クラダシ(5884)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。ブランディングは良さそうな気もしますが赤字企業なんですよね。


主幹事は大和証券が務め公開株数3,300,000株、オーバーアロットメント495,000株です。上場規模は想定発行価格500円から計算すると約19.0億円になります。


クラダシ(5884)IPOが上場承認
※クラダシ公式サイト引用


食品ロス(フードロス)関連になると思われ注目されそうな事業内容です。


自社が成長することで持続可能な社会を実現する経営方針があるようです。「Kuradashi」は社会性、環境性、経済性を重視した三方よしのビジネスモデルとなっています。


ソーシャルグッドマーケットに強みを持つ企業になり、今後マーケットプレイス型を機能開発し掲載業務をパートナー企業に開放していく予定となっています。


実現すれば面白そうですが業績に問題がありそうです!


VC(ベンチャーキャピタル)にもロックアップが掛かっていないため、需要があると見込んでいるのでしょうか?と少し気になります。


クラダシ(5884)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日6月30日
市場グロース市場
業種小売業
事業内容ソーシャルグッドマーケット『Kuradashi』の企画・制作・運営
ブックビルディング6月15日~6月21日
想定価格500円
仮条件500円~520円
公開価格520円
初値結果800円(公開価格1.54倍)
企業情報https://corp.kuradashi.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途
  • EC Kuradashiの機能的価値向上のためのUI/UX開発
  • 中長期戦略実現のためのシステム開発費


項目株数データ
公募株数1,150,000株
売出株数2,150,000株
公開株数(合計)3,300,000株
オーバーアロットメント495,000株
上場時発行済み株数10,763,358株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約53.8億円
幹事団大和証券(主幹事)
みずほ証券
SMBC日興証券
野村證券
SBI証券
東洋証券
松井証券
マネックス証券
楽天証券
委託見込大和コネクト証券
DMM.com証券


クラダシ(5884)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格500円を基に吸収金額を算出すると約16.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約19.0億円規模の上場となります。


同社はソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を通じた、フードロス削減のためのマッチングビジネスを提供しています。


インターネットを活用することでフードロス商材を顧客に届けることを実現し、売上金の一部を社会貢献団体へ寄付するビジネスモデルとなっています。


具体的には「3分の1ルール」に抵触した商品、季節商品、終売商品、賞味期限切迫商品、滞留商品など、様々な理由で販路を失いブランドイメージ保護及び市場価格保護のために廃棄される商品を買い取ります。


その後、迅速に消費者に販売することで廃棄物の発生を大幅に削減する仕組みであるソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を運営しています。


フードロス問題に直結するため面白い事業だと思います。ただ大赤字です!


クラダシの業績
※有価証券届出書引用


様々な理由で廃棄予定となっている商品をサプライヤーから安価で買い取り、自社ウェブサイトやアプリ上で販売しているそうです。


「Kuradashi」を利用するためには会員登録が必要になり、取引形態は在庫型とマーケットプレイス型の2種類に分類されます。


商品特性からラインナップが頻繁に入れ替わり、季節品や地域品などの様々な珍しい商品を廉価で販売しています。


また、評価されるのであれば売上金の一部を環境保護支援団体等へ寄付する仕組みでしょうか。ただ売出株が少なければ好感できますが、自社利益のために関係者の株を処分するためイメージが良くないですね。


クラダシIPOの事業系統図
※有価証券届出書引用


「Kuradashi Hub」の運営ではオフライン店舗の積極的展開を推進し、オンライン・オフライン接点強化によるシナジーを創造しているそうです。


会員の商品の認知から比較・検討、購入後のアフターサポートに至る一連の体験価値の向上を図っているそうです。


「Kuradashi Stores」の運営ではソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営で獲得したエシカル消費に感度の高い会員に向け、パートナー企業のブランディングを支援しています。


クラダシIPOの販売実績
※有価証券届出書引用


社会貢献活動では、会員の「Kuradashi」での商品購入時にサイト上で寄付先・支援先を選択します。


「Kuradashi」の売上金の一部を社会貢献活動の支援金とし、その一部を社会問題の解決に取り組む団体に寄付しています。


寄付の用途は環境保護、災害対策、医療・福祉サービスの充実だそうです。


また外部団体へ寄付するだけでなく、その一部を同社が運営する「クラダシ基金」に積み立て、自社で実施する社会貢献活動の費用に充当しています。


クラダシ(5884)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2014年7月07日、東京都品川区上大崎三丁目2番1号に本社を構えます。社長は関藤竜也氏(1971年5月17日生まれ)、株式保有率は社長が所有する会社を含め71.03%(7,330,000株)です。


従業員数40人で臨時雇用者5.3人、平均年齢34.6歳、平均勤続年数1.6年、平均年間給与6,541,000円です。


セグメントはKuradashi運営事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
合同会社Social Good7,330,000株71.03%
ACTWELL合同会社860,000株8.33%
髙杉 慧425,490株4.12%
新生ベンチャーパートナーズ2号投資事業有限責任組合378,214株3.66%×
HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND投資事業有限責任組合302,572株2.93%×
徳山 耕平201,370株1.95%
河村 晃平165,490株1.60%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年12月26日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


この他、新株予約権を保有する株主の多くにロックアップ期間中の売却等を行わない合意がなされています。VCにはロックアップが掛かっていません。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けはありません。


クラダシ(5884)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が500円~520円に決定し上限が20円引き上げられました。これにより上場による吸収金額は約19.7億円、時価総額は約56.0億円になります。


業績予想から赤字額が増加するため大きな懸念材料があります。ただ2023年のIPOはダウンラウンドだと好調な初値となることが多いため同社も期待できるようです。


VC出資は661円なので520円でも損しますが赤字上場はイメージが悪いです。


期待となるのは新奇性があることとメディアに取上げられる回数が多いため知名度が高いと言ったところのようです。本業はいつ黒字できるのか微妙な感じです。


ネットで注文できる仕組みとなっていますが、ディスカウントストアに足を運ぶ方には魅力があまりないサービスなのかもしれません。


私も運営サイトを確認してみましたが一見割安のように見えて「どうかな?」と思うような商品もあります。某紙では粗利率が高くディスカウントストアよりも収益率が良いとでています。


なのに赤字拡大となっているため黒字化できるのか本当に疑問です。上場タイミングに難ありだと思いますが地合いが良いため何とか出発できそうです!


大手初値予想500円~660円
修正値660円~750円
最終予想700円

※注目度B


業績を確認すると2023年6月期の単独予想を確認できました。売上30.04億円となり前期比44.91%増、経常利益-1.70億円となり前期-0.74億円から赤字額が増加します。


四半期利益は-1.70億円となり前期-0.80億円から赤字額が倍増します。


公開価格が520円決定の場合の指標はEPS-17.76からPERは算出不可、BPS97.46からPBR5.34倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


大手サイトでは「売れ残り食品販売サイト」との表現がありますが、そのままのイメージなのかもしれません。


捉え方は人それぞれだと思いますが、ワケあり商品を安く仕入れて販売する手法は昔からあるため今更感もあります。最終的には利用者が増えれば収益に結び付くため知名度勝負なところもありそうです。


kimukimu

上場後は在庫型からマーケットプレイス型に移行し収益性を高める可能性はあると思います。



終売商品や賞味期限切迫商品、滞留商品と聞くといいイメージはありませんが、フードロス削減と言えばイメージも変わりますよね。


同社ホームページでは「SDGs17の目標を横断して支援」と表記しています!


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)2,970,000株90.00%
みずほ証券82,500株2.50%
SMBC日興証券82,500株2.50%
野村證券66,000株2.00%
SBI証券33,000株1.00%
東洋証券16,500株0.50%
松井証券16,500株0.50%
マネックス証券16,500株0.50%
楽天証券16,500株0.50%


代表と取締役が所有する企業からの売出株が公開株数の約65.2%となっていますイグジット案件だと言えそうなので人気はあまりなさそうです。


詳しく調べないとわかりませんが増収にも関わらず赤字額が増加しています。IPO的には厳しそうですね。


公開株数が多いため当選は容易だと思います。無理に参加しなくても良さそうです。


当選を狙うのであれば大和証券、そして委託販売が行われる大和コネクト証券からの申込みを行っておきましょう。平幹事からの当選も可能かもしれません!


大和コネクト証券のIPOルールは下記記事でまとめています。




吉報!FOLIO ROBO PROが2022年末までの過去3年間のパフォーマンスで第1位を獲得しました。


金融庁が公表しているそうです!


公式サイトにも詳しい内容が書かれています。私も記事を作成しているためよかったら参考にしてください。短期運用でも利益が狙えるとされています。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ジェーソン(3080)PER9.86倍PBR1.09倍
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)PER24.42倍PBR3.51倍
MrMaxHD(8203)PER8.27倍PBR0.64倍
※2023年6月15日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2023年11月25日~2031年11月24日14,560株68円
2024年2月18日~2032年2月17日439,960株68円
2024年9月28日~2032年9月27日275,960株180円


ストックオプション(新株予約権)は上場時に行使期限を迎える株数はありません。


発行済株式総数9,613,358株に対する新株予約権の割合は7.4%に相当します。新株予約権による潜在株式数は706,670株です。※目論見調べ


「新株予約権等の状況」の合計730,480株と少し差があるようです。


クラダシ(5884)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

クラダシのIPOは人気がない可能性があります。


経営陣のイグジットと考えられるためIPOでは資金が向かわないかもしれません。


クラダシ(5884)IPOのまとめ
※クラダシ公式サイト引用


VC(ベンチャーキャピタル)の取得単価は全て661円となっています。となると500円程度では売らない可能性が高そうです。損しますからね。


将来性がありそうなので中長期投資であれば面白いのかもしれません。ただ公募組の心にフードロス問題は響かないかもしれません。


経営状況から短期で利益を狙うような方には人気がなさそうです。


優良パートナー企業の獲得やソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の知名度が高まれば面白いかもしれません。フードロス削減ビジネスは好印象なんですけどIPO的な内容がいまいちだと思います。


不動産投資型クラウドファンディングで利回り10%を提供する企業が登場しました。LEVECHY(レベチー)と言う企業で私はセミナーを受講させて頂きました。


ある意味レバレッジを効かせた投資が可能になります!


レベル違いなクラファン事業を行うそうです。「倒産隔離スキーム」を採用しているため他社と仕組みが異なります。公式サイトのキャラクターも面白いです。既に人気みたいです。


上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました

新規登録を行うとAmazonギフトカード1,000円分プレゼント、さらに初回投資に応じて最大5万円分貰えます。劣後出資とマスターリース契約、さらに信託銀行活用の分別管理は業界随一!

CREAL(クリアル)

1万円から投資でき「ほったらかし」で資産運用できます。賃料収入をもとに配当、想定利回り4.0%~5.5%で償還実績は元本割れ0件。最強スペック企業なので下記記事でまとめました。