バリオセキュア(4494)IPOが東証2部に新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。また、2020年2月に承認され10月に再承認されているIPOなので気を付けてください。
主幹事は野村証券が務めファンド売出し案件になります。売出株数は2,365,000株、オーバーアロットメント354,700株になり、上場規模は約60.1億円です。ちなみに再上場案件になります。さらに前回承認時よりも想定価格が130円引き上げられています!
またウイングアーク1st(4432)が一時バリオセキュアを完全子会社化しているためオイオイ状態です。よりによってなぜこのタイミングで上場させるのか?収穫時期ということでしょうね。
再上場案件で再承認、さらにVCのために上場するため悪材料が多いIPOだと思います。
※この記事は2020年10月23日の再承認に合わせて最新の情報に更新しています
同社がビジネス展開しているセキュリティ市場はガンガン需要が伸びている状況です。ランサムウェア被害が拡大し自社で対応できる企業が少なくなっているため、セキュリティベンダーへ運用や監視をアウトソーシングする傾向にありサービス利用の拡大が見込まれています。
通常セキュリティのIPOは人気がありますが、今回は少し警戒する必要がありそうです。
セキュリティ市場規模としては、2018年度の2,116億円から2023年度には約2,759億円に拡大し、年平均成長率5.5%で推移すると考えられているそうです。
バリオセキュア(4494)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証2部 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | ネットワークセキュリティ機器と独自監視システムによる運用、監視、サポートサービスの提供。ネットワークセキュリティ機器販売、ならびにネットワーク機器の調達、構築によるインテグレーションサービスの提供 |
上場日 | 11月30日(再承認) |
ブックビルディング期間 | 11月12日~11月17日 |
想定価格 | 2,210円(前回2,080円) |
仮条件 | 2,210円~2,250円 |
売出価格 | 2,250円 |
初値結果 | 2,150円(上昇率-4.44%) |
企業情報 | https://www.variosecure.net/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
【経営環境と経営戦略等】
当社のインターネットセキュリティサービス事業は、ネットワークセキュリティの導入から管理、運用・保守までをサービスとしてワンストップで提供し、ユーザーから定額の月額費用(初期費用含む)を徴収するリカーリングレベニューモデルとなっており、安定した収益が稼得できる事業基盤を有しております。今後もセキュリティ環境の変化に呼応したサービス及び製品の充実を図ってまいります。
具体的には主要サービスである、マネージドセキュリティサービスにつきましては、販売代理店との関係強化と各販売代理店内での当社サービスのシェア拡大、また中部圏の販売代理店との強化を図るため専任の担当者を置き売上の拡大を目指します。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 0株 |
売出株数 | 2,720,400株⇒ 2,365,000株に変更 |
公開株数(合計) | 2,365,000株 |
オーバーアロットメント | 354,700株 |
上場時発行済み株数 | 3,726,600株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約82.4億円(前回約77.5億円) |
幹事団 | 野村證券(主幹事) SMBC日興証券 大和証券 いちよし証券 みずほ証券 岡三証券 岩井コスモ証券 SBI証券 楽天証券 マネックス証券 |
委託予定 | 岡三オンライン証券 |
バリオセキュア(4494)上場評判とIPO分析
想定発行価格2,210円を基に吸収金額を算出すると約52.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約60.1億円規模の上場となります。上場規模も新興市場としては大きめです。前回承認時の吸収額はOAを含め約65.1億円だったためやや縮小されています。バリオセキュアはインターネットに関するセキュリティサービスを提供する企業として、インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウィルスの感染やデータの盗用といった各種の脅威から企業のネットワークを守り、安全にインターネットを利用することができるようにする総合的なネットワークセキュリティサービスを提供しています。
セキュリティサービスで利用する機器の調達、機器にインストールする基幹ソフトウエアの開発、機器の設置/設定、機器設置後の監視・運用までをワンストップで行っています。
エンドユーザーは機器の選定や運用サービスを個別に検討する必要がなく、手間がかからずにサービスを利用することが可能となります。またワンストップでサービスを提供しているため、問題が発生した際に原因の究明と対応が行い易く、エンドユーザーは問い合わせやトラブルに対するサポートを迅速に受けることができます。
※2020年10月24日に最新情報へ更新
収益構造は、監視・運用サービスを基本に各種セキュリティサービスを月額費用により提供しています。
導入企業が増加すれば年々収益が積み上がる「リカーリングビジネス」と呼ばれるモデルであり、収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しています。
2020年1月末で全国47都道府県にVSR設置場所数が7,258拠点にも及ぶマネージドセキュリティサービスを提供しています。これにより継続的な収益の安定化を実現しているそうです。
第4期事業年度の「リカーリングビジネス」であるマネージドセキュリティサービスによる売上収益の売上収益全体に占める比率は85.7%となっています。
同社の販売モデルは、販売代理店を介した間接販売及び自社による直接販売に分類できますが間接販売が中心となっています。
通信事業者やインターネットサービス事業者、データセンター事業者など、サービスを付帯することで顧客へ付加価値を提供することを期待する販売代理店と契約しています。
これら販売代理店と日本全国をカバーする販売網を構築し、継続的な営業案件の創出が可能となっているそうです。
主力商品のマネージドセキュリティサービスで提供している商品は、VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスとデータのバックアップサービス(VDaP)の2種類があります。
VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービスは、インターネットからの攻撃や内部ネットワークへの侵入行為、またウィルスの感染やデータの盗用といった各種の脅威から企業のネットワークを守り、安全にインターネットの利用を行えるようにする総合的なネットワークセキュリティを提供するものです。
※2020年10月24日に最新情報へ更新
データのバックアップサービス(VDaP)では、一般的に企業の大切なデジタルデータがインターネットの脅威から隔離され、障害が発生した場合でもそれまでの事業の継続性を担保することが企業の大きな課題となっています。
この他、インテグレーションサービスでは中小企業向け統合セキュリティ機器であるVCR(Vario Communicate Router)の販売とネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレーションサービスがあります。
VCRはマネージドセキュリティサービスと異なり、中小企業を専門とする販売代理店を通じて、UTM製造の世界有数の企業であるSOPHOS Ltd.の製品を自社ブランドとして輸入し、エンドユーザーに販売する事業として実施しています。
ネットワークインテグレーションサービスでは、通信ネットワーク及び機器等の導入のための設計、調達、構築を専門に行う人員を配置しネットワークの設計/調達/構築全般を実施し、企業ネットワーク領域全般への業容拡大を図っています。
バリオセキュア(4494)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第4期 | 第5期 |
決算年月 | 2019年2月 | 2020年2月 |
売上高 | 2,299,255 | 2,513,337 |
経常利益 | 443,621 | 495,894 |
当期純利益 | 235,406 | 260,402 |
資本金 | 310,000 | 310,000 |
純資産額 | 2,332,290 | 2,592,692 |
総資産額 | 6,003,264 | 6,194,121 |
1株当たり純資産額 | 625.85 | 695.73 |
1株当たり当期純利益金額 | 63.17 | 69.88 |
自己資本比率(%) | 38.85 | 41.86 |
自己資本利益率(%) | 10.63 | 10.58 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 389,018 | 894,187 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △50,726 | △149,285 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △401,000 | △400,996 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 288,323 | 632,229 |
- 売上高1,262,767千円
- 営業利益296,772千円
- 経常利益286,641千円
- 四半期純利益158,946千円
- 売上収益1,262,767千円(前年同期比0.6%増)
- 営業利益423,177千円(同5.5%増)
- 税引前四半期利益394,287千円(同7.3%増)
- 四半期利益273,580千円(同7.5%増)
同社の属する情報セキュリティ業界では、新型コロナウイルス感染症によるリモートワークの増加、それに伴う回線及びネットワーク機器の増強、そして急増する脅威に対するセキュリティ対策の重要性が改めて認識されているそうです。
リモートVPNサービスの利用開始や利用人数の変更に伴う売上増、回線増強に伴う上位サービスへの移行等のアップセルにより、マネージドセキュリティサービスは堅調に推移しています。一方のインテグレーションサービスにおいては、エンドユーザー宅内での設置工事の遅れ等が発生しやすい状況で推移しているそうです。
バリオセキュア(4494)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2015年9月17日、東京都千代田区神田錦町一丁目6番地に本社を構えます。社長は稲見吉彦氏(1965年10月27日生まれ)、株式保有率は2.04%(82,680株)です。※前承認時の保有株数は89,680株でした従業員数73人で臨時雇用者は1.1人、臨時雇用者は年間の平均人員のためこの数値になります。また平均年齢は40.08歳、平均勤続年数5.71年、平均年間給与7,219,520円です。
セグメント別ではマネージドセキュリティサービス29人、インテグレーションサービス6人、その他38人になります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
アイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合 | 3,720,020株 | 91.66% | ○ |
稲見 吉彦 | 82,680株 | 2.04% | ○ |
山森 郷司 | 15,780株 | 0.39% | ○ |
亀松 節子 | 14,500株 | 0.36% | ○ |
梶浦 靖史 | 14,180株 | 0.35% | ○ |
市瀬 敦彦 | 14,040株 | 0.35% | ○ |
バレス ティモシー | 11,820株 | 0.29% | ○ |
【ロックアップについて】
引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人であるアイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合及びアイ・シグマBAF役職員ファンド5アイ組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年2月27日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第2 売出要項」における売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く)は行わない旨合意しております。
加えて、当社新株予約権者である稲見吉彦、山森郷司、亀松節子、梶浦靖史、礒江英子及びその他44名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年2月27日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2021年2月27日まで)のロックアップが付与されています。またロックアップ解除倍率は売出し価格の1.5倍となっています。さらに新株予約権者には90日間のロックアップが付与されています。
親引け設定はありません。
バリオセキュア(4494)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。ちなみに前回承認時は仮条件1,600円~1,700円となり大手初値予想は1,600円~1,800円を予想していました。想定発行価格から大きくディスカウントされましたが、今回の再承認でどのような価格帯になるのか気になります。
個人的にはバリオセキュアIPOへの参加は消極的に考えています。
仮条件範囲が2,210円~2,250円に決定しました。吸収レンジは52.3億円~61.2億円になります。収益は月額料金を中心とするリカーリングモデルが中心となり業績は安定しています。
修正値2,200円~2,500円
※注目度A
直近の雰囲気では公開価格割れの確立が減ったように思います。ただ油断はできないためリスクが取れる方のみ参加するべきでしょう。シンジケートカバーよりも高く初値は寄りそうです。
2021年2月の業績予想は売上25.3億円となり前期比で0.68%増の横ばいです。営業利益は7.6億円になり前期比で3.8%減となっています。四半期利益は4.89億円で前期比で1.8%減です。
EPS131.48なのでPERは17.11倍、BPS1,047.51なのでPBR2.15倍になります。配当が39.44円出るため配当利回りは1.75%です。
のれんや有利子負債の問題があるため損失を出したくなければスルーのほうがよさそうです。IPOが少ないため買われる可能性があると某紙では出ているようです。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 2,046,100株 | 86.52% |
SMBC日興証券 | 70,900株 | 3.00% |
大和証券 | 70,900株 | 3.00% |
いちよし証券 | 47,300株 | 2.00% |
みずほ証券 | 23,600株 | 1.00% |
岡三証券 | 23,600株 | 1.00% |
岩井コスモ証券 | 23,600株 | 1.00% |
SBI証券 | 23,600株 | 1.00% |
楽天証券 | 23,600株 | 1.00% |
マネックス証券 | 11,800株 | 0.50% |
前期売上が25億円で利益が2.6億円となっています。そして上場規模が60.1億円なのはどうでしょうね。2006年6月に大阪証券取引所のヘラクレスに上場し2009年12月に上場廃止になっています。
ファンドが絡んだ経営になり個人的には印象が悪いです。事情が色々とあると思いますが今回の再上場は「アイ・シグマ事業支援ファンド2号投資事業有限責任組合」へお金が流れるだけですよね。
それがファンドの仕事だと思いますがIPO的には人気がありません!また当選を考えた場合は野村證券からの抽選参加が有効でしょう。その他はSMBC日興証券やマネックス証券がお勧めだと思います。
SMBC日興証券のIPO概要と当選秘策のご紹介です。申込続ければIPOは当選できると思います。ただ根気が試される投資なので主幹事を中心に申込んでおきましょう。嘘なしの当選画像を掲載しています。幹事に入るとほぼすべての銘柄 …
意欲的になれない内容ですが、上場市場が東証2部ということも懸念材料です。買いが入るのか見ものですね。好んで買う投資家はあまりいないと思いますがどうでしょうか。
それとLINE証券で初株チャンスキャンペーンが行われています。最大2,100円相当の株式を貰うことができます。私は頂いた後に放置していたところ3,500円以上になっていました。さらにLINE FXでもキャンペーンに参加していたのでキャッシュバックを頂いています。
比較的簡単に攻略できるためお勧めです。
単元未満株の売買ができたりLINEポイントを使って株を買えるため最近人気が出てきています。詳細は下記記事でまとめてみたのでよかったら参考にしてください。
LINE証券のサービスを自己分析し評判と評価としてまとめました。投資を行う際のメリットやデメリットについても調べているため参考になると思います。また、投資家の口コミについても取上げています。サービスが …
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トライオートFXの実績や評判って本当なのか?と思うことがあり色々と調べてみました。過去に同社システムを利用していた時期もありFXやETF取引を実際に行っていました。これまで大きな金額を投入したことはありませんが当時は楽 …
最近タイアップ金額が少しだけ多くなったので興味があればお試しください。取引画面がリニューアルされ使いやすくなっています。
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
テリロジー(3356) | PER63.81倍 | PBR3.87倍 |
ラック(3857) | PER20.58倍 | PBR2.56倍 |
セグエグループ(3968) | PER41.5倍 | PBR6.59倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2019年6月02日~2027年6月02日 | 268,240株 | 500円 |
2020年5月16日~2028年5月15日 | 26,200株 | 500円 |
2021年2月14日~2029年2月14日 | 37,300株 | 550円 |
ストックオプション(新株予約権)は294,440株が上場時点で行使期限を迎えています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。バリオセキュア(4494)IPOの評価と申し込みスタンス
バリオセキュアIPOはVC売出株になり人気がないと考えています。事業的には好まれますが換金性が強いだけに警戒してしまいます。上場後は案外右肩上がりかもしれませんが初値段階では人気が限られると思います。時価総額も低いことから上場市場も東証2部のままでしょう。
事業的には参入障壁が高いため簡単に真似できるような事業ではありません。しかし競合は存在します。日々、技術革新が行われセキュリティ業界も競争力維持のため開発コストが掛かるようです。
同社の場合は取引企業が増えることで安定した収益を確保できそうです。
ただし提供しているセキュリティサービスは、販売代理店を経由した取引が主であり2019年2月期段階で売上高の63.9%を上位5社の販売代理店に依存しているそうです。
また同社ホームページで外人登場が多いためアイ・シグマキャピタルを調べると総合商社丸紅グループの一員だそうです。プライベート・エクイティ事業になり投資を行っているようです。丸紅が儲かる構造のようですね。
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