オンデック(7360)のIPOが東証マザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。
主幹事は野村證券が務め公開株数550,000株、オーバーアロットメント82,500株です。上場規模は想定発行価格1,270円から計算すると約8.0億円になります。
受渡日からクリングルファーマ(7360)がオーラスIPOだと思っていましたが、オンデックが上場承認されました。もう受渡日など関係なく上場してくるの?これは初めてのケースです!
※オンデック公式サイト引用
全国の経営者の年齢分布に占める70代以上の割合は増加する一方で、40代以下の割合は減少傾向にあり、中小企業経営者の高齢化が進行しています。
そのためM&Aという形で事業継続を願う事業者も多いそうです。度々この問題は取り上げられるためご存知の方も多いと思います。
経営者の高齢化が進展しながらも後継者不在率は高水準を維持している状況がこれからも続くとされています。中小企業のM&Aは着実に進展していくと思います。
データ的には2014年には官民合わせたM&A成約件数が2,387件、2018年には4,773件に増加し、2029年頃には年間6万件の成約を目標に掲げているそうです。※経済産業省「中小M&Aガイドライン」引用
オンデック(7360)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | サービス業 |
事業内容 | M&Aに関する仲介、アドバイザリー業務 |
上場日 | 12月29日 |
ブックビルディング期間 | 12月11日~12月17日 |
想定価格 | 1,270円 |
仮条件 | 1,400円~1,550円 |
公開価格 | 1,550円 |
初値結果 | 4,500円(公開価格2.90倍) |
企業情報 | https://www.ondeck.jp/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額343,520千円については、「1 新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限96,393千円と合わせて、設備投資資金として①M&Aプラットフォームの構築及び ②業容拡大に対応するための本社移転に、運転資金として ③M&Aプラットフォームの企画・設計に係る費用、④本社移転費用にそれぞれ充当する予定
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 300,000株 |
売出株数 | 250,000株 |
公開株数(合計) | 550,000株 |
オーバーアロットメント | 82,500株 |
上場時発行済み株数 | 2,781,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約35.3億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) 大和証券 みずほ証券 SBI証券 岡三証券 東洋証券 藍澤證券 エース証券 楽天証券 マネックス証券 |
委託見込 | 岡三オンライン証券 SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
オンデック(7360)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,270円を基に吸収金額を算出すると約7.0億円となり、オーバーアロットメントを含めると約8.0億円規模の上場となります。上場規模が少なく魅力がありそうです。同社のM&Aアドバイザリー事業は、企業が買収や合併を行う際に譲渡希望者と買収希望者の仲介、またはいずれか一方のフィナンシャルアドバイザーとして助言を行うものであり、国内中小企業が当事者となる市場を主たる事業領域としています。
M&Aは単なるマッチングではなく、その本質的な意義は2社以上の会社が1つのグループを形成し、企業の成長を実現させるための手段であり、これを実現させるために提供するアドバイザリー業務はM&Aというプロジェクトの最適な推進を実現する「プロジェクト・マネジメント業務」と認識しているそうです。
M&Aの対象となる事業をそのビジネスモデルから深く理解し、自らが当事者の視点をもって業務にあたることで、M&Aの成約そのものは当然のこと、M&A後の事業の成功を見据えた利害関係者の調整や、各種論点の整理、課題への対応案の検討等を適切に行います。
そうすることでM&Aのプロフェッショナルとして、提供するサポート品質を高く維持・向上させることにより、高品質なアドバイザリーサービスの提供を徹底できるそうです。
※有価証券届出書引用
ソーシング・案件化フェーズでは、譲渡希望者と秘密保持契約を締結し、入手した譲渡対象企業の情報からビジネスモデルの分析及び譲渡希望者のニーズを把握します。
希望条件による譲渡を合理的に実現するための課題や論点を整理し、企業価値評価や最適ストラクチャ・譲渡スキームの検討を通して、M&Aの実現可能性を検討します。
実現可能性があると当社が判断した場合には、受託承認プロセスを経て譲渡希望者と提携仲介契約を締結します。
※有価証券届出書引用
マッチングフェーズでは、譲渡希望者の希望条件、譲渡対象企業の事業内容をもとに、社内データベースに蓄積された数十万の企業情報データや買収希望ニーズデータの検索を行います。
あるいは、業務提携先企業への匿名情報の共有等を通じて買収候補者を探索し、譲渡希望者の希望に沿い、かつ対象企業の企業価値を最大化しうると思われる買収候補者を選定し、匿名情報の範囲で関心の有無を打診します。
※有価証券届出書引用
エグゼキューションフェーズでは、独占的に交渉を進める1社が選定されれば、買収候補者と提携仲介契約を締結し、同社調整のもと譲渡希望者と買収候補者との間で、「買収意向表明書」に記載された条件を基に、基本的な譲渡条件について調整を行います。
オンデック(7360)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第11期 | 第12期 |
決算年月 | 2018年11月 | 2019年11月 |
売上高 | 341,700 | 647,580 |
経常利益 | 33,874 | 122,001 |
当期純利益 | 22,526 | 78,087 |
資本金 | 100,000 | 100,000 |
純資産額 | 384,249 | 462,336 |
総資産額 | 478,846 | 630,637 |
1株当たり純資産額 | 154.88 | 186.35 |
1株当たり当期純利益金額 | 9.23 | 31.47 |
自己資本比率(%) | 80.2 | 73.3 |
自己資本利益率(%) | 7.0 | 18.4 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △68,725 | 238,033 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 62,768 | △12,694 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 98,852 | △20,242 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 380,972 | 586,068 |
- 売上高379,288千円
- 営業損失32,650千円
- 経常損失32,698千円
- 四半期純損失21,594千円
新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞により、譲渡や譲受を慎重に見極める観点から、案件化や成約までのプロセスが長期化する傾向がみられたそうです。
しかしながら中小企業・小規模事業者の経営者の高齢化を背景とした後継者問題の深刻化や業界再編の手法として、M&Aが有力な選択肢として認知が進んでいることに加えて、中小企業庁による中小M&Aガイドラインの策定や行政による事業承継推進施策もあり、引き続き市場の拡大が進んでいるそうです。
第13期第3期の成約件数は15件となっています。
オンデック(7360)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2007年12月28日、大阪市中央区久太郎町一丁目9番28号松浦堺筋本町ビル2階に本社を構えます。社長は久保良介氏(1976年5月09日まれ)、株式保有率は35.03%(903,900株)です。従業員数37人で臨時雇用者0人、平均年齢35.84歳、平均勤続年数2.34年、平均年間給与7,623,000円です。
セグメント別ではM&Aアドバイザリー事業が29人、全社共通8人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
久保 良介 | 903,900株 | 35.03% | ○ |
舩戸 雅夫 | 903,900株 | 35.03% | ○ |
Angel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号株式会社 | 366,000株 | 14.19% | ○ |
株式会社ペイフォワード | 150,000株 | 5.81% | ○ |
株式会社タケオホールディングス | 81,000株 | 3.14% | ○ |
オンデック従業員持株会 | 64,440株 | 2.50% | ○ |
山中 大輔 | 59,520株 | 2.31% | × |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である久保良介、売出人である舩戸雅夫、当社株主かつ当社役員である大西宏樹及び村田健一郎並びに当社株主である株式会社ペイフォワードは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月28日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
また、当社株主である、Angel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号株式会社及び株式会社タケオホールディングスは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月28日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く)を行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2021年3月28日まで)のロックアップが付与されています。「Angel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号」と「タケオホールディングス」には90日間のロックアップと発行価格1.5倍以上のロックアップ解除条件が設定されています。
この他にもオンデック従業員持株会に対して180日間(2021年6月26日まで)のロックアップが設定されています。
親引けは15,000株を上限として行われる予定です。
オンデック(7360)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。M&Aを行う企業は機関投資家に人気のため、機関投資家が参戦してくれば面白い展開が期待できそうです。上場規模が小さいためその可能性は低いかもしれませんが、期待があるだけで買い上がる可能性があります。
コンサルタントでは人員の問題が常に発生するため、良い人材や教育を行うことで伸びる市場だと思います。VC保有株はあるものの出資企業が少ないため、初値を高く持っていく展開も期待できるようです。
修正値4,000円~5,000円
※注目度B
業績が大きいわけではありませんが、一定の評価ができるようです。2020年最後のIPOになるため売渋りが起き、想定以上の初値を付ける可能性もあると言われているようです。色々面白そうなIPOなので是非当選を狙いたいと思います。
2020年11月の業績予想は売上7.94億円となり前期比22.7%増、経常利益1.25億円で前期比2.5%増、四半期利益8,000万円で前期比2.6%増になります。売上・利益はまだ低いため機関投資家の参戦は難しいのかもしれません。
来期業績が良ければ上向く可能性があります。EPS32.51からPERは47.68倍、BPS218.60からPBRは7.09倍になります。配当金や株主優待はありません。
業績が上向けばEPSの大幅改善が行われ面白そうです。コロナ禍で後継者問題がなくなるわけでははいと思いますが、コロナにより商談がスムーズに進まない可能性もあると思います。
また、初値が付くのが大納会になる可能性があるため各方面から別の意味で注目があるようです。このまま大発会まで初値が付かないと面白いですよね。当選しなくてもまれな体験ができるかもしれません!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 467,500株 | 85.00% |
大和証券 | 22,000株 | 4.00% |
みずほ証券 | 22,000株 | 4.00% |
SBI証券 | 5,500株 | 1.00% |
岡三証券 | 5,500株 | 1.00% |
東洋証券 | 5,500株 | 1.00% |
藍澤證券 | 5,500株 | 1.00% |
エース証券 | 5,500株 | 1.00% |
楽天証券 | 5,500株 | 1.00% |
マネックス証券 | 5,500株 | 1.00% |
野村證券主幹事になるため激戦が予想されます。公開価格割れを起こすようなIPOではないため申し込めるところから申込んでおきましょう!
ブックビルディングが重なっているため資金拘束されるマネックス証券からの申込みを行いたいと思います。資金開放されていないと思いますが、かき集めて申込をします。
株数だけ見れば通常サイズのIPOなのでダメもとで頑張ります!
マネックス証券のIPOルールについて詳しくまとめました。評判が良いことはわかっていますが、完全抽選方式を取り入れているため誰にでも当選チャンスがある証券会社です。当選実績も合わせてご紹介したいと思います。 …
また、未上場株に興味があればイークラウドでAmazonギフト券キャンペーンが開始されました。口座開設で1,000円分貰えるためお勧めです。他社でも似たようなキャンペーンが行われていますからね。
大和証券グループが株式投資型クラウドファンディングに関わっているため、上場までスムーズに事が運びそうです。詳しくは下記記事でまとめています。
株式投資型クラウドファンディングに「イークラウド」という企業が登場しました。そこで評判や評価などを考察し、投資を行う際のデメリットは何なのか考えてみました。既に投資を行っている投資家も多いと思います …
東証1部上場のあなぶき興産(8928)が不動産クラウドファンディングを行っているジョイントアルファでも口座開設キャンペーンでAmazonギフト券が貰えます。
上場企業が運営しているためかなり人気があります。投資家の資産を守る劣後出資も最大30%なので比較的安全な投資環境と言えます。詳しくは下記記事でまとめています。
ジョイントアルファ(Jointoα)への投資が人気化しつつあることを掴みました。理由として考えられるのは東証スタンダード市場に上場している穴吹興産(8928)が直接運営していることが考えられます。売上1,000億円を …
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
日本M&Aセンター(2127) | PER96.41倍 | PBR25.99倍 |
山田コンサルティンググループ(4792) | PER26.41倍 | PBR1.63倍 |
M&Aキャピタルパートナーズ(6080) | PER48.88倍 | PBR9.96倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2022年6月01日~2030年5月28日 | 99,180株 | 1,613円 |
ストックオプション(新株予約権)は上場時点で行使期限に入る株を確認できません。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。オンデック(7360)IPOの評価と申し込みスタンス
オンデックIPOには参加したいと思います。こうなるとオーラスIPOだと思っていたクリングルファーマ(7360)が少し心配になります。※オンデック公式サイト引用
同社の今期業績はあまり良くないみたいなので、追記する際に業績予想を確認しておきたいと思います。M&Aを行う企業のIPOパフォーマンスは悪くないと思います。
競合もそれなりにいますが、野村證券主幹事のM&A企業なので問題ないでしょう。これがネット証券主幹事だとやや心配かもしれません。
また事業の問題は全てのM&Aが上手くいくとは限らないことです。なかには面倒な顧客もいるはずです。訴訟などが長引くと業績に影響が出ると思います。さらに企業規模を拡大すると人材確保も課題になると思います。
目論見にはAngel Bridge Deal-by-Deal Fund 9号株式会社の100%親会社にあたるAngel Bridge株式会社から、継続的にM&A案件の紹介を受けているとあります。ただの出資ファンドではなかったようです。
全体的に公開価格割れをするような銘柄ではないため全力申し込みでよさそうです!
FOLIO ROBO PROセミナーで勝率が高いことを知りました! 【ロボアドバイザーの最高峰】
ウェルスナビが業界最大手となっていますが、AIを屈指したロボアドも存在します。興味があれば下記記事も面白いと思います。
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