オートサーバー(5589)のIPOがスタンダード市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。再上場案件になり業績がしっかりしているようです。
主幹事はSBI証券が務め公開株数2,000,000株、オーバーアロットメント300,000株です。上場規模は想定発行価格2,670円から計算すると約61.4億円になります。
※オートサーバー公式サイト引用
同社は中古車取扱事業者がインターネット上で中古車を売買することのできる会員制サービスプラットフォーム 「ASNET」を運営しています。
顧客による車両の落札や出品、また成約の都度手数料を受領する収益構造となっています。会員数と取引台数の拡大を図ることで業績伸長につながると考えられます。
中古車市場はコロナ禍により半導体供給不足などで自動車の生産が遅れたため高騰し活況となった時期があります。
しかし、新車供給や販売の停滞等を背景とした中古車供給量の減少が影響し取引台数の減少が見られるようです。
現時点で問題はなさそうですが、オークションを通さず自社店舗での販売を行う企業や新車ディーラーなどで中古車販売を行う企業も出てきているようです。
また、ネット普及により個人間で売買されるケースも増えています。中長期的には企業規模を拡大しなければ収益が落ちる可能性もありそうですね。
オートサーバー(5589)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 9月26日 |
市場 | スタンダード市場 ※名古屋証券取引所にも同時上場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 中古車取扱事業者を対象とする中古車のオークション代行サービス及び業者間売買の仲介サービスの提供等 |
ブックビルディング | 9月07日~9月13日 |
想定価格 | 2,670円 |
仮条件 | 2,400円~2,670円 |
公開価格 | 2,670円 |
初値結果 | 2,280円(騰落率-14.61%) |
企業情報 | https://www.autoserver.co.jp/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 400,000株 |
売出株数 | 1,600,000株 |
公開株数(合計) | 2,000,000株 |
オーバーアロットメント | 300,000株 |
上場時発行済み株数 | 6,800,000株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約181.6億円 |
幹事団 | SBI証券(主幹事) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 みずほ証券 東海東京証券 松井証券 アイザワ証券 岡三証券 むさし証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 auカブコム証券 岡三オンライン |
オートサーバー(5589)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格2,670円を基に吸収金額を算出すると約53.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約61.4億円規模の上場となります。同社グループはオートサーバーと非連結子会社「AUTOSERVER VIETNAM CO.,Ltd.」の2社で構成されています。
同社は国内の中古車取扱事業者を対象としたインターネット中古車流通サイト「ASNET」を運営する事業を行います。子会社はASNETサービス全般に関する開発業務を行います。
ASNETでは国内の中古車取扱事業者を対象に「オークション代行サービス」「ASワンプラサービス」の2つを主力サービスとしています。※2022年12月期における売上高割合93.4%
また、付帯サービスとして「陸送手配サービス」「中古車販売支援サービス」「カスタマーコミュニケーション支援サービス」「中古パーツ通販サービス」「カー用品通販サービス」を提供しています。
※有価証券届出書引用
ASNET全般の特徴として会員の費用面においては、入会時に入会金や保証金等といった費用的負担を必要としていないことが挙げられます。
入会後も月会費といった固定的な費用を不要とし、ASNETの主要サービスである「オークション代行サービス」と「業者間中古車売買仲介サービス」を利用することができます。
サービス面においてはASNETに掲載している中古車情報をASNET上で横断的に検索・落札ができることが特徴となっています。
同業他社と比較した場合、「オークション代行サービス」においては、参加が可能なオートオークション会場数は国内141会場と最多であり、国内95%のオートオークション会場の出品車両を検索することができます。
また「ASワンプラサービス」においても2022年12月期の実績において14.7万台の掲載実績があり、これら掲載台数の多さがASNETの強みとなっているそうです。※2022年1月から12月平均
※有価証券届出書引用
初期費用や固定的な会費を不要とする営業方針と多くの掲載台数を確保している実績により、ASNETには年に数台程度しか中古車を売買しない中小規模の中古車事業者などに好評となっています。
新たに中古車販売業に参入する整備事業者やガソリンスタンド事業者、様々な業販市場に販路を求める中古車販売事業者等、業種や規模に関わりなく中古車を取り扱うあらゆる事業者が加入しているそうです。
法人・個人を合わせ会員数は74,751となっています。※2022年12月期末時点
※有価証券届出書引用
沿革確認では1997年6月に旧オートサーバー創業となっています。事業内容は現在と殆ど変わりないようです。
2014年1月に台湾・グレタイ証券市場(GTSM市場)に株式上場していますが、2016年3月に上場廃止となっています。旧オートサーバー株式の公開買付を実施しMBOが完了しているようです。
また、日本市場で再上場を目指す理由は中長期的な成長を行うための資金調達となっています。
新たなWEB技術や新サービスの導入、スマートフォンアプリ等による情報の積極的な活用などに資金が必要となるみたいですね。
オートサーバー(5589)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2015年11月13日、東京都中央区晴海一丁目8番8号に本社を構えます。社長は髙田典明氏(1972年6月07日生まれ)、株式保有率は8.77%(642,000株)です。※新株予約権は640,000株従業員数117人で臨時雇用者28人、平均年齢41.3歳、平均勤続年数9.2年、平均年間給与5,101,000円です。
セグメントはASNET事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
朝日ホールディングス株式会社 | 6,000,000株 | 81.98% | ○ |
髙田 典明 | 642,000株 | 8.77% | ○ |
萩原 外志仁 | 206,200株 | 2.82% | ○ |
株式会社ACエナジー | 130,600株 | 1.78% | × |
山本 林 | 32,320株 | 0.44% | ○ |
株式会社富商 | 29,000株 | 0.40% | ○ |
山岸 正典 | 20,000株 | 0.27% | △ |
上位株主には180日間(2024年3月23日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
株式会社ACエナジーは売出株として全株式を売却する予定となっています。
親引けはありません。
オートサーバー(5589)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件が2,400円~2,670円に決定し吸収金額が最大約61.4億円、時価総額は約181.6億円になります。想定発行価格から変化はありません。
収益規模から考えると上場規模が大きいと個人的に感じます。また、ビッグモーター問題の他にネクステージでも問題が浮き彫りとなり、同社にどのような影響があるのかまだわからないと考えています。
上場規模が大きいため不安であればIPOに参加しないことをお勧めします。市場は敏感なので様子見する投資家が多いはずです。
修正値2,400円~2,700円
最終予想2,500円
※注目度A
業績を確認すると2023年12月の単独予想を確認することができました。売上52.00億円となり前期比3.06%減、経常利益18.04億円となり前期比8.38%減となります。
四半期利益は11.16億円となり前期比7.54%減を予想しています。減収減益予想です!!
公開価格が2,670円決定の場合の指標はEPS171.62からPER15.56倍、BPS1,538.68からPBR1.74倍になります。配当金が55円なので配当利回りは2.06%です。
SBI証券が主幹事なので株価設定が高いのかも?といった憶測もあります。
事業に新味はなく、既にピークアウトした業績といった見方もあるようです。株価設定的にはPER10倍程度が妥当といった声もあるようですね。
上場中止になることはないかもしれませんが、中古車市場の悪材料が続くため積極的に投資する投資家は少ないと思います。海外販売にも期待できない可能性がありますからね。
厳密な競合はいないそうですが上場タイミングが良くないようです。個人的には消極的にIPO抽選に参加したいと考えています!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
SBI証券(主幹事) | 1,800,000株 | 90.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 90,000株 | 4.50% |
みずほ証券 | 40,000株 | 2.00% |
東海東京証券 | 20,000株 | 1.00% |
松井証券 | 20,000株 | 1.00% |
アイザワ証券 | 10,000株 | 0.50% |
岡三証券 | 10,000株 | 0.50% |
むさし証券 | 10,000株 | 0.50% |
業績しっかりで利益率が高い企業のようです。スタンダード市場への上場となっていることから業績の急伸は期待できないと思います。
前期は業績の落ち込みを確認できますからね。
また売出株が多いためやや不安なIPOだと思います。IPOには当選しやすいと考えています。
主幹事のSBI証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券から申込んでおけば当選確率が高そうです。今回もSBI証券主幹事のためSBIネオトレード証券からの申込みを行っておきたいと思います。
口座開設後に一度も入金せずにIPO抽選に参加できます。IPOルールは下記記事を参考にお願い致します。
SBIネオトレード証券がIPOの取扱いを開始することを発表しました。なんと前受金不要でIPOに申し込めるため誰にでも当選する可能性があります。しかも取扱い数が増加傾向にあり、SBI証券が主幹事や平幹事を引き受ける場合に同社でも取扱 …
オートサーバーのIPOチャレンジポイントのボーダーラインを予想してみました
オートサーバーのIPOチャレンジポイントのボーダーラインについて考えてみたいと思います。IPOチャレンジポイントを利用する方は少ないと思います。
また、インバウンドプラットフォーム(5587)が複数配分だったため同社株も複数配分になる可能性が高いと思います。配分は200株又は300株になると考えられます。
ジェイ・イー・ティ(6228)のIPOに続き主幹事を務めますが今回も上場による吸収金額が多めとなっています。しかも設定株価が高く躊躇する投資家も出てきそうです。
一応、情報通信業なので利益期待はあると思います。
短い期間になりますが利回りくんで楽天ポイントが4,500円分貰えるためご紹介させていただきます!
口座開設で2,500円分、1万円投資を行うと4,500円分の楽天ポイントを貰うことができます。
米国ナスダックに上場している企業になるため安心感があります。このキャンペーンは長く続かないと思うので興味があれば急いだほうが良いと思います。まとめました。
利回りくんの口座開設を行うと楽天ポイントが貰えるキャンペーンが始まりました。運営会社はシーラ(SYLA)になります。シーラファンディングから「利回りくん」にサービス名が変更されています。公式サイトではミルクボーイ …
類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
オークネット(3964) | PER11.10倍 | PBR2.07倍 |
プロトコーポレーション(4298) | PER8.99倍 | PBR1.14倍 |
ユー・エス・エス(4732) | PER19.92倍 | PBR3.27倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2018年6月末日~2026年4月末日 | 471,400株 | 500円 |
2016年5月26日から無制限とする | 448,000株 | 500円 |
ストックオプション(新株予約権)は919,400株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数6,400,000株に対する新株予約権の割合は14.37%に相当します。新株予約権による潜在株式数は919,400株です。
オートサーバー(5589)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
オートサーバーのIPOはIT系の企業でありながら地味な感じがします。私も同社システムを利用したことがあり便利だと思います。ただIPOに関しては微妙です。
※オートサーバー公式サイト引用
売上以上の吸収金額なのでイメージがあまり良くありません。またネット証券主幹事なので売り急ぐ投資家も多くなりパフォーマンス低下も考えられます。
MBOによる「のれん」があり、毎期減損テストを実施し回収可能価額が帳簿価額を上回っていることを確認しているそうです。
この辺りも調べないと不安ですよね。機関投資家がターゲットとするIPOなのか気になります。
成長性は限られると思いますが意外にしっかりした業績となっています。海外販売も行われます。とりあえず大手予想待ちの銘柄でしょう。
オークション会場で有名なユー・エス・エス(4732)での取引台数の割合が51.8%を占めるそうです。※2022年12月期
USSにとっても貴重な顧客だと思います。ビッグモーターの問題で中古車市場はある意味注目されています。どうなるでしょうか?
ロボアド最高峰のROBOPROをご存知でしょうか?金融庁公表の過去3年のパフォーマンスがNO.1となっています。※資産運用業高度化プログレスレポート2023
AI(人工知能)を用いた資産運用サービスになり公式サイトでも結果の公表が行われています。短期投資でも利益が狙えるロボアドとして有名だと思います。
詳しい内容を下記記事にまとめてみました。セミナーも受講してみました!
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