シイエヌエス[CNS](4076)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は東海東京証券が務め公開株数520,000株、オーバーアロットメント78,000株です。上場規模は想定発行価格1,650円から計算すると約9.9億円になります。


10億円規模であれば初値2倍以上が見えてきそうですね!!


シイエヌエス[CNS](4076)IPOの初値予想と上場
※シイエヌエス公式サイト引用


同社は株主であり取引先大手のエヌ・ティ・ティ・データ(9613)と密接な関係にあるようです。


同社グループが属する情報サービス産業ではDXを推進する動きが活発化しており、昨今の急激な環境変化に対応し、ビジネス成長を拡大する上でデジタル技術を駆使した情報システムを経営の基本骨幹とする企業が増えています。


そのため複合的なサービスが求められ、同社には追い風が吹いているようです。


ビッグデータ分析やクラウドサービス技術の強化を継続しながら、デジタル革新技術の拡大に注力し結果を残さなければなりません。


類似企業も多くなっていることから新しいビジネスモデルの構築が急がれると考えています。IPOとしては初値利益が見込めるため積極的に抽選参加を行ってよいでしょう!


シイエヌエス(4076)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容システムエンジニアリングサービス
上場日8月20日
ブックビルディング期間8月04日~8月11日
想定価格1,650円
仮条件1,700円~1,940円
公開価格1,940円
初値結果3,010円(公開価格1.55倍)
企業情報https://www.cns.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額474,760千円については、「1新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限118,404千円と合わせた手取概算額合計上限593,164千円を、優秀な人材獲得のための人材採用費並びに教育研修費、新規ビジネスモデルの構築、社内基幹システムへの強化等の運転資金に充当する予定。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数320,000株
売出株数200,000株
公開株数(合計)520,000株
オーバーアロットメント78,000株
上場時発行済み株数2,828,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約46.7億円
幹事団東海東京証券(主幹事)
岩井コスモ証券
SBI証券
松井証券
水戸証券
東洋証券
岡三証券
委託見込岡三オンライン証券
SBIネオトレード証券


シイエヌエス(4076)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,650円を基に吸収金額を算出すると約8.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約9.9億円規模の上場となります。上場規模が小さくIPOとしては魅力がありそうです。


同社グループは、シイエヌエス(CNS)と連結子会社(シイエヌエス北海道)の2社で構成されています。事業はシステムエンジニアリングサービス事業を主たる業務としています。


システムエンジニアリングサービス事業は、「システム基盤事業」「業務システムインテグレーション事業」「ビッグデータ分析事業」「デジタル革新推進事業」に細分化されます。


システム基盤事業では、オンプレミス基盤事業とクラウド基盤事業の2つのサービスを提供しています。


オンプレ基盤はクラウドサービスの普及によりクラウド基盤への移行も今後進むと思われますが、データ保管のポリシーやネットワークの接続形態などから、金融機関等の大規模システムを保有する企業において機密性、安全性を優先した結果、今後も採用されることが想定されています。


シイエヌエス(4076)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


クラウド基盤事業は利便性や可用性、運用性の高さから急速に拡大し今後も成長が見込まれる事業です。


AWSなどのパブリッククラウドを活用したシステムを構築する場合には、クラウドサービスが提供する様々な機能を必要な要件を踏まえて選択し、設計することが求められます。


クラウド基盤事業においては、取引先大手のエヌ・ティ・ティ・データをはじめSI事業者とクラウドサービスの出現当初からシステム化に取り組んでいます。


今後も連携してビジネス拡大を進め、事業会社等からの要望も多くあり、新たな顧客を対象とした事業拡大も見込んでいるそうです。


また、オンプレ基盤事業やクラウド基盤事業を推進するうえでハードウエアベンダからコンピュータ機器の調達・納品、ソフトウエアの調達・納品、クラウドサービスの調達・納品を行なうことにより、顧客にワンストップのサービス提供を実現しています。


シイエヌエス(4076)IPOの事業内容
※有価証券届出書引用


業務システムインテグレーション事業では、業務システムの初期検討、開発から導入後運用まで全般をサポートする事業を行います。


同社グループは様々な業界のシステム開発の実績があり、特に金融業界の信用リスクや金融規制対応、流通業界の顧客管理や販売管理については、顧客との長年のノウハウがあり、上流のコンサルティングから運用・保守業務まで一貫したサービスを提供できるそうです。


ビッグデータ分析事業は、ユーザの契約情報や行動ログ、位置情報といったビッグデータを分析するモデルを作り、分析を実施することで顧客のビジネス課題を解決するサービスです。


通信、金融、広告、流通、小売業等の幅広い分野で戦略改善に向けたビジネスアクションの提案や予測モデルの構築、開発等の実績があります。


本事業においては、この業界のリーダーの一つである「SAS Institute Japan株式会社」とのパートナー関係にあり、SAS Institute Japanと連携して新たな顧客へサービス拡大を進めるそうです。


シイエヌエス(4076)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


デジタル革新推進事業では、昨今注目されているDXを推進することを目的として、様々な技術ソリューションを提供しています。


システム技術領域においては、ServiceNow社の製品を活用したシステム保守・運用業務変革の取り組みを、同社パートナーであるエヌ・ティ・ティ・データと推進しています。


また、デジタル変革技術のひとつとして注目されているAI技術について、早くから取り組みを進めています。


具体的には画像認識技術等を活用したAIのPoCや、PoCで検証されたAIを実ビジネスで利用するためのシステム化対応といった実績があり、従来のシステム開発とAI開発の両側面の知見を活かし、双方を繋ぐ橋渡し的な役割を担っています。


シイエヌエス(4076)の企業財務情報と配当性向

回次第34期第35期
決算年月2019年5月2020年5月
売上高4,434,2004,577,752
経常利益275,878486,211
親会社株主に帰属する当期純利益142,928325,306
包括利益142,655325,208
純資産額1,444,8981,719,947
総資産額2,423,4122,803,419
1株当たり純資産額576.12685.78
1株当たり当期純利益金額59.01129.71
自己資本比率(%)59.661.4
自己資本利益率(%)10.620.6
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△94,865646,282
投資活動によるキャッシュ・フロー△11,63311,538
財務活動によるキャッシュ・フロー37,094△151,446
現金及び現金同等物の期末残高656,2871,162,661
※数値は千円単位



第36期第3四半期連結累計期間(2020年6月01日~2021年2月28日)
  • 売上高3,490,070千円
  • 営業利益366,656千円
  • 経常利益391,319千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益263,314千円



【第36期第3期のチェックポイント!】

今期はシステム運用の自動化や業務の効率化を行う製品「ServiceNow」の導入・構築支援が引き続き好調とあります。金融系システム開発では、バーゼルⅢ最終化対応などの中型案件の受注により好調に推移しています。ビッグデータとクラウドに関するビジネスも継続的に好調です。

また、新しい取り組みとして顧客ビジネス改革に直接的に関与し、デジタル技術の普及に携われるコンサルティング領域への進出をスタートしています。

国内の情報サービス市場は、ビッグデータやクラウドなどの技術を活用し新しい価値を創り出すDXを推進する動きが継続しているそうです。


シイエヌエス(4076)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1985年7月04日、東京都渋谷区恵比寿南一丁目5番5号JR恵比寿ビル9階に本社を構えます。社長は関根政英氏(1966年11月10日生まれ)、株式保有率は7.11%(178,200株)です。


従業員数163人で臨時雇用者0人、平均年齢33.5歳、平均勤続年数6.1年、平均年間給与5,677,000円です。連結従業員数は191人となり臨時雇用者はいません。


連結のセグメント別従業員数はシステムエンジニアリングサービス事業191人です。単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
富山 広己604,800株24.11%
N&KT株式会社600,000株23.92%
関根 政英178,200株7.11%
シイエヌエス従業員持株会134,400株5.36%×
小野間 治彦112,400株4.48%
楠見 慶太112,000株4.47%
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ100,000株3.99%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である富山広己並びに当社株主であるN&KT株式会社、関根政英、小野間治彦、楠見慶太、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、生活協同組合コープさっぽろ、戸田忠志、種田政行、檜森則克、宮川秀彦及び福田英明は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2022年2月15日までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等は行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2022年2月15日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。そのため180日間は基本的に売却ができません。


親引けはありません。売ってこないと思いますが、シイエヌエス従業員持株会はロックアップ対象外です。


シイエヌエス(4076)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が上振れし1,700円~1,940円に決定しました。これにより吸収金額が最大で11.6億円、時価総額が54.9億円になります。


成長分野として期待されている企業になりますが、まだ実績が乏しく中長期的に成長すると見込まれています。今期業績予想は横ばいのため、来期以降に期待となっているようです。


NTTデータが取扱う「サービスナウ」製品の導入やDXビジネスが好調に推移し、これまで主力だった従来型のシステム開発と主力事業が入れ替わると言われています。


ただ機関投資家が参戦してくる可能性は現段階で低いようなので、個人投資家主体の売買になると言われています。


大手初値予想3,000円~4,000円
修正値3,500円~4,000円

※注目度B


需給面の心配はなく、同日上場のフューチャーリンクネットワーク(FLN)よりも人気があると言われています。また東海東京証券案件は早売りが目でつと言われており、初値の伸び悩みも実際に起きています。


早売りが起きなければ4,000円程度はクリアーしてくる可能性が高いようです。VC出資がなく個人投資家に人気のIT系、さらにIPO空白期間があることで初値は高くなると予想されています。


2022年5月期の連結業績予想は売上52.70億円となり前期比8.86%増、経常利益5.09億円となり前期比4.09%増になります。


四半期利益は3.34億円になり前期比0.60%減とほぼ横ばいです。EPS121.20からPERは16.01倍、BPS1,008.86からPBRは1.92倍になります。株価設定は妥当、もしくはやや割安だと思います。


上場時点では人気業態でも業績成長が1桁台なのでイケイケ感は感じられません。しかし、大手企業と取引を継続していることで業績の安定感はあると思います。


幹事名割当株数引受割合
東海東京証券(主幹事)468,000株90.00%
岩井コスモ証券10,400株2.00%
SBI証券10,400株2.00%
松井証券10,400株2.00%
水戸証券7,800株1.50%
東洋証券7,800株1.50%
岡三証券5,200株1.00%


東海東京証券が主幹事を引受けます。前回の主幹事BlueMeme(ブルーミーム)の初値が低かったため挽回したいところでしょう。


今回は上場規模が小さめなので初値高騰パターンでしょうか。岩井コスモ証券が引受幹事上位なのも珍しいと思います。


後期型抽選を採用しネットでも当選者を確認できます。IPOルールは下記記事でまとめています。




資金不要でIPO抽選に参加できるのは松井証券だけとなっています。


また、岡三証券が幹事入りしているため岡三オンラインからも抽選に参加できると思います。岡三証券がフューチャーリンクネットワーク(9241)の主幹事なのでついでに申込むスタンスでよさそうです。


タイアップ中なので口座を開設していない方は3,500円貰うことができます。詳しくは下記記事でまとめています。




また、先着300人になりますがワラシベに口座開設を行うとAmazonギフト券が2,000円分貰えます。多分、気が付いている方は少ないと思います。


公式サイトを見ただけではわからないため朗報ですよね。詳しくは下記記事にまとめています!




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ディップ(2379)PER27.57倍PBR5.78倍
ブレインパッド(3655)PER59.53倍PBR7.72倍
ALBERT(3906)PER78.09倍PBR6.24倍
※2021年8月04日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
該当事項なし-株-円


ストックオプション(新株予約権)は該当事項なしとなっています。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


シイエヌエス(4076)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

シイエヌエスのIPOはビッグデータ、クラウド、DXなどIPOでは人気化するキーワードが出てきます。


初値不安はないため積極的に抽選に参加してよいでしょう。知り合いは東海東京証券の裁量配分でIPOを獲得していました。羨ましい限りです。


シイエヌエス[CNS](4076)IPOの評価
※シイエヌエス公式サイト引用


同社が所属する業界では技術革新のスピードや変化が著しい業界のため、今後も競争が激化する見込みです。


ただ需要が多いため乱立する状態でも多くの企業に追い風が吹いていると言えます。同社の場合はエヌ・ティ・ティ・データという大口顧客が存在するため投資家も安心できる材料があります。


エヌ・ティ・ティ・データへの販売金額は売上の24.2%、野村総合研究所16.5%、デュアルカナム14.0%となっています。大口顧客がいることで安心できますが、1社でも撤退することになると業績に大きく反映されます。


株主にはベンチャーキャピタルがいませんし、新株予約権もないため初値買いする投資家も多い気がします。業績面の不安はありませんが、創業から36年経過しているため今更感があると思います。


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