CS-C(シーエスシー)[9258]のIPOがマザーズに新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。SaaS型でサービスを提供していますが、業績の割に吸収金額が大きいため難しさがあります。
主幹事はSBI証券が務め公開株数1,875,000株、オーバーアロットメント281,200株です。上場規模は想定発行価格900円から計算すると約19.4億円になります。
また悩む銘柄の登場なのでよく考えましょう。
※CS-C公式サイト引用
同社の魅力はローカルビジネスに対しDX化サービスを行い成長しているところにあります。
ローカルビジネス特化型のSaaS型統合マーケティングツールとハンズオン型コンサルティングにより事業拡大と実績を出しています。
ローカルビジネス市場環境としては市場規模が約134万店舗という規模ながら、他業界にくらべDX化への対応ができていないそうです。コロナ禍もおさまり上場時期は良さそうです。
複数の競合が存在するものの、複数の機能を有する統合型マーケティングツールを提供する企業は業界でも「CS-C」だけだそうです。本当でしょうか?とやや疑問も残るIPOです。
CS-C(シーエスシー)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 12月24日 |
市場 | マザーズ |
業種 | サービス業 |
事業内容 | ローカルビジネスに特化した統合型マーケティングSaaS「C-mo」、他 |
ブックビルディング | 12月09日~12月15日 |
想定価格 | 900円 |
仮条件 | 910円~1,010円 |
公開価格 | 1,010円 |
初値結果 | 1,205円(公開価格1.19倍) |
企業情報 | https://s-cs-c.com/ |
監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 1,250,000株 |
売出株数 | 625,000株 |
公開株数(合計) | 1,875,000株 |
オーバーアロットメント | 281,200株 |
上場時発行済み株数 | 6,250,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約56.3億円 |
幹事団 | SBI証券(主幹事) 大和証券 みずほ証券 SMBC日興証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 松井証券 極東証券 丸三証券 岩井コスモ証券 岡三証券 東洋証券 アイザワ証券 |
委託見込 | 岡三オンライン SBIネオトレード証券 auカブコム証券 |
CS-C(シーエスシー)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格900円を基に吸収金額を算出すると約16.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約19.4億円規模の上場となります。同社はローカルビジネスを展開するクライアントに対し、実店舗へのコンサルティング活動から蓄積したビッグデータやノウハウを活用し、独自開発したSaaS型統合マーケティングツールを提供しています。
クライアントのデジタルマーケティング領域のDX化を行うサービスを展開している企業と言うことです。
設立した2011年から2013年の間はWebマーケティングに関わるコンサルティング事業を中心としていましたが、現在は実績とノウハウを体系化して作り上げたハンズオン型コンサルティングサービス「C+」をリリースしています。
※有価証券届出書引用
ローカルビジネスとは個人事業主や中小企業を中心とした、地域に根付いた店舗ビジネスの総称になります。ビュューティー関係やグルメ、トラベル、アパレルなどのジャンルがあるそうです。
サービスは「C-mo」「C+」「デジタル広告」の3つあるそうです。
「C-mo」はC+を通じて、実店舗のコンサルティング活動から得られたマーケティングナレッジ及びビッグデータを活用して独自に開発した、店舗マーケティングのDX化を実現するSaaS型統合マーケティングサービスです。
自店舗にマーケティングやWeb施策、SNS等に詳しい人材がいなくても、最適なデジタルマーケティングをクライアント自ら行うことができるツールだそうです。
※有価証券届出書引用
「C+」はコンサルティング事業の実績と、そのデータを基に適正な分析・対策を繰り返し実行してきたノウハウから作られたサービスになり、ハンズオン型コンサルティングサービスです。
ハンズオン型コンサルティングとは、デジタルマーケティングに係るプラン策定から作業代行、効果検証までをトータルサポートをするコンサルティングサービスです。
※有価証券届出書引用
デジタル広告はクライアントの集客力アップ等、ブランド認知度向上につながるGoogle広告やYahoo!広告、SNS(Facebook広告、LINE広告)などの広告運用代行を行います。
CS-C(シーエスシー)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2001年10月11日、東京都港区芝浦四丁目13番23号に本社を構えます。社長は椙原健氏(1976年11月04日生まれ)、株式保有率は35.96%(2,000,000株)です。従業員数141人で臨時雇用者36人、平均年齢29.4歳、平均勤続年数2.33年、平均年間給与5,065,109円です。
セグメントはローカルビジネスDX事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
株式会社スマイルプラス | 3,000,000株 | 53.93% | ○ |
椙原 健 | 2,000,000株 | 35.96% | ○ |
税理士法人NY Accounting Partners | 500,000株 | 8.99% | △ |
森田 大輔 | 12,500株 | 0.22% | △ |
宇田川 政幸 | 12,500株 | 0.22% | △ |
河野 圭介 | 12,500株 | 0.22% | △ |
林 宏一 | 10,000株 | 0.18% | △ |
上位株主には180日間(2022年6月21日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
目論見に書かれていないと言うことは、ロックアップ解除設定がないため180日間売却できないことになります。
親引けは行われません。
CS-C(シーエスシー)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が910円~1,010円に決定しました。吸収金額は最大で21.8億円、時価総額63.1億円になります。
IPOでは人気が見込める業態だと思いますが同日上場が7社もあるため厳しい意見も出ているようです。しかし業績は事業規模の割に良いと思います。赤字上場の企業よりも安心感があるように思います。
利益は大きく狙えないと思いますが公開価格割れはない可能性が高そうです。類似企業のPERはバラバラなので美人投票的な感じでしょう。
修正値1,500円前後
再修正1,000円~1,300円
※注目度B、再修正は12月20日に追記
業績を確認すると2022年9月期の単独予想を確認することができました。それによれば売上23.76億円となり前期比24.59%増、経常利益3.10億円となり前期比84.52%増になります。
四半期利益は1.66億円となり前期比40.68%増を予想しています。
公開価格が1,010円決定の場合の指標はEPS27.97からPER36.11倍、BPS284.53からPBR3.55倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
飲食業界向けにビジネスを推進していましたがコロナ禍により美容業界向けにシフトしたそうです。そのためフットワークの良さが伺えます。結果を出しているため評価されていいと考えています。
同社のターゲット層の財務基盤は気になるところですが、中小企業はウェブ広告対応が遅れている環境にあるため伸びしろはありそうです。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
SBI証券(主幹事) | 1,593,400株 | 84.98% |
大和証券 | 93,800株 | 5.00% |
みずほ証券 | 65,600株 | 3.50% |
SMBC日興証券 | 18,800株 | 1.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 18,800株 | 1.00% |
松井証券 | 18,800株 | 1.00% |
極東証券 | 18,800株 | 1.00% |
丸三証券 | 9,400株 | 0.50% |
岩井コスモ証券 | 9,400株 | 0.50% |
岡三証券 | 9,400株 | 0.50% |
東洋証券 | 9,400株 | 0.50% |
アイザワ証券 | 9,400株 | 0.50% |
公開株数が多いため主幹事のSBI証券以外からの当選も期待できそうです。上場規模が少し大きいため利益はあまり見込めないかもしれません。
前期に利益が落ち込んでいるため調べると、同社が支援しているローカルビジネス業界で消費者の外出自粛規制、店舗の休業対応など国内経済活動の停滞によるものだそうです。
今回は前期をカバーできる利益が既に出ているようです。利益水準が低いことは要チェックです。IPOチャレンジポイントは使わずに参加する予定です。
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あとは旧ライブスター証券のSBIネオトレード証券で取扱いが行われると思うので申込を行っておきたいと思います。
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CS-C(シーエスシー)のIPOチャレンジポイントボーダーラインを予想してみました
今回もオリジナルの表を作成してみました。IPOチャレンジポイントのボーダーラインは300株セットで200P~250Pくらいでしょう。表には共同主幹事となっている銘柄も入れ込んでいます。12月は7社もSBI証券が主幹事を行うため大忙しとなりそうです。
少し危険な銘柄もあるため公開価格割れ予想が出ている銘柄はパスしてもいいかもしれません。
エフ・コード(9211)はSBI証券主幹事でかなり人気があると思いましたが、同日上場となる銘柄が多過ぎて本来のパフォーマンスを出せないかもしれません。
IPO市場が悲惨な状況になることだけは避けて欲しいですよね。私はCS-Cにはポイントを使わず抽選に参加するつもりです!
未成年口座を利用してIPOチャレンジポイントを貯めている方もいます。興味がある方は下記記事も参考になると思います。
未成年口座で今回もIPOが当選しました。これまで何度か未成年口座でIPOに当選しているため未成年口座について記事を作成したいと思います。 実はIPO抽選では証券会社に親の口座がある場合に限り20歳未満の口座を開設すること …
類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
クロス・マーケティンググループ(3675) | PER19.51倍 | PBR5.30倍 |
メンバーズ(2130) | PER29.79倍 | PBR6.72倍 |
ソウルドアウト(6553) | PER120.74倍 | PBR3.88倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2019年11月01日~2022年10月31日 | 62,500株 | 208円 |
2021年1月01日~2029年9月29日 | 500,000株 | 475円 |
ストックオプション(新株予約権)は562,500株の全株数が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数5,000,000株に対する割合は11.25%(562,500株)となっています。ベンチャーキャピタル出資はありません。
CS-C(シーエスシー)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
CS-CのIPOは公開価格割れはないかもしれませんが、利益が出るのか微妙な気がします。同日上場の銘柄のなかではインパクトに欠ける気がします。ビジネス自体は悪くなさそうですが今一つなんですよね。
※CS-C公式サイト引用
目論見には、店舗マーケティングのDX化を実現するSaaS型統合マーケティングサービスを提供するSaaS企業の競合は存在しないとあります。そうは言っても似たようなビジネスはあると思います。
ローカルビジネス向けのDX化サービスって収益がいまいちな気もします。しかし提携企業が多ければ問題ないはずです。
2020年と2021年はコロナ禍により解約率が高くなっているようです。2021年9月期のC-mo解約率はビューティー1.1%でグルメ3.5%という数値が出ています。意外に大丈夫そうでした。
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