「IPO承認」アイビスの上場データと初値予想を考察！海外需要とサブスク課金が強み

アイビス(9343)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。上場タイミングがよく業績が伸長していることで人気が見込めそうです。


主幹事は東海東京証券が務め公開株数850,000株、オーバーアロットメント127,500株です。上場規模は想定発行価格650円から計算すると約6.4億円になります。


中堅証券が主幹事となりますが需給不安はなさそうです！



※アイビス公式サイト引用


アイビスは「ibisPaint」というモバイル向けアプリの提供を行っている企業です。アプリは累計92.5％が海外からのダウンロードになり海外で評価されているようです。


発展途上段階や人口増加の国も多数あることで自社開発の「ibisPaint」には未開拓ユーザが全世界に存在すると考えられています。


同社はPCから「スマホ×DX化」という相乗効果の追い風を受けて、ソフトウェア開発市場が持続的に拡大する流れに乗っているようです。コロナ禍も売上拡大につながっているようです！


競合他社製品はPC端末用に開発された製品が多くコストもかかるようです。


しかし、同社製品はプロのイラストレーターが利用するPCのペイントソフト並みの機能を搭載しモバイル端末用としてのさらなるUI強化が事業戦略上の根幹となり成長しているようです。


世界的に利用されているため知名度が上がれば利用者が増える可能性があります。どのくらい有名なのかは詳しく調べないとわかりませんがダウンロードの殆どが海外なのは驚きですね。

アイビス(9343)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目	上場基本データ
上場日	3月23日
市場	グロース市場
業種	サービス業
事業内容	モバイル事業(モバイルペイントアプリ『ibisPaint』の開発、サービス運営)、ソリューション事業(IT技術者派遣サービス、アプリ開発及びサーバ構築・移行・運用保守等の受託開発サービス)
ブックビルディング	3月07日～3月13日
想定価格	650円
仮条件	670円～730円
公開価格	730円
初値結果	2,121円(公開価格2.91倍)
企業情報	https://www.ibis.ne.jp/
監査人	仰星監査法人
手取金の使途	ibisPaintの新規ユーザ獲得のための広告宣伝費 IT技術者確保のための採用費及び人件費

項目	株数データ
公募株数	700,000株
売出株数	150,000株
公開株数(合計)	850,000株
オーバーアロットメント	127,500株
上場時発行済み株数	3,488,783株 ※公募分を含む
想定ベースの時価総額	約22.7億円
幹事団	東海東京証券(主幹事) みずほ証券 大和証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SBI証券 楽天証券 松井証券
委託見込	CONNECT auカブコム証券

アイビス(9343)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格650円を基に吸収金額を算出すると約5.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.4億円規模の上場となります。


同社は「モバイル事業」と「ソリューション事業」を展開し、2021年12月期の売上実績からモバイル事業60.5％、ソリューション事業39.5％の売上となっています。


独自開発のモバイルペイントアプリ「ibisPaint」からの収益が大きくなっています。


モバイル事業では「作画工程を動画にして絵を描く楽しさを共有したい」というコンセプトから自社開発したiOS・Android用モバイルペイントアプリ「ibisPaint」の開発とサービス運営を行います。


さらにibisPaintで制作された全世界のユーザコンテンツに発表の場を与える自社オンラインギャラリー「ibispaint.com」の運営を行います。



※有価証券届出書引用


ビジネスモデルはibisPaintをモバイルアプリ提供プラットフォームである「Google Play」や「App Store」等を通じてユーザに提供します。


無料で基本的な機能を使用することのできるアプリになり、ibisPaint上にバナー広告や動画広告等が表示される仕組みです。


この広告枠に複数のSSP事業者から提供される広告をアドネットワークを通じて表示させ、SSP事業者ごとに最適化された広告収益を得ています。


この他2つの有料サービスを提供しています。


1つ目は広告非表示機能を含む追加機能や追加素材等の利用が可能となる定額課金型のプレミアム会員サービスの提供(サブスクリプション)です。月額課金制と年額課金制が用意されています。


2つ目はアプリ上の広告が非表示となる売切型アプリの提供です。初回インストール時に広告非表示機能付の有料版を購入する方法と無料版のインストール後に広告除去アドオンを購入する方法があります。


この2つのサービスはモバイル事業のBtoCビジネスモデルにおける主な収益源になります。



※有価証券届出書引用


ソリューション事業は大きく分けて2つのサービスを展開しています。


1つは労働者派遣法に基づくシステムエンジニア等のIT技術者派遣サービス、もう1つはモバイルアプリやWebアプリ等の受託開発・運用保守及びクラウドコンピューティングサービスである「AWS」を用いたサーバ構築・移行・運用保守等の受託開発サービスです。


20年以上培ってきた開発力があり、新技術・開発環境に対応可能な優秀なエンジニアも在籍しているそうです。


IT技術者派遣は無期雇用契約を締結したシステムエンジニア等の技術者を労働者派遣契約に基づき、顧客である求人企業(派遣先企業)に派遣しその人材派遣料を収益源とするビジネスモデルです。


受託開発は主に請負契約又は準委任契約によるもので、モバイルアプリの受託開発・運用保守を受託しています。



※有価証券届出書引用


受託開発に係る売上はフロー型の収益モデルになり、運用保守に係る売上は受託開発したアプリの運用が継続する限りは安定的に収益が見込めるストック型の収益モデルとなっています。


AWSを用いたサーバ構築・移行・運用保守については原則として社内のみで行い、収益モデルはアプリの受託開発・運用保守と同様となっています。

アイビス(9343)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2000年5月11日、名古屋市中村区名駅三丁目17番34号に本社を構えます。社長は神谷栄治氏(1973年5月30日生まれ)、株式保有率は66.74％(2,036,243株)です。


従業員数221人で臨時雇用者0人、平均年齢34.2歳、平均勤続年数4.1年、平均年間給与4,076,000円です。


セグメント別従業員数はモバイル事業15人、ソリューション事業188人、全社共通18人となっています。

氏名又は名称	所有株式数(株)	所有株式数割合(％)	ロック
神谷 栄治	2,036,243株	66.74％	○
村上 和彦	619,680株	20.31％	○
渡辺 秀行	342,860株	11.24％	○
丸山 拓也	8,909株	0.29％	△
井亦 大典	8,816株	0.29％	△
星倉 隆一	5,877株	0.19％	△
堀部 拓也	5,877株	0.19％	△

※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年9月18日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


新株予約権が売却される可能性はありますが、ロックアップ率が高くなっていることは好材料です。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは行われません。

アイビス(9343)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が670円～730円に上振れ決定となっています。吸収金額は最大で約7.1億円となり時価総額は約25.5億円です。


モバイルペイントアプリを主力としダウンロード数が全世界で2.9億DLと驚異的な数値となっています。しかしDLが多い割に収益が少ないと観測されているようです。


2021年の日本企業開発のアプリとしては世界でナンバー1を記録しています。これまではPC向けだったものを同社はモバイル向けに開発し成功しています。


ただPC向けに先行していたセルシス(3663)もモバイル版を出しているため、日本ではセルシスに顧客を奪われる可能性もありそうです。


アイビスは世界をターゲットとしている優位性がありそうです。あとはコロナ禍が過ぎ去り巣ごもり需要によるDLなどが減るはずです。


海外ユーザーが92.5％となっていることで業績の落ち込みがあるのかは不透明です。既に落ち込んでいても不思議ではありませんからね。




業績を確認すると2023年12月の単独予想を確認することができました。売上35.90億円となり前期比5.68％増、経常利益2.92億円となり前期比22.69％増となります。


四半期利益は2.02億円となり前期比20.24％増と予想されています。


公開価格が730円決定の場合の指標はEPS60.82からPER12.00倍、BPS308.02からPBR2.37倍になります。配当金が10円予定されているため配当利回りが1.37％になります。


セルシスに比べると割安になるため買われると思います。大手予想では初値持越しもあり得ると考えられています。


軽量級のIPOになり、VC保有株もないため需給不安は感じられません。上場後はアプリ有料版にも注力していくそうです。さらにサブスク売上が増加傾向にあるようです。


面白い銘柄だと思いますが今後の成長性を考えると頭打ち感もあると思います。IPOを行った後の利益確保は今期と同じで広告宣伝費の削減などで対応するのかもしれません！


グロース市場への上場で低位株のため個人投資家に人気があると考えています。公募組は全力で抽選に参加しておきましょう!!

幹事名	割当株数	引受割合
東海東京証券(主幹事)	722,500株	85.00％
みずほ証券	42,500株	5.00％
大和証券	34,000株	4.00％
三菱UFJモルガン・スタンレー証券	17,000株	2.00％
SBI証券	17,000株	2.00％
楽天証券	8,500株	1.00％
松井証券	8,500株	1.00％

上場に合わせたかのように今期利益が第3四半期開示で約2.2億円と勢いがあります。上場規模が小さいため公開価格割れはなさそうです。


ベンチャーキャピタル出資もなく売出株も少ないため面白そうです。


事業も個人投資家が好みそうなアプリ系なので投資妙味があると思います。株単価が低いため大きな利益は狙えないかもしれませんが、抽選に参加できる証券会社から全力で申込みたいと思います。


auカブコム証券からの申込みも忘れずに行っておきましょう。後期型抽選になるため申込み忘れが頻発します。


2023年3月23日上場が3社になり資金分散の懸念があることは頭に入れておきましょう。auカブコム証券のIPOルールは下記記事でまとめています。


2022年も当選を頂いたため口座開設だけは行っておいたほうが賢いと思います。




moomoo証券をご存知でしょうか？無料で利用できるアプリになります。米国株に特化していますが日本株などの表示も可能です。


実際にダウンロードして使ってみたので興味があれば参考にしていただけたらと思います。旧ひびき証券が提供している完全無料の投資ツール(アプリ)になります。


米国株の情報がリアルタイム更新されるため凄いです。証券口座の開設などは必要ありません。アプリ経由でもPC経由でもどちらでアカウントを作成してもOKです。もちろん同じIDでログイン可能です!!

類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。

類似企業	PER	PBR
テックファームホールディングス(3625)	PER40.26倍	PBR1.91倍
セルシス(3663)	PER20.97倍	PBR2.78倍
Aiming(3911)	PER24.85倍	PBR2.47倍

※2023年3月07日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間	株式の数	発行価格
2019年12月20日～2029年12月19日	150,000株	609円
2021年12月21日～2029年12月19日	37,610株	609円
2022年4月01日～2030年3月30日	5,971株	609円
2023年10月09日～2031年9月30日	68,700株	1,290円

ストックオプション(新株予約権)は193,581株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数2,788,783株に対する新株予約権の割合は9.4％に相当します。新株予約権による潜在株式数は262,281株です。


一部の新株予約権では行使価格を下回る価格を対価とする売買はNGとなっています。

アイビス(9343)IPOの評価と申し込みスタンス！まとめ

アイビスIPOは利益が見込めそうなので公募組に人気だと思います。


アプリ系のIPOは結構人気が高いですからね。定額課金(サブスクリプション)を行っており上場後はさらに強化を行うそうです。



※アイビス公式サイト引用


アド系の広告収入とサブスク課金、さらに派遣サービスとアプリ等の受託開発や運用保守を行います。


さらにAWSを用いた受託開発サービスを行うことからIPO的には好まれる材料が多くあります。今期業績も期待できそうな数値なので初値は高くなると思います。


世界的に人気があるアプリを自社開発していることが面白いですよね。


今後の成長性があるのか？競合の状況がどうなのか？とこの辺りが気になります。2021年12月期からの利益に勢いがあるため来期予想次第ではぶっ飛ぶ可能性もありそうです。


同日上場となる銘柄があるのは残念ですけどね。


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