーキャピタル(VC)等に対しては90日間(2025年1月25日まで)のロックアップ付与、売出価格の1.5倍以上でロックアップ解除となります。
上記掲載のソニーネットワークコミュニケーションズは売出しで全株式を処分します。親引けはありません。
HmcommIPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。
- 第一弾1,000円~1,200円
- 第二弾1,150円~1,400円
仮条件が800円~850円に決定し上場による吸収金額は最大で約8.9億円、時価総額は約33.6億円になります。
直近の第三者割当増資が2,000円となっていることでダウンラウンド案件になります。この時点で買い先行で始まると考えられているようです。
オルツがIPOを成功させたことで買い向かう投資家が多いと予想できます。また、大口顧客を失っても業績を維持できたことで成長の加速化が期待できるようです。
上場後は「異音検知プロダクト」の需要が見込まれ、コールセンター向けの「AI音声認識プロダクト」よりも期待できるようです。技術面の心配はなさそうです。
修正値1,250円~1,500円
※注目度B
業績を確認すると2024年12月期の単独予想を確認することができました。売上10.40億円となり前期比29.84%増、経常利益0.95億円となり前期比9.20%増となります。
四半期利益は1.02億円となり前期比47.83%増を予想しています。
公開価格が850円決定の場合の指標はEPS33.77からPER25.17倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
AI関連は高PERが基本なので2,000円あたりまで上昇しても不思議ではありません。ただ今の地合いだと1,500円あたりまでが上限になるようです。
長く保有するのはリスクがありそうなので公募組は上場当日に売却したほうが良いかもしれません。長くても翌日まででしょうか。
オルツが成功しているため気楽に参加できる状況にあると思います!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
SMBC日興証券(主幹事) | 910,800株 | 100.00% |
主幹事1社しか元引受取引参加者に書かれていません。こんなことはこれまでIPOを続けてきてはじめてだと思います。
軽量級のIPOなので問題なく捌けるとは思いますが違和感があります。
抽選には参加する方向で考えています。SMBC日興証券から申込めば当選できそうな気がしています。
IPOに当選して数万円の利益が出ればといった感じの銘柄だと思います。もしかしたら当選チャンスかもしれません!
SMBC日興証券のIPO抽選ルールについて徹底的に調べました。個人的にも過去の当選履歴から一番IPOに当選できている証券会社かもしれません。IPO取扱い数も業界最高水準のため、口座がない方は早めに作っておいたほうがよいと …
類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
PKSHA Technology(3993) | PER55.04倍 | PBR3.56倍 |
エーアイ(4388) | PER28.5倍 | PBR2.23倍 |
AI inside(4488) | PER60.99倍 | PBR2.80倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2020年6月26日~2028年6月24日 | 156,000株 | 400円 |
2021年12月27日~2029年12月25日 | 66,000株 | 1,050円 |
2023年4月01日~2031年12月31日 | 20,000株 | 2,000円 |
2023年4月16日~2031年3月29日 | 62,000株 | 1,050円 |
2025年1月01日~2032年10月31日 | 38,000株 | 1,050円 |
ストックオプション(新株予約権)は304,000株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数3,758,000株に対する新株予約権の割合は9.10%に相当します。新株予約権による潜在株式数は342,000株です。
Hmcomm(エイチエムコム)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
プライム上場の銘柄が続くためエイチエムコムまで資金が回ってくるのか心配しています。2024年の下半期に上場するIPOはサイズが大きかったり、内容がこれまでに比べ魅力的とは言い難い銘柄が多いと思います。
※Hmcomm公式サイト引用
同社の技術を利用すると電話でのやり取りなどで、人手によらずデジタルデータ化や分析が可能になるそうです。他社に追随を許さないポジションの確立を目指しているそうです。
新味ある事業なのでもしかしたら初値2倍超えの期待もあるかもしれません。
それよりも東京メトロが上場承認されたので気持ちがそっちに向かっています。大規模なイベント投資の後なので案外エイチエムコムは当選しやすいかもしれません。
これから生成AIなどを利用した新しいビジネスがどんどん登場すると思うので優位性が何処まで維持できるかが勝負でしょう。
AI(人工知能)を利用しているだけで初値高騰だった頃が懐かしく思います!今は反応する投資家が減っているように思います。
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