ライトニックスがイークラウドで資金調達を行います。上場ではなくM&Aによるイグジットを目指しているようです。
なぜタイで皮内投与デバイスの上市を目指しているのか?と思ったため内容を確認すると納得する材料がありました。今回は次世代型ワクチン投与デバイスで世界規模の需要を目指しています!
※イークラウド公式サイト引用
ライトニックスはトウモロコシ由来の樹脂(ポリ乳酸)を原料とした「生分解性プラスチック」製の針を利用した環境にやさしい製品を制作しています。
そもそも注射をイメージすると金属しか思い浮かびませんでしたが、プラスチックで針が作れると知りました。
しかも既に製品化され、タイで医薬品・医療機器登録の申請を計画しているそうです。また同社製品はランセットとして日本でも販売されています。
元々採血採取用の針であり、糖尿病患者の血糖値計測に用いられていた商品が開発元になっています。
同社は医療機器スタートアップ企業になり、ベンチャーキャピタルからの出資も複数確認できます。もしかすると大きな市場を手に入れることができる企業なのかもしれません!!
ライトニックスは何を改善できる企業なのか?次世代型ワクチン投与デバイスがポイント
今後の状況によりどこまで取り組むことが可能なのか?と面白いと思わせる目標があると感じました。同社は新型コロナウイルス感染症によりワクチン格差がおき、パンデミック時には摂取希望者が殺到し医療従事者不足が起きると考えています。
※イークラウド公式サイト引用
実際に今回のコロナ危機ではそのようなことが起きました。また、世界的にワクチンの奪い合いが顕著化し問題視されています。
新型コロナウイルス感染症ではパンデミックにより、先進国と発展途上国との間に存在するワクチン格差が浮き彫りとなりました。
イークラウドの資料によれば途上国を中心に世界では年間150万人の子どもがワクチンで防ぐことのできる病気で命を落としているとあります。
そこで同社製品の「皮内注射」という薬剤投与方法にメリットがあるようです!
※イークラウド公式サイト引用
同社製品を利用すれば皮内注射ができ、一般的な筋肉注射の5分の1の量でワクチン投与が済む想定となっています。
医療的に難しい事情があり、皮内注射をこれまでの金属針で行うとテクニックが必要であり医療従事者であっても訓練が必要だと言うことです。
新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック下では現実的な接種方法ではないようです。
そこで同社の既存製品を基にし誰もが皮内投与のメリットを享受できる「皮内投与デバイス」を開発したようです。
今後、タイで上市され有効性が実証されることで日本又は世界に同社製品が広がる可能性があると思います。なかなか面白い構想だと思います。
既に特許も複数取得しているそうです!
皮内投与デバイスを使ったワクチン削減効果を検証済み?
イークラウドの募集内容を確認したところ皮内投与デバイスは、新型コロナやインフルエンザ、結核、狂犬病、サル痘など様々な感染症のワクチンに対応させることを検討しているとあります。2021年の動物実験では卵白を構成するタンパク質のオボアルブミンをモデル抗原として投与したところ、筋肉注射の5分の1の投与量で同等の免疫反応が確認されたそうです。
※イークラウド公式サイト引用
通常の注射器で皮内注射をするには、針を刺す角度や位置を正確にコントロールする技術が必要だそうです。
同社の皮内投与デバイスだと独自構造により針が刺さる深さを1~2mm程度と一定にすることが可能のため、手間が生じずワンアクションで行うことができるそうです。
私は素人なので提供された材料を確認するしかありませんが、筋肉注射や皮下注射と比べ、皮内注射の場合は効率的に抗原を取り込むことができるとされています。
これまで問題だったのはテクニックやスキルでした。その問題を同社製品で克服しています。
世界的に注射針などの危険な医療廃棄物の処理が課題となっているためメリットも多いと思います。
私は過去に病院に勤務していたことがあり、注射針の処理発注などを行い怖かった思い出があります。大量の注射針を目の前にすると何となく怖かったことを思い出します。
やはり二次感染などが恐ろしく思います。
また、同社製品は途上国などで課題となる医療廃棄物問題や二次感染リスクの低減に貢献できる可能性、さらに金属アレルギーの課題もクリアーできそうです。
ライトニックスの企業概要とバリュエーションを調べてみました
ライトニックスの基本情報について詳しく調べてみました。ベンチャーキャピタルからの資金調達も複数行っているため安心感があります。最近はVCも株式投資型クラウドファンディングに理解があるのかもしれません。
逆にVCから出資が期待できないためECFで資金調達を行うと言った話も出ていますよね。この辺りは個人投資家にわかりにくいと思います。
ただ、イークラウドはXTech(クロステック)や大和証券グループとの関係があるため逆にメリットだと考えています。
項 目 | その内容 |
商号 | 株式会社ライトニックス |
所在地 | 〒662-0812 兵庫県西宮市甲東園二丁目2番6号 |
代表取締役 | 木場祥介 |
資本金 | 55,500,000円 |
発行可能株式総数 | 25,821株 |
発行済株式総数 | 5,753株 |
株価 | 100,000円 ※ECF時の株価 |
調達前時価総額 | 575,300,000円 |
設立年月日 | 2002年5月09日 |
決算期 | 8月 |
株主構成 |
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今回は1株10万円の設定になっているためわかりやすいと思います。最大50万円の投資となっています。
調達額が増えるにつれ研究開発費の内容が広げられるようです。
上限の7,400万円の調達となった場合は薬事関連費用、投与針設計、動物試験、物品購入など研究開発費として充当される予定となっています。
スタートアップ企業にとっては資金があればあるほどステージを早く上ることができますからね。
時価総額はECF時の株価を基に算出すると約5.75億円になります。
既に市販されている製品があることは同社にとって強みだと思います。グローバルで継続的な成長が期待される皮内注射領域に興味があれば面白い投資ができそうです。
また、2022年にイークラウドでEXITした企業が出たため取材を行ってきました!その内容を下記記事にまとめて言います。
守秘義務があるためあまり詳しく書けませんが、できるだけ深掘りしています!代表の波多江直彦氏に直接お伺いしています。
イークラウドでM&Aによるイグジット(EXIT)が発生したため取材を行ってきました。株式投資型クラウドファンディングに投資を行いわずか9ヶ月で投資金額の2.69倍の利益を得ることができています。 どのようなこと …
ライトニックスの口コミを調べてみました
ライトニックスの口コミについて調べてみました。メディア掲載実績を調べると日経ビジネスや日経産業新聞、日刊工業新聞などを確認できました。
テレビだとサンテレビで掲載実績があるようです。面白いところで出版社の小学館などもありました!
▼20:33ごろ「DREAM PITCH」
— J-WAVE INNOVATION WORLD / イノフェス (@iworld813) August 13, 2021
蚊の針を模倣した世界初の植物性樹脂針を開発する、株式会社ライトニックスが登場!#jwave #iw813 pic.twitter.com/zybu53Gaty
日経産業掲載【針は樹脂製、注射簡単 ライトニックス、ワクチン用に開発】「医療機器開発ベンチャーで樹脂製の注射針を製造販売するライトニックス(兵庫県西宮市、福田萌社長)は、誰でも間違いなく皮膚の内部にワクチンを投与できる新型の注射針を開発した。」
— ゆかり (@yukari_2_7) August 20, 2015
これすごい!
ライトニックス、植物由来の樹脂製自己採血針を中国で販売-糖尿病向け測定需要増 https://t.co/P05sfMs5h2 pic.twitter.com/zER1rpKK2F
— 日刊工業新聞電子版 (@Nikkan_BizLine) January 26, 2016
ライトニックスが事業展開する市場は年11.3%の成長市場で、製薬メーカーと競技中のタイの医療機器市場は2023年約3,080億円です
— 菊地@エンジェル投資で推し活を! ベンチャー企業の資金調達をご支援しています (@kicrowdfunding) December 18, 2022
ビジネスモデルは主に製薬メーカーのワクチン毎にライセンス提供するモデルです
EXIT対象は製薬メーカーなどへのM&Aを想定しています pic.twitter.com/fQP7k54eD0
今後口コミは増えてくると考えられます。現段階で多いとは言えませんがECFについての情報が多数確認できました。
蚊の針を模倣した針先形状の「植物性樹脂」は面白い着眼点だと思います。
採血用の針で終わらず新しいことにチャレンジしていることが面白いですよね。しかもグローバルな目線でビジョンを描いています!!
同社公式サイトを確認すると製品の特長を確認できるため、投資を考えている方はチェックしておきましょう。
ライトニックスのビジネスモデルと売上について調べました!ライセンスビジネス展開
ライトニックスのビジネスモデルを調べるとワクチンメーカーへのライセンスビジネスを展開予定とあります。自社製造を行わず海外の製薬メーカーを対象としたライセンスビジネスを展開していく計画のようです。
※イークラウド公式サイト引用
事業計画では製薬メーカーとの契約時に契約一時金を受け取ります。その後、治験開始時に顧客ワクチンに合わせた治験用デバイスを提供しマイルストーンフィーを受領するそうです。
治験完了後にはデバイスの製造に必要な周辺権利を知財パッケージとして提供、製造ラインのコンサルティング実施によりパッケージ移管料を受領するようです。
上市時にはワクチン売上に応じたライセンスフィーの受け取りがあるようです。
同社的には開発後のコストが少なく、契約後は利益率の高い収入が見込めると考えているようですね。
※イークラウド公式サイト引用
2023年は医療機器の承認申請を日本とタイで行い、製薬メーカーによる臨床試験を実施する予定となっています。
2024年は組合せ医薬品の承認申請をタイで行い、タイの製薬メーカーによる生産開始予定だそうです。
その後、M&Aによるイグジット計画となっています。イグジットは医療会社などへの売却を目指しています。
上手く行けば2025年8月期の売上計画が3.2億円になるようです。そこまで上手く行かなくてもワクチン投与デバイスが上手くいけばそれなりのリターンを得られると思います。
ライトニックスに投資を行っても問題ないの?まとめ
ライトニックスが日本ではなくタイで上市を狙う理由は、狂犬病ワクチンで筋肉注射の5分の1のワクチンを皮内注射する方法を1990年代に開発しているからだそうです。そのため皮内注射のメリットをよりわかっているからだと考えられます。
タイでは狂犬病ワクチンの皮内注射が比較的普及しており、皮内注射が受け入れられやすい環境のようですね。
項 目 | その内容 |
募集株式の数(上限) | 普通株式740株 |
募集株式の払込金額 | 1株当たり100,000円 |
増加する資本金の額 | 1株当たり50,000円 |
増加する資本準備金の額 | 1株当たり50,000円 |
申込期間 | 2022年12月17日(土)~2022年12月27日(火) |
払込期日 | 2023年1月12日(木) |
目標募集額 | 2,000万円 |
上限募集額 | 7,400万円 |
資金使途 |
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今後の見通しでは2023年6月にタイで必要な医療機器登録の申請を現地の医療機器製造業者を通じてタイ保健省に行う予定だそうです。
申請後は製薬メーカーでの臨床試験を行い、ワクチンとの組み合わせ医薬品として薬事承認を取得して、実際に市場に投入する計画とあります。
また、タイでの医療機器登録に先立ち日本でも医療機器の承認申請を行う予定だそうです。日本で承認されればアジア各国で広まる可能性があると思います。
イークラウドの資料によれば皮内注射市場は年平均成長率11%超となっており期待できるのかもしれません。バイオに比べれば実現性が高いように個人的に感じます。
コロナ禍があり世界的なパンデミックが起きた後になるため興味をそそられるプロジェクトだと思います。ワクチン市場は2028年まで年平均7%の成長予測が出ているそうです。
タイでは高齢化会社会に既に突入しているとされ様々な問題を抱えているようです。そのような環境で日本企業が社会貢献できたら面白いですよね。
投資前にはイークラウドの公式サイトを確認しておきましょう。プロジェクトに関する質問を投資前にチェックしておくことをお勧めします!!
イークラウドについては下記記事でまとめています。メリットとデメリットについては確認を行っておいたほうがよいと思います。
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