AVILEN(アヴィレン)[5591]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。AIソフトウエアを用いたサービスやプロダクト開発を行う企業です。


主幹事は大和証券が務め公開株数1,436,900株、オーバーアロットメント215,500株です。上場規模は想定発行価格2,000円から計算すると約33.0億円になります。


AI関連で人気だと嬉しいですね!


AVILEN(アヴィレン)[5591]IPOが上場承認
※AVILEN公式サイト引用


筆頭株主はジャフコ系ベンチャーキャピタルになります。その他VCも確認できます。


特定の業界に限定されない顧客の課題を捉えAIソフトウエア開発に強みを持つ企業です。


また、AI/DX市場を創出し顧客企業の継続率も高いビジネスモデルとなっています。同社によれば高いブランド力も顧客獲得能力になるそうです。


とりあえず業界ではある程度有名な企業のようですね。日本最大のVCが出資し資金回収を目論むIPOとなっています!


売出株はジャフコだけなんですよね。


AVILEN(アヴィレン)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日9月27日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容AIソフトウエア及びビルドアップパッケージの提供をはじめとするAIソリューション事業
ブックビルディング9月11日~9月15日
想定価格2,000円
仮条件2,000円~2,120円
公開価格2,120円
初値結果2,482円(公開価格1.17倍)
企業情報https://corp.avilen.co.jp/
監査人有限責任監査法人トーマツ
手取金の使途事業拡大や「ChatMee」等の自社SaaSサービス開発に伴う人件費及び人員増強を目的とした採用関連費として充当予定


項目株数データ
公募株数50,000株
売出株数1,386,900株
公開株数(合計)1,436,900株
オーバーアロットメント215,500株
上場時発行済み株数6,050,000株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約121.0億円
幹事団大和証券(主幹事)
SMBC日興証券
楽天証券
SBI証券
マネックス証券
極東証券
岡三証券
岩井コスモ証券
丸三証券
松井証券
委託見込大和コネクト証券
岡三オンライン
DMM.com証券


AVILEN(アヴィレン)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格2,000円を基に吸収金額を算出すると約28.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約33.0億円規模の上場となります。


2018年の創業以来、上場企業を中心とした累計530社以上の企業に対しAIソフトウエアを用いたサービス、プロダクトの開発、DXやAIを推進するための組織開発や人材育成にかかわるサービス等のAIソリューションを提供している企業です。


2022年以降大手企業7社と資本業務提携及び戦略的パートナーシップを締結し、当該企業の経営基盤・リソースも活用しながら最新のテクノロジーを多くの人へ提供しています。


具体的には生成AIをはじめとする独自開発した技術コアモジュールである「AVILEN AI」を活用したAIソフトウエアの開発、実装、またAIドリブンなビルドアップコンテンツを提供しています。


企業のAI実装推進を一気通貫で支援することができるそうです!


AVILEN(アヴィレン)[5591]の業績
※有価証券届出書引用


同社はAIソリューション事業の単一セグメントとして「AIソフトウエアユニット」「ビルドアップユニット」の2つのサービスを提供しています。


「AIソフトウエアユニット」として自社開発技術コアモジュールである「AVILEN AI」を活用し、ビジネスプロセスへのAI実装・データ利活用を支援します。


また、「ビルドアップユニット」として組織のアセスメントやロードマップの策定、経営者や従業員、経営企画やエンジニア等部門横断的なAI人材の育成による組織開発を支援し、両ユニットにまたがるサービスとしてD&A戦略コンサルティングを提供します。


AVILEN(アヴィレン)のビジネス
※有価証券届出書引用


「AIソフトウエアユニット」においては法人向け、「ビルドアップユニット」においては法人及び個人向けにサービスを提供しているそうです。


両ユニット共に主にフロー収益ですが、「AIソフトウエアユニット」の一部サービスにおいてはストック収益となっています。


月間32万PV(2022年12月期の月間PVの平均値)の自社メディアの「AI Trend」を活用することで、効率的なリード顧客の獲得が可能となっています。


2023年6月末時点で上場企業グループを含む大手企業を中心に累計530社以上の法人顧客と取引実施があるそうです。


AVILEN(アヴィレン)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


同社は9つの自社開発技術コアモジュールである「AVILEN AI」を有し、幅広い技術領域をカバーしています。コアモジュールがあることで効率的な開発を可能となっているようです。


最新論文や最先端のテクノロジーをリサーチする社内の体制を構築し、常にコアモジュールをアップデートすることが可能となっています。


深掘りはしませんが80%超の継続率を実現するビジネスモデルだそうです。


2023年4月からはChatGPTを組み合わせたSaaSプロダクト「ChatMee」の販売も開始しています。


AVILEN(アヴィレン)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2018年8月15日、東京都中央区日本橋馬喰町二丁目3-3秋葉原ファーストスクエア9階に本社を構えます。代表取締役は高橋光太郎氏(1995年1月29日生まれ)、株式保有率は3.90%(245,400株)です。


従業員数50人で臨時雇用者4人、平均年齢29.6歳、平均勤続年数1.6年、平均年間給与5,435,000円です。


セグメントはAIソリューション事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
ジャフコSV6投資事業有限責任組合1,886,560株29.95%
日本郵政キャピタル株式会社1,319,950株20.95%
株式会社大塚商会1,140,000株18.10%
ジャフコSV6-S投資事業有限責任組合471,640株7.49%
崔 一鳴405,000株6.43%
大川 遥平267,000株4.24%
高橋 光太郎245,400株3.90%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


ジャフコ系VCとJAI1号投資事業有限責任組合、エアトリには90日間(2023年12月25日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率は発行価格(売出価格)の1.5倍以上となります。


崔一鳴氏、吉田拓真氏、高橋香輝氏の3名は90日間(2023年12月25日まで)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率は発行価格(売出価格)の2.5倍以上です。


その他の株主のロックアップは180日間(2024年3月24日まで)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率設定はありません。日本郵政キャピタルや大塚商会などが含まれています。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けはありません。


AVILEN(アヴィレン)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が2,000円~2,120円に決定し吸収金額が最大約35.0億円、時価総額約128.3億円に上振れしています。


ジャフコVCのファンド出口案件になりますが今回は人気化すると考えられています。粗利が7割を超えるため収益性が高く上場後も業績に期待できそうです。


AIバブルが落ち着いたと観測され、実際にLaboro.AI(5586)には資金があまり入っていません。観測では26.5億円程度の買い注文となっています。


30億円~40億円程度は期待されていただけに投資家の熱が冷めたと言えそうです。同社の場合はLaboro.AIよりも上場規模が大きいため、もしかするとロックアップ1.5倍解除を目指す展開もあり得るようです。


ジャフコの動き方次第なところはありますが公募組にはリスクが低いIPOと言えそうです。セカンダリーも3,200円程度であれば面白そうです。


ロックアップ1.5倍以上で解除される株数は905,800株になるようです。※2.5倍以上の個人保有分は除く


大手初値予想3,000円~4,000円
修正値3,200円前後
最終予想3,150円

※注目度A


業績を確認すると2023年12月期の単独予想を確認することができました。売上9.68億円となり前期比32.24%増、経常利益2.11億円となり前期比91.82%増となります。


四半期利益は1.47億円となり前期比86.08%増を予想しています。業績に勢いがあります!


公開価格が2,120円決定の場合の指標はEPS24.45からPER86.71倍、BPS71.71からPBR29.56倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


株価3,200円のPERは130.88倍になるためこの辺りは難なくクリアーしてきそうです。3,500円だと143.15倍、4,000円だと163.60倍になります。


kimukimu

7月上場であれば4,000円超えはいけたかもしれませんね。



人気業態で業績が拡大中、ただし上場規模がやや大きめでファンド出口案件になります。


AIバブルがはじけた訳ではないためある程度の資金流入は期待できますが、東証の成行注文禁止の影響をもろに受けそうです。指値3,000円~3,300円の範囲で注文を入れる個人投資家が多そうです。


上場日までに買われる材料が出ればIPO当選者はウハウハでしょう。たまにタイミングよく材料が出ますからね。公開株数が多めなので申込忘れのないように頑張っておきましょう!


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)1,308,200株91.04%
SMBC日興証券14,300株1.00%
楽天証券14,300株1.00%
SBI証券14,300株1.00%
マネックス証券14,300株1.00%
極東証券14,300株1.00%
岡三証券14,300株1.00%
岩井コスモ証券14,300株1.00%
丸三証券14,300株1.00%
松井証券14,300株1.00%


事業的にはIPO向きなので安心できそうです。ただ業績の割に吸収金額が大きく売出株中心なので警戒感があります。


直近で不人気のファンド売出し株を意識させます。正確にはベンチャーキャピタルなんですけどね。成長性があることを願いたいと思います。


他のIPOの状況を確認しながらになりますが申込みを予定しています。大和証券が主幹事なので大和コネクト証券からも申込みを行っておきたいと思います。


公開株数が多いため当選確率はそこそこ高いと思います。IPOルールについては下記記事でまとめています!




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投資先が上場企業になると安心できると思うのでクラウドファンディングに興味があればお勧めできます。信託銀行経由の信託保全も行う手厚い企業となっています。こちらも詳しくまとめています。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
Ridge-i(5572)PER183.14倍PBR4.53倍
ABEJA(5574)PER134.01倍PBR18.02倍
Laboro.AI(5586)PER159.86倍PBR12.54倍
※2023年9月12日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2021年5月21日~2031年5月20日186,000株320円
2023年5月21日~2031年5月19日5,070株320円
2024年6月11日~2032年5月25日34,650株1,670円
2025年7月17日~2033年6月28日74,010株1,670円


ストックオプション(新株予約権)は191,070株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数6,000,000株に対する新株予約権の割合は5.00%に相当します。新株予約権による潜在株式数は299,730株です。


AVILEN(アヴィレン)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

AVILEN(アヴィレン)のIPOは気にかけておきたいと思います。他の微妙なIPOに比べると人気だと思います。


ただVCやファンドが出資しているだけで個人投資家は消極的になってしまいますよね。精査が必要だと思います!


AVILEN(アヴィレン)[5591]IPOのまとめ
※AVILEN公式サイト引用


AIやDX関連は成長すると見込まれているため同社株は注目されると考えています。


あとは株価設定や機関投資家の参加スタンスだと思います。ジャフコとしてはできるだけ高くイグジット(exit)したいでしょうけどね。


売上がまだ低いため悩むIPOだと思います。公開された業績だけでは少し心細い気がします。今期以降の業績予想期待でしょうか!


競合も多く存在していますが需要も高い業種だと思います。人工知能(AI)関連と言うことで少し期待しています。


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