ヤシマキザイ(7677)IPOが東証2部市場に新規上場承認されました。主幹事が野村證券となり公開株式801,000株、オーバーアロットメント120,000株、市場から吸収する金額は約11.8億円です。東証2部上場としては通常サイズでしょう。
事業は鉄道関連製品や産業用電子部品等の卸売を行っているグローバル企業になります。日本国内のおいては全国展開になります。
海外では特に東南アジア圏を注力先としていますが、ロンドンやインドにも進出しています。海外で気になることは政治的、地政学的に不安定な地域が含まれていることです。売上先はJR東日本、JR東海、JR西日本の3社で30%を超えるようです。
ヤシマキザイ(7677)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証2部 |
業種 | 卸売業 |
事業内容 | 鉄道関連製品、産業用電子部品等の卸売業 |
公開予定 | 6月26日 |
ブックビルディング期間 | 6月10日~6月14日 |
想定価格 | 1,280円 |
仮条件 | 1,200円~1,280円 |
公開価格 | 6月17日 |
企業情報 | https://www.yashima-co.co.jp/ja/index.html |
【手取金の使途】
手取概算額289百万円については、設備資金として100百万円、運転資金として180百万円を充当する予定であり、具体的には、以下のとおりであります。設備資金の内訳としては、業務効率化を目的としたウェブ環境での受発注システムの構築、基幹システムの拡充、決算業務の効率化のための会計システムの構築のための資金として、100百万円(令和2年3月期:40百万円、令和3年3月期:60百万円)を充当する予定であります。
運転資金としては、ミャンマーにおける事業展開のためのヤンゴン拠点での人件費等として、25百万円(令和2年3月期:8百万円、令和3年3月期:8百万円、令和4年3月期:9百万円)、欧州での事業展開のためのイタリア拠点での人件費等として、75百万円(令和2年3月期:25百万円、令和3年3月期:30百万円、令和4年3月期:20百万円)、ベトナムにおける事業展開のためのホーチミン拠点での人件費等として、80百万円(令和2年3月期:20百万円、令和3年3月期:35百万円、令和4年3月期:25百万円)を充当する予定であります。
また、残額につきましては、将来における広告宣伝費及び販売促進費並びに採用活動及び上記以外の人件費等の運転資金に充当する方針であります。なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 250,000株 |
売出株数 | 551,000株 |
公開株数(合計) | 801,000株 |
オーバーアロットメント | 120,000株 |
上場時発行済み株数 | 2,880,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約36.9億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) SMBC日興証券 みずほ証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 auカブコム証券 ←後期型抽選 エース証券 SBI証券 ←ポイント当選可能 |
ヤシマキザイ(7677)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,280円を基に吸収金額を算出すると約10.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約11.8億円規模の上場となります。同社グループは連結子会社2社(ヤシマ物流株式会社、亜西瑪貿易有限公司)と同社の計3社で構成され、鉄道事業者等に対する車体用品、電気用品等の販売、一般産業向け電子部品等の販売を主な事業としています。
鉄道事業は、鉄道車両製品を主な市場として鉄道事業者及び鉄道車両メーカーや鉄道車両用電気品メーカーなどを販売先とし、鉄道車両用電気品、同車体用品、同車載品、コネクタ・電子部品を主な商材として取り扱っており、商材ストック機能を有し安定供給を図っています。また販売先のニーズに応え、仕入先の要望に基づく拡販も行い、リレーションシップを構築しています。
同社は創業以来、旧日本国有鉄道(JR各社)と取引を行っており、初期の段階は旧日本国有鉄道の保有するディーゼル機関車用の内燃機関部品を主な商材に、日本各地の旧日本国有鉄道の管理局と取引を深めると同時に、北海道から九州まで全国に拠点展開を行っていました。
現在は、内燃機関部品のみならず鉄道車両用電気品や同車体用品、同車載品、さらにコネクタ・電子部品などの販売も手がけています。また、主要な仕入先との連携を一層深め、発変電設備や鉄道用システムの取り扱いも行い、鉄道事業者との取引のみならず、鉄道車両メーカー、鉄道車両用電気品メーカー、信号メーカー、機械メーカー、工事会社などに対し、鉄道に関わる様々な商材の販売を展開しています。
国外においては中国の高速鉄道網の拡充にともない、上海市に亜西瑪(上海)貿易有限公司を設立し、鉄道車両メーカーで売上高が世界で最大の「中国中車股份有限公司」への販売を中心として展開しています。
また、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド等においても、それぞれ拠点を置き、鉄道に関する商材の販売もしくは販路を開拓しています。同社グループは、JR各社をはじめとする鉄道事業者や鉄道用製品メーカー等の販売先に対し、現場に密接した営業対応を行う中で販売先の商材需要情報を取得し、その需要に対して安定的供給を図っています。
そのために常時4千点以上の商材を在庫保有するストック機能を有し、電機メーカー等の販売代理店として主要仕入先とは緊密な連携を維持しています。また、販売先・仕入先双方の中心に立って、グループ内で情報共有し、納期調整やトラブル対応を行っています。なお、在庫の保管及び入出荷はヤシマ物流株式会社の生田事業所で行っているそうです。
一般事業では、根幹となる鉄道事業を発展強化させながら、一般事業へとビジネスフィールドを進展させてきたそうです。本事業においては、鉄道事業における販売先以外の販売先を対象としており、産業機器メーカー、自動車関連メーカー、業務用機器通販事業者などを販売先としており、コネクタ・電子部品を主な商材として取り扱っております。
その他にも、海外の火力発電所用の補修・改造用品や、各種ハーネス加工品、電源ユニットなどのパワーデバイス、微小な気泡を含む水発生装置なども取り扱っています。また、医療業界への拡販や道路交通インフラ業界への進出をテーマに仕入先と連携して新たな商材の拡販に努めているそうです。
仕入は日立製作所になり連結仕入高割合が38%と高く依存している形になります。ただし2社間の関係は良好と言うことで今後も取引関係は安定すると言うことです。
鉄道事業と一般事業の2つのセグメントによる事業展開を行っていますが、鉄道事業における売上が相対的に高くなっており鉄道分野の業界に依存している状況となっています。
その中でもJR3社への売上が大きく、平成30年3月期の連結売上高において東日本旅客鉄道株式会社12.3%、東海旅客鉄道株式会社10.4%、西日本旅客鉄道株式会社9.4%を占めています。
ヤシマキザイ(7677)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第73期 | 第74期 |
決算年月 | 平成29年3月 | 平成30年3月 |
売上高 | 32,517,538 | 33,499,851 |
経常利益 | 1,038,177 | 533,780 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 696,209 | 329,337 |
包括利益 | 588,058 | 475,646 |
純資産額 | 7,748,951 | 8,174,628 |
総資産額 | 22,414,742 | 23,956,095 |
1株当たり純資産額 | 2,823.24 | 3,167.48 |
1株当たり当期純利益金額 | 254.00 | 124.32 |
自己資本比率(%) | 34.6 | 34.1 |
自己資本利益率(%) | 9.3 | 4.1 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △555,971 | 1,191,014 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △52,971 | 40,579 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △170,451 | △116,369 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 5,793,899 | 6,922,464 |
第75期第3四半期連結累計期間(平成30年4月01日~平成30年12月31日)
売上高26,465,366千円
営業利益536,514千円
経常利益628,728千円
親会社株主に帰属する四半期純利益422,739千円
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、緩やかな回復基調が続いたものの、米中貿易摩擦問題等により、世界経済の先行きに対しては不透明感も広がりました。当社グループの主要顧客である鉄道各社においては、夏場の自然災害の影響が残るところがある一方で、過去最高益を更新したところもあり、国内鉄道インフラの更新需要は相応の底堅さを見せています。
ヤシマキザイ(7677)従業員と株主の状況
会社設立は1948年10月28日、東京都中央区日本橋兜町6番5号に本社を構えます。社長は髙田一昭氏(昭和25年12月22日生まれ)、株式保有率は0.32%です。従業員数238人で臨時雇用者3人、平均年齢41.57歳、平均勤続年数14.09歳、平均年間給与5,902,000円です。連結従業員数は262人(臨時雇用31人)になり、セグメント別では鉄道事業176人(17人)、一般事業53人(14人)、全社共通33人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
佐藤 泰子 | 468,400 | 18.15 |
神鋼造機株式会社 | 428,000 | 16.58 |
関 年子 | 280,400 | 10.86 |
東京中小企業投資育成株式会社 | 200,000 | 7.75 |
ヤシマキザイ従業員持株会 | 191,200 | 7.41 |
関 正一郎 | 191,152 | 7.41 |
佐藤 厚 | 190,761 | 7.39 |
株式会社みなと銀行 | 123,000 | 4.77 |
コクサイエアロマリン株式会社 | 120,000 | 4.65 |
日本生命保険相互会社 | 100,000 | 3.87 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人及び売出人である佐藤泰子及び関年子並びに売出人である株式会社みなと銀行並びに当社株主である東京中小企業投資育成株式会社、関正一郎、佐藤厚、コクサイエアロマリン株式会社、日本生命保険相互会社、関正幸、一般社団法人アカデミア・ヤシマ、株式会社陽栄、株式会社バンザイ、レシップホールディングス株式会社、佐藤商事株式会社、種部和夫、髙田一昭、小野崎正顕、中村修、矢島秀生、髙橋謙二及び倉田二三夫は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の令和元年9月23日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)は行わない旨合意しております。
また、当社株主であるヤシマキザイ従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の令和元年12月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
上位株主には90日間(令和元年9月23日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載はありません。またヤシマキザイ従業員持株会は別途180日間(令和元年12月22日まで)のロックアップが付与されています。
神鋼造機株式会社の428,000株はロックアップ対象ではないようです。
ヤシマキザイ(7677)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格を上限として1,200円~1,280円に仮条件が決定しました。吸収額は10.3億円、OA含め約11.8億円のままです。2020年3月連結業績予想が出てたので確認をしてみると売上373.4億円になり、前期比でプラス0.89%と横ばいです。経常利益は6億円になり前期比で20.6%減になります。四半期利益も16.5%減の6億円予想が出ています。配当は25円予想となり配当利回り1.95%です。
EPS144.31からPERを算出すると約8.87倍、BPS3,214.65からPBRを算出すると約0.398倍となります。類似企業比較では割安感があるため初値プラス5%~10%程度の期待はできそうです!
正直これと言って魅力はないかもしれませんが近年の利益を見ても安定しています。東証2部なので仕方がないけど地味で業績インパクトは感じられないよね。でもそんな銘柄が意外と好きな私です!
そして全力参加しておきます。
初値予想1,300円~1,800円
幹事名 | 配分単位(株) | 引受割合(%) |
野村證券(主幹事) | 721,000 | 90.01 |
SMBC日興証券 | 48,000 | 5.99 |
みずほ証券 | 12,000 | 1.50 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 12,000 | 1.50 |
エース証券 | 4,000 | 0.50 |
SBI証券 | 4,000 | 0.50 |
類似企業 | PER | PBR |
八洲電機(3153) | PER10.32倍 | PBR0.89倍 |
菱洋エレクトロ(8068) | PER36.11倍 | PBR0.66倍 |
カナデン(8081) | PER9.93倍 | PBR0.85倍 |
当選を狙うには幅広い申し込みが必要だと思います。ヤシマキザイのIPOは悪くないと考えています。公開価格割れはないと思いますが、初値がガンガン上がるようなタイプでもないでしょう。今回もauカブコム証券から委託申し込みが出来るはずです。
auカブコム証券取扱いのIPOも増えていることから資金に余裕があれば申し込んでおくことで当選確率を高めることができます。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が幹事を引き受けると取扱いをします。株主優待ただ取りでも使えるので個人的には必須口座です!
また、最近始めた投資でSBIネオモバイル証券のTポイント投資なんですが、初めて単元未満株を売却してみました。何回売却しても手数料が無料なのでチャレンジしてみました。Tポイントで買い付けた株を売却すると現金になるためポイントを多く持っている方はちょっとしたメリットですね。
詳細は下記記事にまとめたのでよかったら参考にしてください。地味に頑張って単元株を手に入れてみたいと思います!
ヤシマキザイのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
ストックオプション設定なし | – | – |
ストックオプション(新株予約権)は設定がありません。
ヤシマキザイ(7677)IPO私見と申し込みスタンス
ヤシマキザイIPOはザ東証2部という感じの銘柄です。そして今年の東証2部は野村證券が全て引きうけています。なんなんだろ?と多少疑問ですが勝率的には五分五分でしょう。今回はJRへの売上が大きいことから安心して買われるのでは?と勝手に考えています。VC保有もありますがロックアップ対象となり初値段階で気になるのは神鋼造機でしょうか。株数が若干多いと思いますが幹事にネット系はSBI証券とauカブコム証券しかないため売り急ぐ株主も少なそうです。
設立から70年以上経過した老舗企業で業績も安定していることから一定の需要はあると考えられます。と言うことで個人的には参加する方向で考えたいと思います。
そもそも地味な企業が好きなんですよね。前期が335億円弱の売り上げに対して3.3億円弱の利益は低いと感じますが卸売業なので仕方がないのかも?
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