ブロードバンドセキュリティ(4398)IPOがJASDAQに新規上場承認されました。主幹事はみずほ証券となり公開株数700,000株、オーバーアロットメント105,000株、上場による市場からの吸収額は想定発行価格ベースで約6.4億円となります。幹事が2社しかいないため抽選に申込める企業も限定されます。
事業は、セキュリティ監査・コンサルティングサービス、脆弱性診断サービス、情報漏洩IT対策サービスを行っています。直近の業績は好調に推移しているようです。親会社がSBIホールディングス(8473)となっているため公開価格割れはないでしょう。
情報セキュリティ業界は、ランサムウエアやマルウエア事件が絶えません。また仮想通貨ハッキングなども関係があり注目されている業界です。ピークは過ぎ去っていますが、いつ再注目されてもおかしくはないでしょう。
ブロードバンドセキュリティ(4398)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | JASDAQスタンダード |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | セキュリティ監査・コンサルティングサービス、脆弱性診断サービス、情報漏洩IT対策サービス(マネージドサービス、セキュアメールサービス、マルウェア検知サービス、フォレンジックサービス他) |
公開予定 | 9月26日 |
ブックビルディング期間 | 9月05日~9月11日 |
想定価格 | 800円 |
仮条件 | 690円~750円 |
公開価格 | 9月12日 |
企業情報 | https://www.bbsec.co.jp/ |
【手取金の使途】
手取概算額287,400千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限77,280千円と合わせた、手取概算額合計上限364,680千円について、①人材の採用・育成等に係る採用・教育費、及び人件費、②業務効率化のためのシステム開発等の費用に充当する予定であります。具体的には以下に充当する予定です。
①当社が提供している脆弱性診断サービスの診断エンジニアの採用・育成、並びにPCI DSSフォレンジック(クレジット取引に係るインシデント対応)のための解析エンジニアの採用・育成等にかかる採用・教育費、及び人員増による人件費として194,400千円
②脆弱性診断サービス業務のAI導入による自動化の推進、及びメールサービス再構築の第2フェーズのシステム等の開発費用として130,000千円
上記以外の残額は、PCIフォレンジックのためのLabの開設や、将来におけるサービスの開発に係る資金や調査費用、並びに成長に寄与する投資等に充当する方針であります。ただし、当該内容については、上記①②に係る事項の他には、現時点では具体化している事項はありません。なお、上記調達資金については、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する予定であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 400,000株 |
売出株数 | 300,000株 |
公開株数(合計) | 700,000株 |
オーバーアロットメント | 105,000株 |
上場時発行済み株数 | 3,855,730株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約30.8億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) SBI証券 マネックス証券 ←委託幹事入り! |
ブロードバンドセキュリティ(4398)上場評判とIPO分析
想定発行価格800円を基に吸収金額を算出すると約5.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.4億円規模の上場となります。上場規模が小さく人気となりそうです。同社は企業における情報漏洩の予防や防止、セキュリティ機器の24時間365日体制での遠隔監視、未知のマルウエア検知によるネットワーク遮断等により、情報漏洩リスクから企業を守ることを目的としたセキュリティサービスを主要な事業としています。
サービス区分として「セキュリティ監査・コンサルティングサービス」、「脆弱性診断サービス」、「情報漏洩IT対策サービス」の3つに分類されます。
セキュリティ監査・コンサルティングサービスでは、クレジットカードデータを取り扱っている企業に対して、セキュリティ監査を実施したり、企業がPCI DSS準拠監査を通過するために何をどうすればよいのか、コンサルティングサービスの提供を行っています。
脆弱性診断サービスでは、企業のWebサイトに対し同社ののエンジニアが、外部からの侵入や内容の書き換えが可能かどうか、擬似攻撃をかける事でWebサイトの安全性を診断するサービスを提供しています。本サービスを利用することで、悪意ある攻撃を受ける前に、自社を防御する上での問題点を特定することが可能となるそうです。
情報漏洩IT対策サービスでは、同社のサーバ群や独自に開発したソフトウエアなどを使用し、企業の情報漏洩対策(予防、監視、発見、遮断等)のためのサービスを提供しています。
セキュリティ機器を運用・監視するサービスを行ったり、セキュアメールサービス、マルウエア検知サービスなどを行います。その他には、標的型メール攻撃訓練サービス(開封率調査)やウイルス感染チェックサービス、SIEM構築及び運用支援サービス、フォレンジックサービス、インターネット分離クラウドサービスを行っています。
同社のマルウエア検知サービスとは、未知のウイルスに対しては一般的なアンチウイルスソフトでは予防することがで気ないため、未知のウイルスへの感染の可能性のあるファイルを一度仮想領域に展開し、コード自体を読みこんでウイルスに感染しているかどうかを判定するクラウド型のウイルス検知サービスとなっています。
SIEM構築及び運用支援サービスは、ウイルスに感染した際、外部に送信される前にその動きを検知して漏洩を防ぐためのサービスになります。
フォレンジックサービスは、万一企業が情報漏洩を起こしてしまった場合に、速やかにネットワークから該当端末やサーバを切り離して、それ以上情報が漏洩しないようにし、感染経路の特定および漏洩した情報の特定、影響範囲の特定等、企業が行うべき様々な漏洩対応に関するサポートを行うサービスです。
インターネット分離クラウドサービスは、マルウエア対策の一環として、業務用システムとインターネットを利用するWeb閲覧やメール送受信を異なる環境に置き、業務用システムを悪意あるプログラムから守る「インターネット分離」をクラウド型で提供するサービスです。セキュリティの世界は難しいですが、上記のような特徴があります。
ブロードバンドセキュリティ(4398)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第17期 | 第18期 |
決算年月 | 平成28年6月 | 平成29年6月 |
売上高 | 2,690,939 | 3,067,424 |
経常利益 | 87,133 | 152,082 |
当期純利益又は当期純損失 | 86,021 | 145,928 |
資本金 | 100,000 | 100,000 |
純資産額 | 75,364 | 221,292 |
総資産額 | 1,123,648 | 1,494,084 |
1株当たり純資産額 | 21.81 | 64.04 |
1株当たり当期純利益金額 | 24.89 | 42.23 |
自己資本比率(%) | 6.71 | 14.81 |
自己資本利益率(%) | 265.88 | 98.38 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 377,818 | 399,708 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △146,574 | △164,363 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △201,398 | △19,940 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 51,382 | 267,927 |
第19期第3四半期累計期間(平成29年7月01日~平成30年3月31日)
売上高2,519,133千円
営業利益185,426千円
経常利益163,397千円
四半期純利益161,527千円
当社が属する情報セキュリティ業界は、ランサムウエアと呼ばれる身代金要求型のマルウエア事件が起きたり、教育機関からの情報漏洩があったりと、昨年に引き続き情報窃取の攻撃とそれに伴う被害が後を絶たず、企業からの対策要請は拡大しました。また、クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSSへの準拠性監査サービスについても、経済産業省が2018年(平成30年)3月を一つのターゲットにしていたこともあり、過去最高の受注件数となりました。一方、案件数の増加に伴い人的リソース不足が顕在化し、今までにないペースで採用を推進し、同時に自動化、システム化も推進してまいりました。
ブロードバンドセキュリティ(4398)従業員と株主の状況
会社設立は2000年11月30日、東京都新宿区西新宿八丁目5番1号に本社を構えます。社長は持塚朗氏(昭和36年4月15日生まれ)、株式保有率は11.28%です。従業員数は183人で臨時雇用者は39人、平均勤続年数5.69年、平均年間給与6,575,867円となります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
SBIインキュベーション株式会社 | 1,741,000 | 48.36 |
SBI FinTech Solutions株式会社 | 964,000 | 26.78 |
持塚 朗 | 406,154 | 11.28 |
三井物産セキュアディレクション株式会社 | 100,000 | 2.78 |
高久 勉 | 80,000 | 2.22 |
システムプラザ株式会社 | 50,000 | 1.39 |
株式会社Eストアー | 25,000 | 0.69 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である持塚朗並びに当社株主である安藤一憲、滝澤貴志、田仲克己及び雲野康成は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始日)日(当日を含む。)後90日目の平成30年12月24日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。
また、売出人であるSBIインキュベーション株式会社並びに当社株主であるSBI FinTech Solutions株式会社は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。
上位株主には90日間(平成30年12月24日まで)のロックアップが付与されています。SBIインキュベーションとSBI FinTech Solutionsには発行価格の1.5倍でロックアップ解除となる条件が付けられています。
また親会社がSBIホールディングスになり、その他の関係会社でSBIインキュベーションとSBI AXESの名前があります。
ブロードバンドセキュリティ(4398)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格800円に対し、仮条件範囲が引き下げられ690円~750円に決定しています。これに伴う吸収額は約5.25億円、オーバーアロットメントを含めて約6.04億円となります。上場規模が小さいため引き上げてくると思いましたが、機関投資家にはあまり人気がないのか?もしくは割高設定ということでしょう。2019年6月単体業績予想は売上10.5%増、経常利益0.65%(100万円増)の見込みとなります。四半期利益では22%ほど利益が落ちるようなのでこの辺りが仮条件引下げにつながっているかもしれません。EPS35.72を基にPERを算出すると約21.00倍、BPS203.7を基にPBRを算出すると約3.68倍となります。
初値予想1,650円~1,950円
初値予想(第2弾)1,500円~1,750円
SBIインキュベーション(VC)が筆頭株主となり、ロックアップ期間90日間で解除倍率1.5倍(1,125円)となります。初値形成段階では高く寄り付くだろうと言うことで、当選すれば10万円弱の利益が見込める可能性があります。また、マネックス証券が委託幹事に入っていましたので下記に追記しています。
幹事名 | 配分単位(株) |
みずほ証券(主幹事) | 490,000 |
SBI証券 | 210,000 |
マネックス証券 | 委託幹事(穴場か?) |
類似企業 | PER | PBR |
デジタルアーツ(2326) | PER43.05倍 | PBR11.24倍 |
アークン(3927) | PER0倍 | PBR14.12倍 |
セグエグループ(3968) | PER24.09倍 | PBR3.77倍 |
主幹事がみずほ証券となっていますが、SBI証券にも多くの株が回ってきそうです。SBI証券が主幹事でもおかしくないため口座がある方は申込んでおきましょう。
1枚あたりの単価が低いためIPOチャレンジポイントを使う方も限定的だと思いますが、初値は2倍を超えてくると思います。セキュリティーブームは過ぎ去っていますが、単価が低く業績も良いことから買われるでしょう。
ブロードバンドセキュリティのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
平成30年4月15日~平成38年3月31日 | 144,000 | 800 |
新株発行予約権(ストックオプション)は144,000株存在し、すでに行使期限を迎えています。発行価格が800円になり想定発行価格と同額になります。
ブロードバンドセキュリティ(4398)IPO私見と申し込みスタンス
ブロードバンドセキュリティIPOは人気になると思います。数年前にアークン(3927)がセキュリティー企業でありながら思いっきり情報流出したことを思い出しますが、少しのミスが命取りになる業界でしょうか。信用が利益になるため上場後に提携企業が増えると増益へ向かうことでしょう。上場による資金は、人件費とシステム開発費用などへ回すそうなので規模拡大に期待したいところです。同社の売上は「情報漏洩ITサービス」が一番大きいためこの辺りに注力しているものと思われます。
2020年の東京オリンピックまでに日本のセキュリティを強化する動きは一段と活発するそうなので思惑もあるでしょうか。AI化も進んでいますが、セキュリティレベルも同様に必要な時代でしょう。単価も低いためマネーゲーム化する可能性があるように思いますが、筆頭株主がVCとなっている点は特に注意が必要でしょう。
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