日本システムバンク(5530)のIPOが名古屋証券取引所メイン市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。地方上場になり若干不安がある銘柄です。
主幹事は岡三証券が務め公開株数150,000株、オーバーアロットメント22,500株です。上場規模は想定発行価格1,800円から計算すると約3.1億円になります。
※日本システムバンク公式サイト引用
非常にわかりやすい事業になり、類似企業だとパーク24(4666)や日本駐車場開発(2353)を思い浮かべます。パラカ(4809)などもありますよね。
同社は慢性的な駐車場不足のため今後も新規開設を十分に出来る環境であると認識しているそうです。
駐車場内に設置したカメラの画像を活用し、利用者が安心して車両から離れられるサービスの提供や、防犯効果による安全性の向上など満足度が高いサービスを追求するようです。
また、駐車場運営事業者とカーシェア事業者のマッチング、駐車場運営事業者と電気自動車の充電スペース提供事業者とをマッチングさせることも考えているそうです。
2021年6月期は連結で約3.4億円の赤字となっていますが現在は回復しています。コロナ禍もおわり業績につながることでしょう。
ただIPOでは人気があまりないと思います!
日本システムバンク(5530)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 4月14日 |
市場 | 名古屋証券取引所メイン市場 |
業種 | 不動産業 |
事業内容 | コインパーキングの運営、駐車場機器の販売・保守 |
ブックビルディング | 3月29日~4月04日 |
想定価格 | 1,800円 |
仮条件 | 1,800円~1,880円 |
公開価格 | 1,880円 |
初値結果 | 1,700円(騰落率-9.57%) |
企業情報 | https://www.syb.co.jp/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
手取金の使途 | 設備資金として充当予定 |
項目 | 株数データ |
公募株数 | 100,000株 |
売出株数 | 50,000株 |
公開株数(合計) | 150,000株 |
オーバーアロットメント | 22,500株 |
上場時発行済み株数 | 1,145,144株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約20.6億円 |
幹事団 | 岡三証券(主幹事) SBI証券 益茂証券 アイザワ証券 ちばぎん証券 あかつき証券 |
委託見込 | 岡三オンライン SBIネオトレード証券 |
日本システムバンク(5530)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格1,800円を基に吸収金額を算出すると約2.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.1億円規模の上場となります。同社グループは日本システムバンクと子会社3社の計4社で構成されています。主力事業はコインパーキングです。既に大手が存在するため新味は全くありません。
同社グループは創業当初からコインパーキングとして活用可能な遊休土地を持つ土地所有者に対し、土地所有者の要望に応じて柔軟に提案や対応を行っているそうです。
「コインパーキングの収益性に興味はあるが、自分で運営するのは不安」という土地所有者に対しては、同社がコインパーキングの運営事業者として土地所有者から賃借した土地にコインパーキングを開設・運営し、土地所有者へ土地の賃借料を支払います。
事業はコインパーキング事業とプロパティーマネジメント事業、その他事業になります。
※有価証券届出書引用
「コインパーキングを自分で運営したい」という土地所有者に対しては、同社が駐車場機器の供給・メンテナンス事業者としてコインパーキングの開設から運営まで幅広くサポートするそうです。
同社グループの「直営駐車場・駐輪場数」「管理受託駐車場・駐輪場数」は順調に伸びており、2023年1月末現在で45都道府県で7,344件、132,270車室を展開しています。
※有価証券届出書引用
コインパーキング運営ビジネスは土地所有者から土地を賃借又は購入し、その土地に駐車場システムを設置し、時間貸し又は月極にて駐車場・駐輪場の運営管理を行います。
コインパーキング運営ビジネスにおける特徴は、需要予測力や需要変動への対応力、積雪への対応力及び利用者へのサービス提供力になるそうです。
駐車場機器の販売・保守ビジネスは、駐車場機器等を精算機メーカー等から仕入れ、駐車場システムとしてコインパーキング運営事業者に販売します。
駐車場機器の販売・保守ビジネスにおける特徴は、商品企画・開発力、幅広な関連サービスの提供力、トラブルの未然・再発防止力及び利用者向けサービスの提供力になるそうです。
類似企業は何処も同じような事業内容や運営になるはずです。トラブル時にしっかりした対応ができれば利用者も増えるはずです。
※有価証券届出書引用
プロパティマネジメント事業は、自社所有のテナントビルやマンションを個人又は法人に賃貸します。
その他事業は、工芸品の販売事業及びドローン事業となっています。前期売上の98.0%がコインパーキング事業になります!
日本システムバンク(5530)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は1996年7月10日、福井県福井市中央三丁目5番21号に本社を構えます。社長は野坂信嘉氏(1965年1月07日生まれ)、株式保有率は25.62%(268,084株)です。従業員数175人で臨時雇用者34人、平均年齢43.0歳、平均勤続年数10.1年、平均年間給与4,097,871円です。連結従業員数は187人で臨時雇用者は36人です。
連結のセグメント別従業員数はコインパーキング事業162人(臨時31人)、プロパティマネジメント事業2人(臨時3人)、その他の事業3人、全社共通20人(臨時2人)となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
野坂 信嘉 | 268,084株 | 25.62% | ○ |
野坂 俊彰 | 147,440株 | 14.09% | ○ |
野坂 弦司 | 53,144株 | 5.08% | ○ |
野坂 美智代 | 26,600株 | 2.54% | ○ |
株式会社サニカ | 21,400株 | 2.04% | ○ |
林 明代 | 19,440株 | 1.86% | ○ |
出口 和生 | 17,620株 | 1.68% | ○ |
上位株主には180日間(2023年10月10日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
また、株式会社サニカやベンチャーキャピタル、金融機関や一部の企業に対してロックアップ90日間(2023年7月12日まで)、ロックアップ解除が発行価格1.5倍以上となっています。
親引けはありません。
日本システムバンク(5530)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件が想定発行価格を下限に上振れし1,800円~1,880円決定しました。吸収金額は最大約3.2億円、時価総額約21.5億円です。
競合との株価比較では高めに設定されているため仮条件の上振れはポジティブサプライズと言えそうです。ただ需給不安を抱えているため公開価格前後の発進となるようです。
地方上場になると資金流入が見込めないため3.2億円程度の吸収でもかなり重たいようです。
コインパーキング事業の他に「カーシェア」などを行っていれば評価が高いようですが同社は行っていません。一般的なコインパーキングを行う企業と考えて良さそうです。
駐車場関連はコロナ禍後のリオープンにもなりますが、現時点で買われるような状況ではなさそうです。
修正値1,729円~1,900円
直前予想1,880円
※注目度C
業績を確認すると2023年6月期の連結予想を確認できました。売上67.56億円となり前期比0.30%減、経常利益3.64億円となり前期比7.06%増となります。
四半期利益は2.15億円となり前期比20.11%増を予想しています。
公開価格が1,880円決定の場合の指標はEPS188.48からPER9.97倍、BPS1,759.67からPBR1.07倍になります。配当は53円予定されているため配当利回り2.82%になります。
某紙ではトラストホールディングス(3286)が参考になるのではないかと出ています。そうなると厳しいようですね。
トラストホールディングスを調べると株価305円でPER8.18倍、PBR2.28倍、配当利回り3.28%となっています。
日本システムバンクは売上も横ばい傾向で成長性が感じられず、初値で上昇するには難しそうな雰囲気です。インカムゲインにも魅力がなく公開価格前後で発進できればといった感じでしょうか。
売り気配スタートの可能性もあるようです!!
利益はしっかり出ているようなので主幹事の岡三証券に期待でしょうか。公開株数の9割は岡三証券が引受けています。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
岡三証券(主幹事) | 135,000株 | 90.00% |
SBI証券 | 7,500株 | 5.00% |
益茂証券 | 3,000株 | 2.00% |
アイザワ証券 | 1,500株 | 1.00% |
ちばぎん証券 | 1,500株 | 1.00% |
あかつき証券 | 1,500株 | 1.00% |
当選を狙うのであれば主幹事の岡三証券と委託販売を行う岡三オンラインからの申込みを優先しておきましょう。
地方上場で人気見込みが低いため当選確率はそこそこあるのかもしれません。SBI証券だとポイント狙いの申込者が多いため当選は難しそうです。
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1回取引が必要になっていますが、定額プランだと100万円まで手数料が無料になるため簡単だと思います。SBI証券みたいな感じです。IPOルールについては下記記事でまとめています!
岡三オンラインのIPO抽選方法とルールについて詳しく調べました。岡三証券がネット証券強化のために岡三オンライン証券が誕生しIPO取扱いが平等抽選で行われていました。現在は岡三オンライン証券と岡三証券が経営統合となり「岡三 …
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
日本駐車場開発(2353) | PER19.33倍 | PBR7.47倍 |
パーク24(4666) | PER25.31倍 | PBR8.23倍 |
パラカ(4809) | PER12.95倍 | PBR1.18倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2016年9月28日~2023年9月27日 | 1,500株 | 5,700円 |
2017年9月24日~2024年9月23日 | 1,300株 | 5,700円 |
ストックオプション(新株予約権)は2,800株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数1,045,144株に対する新株予約権の割合は0.27%に相当します。新株予約権による潜在株式数は2,800株です。
日本システムバンク(5530)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
日本システムバンクのIPOは積極的に申込めば当選できるかもしれません。初値利益を考えると人気事業ではないため厳しいと感じます。株価設定などは今後詳しく調べ追記します。
※日本システムバンク公式サイト引用
前期の配当性向が52.4%になり今期も配当は出るようです。ただ人気事業ではないためVC保有株などの売り圧力が心配です。
IPO時は地方上場ということであまり人気がないと考えています。配当金についても後程追記します。
コインパーキング運営は事業地の調達が大きな要素を占めるそうです。ここが上手くいけば収益につながるようですね。
これから新規でコインパーキング事業を行う競合は少ないと思いますが、参入障壁が低いため業績の悪化が見られると注意が必要かもしれません。
既存上場銘柄の業績を確認していれば良いかもしれません。IPOと考えた場合スルーする方もいそうです。
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