FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)[9564]のIPOがスタンダード市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。銘柄略称はFCEです。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数416,400株、オーバーアロットメント62,400株です。上場規模は想定発行価格1,560円から計算すると約7.5億円になります。
※エフシーイーホールディングス公式サイト引用
同社は教育研修事業とDX推進事業を中心にサービスを提供し、教育研修事業では学校法人や学習塾向けに「7つの習慣J®」という授業プログラムを提供しています。
企業向けには対面での集合型の研修を提供しているそうです。
DX推進事業では、企業向けに純国産RPAソフトウェアを開発、提供しています。新型コロナウイルス感染症では業績に影響があったようですが、現在は持ち直しています。
人財育成のノウハウをすべて標準化・仕組み化し、営業等や業務の遂行に直接かかわるメンバーやスタッフも「全社員コンサルタント化」をテーマに社員育成しているそうです。
IPO的にはDX推進事業やRPAソフトウェアなどのキーワードがあるため資金流入は可能だと思います。MEBO案件になりVC出資も多少入っています。
売出株が少なく公募株が中心となるIPOなので印象は良さそうです。
売出株の87,000株は代表の石川淳悦氏がその殆どを占めています。また、デュケレも売出株を行っていますが、石川氏が株式の過半数を保有する企業なんですよね。
上場ゴール感はなさそうです!!
FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 10月27日 |
市場 | スタンダード市場 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 教育研修事業、DX推進事業等を営むグループ会社の経営管理およびそれに附帯または関連する業務 |
ブックビルディング | 10月11日~10月17日 |
想定価格 | 1,560円 |
仮条件 | 1,460円~1,560円 |
公開価格 | 1,560円 |
初値結果 | 2,060円(公開価格1.32倍) |
企業情報 | https://fce-hd.co.jp/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 329,400株 |
売出株数 | 87,000株 |
公開株数(合計) | 416,400株 |
オーバーアロットメント | 62,400株 |
上場時発行済み株数 | 3,002,400株 |
想定ベースの時価総額 | 約46.8億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) SBI証券 岡三証券 丸三証券 岩井コスモ証券 楽天証券 あかつき証券 東洋証券 水戸証券 マネックス証券 松井証券 極東証券 むさし証券 |
委託見込 | 岡三オンライン SBIネオトレード証券 |
FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格1,560円を基に吸収金額を算出すると約6.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.5億円規模の上場となります。同社は「C&I Holdings」の100%子会社として、2004年2月に株式会社FCエデュケーション(現株式会社FCEエデュケーション)の設立から始まっています。
2012年6月に「C&I Holdings」が保有していた同社株式を自己株式の取得によって譲り受けることにより、マネジメント・バイアウト(MEBO)を実施しています。
2017年4月に株式移転を行い、株式会社FCEエデュケーションの完全親会社として設立されています。
グループ企業を確認すると、持株会社の株式会社FCE Holdingsと連結子会社5社で構成されていました。セグメントは教育研修事業、DX推進事業、その他事業の3つを展開しています。
DX推進事業は代理店を活用して提供し、本社の東京以外に大阪と福岡に拠点があるそうです。
※有価証券届出書引用
教育研修事業は、全世界で4,000万部、日本では250万部売れたビジネス書「7つの習慣」をベースに、日本の子どもたち向けに「7つの習慣J®」という授業プログラムを開発し累計30万人が受講しているそうです。
この他、学習塾支援事業としてNOVAホールディングスと業務提携し、同社運営の個別指導塾「ITTO個別指導学院」のフランチャイズ運営支援を行っています。
また、インターナショナルスクール事業やFind!アクティブラーナー事業、フォーサイト手帳事業や企業向け研修・コンサルティング事業、外食フランチャイズ支援事業など複数の事業を手掛けています。
※有価証券届出書引用
DX推進事業は、株式会社FCEプロセス&テクノロジーが運営し、純国産RPAソフトウェア「Robo-Pat DX(ロボパット ディーエックス)」を開発、提供しています。
RPA(Robotic Process Automation)は、パソコン内の業務を自動化する取り組みを表す言葉になります。
オフィスで日常的に行われている作業をソフトウェアロボットにあらかじめ登録しておくことで、人が操作をしなくてもパソコンに自動的に作業を行わせることが可能になります。
人間の仕事を奪われると言った逆の効果もありますが、高齢化社会や人口減少により期待されているサービスです。働き方改革や生産性向上の実現に有効だとも言われています。
※有価証券届出書引用
その他事業は、キングベアー出版の名称で「完訳 7つの習慣」等のビジネス書を出版しています。
出版取次店等からの発注を受けて書籍を納品し対価を受領しているそうです。2021年9月期はその他事業だけで2.17億円の売上となっています。
世界的ベストセラーのビジネス書といわれるだけありますね。
FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2017年4月21日、東京都新宿区西新宿二丁目4番1号に本社を構えます。社長は石川淳悦氏(1967年3月12日生まれ)、株式保有率は4.61%(146,700株)です。従業員数30人で臨時雇用者8.8人、平均年齢43.3歳、平均勤続年数6.94年、平均年間給与6,748,000円です。連結従業員数は179人で臨時雇用者は20.9人です。
連結のセグメント別従業員数は教育研修事業106人(臨時11.1人)、DX推進事業39人(臨時0人)、その他4人(臨時1.1人)、全社共通30人(臨時8.8人)となっています。※臨時雇用者数は0.1の誤差が目論見にあります
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
株式会社デュケレ | 1,201,800株 | 37.76% | ○ |
白土 将志 | 195,00株 | 6.13% | △ |
鈴木 甲子雄 | 192,300株 | 6.04% | ○ |
佐藤 陽彦 | 183,300株 | 5.76% | ○ |
近藤 隆 | 171,000株 | 5.37% | ○ |
石川 淳悦 | 146,700株 | 4.61% | ○ |
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合 | 117,000株 | 3.68% | ○ |
上位株主には180日間(2023年4月24日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
また、イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合、みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合の2社にはロックアップ90日間(2023年1月24日まで)と発行価格の1.5倍以上でロックアップが解除される設定となっています。
VC2社の保有株式は134,100株になります。
親引けは41,600株を上限として株式会社PKSHA Technologが引受けます。取引関係の維持と発展を目的としています。
FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が1,460円~1,560円に決定し、上限が想定発行価格のため上場規模は約7.5億円、時価総額約46.8億円のままになります。
教育研修とRPAソフトウエアによる収益が多くを占めておりIPO的にはそこそこ人気だと思います。
上場後に期待できる事業はRPA(業務自動化)になると考えられ、純国産RPAソフトウェアの「Robo-Pat DX(ロボパット ディーエックス)」の開発や提供、そしてコンサルティングが収益を牽引する可能性があります。
親引け先のPKSHA Technolog(3993)とは関係強化が目的のようですね。面白いため将来性に期待したいと思います!
修正値2,300円~2,600円
直前予想3,000円
※注目度B
業績を確認すると2022年9月の連結予想を確認することができました。売上37.20億円となり前期比5.62%増、経常利益4.50億円となり前期比38.89%増になります。
四半期利益は2.90億円となり前期比37.44%増を予想しています。
公開価格が1,560円決定の場合の指標はEPS104.30からPER14.96倍、BPS294.74からPBR5.29倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
PER的には類似企業比較でやや割安に感じます。RPA銘柄とはまだ考えられませんがRPAを意識するとかなり割安です。
長期的には期待できる可能性はありますが、現段階ではPER15倍~PER20倍が妥当なのでは?と考えています。初値2,600円でPER24.92倍になります。ややオーバーシュート気味のようですね!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 354,000株 | 85.01% |
SBI証券 | 12,500株 | 3.00% |
岡三証券 | 12,500株 | 3.00% |
丸三証券 | 10,600株 | 2.55% |
岩井コスモ証券 | 6,400株 | 1.54% |
楽天証券 | 6,400株 | 1.54% |
あかつき証券 | 2,000株 | 0.48% |
東洋証券 | 2,000株 | 0.48% |
水戸証券 | 2,000株 | 0.48% |
マネックス証券 | 2,000株 | 0.48% |
松井証券 | 2,000株 | 0.48% |
極東証券 | 2,000株 | 0.48% |
むさし証券 | 2,000株 | 0.48% |
日本ビジネスシステムズ(5036)以来のスタンダード市場への上場になります。業績が良ければスタンダード市場でも買われるとわかり、東証再編前の東証2部よりもIPOとしてのイメージは良さそうです。
FCE Holdingsの連結の業績は2021年9月期で売上約35.2億円、四半期利益2.1億円です。まずまずの水準だと思います!
IPOとしては吸収金額が想定ベースで約7.5億円と小粒なので利益が狙えそうです。公開株数が多いとは言えないため当選確率は思ったほど高くないと思います。
主幹事のみずほ証券からの抽選申込を忘れずに行っておきましょう!
また小ネタになりますが、貸付ファンドで有名なFunds(ファンズ)が楽天証券と提携しました。
楽天証券も必至だと思いますが、ファンズにとっては800万口座を有する楽天証券は大きなメリットになると思います。証券会社と提携するメリットはかなりあると思います。※2022年10月07日調べ
私の投資実績や口コミなどを下記記事にまとめてみました。よかったら参考にしてください!
Funds(ファンズ)に50万円入金し実際に投資を行いました。なぜ評判や評価が高いのか?どうしてリスクが低いのかを調べたので参考になればと思います。上場企業に資金を貸し出す形なので投資家の背負うリスクが低くなり、デフォルト …
また、証券会社が運営するクラウドファンディング企業も増えてきました。
直近で面白いレポートをサムライ証券で見つけたので記事を作成してみました。よかったら下記記事も参考になればと思います。
SAMURAI FUNDでは現金キャッシュバックキャンペーンも行われているため資金が余っていればお得だと思います。
サムライファンド(SAMURAI FUND)で現金キャッシュバックキャンペーンが行われているため調べてみました。Amazonギフト券や楽天ポイントではありません。 デポジット口座に入金されるタイミングも早く再投資に回せそ …
類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
ビジネス・ブレークスルー(2464) | PER6.5倍 | PBR1.28倍 |
チエル(3933) | PER13.7倍 | PBR3.12倍 |
識学(7049) | PER-倍 | PBR1.95倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2019年7月05日~2027年7月02日 | 94,500株 | 167円 |
2020年9月28日~2028年9月24日 | 179,100株 | 184円 |
2021年9月25日~2029年9月24日 | 22,500株 | 1,167円 |
2021年1月01日~2029年9月29日 | 195,000株 | 1,167円 |
2022年8月31日~2030年8月23日 | 18,600株 | 1,184円 |
ストックオプション(新株予約権)は509,700株全てが上場時に行使期限を迎えます。
目論見には新株予約権による潜在株式が509,400株との記載があり、株式総数の14.51%に相当するとあります。上場承認時のデータ比較では誤差があるようです。
FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
FCE Holdings(エフシーイーホールディングス)のIPOは人気化するのか微妙だと思いますが、公開価格割れはないと考えています。2022年9月期の連結予想では増収増益となる予想が出ています。
※エフシーイーホールディングス公式サイト引用
RPA市場はコロナ禍以前にも期待されていましたが、コロナ禍においても成長が期待されています。また新型コロナウイルス感染症により市場環境の変化が起き同社には追い風のようです。
教育サービスの市場には競合が多数存在すると確認されています。同社としては今後も「7つの習慣®」のブランド力を強みに差別化を図る方針だそうです。
研修会社やコンサルティング会社等多数の企業が参入してきているようです。DX推進事業についても競合が多数あるようです。
RPAやeラーニングサービス等の提供を行い、IT技術を持っているためIPOではそれなりに人気だと思います。
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