QPS研究所(5595)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。地球観測衛星データなどを販売している企業になります。
主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数5,720,800株、オーバーアロットメント858,100株です。上場規模は想定発行価格380円から計算すると約25.0億円になります。
ワクワク感があるIPOなので初値に期待したいと思います!
※QPS研究所公式サイト引用
同社は36機のSAR衛星コンステレーションの構築を目指し、一定地域を除く世界中の任意の地点を平均10分間隔で観測するために、各9機の小型SAR衛星を投入した4本の軌道へ小型SAR衛星を投入する予定です。
現在年間に4機の製造能力があるそうですが、工場の新設によって2024年には年間10機に拡大させる方針だそうです。
衛星で取得したデータや画像を国内官公庁に販売しています。地球観測データビジネスは安全保障分野の需要が高く防衛省向けサービスを開始しているそうです。
今後は国内民間企業をターゲットとし、災害時の対応や電力会社等におけるインフラ管理など多くの分野で協働の可能性を検討しているそうです。
前期から売上が急激に上がっているためIPOとしては面白い展開になるかも?と考えています!
QPS研究所(5595)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 12月06日 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 小型SAR衛星の開発、製造、小型SAR衛星より取得した画像データ販売 |
ブックビルディング | 11月20日~11月27日 |
想定価格 | 380円 |
仮条件 | 380円~390円 |
公開価格 | 390円 |
初値結果 | 860円(公開価格2.21倍) |
企業情報 | https://i-qps.net/ |
監査人 | 有限責任監査法人トーマツ |
手取金の使途 | 小型SAR衛星の製造費用に充当する予定 |
項目 | 株数データ |
公募株数 | 5,720,800株→ 8,918,600株 |
売出株数 | 0株 |
公開株数(合計) | 5,720,800株→ 8,918,600株 |
オーバーアロットメント | 858,100株→ 1,337,700株 |
上場時発行済み株数 | 31,802,300株→ 35,000,100株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約120.8億円→ 133.0億円 |
幹事団 | SMBC日興証券(主幹事) みずほ証券 SBI証券 東海東京証券 岡三証券 FFG証券 香川証券 楽天証券 松井証券 マネックス証券 |
委託見込 | 岡三オンライン SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
QPS研究所(5595)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格380円を基に吸収金額を算出すると約21.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約25.0億円規模の上場となります。九州大学の教授時代に宇宙機ダイナミクスに関する研究を行っていた同社創業の中心者である八坂哲雄氏が、1995年からスタートした九州大学での小型衛星開発の技術を伝承したことから事業が始まります。
九州の地に宇宙産業を根付かせるべく、同じく九州大学の教授で無人航空機に関する研究を行っていた櫻井晃氏と当時三菱重工のロケット開発者だった舩越国弘氏に協力を仰ぎ3名で設立されています。
※有価証券届出書引用
人工衛星による地球観測データの取得で主流となる観測手段は光学衛星です。
光学衛星は地球から反射する太陽光を光学カメラやセンサーによって観測します。そのため衛星と観測地点の間に雲のような遮蔽物が入る悪天候時や、観測地点に太陽光が届かない夜間には観測データの取得が著しく制限されます。
同社ではこのような課題を解決し、地球のリアルタイム観測が当たり前となった世界を実現するために活動しています。
夜間や悪天候時でも撮影が可能であること、常に衛星が上空を飛んでいる状態にするために多数の衛星を打ち上げることの両方を実現するべく、小型SAR衛星の開発及び製造を行っています。
小型SAR衛星により取得した地球観測データ及び画像の提供を主な事業(地球観測衛星データ事業)としています。
※有価証券届出書引用
将来的に36機の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築することで、地球上のほぼどこでも任意の地点を平均10分間隔で観測できることを目指しています。
もしくは特定の地域を選んで平均10分ごとに定点観測できる世界の実現になるそうです。
観測地点の天候や時刻に左右されないSAR衛星の特性は、第一に災害時における被災地の状況確認等の防災・減災の観点から、災害大国と呼ばれる日本において人々が安心して暮らす上で、欠かせない価値の創出を期待されているそうです。
主要販売先が官公庁となっているため、現時点では日本国内向けのビジネスだと感じます。
※有価証券届出書引用
日本政府は2023年6月に宇宙開発戦略本部において「宇宙安全保障構想」を決定し、人工衛星が災害対応や安全保障を支えているという認識を示しています。
JAXAが大学や企業の民間ビジネスに対して投資を可能にする法改正を進める方針を示すなど、宇宙開発において官民連携でイノベーションを加速していく姿勢をこれまで以上に明確に打ち出しています。
同社は日本政府による宇宙開発利用加速化プログラムに参画し、地震や津波、台風などの自然災害に強い経済社会システムを構築していく取り組みなどにSAR衛星による観測データを提供しているそうです。
上場後は民間企業に対する拡販も行うそうです!
QPS研究所(5595)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2005年6月15日、福岡県福岡市中央区天神一丁目15番35号に本社を構えます。代表取締役社長CEOは大西俊輔氏(1986年3月07日生まれ)、株式保有率は13.81%(4,095,100株)です。※新株予約権を含む従業員数47人で臨時雇用者5人、平均年齢45.1歳、平均勤続年数2.3年、平均年間給与6,521,000円です。
セグメントは地球観測衛星データ事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
大西 俊輔 | 4,095,100株 | 13.81% | ○ |
スカパーJSAT株式会社 | 2,857,000株 | 9.63% | ○ |
株式会社INCJ | 2,720,000株 | 9.17% | ○ |
株式会社SMBC信託銀行(特定運用金外信託口契約番号12100440) | 2,400,000株 | 8.09% | ○ |
八坂 哲雄 | 2,133,800株 | 7.20% | ○ |
市來 敏光 | 2,095,100株 | 7.06% | ○ |
株式会社SMBC信託銀行(特定運用金外信託未来創生2号ファンド) | 1,783,000株 | 6.01% | ○ |
上位株主には180日間(2024年6月02日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
また、ベンチャーキャピタル(VC)等には90日間(2024年3月04日まで)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率が売出価格(発行価格)の1.5倍以上となっています。
上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
親引けは、りそなアセットマネジメント株式会社が運用を行うファンドが取得金額5億円を上限、リアルテックグロースファンド1号投資事業有限責任組合が取得金額5億円を上限に実施予定です。合計10億円になります!
QPS研究所(5595)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が380円~390円に決定しました。また公募株式とオーバーアロットメントが増やされています。
これにより上場規模は最大で約40.0億円、は約136.5億円になります!
仮条件上限が10円上乗せされ公募株とOAが増加しました。成長期待が高い宇宙ベンチャー企業と言えそうですね。ただ今期も赤字は続きます。
某紙で詳しい分析が出ていますが、まとめるとロックアップ1.5倍となる585円は最低でも超えてくると予想されています。
衛星の打ち上げ成功確率が高いため上場後に人工衛星の打ち上げが成功すれば大きな収益期待があるようです。失敗も何度かしていますが海外業者に委託していることもあり成功率の低下となっているそうです。
2024年には新工場が完成し、1年間に10機の生産能力を得られるため期待が高まるようですね。ispace(アイスペース)の月面着陸に比べれば技術的な面で難易度が低いと考えられています。
修正値700円
最終予想700円
※注目度A
業績を確認すると2024年5月期の単独予想を確認できました。売上14.47億円となり前期比288.98%増、経常利益-7.09億円となり前期-3.23億円から赤字拡大となります。
四半期利益は-7.13億円となり前期-11.05億円から赤字額が縮小します。
公開価格が390円決定の場合の指標はEPS-3,509.18からPERは算出不可となっています。BPSは確認できませんでした。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
来期以降も売上が拡大すると考えられています。全ては小型SAR衛星が無事に打ち上げ成功となればの話になります!!
計画中の全てが運用体制に入った場合、年間90億~200億円以上が売上として見込めるようです。マジか?
試算するだけでも面白いイベントだと感じます。そのため全力でIPO当選を狙いたいと思います。
PSRは8.4倍と試算されているようです。ここ数年で業績が安定すればPSR1.5倍あたりに落ち着くとされています。
結局、不確実性が含まれる内容となっていますが公開株式を手に入れることができれば公募組は儲かる予想が出ているようです。
ispace(アイスペース)が上場した時とは地合いが異なりますが、2023年12月のIPOの中では面白いイベントだと考えています。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
SMBC日興証券(主幹事) | 8,294,900株 | 93.01% |
みずほ証券 | 115,900株 | 1.30% |
SBI証券 | 89,100株 | 1.00% |
東海東京証券 | 71,300株 | 0.80% |
岡三証券 | 71,300株 | 0.80% |
FFG証券 | 71,300株 | 0.80% |
香川証券 | 71,300株 | 0.80% |
楽天証券 | 44,500株 | 0.50% |
松井証券 | 44,500株 | 0.50% |
マネックス証券 | 44,500株 | 0.50% |
宇宙関連と考えると2023年4月に上場したispace(9348)を思い出します。
同社の場合は衛星なので宇宙ベンチャー企業と言っていいのかわかりませんが、話題性はありそうです。
また、大量にVC出資が行われていますが売出株はありません。一旦はロックアップ解除価格を目指す展開が期待できそうですね。
しかも低単価なのでIPOに当選できるように準備を行っておきましょう。面白そうなIPOだと思います。
当選を狙うのであれば主幹事のSMBC日興証券から申込みを行っておきましょう。一番IPOが当選しやすいはずです!
株式売却手数料もネット口座なら安いので低単価でも利益が見込めそうです。IPOルールをご存知ない方は下記記事にまとめています。2023年もSMBC日興証券でIPOが当選しているため相性は良さそうです。
毎月取引している証券会社なので当選を期待しています。私の場合は取引実績が抽選に関係することはありませんけどね。
少しドキドキする銘柄の登場でIPOが賑わうと嬉しいです。
SMBC日興証券のIPO抽選ルールについて徹底的に調べました。個人的にも過去の当選履歴から一番IPOに当選できている証券会社かもしれません。IPO取扱い数も業界最高水準のため、口座がない方は早めに作っておいたほうがよいと …
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
パスコ(9232) | PER5.04倍 | PBR0.84倍 |
アジア航測(9233) | PER8.50倍 | PBR0.81倍 |
ispace(9348) | PER-倍 | PBR13.65倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2020年8月31日~2028年8月29日 | 563,900株 | 99円 |
2021年9月01日~2029年8月30日 | 570,300株 | 111円 |
2022年2月01日~2029年8月30日 | 10,000株 | 111円 |
2022年8月29日~2030年8月27日 | 640,100株 | 119円 |
2023年6月02日~2031年5月31日 | 591,700株 | 122円 |
2024年6月01日~2032年5月26日 | 575,200株 | 590円 |
2025年6月01日~2033年5月26日 | 622,700株 | 700円 |
ストックオプション(新株予約権)は2,376,000株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数26,081,500株に対する新株予約権の割合は13.70%に相当します。新株予約権による潜在株式数は3,573,900株です。
QPS研究所(5595)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
QPS研究所のIPOは面白そうです。現時点では全力で当選を狙いたいと考えています!売出株がないため純粋な資金調達だと感じます。もっと詳しく調べないと財務面は心配ですけどね。
※QPS研究所公式サイト引用
大人の事情でIPO(上場)?とも感じますが、災害で利用されるとあり好感が持てます。
2022年に生じたロシアによるウクライナ侵攻を契機として同社衛星の有用性が示されたと目論見にあります。また、官民問わず旺盛な需要が見込まれているそうです。
さらに海外市場に向けた販売体制を強化していくため世界各地で行われる展示会へ出展し、代理店候補の調査とコネクションの構築を進めるそうです。
競合のSAR衛星分野では、大型衛星の運用実績は見られるものの小型衛星については技術的なハードルが高く世界的に見ても参入を果たしている企業は限定的な状況となっています。
不確実性が高いビジネスかもしれませんが「夢」があり面白いと感じます。
とりあえずロックアップを外して出資したVCが売却できる流れでしょうね。VCの出資金額が700円みたいなので初値2倍超となる可能性も高いかも?
公募組も株の取り合いになるかもしれません!!
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