トライアルホールディングス(141A)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。2023年4月に上場予定となっていましたが中止(延期)されていた案件です。


主幹事は大和証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券など4社が務め公開株数22,853,100株、オーバーアロットメント3,427,900株です。上場規模は想定発行価格1,550円から計算すると約407.4億円になります。


トライアルホールディングス(141A)IPOが再承認
※トライアルホールディングス公式サイト引用


3月上場分がなかなか出てこないと思ったら大型のIPOが登場しました。


あまり好感できない銘柄なので人気はないかもしれません。ただIPOには当選しやすそうです!


前回承認時よりも海外販売数が減らされているのは心配です。想定発行価格が下げられたことは好感できます。


機関投資家需要があれば良いのですが、人気がなければ公開価格割れも考えられそうです。株式相場は堅調ですけどね。


トライアルホールディングス(141A)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日3月21日
市場グロース市場
業種小売業
事業内容小売、物流、金融・決済、リテールテックなど、各事業を中心とした企業グループの企画・管理・運営(純粋持株会社)
ブックビルディング3月04日~3月08日
想定価格1,550円
※前回は2,000円
仮条件1,600円~1,700円
公開価格1,700円
初値結果2,215円(公開価格1.30倍)
企業情報https://trial-holdings.inc/
監査人PwC Japan有限責任監査法人
手取金の使途流通小売事業を担う株式会社トライアルカンパニー、リテールAI事業を担う株式会社Retail AI及びその他の事業として不動産・リゾート事業を担う株式会社トライアルリアルエステートへの投融資資金として全額を充当する予定


項目株数データ
公募株数21,200,000株
国内募集株式数12,001,700株→ 6,745,500株→ 5,431,400株に決定
海外募集株式数9,198,300株→ 14,454,500株→ 15,768,600株に決定
売出株数1,653,100株
公開株数(合計)22,853,100株
オーバーアロットメント3,427,900株
上場時発行済み株数118,890,400株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約1,842.8億円
幹事団大和証券(共同主幹事)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同主幹事)
モルガン・スタンレーMUFG証券(共同主幹事)
シティグループ証券(共同主幹事)
野村證券
みずほ証券
SBI証券
FFG証券
SMBC日興証券
マネックス証券
委託見込大和コネクト証券
auカブコム証券
SBIネオトレード証券


トライアルホールディングス(141A)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,550円を基に吸収金額を算出すると約354.2億円となり、オーバーアロットメントを含めると約407.4億円規模の上場となります。


同社グループは持株会社制を導入し、純粋持株会社である同社並びに各事業を担う連結子会社23社、関連会社3社から構成されています。※前回承認時は連結子会社24社


事業は流通小売事業とリテールAI事業などを行います。1974年4月創業になり元々家電製品販売業を行う「あさひ屋」から出発しています。


多様な店舗フォーマットとワンストップショッピングを可能にする豊富な商品ラインナップ、そしてローコストオペレーションを確立したユニークな店舗運営となっています。


また、リテールテックを活用した独自のビジネスモデルを採用しています。


トライアルホールディングス(141A)の業績
※有価証券届出書引用


同社の中核事業会社であるトライアルカンパニーを中心にTRIALブランドのディスカウントストアを全国に展開しています。


店舗フォーマットはメガセンター、スーパーセンター(SuC)、smart及び小型店の4種のフォーマットになります。主力フォーマットはスーパーセンターで183店舗あります。


商圏人口や立地、店舗面積等に応じて様々なエリアに出店ができるマルチフォーマット戦略を軸に市場のニーズに応じた店舗開発に取組んでいます。


トライアルホールディングス(141A)の成長実績
※有価証券届出書引用


商品ラインナップは生鮮食品などの食品を強みとして、日用消耗品などの生活必需品から家電製品、アパレル用品及びホビー用品などの非食品まで豊富な品揃えを特徴としています。


営業時間は原則24時間になりワンストップショッピングストアとして、利便性や価格優位性も追求しています。


流通小売業をはじめ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透が顕著化し、IoTやAIなどのデジタル技術を活用することで新製品やサービス、新しいビジネスモデルを通じた価値の創出に取組んでいます。


トライアルホールディングス(141A)の販売実績2024年2月上場分
※有価証券届出書引用


リテールAI事業では、小売事業者や食品・消費財メーカーに対して、顧客の買い物体験の向上やリアル店舗のオペレーション改善、広告・販売促進活動の効率化等に資するプロダクトやソリューションを提供しているそうです。


同社グループが開発したセルフレジ機能付きのショッピングカートや、その他のプロダクトの月額利用料・ライセンス利用料等の収入があるそうです。


この他、「久織亭」「虎の湯」「古民家煉り」やゴルフ場運営などのリゾート関連事業、建築・不動産管理等も行っています。


トライアルホールディングス(141A)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2015年9月18日、福岡県福岡市東区多の津一丁目12番2号に本社を構えます。社長は亀田晃一氏(1964年3月22日生まれ)、株式保有率は0.35%(345,600株)です。


従業員数72人で臨時雇用者2人、平均年齢40.5歳、平均勤続年数1.7年、平均年間給与10,871,000円です。連結従業員数は6,257人で臨時雇用者は16,214人です。


連結のセグメント別従業員数は流通小売事業5,421人(臨時16,014人)、リテールAI事業572人(臨時18人)、その他事業171人(臨時120人)、全社共通93人(臨時62人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社ティー・エイチ・シー66,000,000株66.52%
株式会社Heroic investment9,374,200株9.45%
永田 久男1,963,800株1.98%
株式会社PALTAC1,200,000株1.21%
サントリー株式会社1,000,000株1.01%
三井食品株式会社1,000,000株1.01%
ヤマエ久野株式会社1,000,000株1.01%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは行われません。


トライアルホールディングス(141A)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,600円~1,700円に上振れし吸収金額が最大約446.8億円、時価総額は約2,021.1億円になる予定です。


前回承認時とは異なり機関投資家の評価も高いようです。また海外販売が9,198,300株から14,454,500株に増やされ、日本販売が減らされています。日本市場だけだとOAを含め約201.1億円規模です。


海外販売比率が高い場合はIPOでも人気になることが多く期待できるかもしれません。


日本では小売業に追い風が吹いているため同社もその恩恵を受けると観測されています。前回承認時から出店数が増えM&Aなども行い企業評価が高くなっているとも観測されています。


類似企業ではMrMaxHD(8203)が近いとされていますが、業績に勢いがあるためドン・キホーテのパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)を意識させるかも?だそうです。


大手初値予想1,700円~2,000円
修正値2,000円前後
最終予想2,000円

※注目度A


業績を確認すると2024年6月期の連結予想を確認できました。売上7,110.67億円となり前期比8.87%増、経常利益190.45億円となり前期比32.64%増となります。


四半期利益は107.74億円となり前期比33.28%増を予想しています。


公開価格が1,700円決定の場合の指標はEPS104.26からPER16.31倍、BPS906.44からPBR1.88倍になります。配当金は15円予想なので配当利回り0.88%です。


初値2,000円だとPER19.18倍なので成長性や事業規模から考えると今の市場ではありかもしれません。


前回承認時と異なり主幹事や引受団が増えていることで安心感もあります。


kimukimu

2023年9月の青森トライアル設立後に佐藤長と青森食研から一部事業承継を行っています。また、トライアルリアルエステートが東急不動産から大分と熊本(阿蘇)のゴルフ場等を買収しています。



悪材料としては直近に上場した銘柄のセカンダリーから資金が抜けていることが気になります。IPOラッシュに向け次なるターゲットを探していると考えられますが、トライアルHDが売り気配で始まると続くIPOに大きな影響がありそうです。


maronmaron

上場規模が大きいため機関投資家頼みのIPOだと思うよ!



同社はグロース市場に上場するためパン・パシフィック・インターナショナルHDのように高い評価は難しいと思いますが、現在の勢いで企業規模を拡大し続ければ先行投資としては面白そうです。


業績規模を考えるとグロース市場から昇格し将来的には東証プライムを目指すと思います!!


【IPO抽選結果と売却益】
IPOには200株当選し平均売買価格が2,420円でした。公開価格から利益を計算すると200株で14.4万円となります。初値では売却せず少し売るのを我慢して高値で売ることができました。


幹事名割当株数引受割合
大和証券(共同主幹事)8,193,300株60.00%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同主幹事)2,150,600株15.75%
モルガン・スタンレーMUFG証券(共同主幹事)34,100株0.25%
シティグループ証券(共同主幹事)546,100株4.00%
野村證券682,700株5.00%
みずほ証券682,700株5.00%
SBI証券682,700株5.00%
FFG証券409,600株3.00%
SMBC日興証券136,500株1.00%
マネックス証券136,500株1.00%


前回承認時よりも上場規模が縮小され幹事構成も厚みが出ています。


大人の事情で割れさせない感があるもののIPOとしては成熟感ある小売業です。あまり人気があるとは言えないため慎重にBB申込みを行いたいと思います。


前回承認時は売出株とオーバーアロットメントを縮小するも上場することはできませんでした。


今回は国内販売が増やされ海外販売が縮小されているためイメージは良くありません。スルーする方も一定数いると思います。


kimukimu

微妙なIPOに投資するよりも安定した利益を狙える不動産投資型のクラウドファンディングに興味がありませんか?短い期間となっていますが、タイアップが決定しました。



その企業はLEVECHY(レベチー)になります。レバレッジを効かせた投資ができると話題の企業になります。


タイアップ表記が公式サイトにないので下記記事を参考にお申込みいただけたらと思います。口座開設だけで2,000円分のAmazonギフトカードをプレゼントしています!




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こちらはタイアップページが用意されているので公式サイトで確認後にお申込みいただけたらと思います。詳しい内容は私も別記事にまとめています。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ジェーソン(3080)PER12.39倍PBR1.27倍
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)PER27.22倍PBR4.15倍
MrMaxHD(8203)PER7.99倍PBR0.61倍
※2024年3月04日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2022年4月08日~2029年6月19日20,000株1,150円
2022年6月18日~2029年6月19日276,200株1,150円
2023年10月23日~2031年10月21日401,800株1,350円
2023年10月23日~2031年10月21日10,000株1,350円
2023年10月23日~2031年10月21日50,000株1,350円
2026年10月23日~2031年10月21日59,800株1,350円
2026年10月23日~2031年10月21日7,600株1,350円
2024年5月21日~2032年5月20日140,400株1,350円
2024年5月21日~2032年5月20日14,000株1,350円
2024年6月21日~2032年6月20日385,200株1,350円
2024年6月21日~2032年6月20日1,600株1,350円
2024年6月21日~2032年6月20日4,200株1,350円
2027年6月21日~2032年6月20日489,600株1,350円
2027年6月21日~2032年6月20日16,400株1,350円
2027年6月21日~2032年6月20日1,000株1,350円
2024年8月24日~2032年8月23日20,000株1,720円


ストックオプション(新株予約権)は758,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数97,690,400株に対する新株予約権の割合は1.94%に相当します。新株予約権による潜在株式数は1,897,800株です。


前回承認時と少し数値の変化があるようです。


トライアルホールディングス(141A)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

トライアルホールディングスは九州地盤のディスカウントストアーになります。


想定発行価格が前回承認時から引き下げられてもPERがやや高めに感じるIPOだと思います。個人的には勢いあるIPO市場に水を差さないでほしいと感じました。


トライアルホールディングス(141A)IPO再承認のまとめ
※トライアルホールディングス公式サイト引用


同社がパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)のように高い評価を得られるならIPOは成功すると思いますが厳しい気がしています。


地合いがよいため「投資家に買わせる作戦なのか?」とも感じます。そもそも小売業はIPOで人気がありません。


また株主優待制度は現時点で導入されていません。九州地場と考えるとMrMaxHD(8203)のほうが割安なんですけどね。


ということで再承認時は様子見して仮条件が発表されてからBBスタンスを決定してもいいと思います。上場日も変則設定なので個人投資家からは嫌われそうです。


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