キットアライブ(5039)のIPOがアンビシャスに新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。久しぶりの地方上場になり主幹事の力不足も考えていたほうが良いかもしれません。


主幹事はアイザワ証券が務め公開株数313,000株、オーバーアロットメントはありません。上場規模は想定発行価格1,410円から計算すると約4.4億円になります。


キットアライブ(5039)IPOが上場承認
※キットアライブ公式サイト引用


Salesforce(セールスフォース)系のIPOなので基本的に人気化すると考えています。グロース市場への上場であればかなり人気が見込めると思いますが、事業規模が小さいため地方上場を選択したように感じます。


業績は増収増益傾向となっていますが、今後もその傾向が続くのかやや疑問も残ります。とは言っても取引先企業を確認すると大手企業名を確認できるため、一定の信頼や信用があると考えています。


問題は事業規模が小さいことでしょう。


セールスフォースと言えば爆上げIPOだと思いつつも、流石に札幌証券取引所のアンビシャス市場なので需要は限られると思います。


初値は公開価格割れしない可能性が高いと現段階で考えていますが、株価設定などをしっかり確認した後に投資を行うべきだと思います!


キットアライブ(5039)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日9月28日
市場アンビシャス
業種情報・通信業
事業内容企業のクラウドシステム導入時における設計・開発・保守のワンストップサービス、SaaS 型製品販売企業向けの技術検証・開発・公開・運用支援サービス
ブックビルディング9月07日~9月13日
想定価格1,410円
仮条件1,230円~1,410円
公開価格1,410円
初値結果1,666円(公開価格1.18倍)
企業情報https://www.kitalive.co.jp/
監査人監査法人銀河
手取金の使途
  • 従業員募集費
  • 本社改装費


項目株数データ
公募株数50,000株
売出株数263,000株
公開株数(合計)313,000株
オーバーアロットメント0株
上場時発行済み株数1,253,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約17.7億円
幹事団アイザワ証券(主幹事)
SBI証券
岡三証券
北洋証券
東洋証券
マネックス証券
委託見込岡三オンライン
SBIネオトレード証券


キットアライブ(5039)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,410円を基に吸収金額を算出すると約4.4億円となります。オーバーアロットメントは設定されていません。


創業者の嘉屋雄大氏が2007年に株式会社ウイン・コンサル内でサービスをSaaSで展開するためのシステム基盤を検討する中で、「Salesforce, Inc.」が開発・提供するクラウドサービスである「Salesforce」を見つけたことが創業のきっかけだそうです。


クラウドに対する需要の増加が予想されたため事業の将来性を考えて、親会社のテラスカイから出資を受け、2016年8月に株式会社キットアライブを設立しています。


2016年10月に株式会社ウイン・コンサルよりセールスフォース・ドットコム事業部の事業を譲り受け営業を開始しています。収益規模も小さいため親会社の力が必須だったと思われます。


キットアライブ(5039)の業績
※有価証券届出書引用


同社は「Salesforce, Inc.」が提供するクラウドサービスである「Salesforce」を基盤としたシステム開発を行い、DXを実現していくクラウドソリューションを顧客に提供しています。


Salesforceの開発・運用保守を行う「Salesforce導入支援」を主力にしているようですね。


また、Salesforce上で優れたビジネスアプリケーションを提供することができるマーケットプレイスの「AppExchange」で販売されるSaaS型アプリケーション構築を支援する「Salesforce製品開発支援」を行います。


これら2つのサービスを中核とし事業展開を行います。この他、Salesforce等のライセンス販売も行っているそうです。


キットアライブ(5039)IPOの事業概要
※有価証券届出書引用


事業の特徴を調べると同社は業務改革を顧客と共に行っていくことで、Salesforceに関する専門知識を提供しています。


また、顧客が主体的にITを活用しDXを実現することを支援しています。


ITの専門部門が存在しない中小企業や、新規ビジネス立ち上げ時の企業等、予算規模が小さい顧客を対象とした少人数・短納期のプロジェクトを得意としているそうです。


キットアライブ(5039)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


Salesforce(セールスフォース)導入実績が多数あり、スタートアップや中小企業等の小規模の導入支援に強みを持っている企業となっています。


事業はIPO的に好まれると思いますが、事業規模や収益の低さが問題となりそうです。機関投資家需要は期待できないでしょう。


個人投資家主体の売買となることが予想されます!


キットアライブ(5039)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2016年8月26日、札幌市北区北7条西1丁目1番地5丸増ビルNo.18(9階)に本社を構えます。社長は嘉屋雄大氏(1976年8月24日生まれ)、株式保有率は27.55%(400,000株)です。


従業員数47人で臨時雇用者11人、平均年齢32.4歳、平均勤続年数3.2年、平均年間給与5,445,801円です。


セグメントはクラウドソリューション事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社テラスカイ700,000株48.21%
嘉屋 雄大400,000株27.55%
Salesforce Ventures LLC.170,000株11.71%
株式会社ウイン・コンサル100,000株6.89%
北洋SDGs推進投資事業有限責任組合33,000株2.27%×
関 崇匡25,000株1.72%
内田 みさと10,000株0.69%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年3月26日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


北洋SDGs推進投資事業有限責任組合が保有する33,000株は全て売出株として売却予定となっています。


また、上場前の第三者割当等によるストック・オプションとしての新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引け設定はありません。


キットアライブ(5039)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が想定発行価格を上限とし1,230円~1,410円に決定しました。このため上場規模は最大約4.4億円になります。


地方市場への上場と業績規模が低いこと、さらに割安感がないことなど不安材料もあります。実質的にテラスカイと親子上場とも言えますからね。


大手情報では詳しい内容が出ていますが、まとめると地方上場のため強弱あるものの買い優勢となる予想となっています。増収減益を毛嫌いする程の業績でもないため需給不安は個人的にもないと思います。


と言うことで当選しないと思いつつ、ほぼ全力で抽選に参加したいと思います!


大手初値予想1,500円~2,000円
修正値1,500円~1,700円
直前予想1,500円

※注目度C


業績を確認すると2022年12月期の単独予想を確認することができました。それによれば売上6.90億円となり前期比19.58%増、経常利益1.14億円となり前期比1.72%減となります。


四半期利益は0.75億円となり前期比2.60%減を予想しています。


公開価格が1,410円決定の場合の指標はEPS61.59からPER22.89倍、BPS406.42からPBR3.47倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


過去に地方上場で人気が見込めた銘柄の初値が好調だったため今回も期待されているようです。


実質的に親会社にあたるテラスカイ(3915)を買ったほうが良いのではないか?という意見は「ごもっとも」だと思います。


ただ上場時はそれほど意識する投資家は少なく資金も入りやすいため初値で利益が狙えそうです。主幹事に口座がないと当選は厳しそうですけどね。


幹事名割当株数引受割合
アイザワ証券(主幹事)265,900株84.95%
SBI証券11,000株3.51%
岡三証券11,000株3.51%
北洋証券9,400株3.00%
東洋証券9,400株3.00%
マネックス証券6,300株2.01%


事業規模が小さいながら増収増益傾向にある企業なのでIPOでは利益が見込めそうです。地方市場のアンビシャス上場となり、情報通信業なので買われる可能性が高そうです。


ただし地方上場で主幹事がアイザワ証券のため深追い厳禁のIPOとなるかもしれません。キットアライブの他に優良IPOが出てくると選ばれない可能性もあるためよく考えて参加しておきましょう。


吸収金額は地方としてはやや大きめになり、大手店頭証券が幹事入りしていいないため状況によっては不参加でも良いかもしれません。私はとりあえず参加のスタンスです。


また、IPOの他に利益をコツコツ得られるクラウドファンディングにも投資を行ってみませんか?


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類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
コムチュア(3844)PER23.57倍PBR5.25倍
BeeX(4270)PER18.86倍PBR3.04倍
システムサポート(4396)PER14.59倍PBR4.18倍
※2022年9月06日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年4月13日~2029年4月12日150,000株100円
2023年5月29日~2031年5月28日14,000株248円
2023年10月01日~2031年9月30日85,000株1,668円


ストックオプション(新株予約権)は150,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数1,203,000株に対する新株予約権の割合は20.7%に相当します。新株予約権による潜在株式数は249,000株です。


キットアライブ(5039)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

キットアライブIPOは大手情報を一度確認してから申し込みスタンスを決定したほうがよさそうです。


アンビシャス市場への上場も心配ですがアイザワ証券が主幹事なので需給不安があります。基本的に問題ないと思いますが2022年のIPOは難しさがあります。


キットアライブ(5039)IPOのまとめ
※キットアライブ公式サイト引用


クラウド市場はDX実現や業務の効率化に対する企業期待などが高まり注目されています。さらにコロナ禍によりDXを意識した企業が増加傾向にあります。


クラウドが一般的になり大手企業では導入が進んでいます。同社の場合は事業規模が小さい企業を対象としていることから収益性にも問題があるように思います。


サポートの手間が掛かりますからね。


ただSalesforce(セールスフォース)に特化した企業であることは好感できます。既に多くの企業が上場し競合も多いため上場後は類似企業とPER的に同等もしくは低くなる可能性があります。


セールスフォースと言う強みがあり逆に依存していることは気にかけておきましょう。また、過去のシステム導入の経験と実績が、新たな案件の受注獲得へと繋がると考えているようです。


親会社のテラスカイは上場により同社の保有株式が50%未満となる予定となっています。そのため関連会社となる予定ですが筆頭株主であることは変わりません。


将来の売り圧力になる可能性もあり注意が必要でしょう!


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