HOUSEI(ホウセイ)[5035]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。基本的に人気化すると思いますが上値をどんどん追う展開はないと考えています。


主幹事はみずほ証券が務め公開株数1,813,000株、オーバーアロットメント271,900株です。上場規模は想定発行価格420円から計算すると約8.8億円になります。


HOUSEI(ホウセイ)[5035]IPOが上場承認
※ホウセイ公式サイト引用


事業は情報システム事業を主力事業とし新聞社及び通信社からの売上げが多くなっています。


メディア業界向けの情報システム開発・運用・保守事業などを得意としSI(システムインテグレーション)を主体とした事業になります。


目論見には新聞業界はネット専業メディアとの競争により販売部数や広告収入が減少し業界が縮小するとされています。その様な企業を同社はターゲットにしているためリスクがあるようです。


直近の売上を確認してみると聖教新聞社への売上げが2021年12月期で23.4%になっています。ある程度依存しているようにも感じます。


直近では新規事業としてAI顔認証ソリューションシステム等の製品開発等に注力しているそうなので、業績期待はあるものの日本には優位性を持つ企業が既にいます。


IPOでは人気でもその勢いを維持するのは難しそうですね。短期筋が抜けると株価低迷となる可能性がありそうです。時価総額は想定ベースで約28.4億円しかありません。


HOUSEI(ホウセイ)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日7月28日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容情報システム開発・運用・保守事業、及び自社開発の情報システム・ソフトウエア・クラウドサービスを提供する事業、並びに中国の消費者向けに日本製品を販売し、そのためのクラウドサービスを提供する事業
ブックビルディング7月11日~7月15日
想定価格420円
仮条件380円~400円
公開価格400円
初値結果580円(公開価格1.45倍)
企業情報https://www.housei-inc.com/
監査人太陽有限責任監査法人
手取金の使途
  • 研究開発費用
  • 増加人件費等の運転資金


項目株数データ
公募株数850,000株
売出株数963,000株
公開株数(合計)1,813,000株
オーバーアロットメント271,900株
上場時発行済み株数6,754,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約28.4億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
SBI証券
楽天証券
あかつき証券
いちよし証券
松井証券
マネックス証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


HOUSEI(ホウセイ)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格420円を基に吸収金額を算出すると約7.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約8.8億円規模の上場となります。


ホウセイグループは、新聞社や出版社をはじめとするメディア業界向け情報システム開発やその運用・保守事業(メディア事業)、さらに製造業や金融業等の各種事業者向けの情報システム開発等(プロフェッショナルサービス事業)を行っています。


また、自社開発の情報システム・ソフトウエア・クラウドサービスを提供する事業、中国の消費者向けに日本製品を販売し、そのためのクラウドサービスを提供する越境EC事業を行っています。


同社グループは同社と連結子会社2社の合計3社で構成されています。また今期第27期からセグメントが「情報システム事業」「越境EC事業」の2つになるそうです。


理由は越境EC事業の量的重要性が増加したためだそうです。


HOUSEI(ホウセイ)の業績
※有価証券届出書引用


情報システム事業では、システムインテグレーションを主体として受託システム開発、自社で開発・制作したソフトウエア・クラウドサービス等を販売するプロダクト販売等を行っています。


システム開発分野では元請け型になり、コンサルティングからシステムの設計・構築・プログラム開発、及び運用・保守のアフターフォローまで情報システム構築に係る全行程を自社グループ内で提供するワンストップソリューションの実現を目指しています。


気になる材料は顧客から受託したシステム開発の重要部分を子会社に開発委託している部分です。何故なら中国武漢のシステム開発子会社に委託しているからです。


日本と中国との関係が悪化した場合のリスクは中長期的にあるかもしれません。


第27期第1四半期では情報システム事業が売上の98.5%を占めています。越境EC事業は1.5%になります。


HOUSEI(ホウセイ)IPOの情報システム事業
※有価証券届出書引用


メディア事業は、新聞社や出版社などの紙媒体メディア事業者に対して、紙面構成を決める組版システや紙面管理システム、制作システム、広告管理システム、営業管理システム等の受託開発並びに保守を行っています。


プロフェッショナルサービス事業は、金融業、製造業、小売業等のメディア業界以外の業界向けのシステム開発並びに保守を手掛けています。


プロダクト推進事業は、自社開発のシステムやソフトウエア及びクラウドサービス並びに保守を提供し、顔認証システムやクラウド型CRMシステムなどの実績があります。


HOUSEI(ホウセイ)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


越境EC事業は同社の国内子会社24ABが「越境ECプラットフォーム24ABC」を運営し、中国の消費者向けに日本の製品を販売する越境ECショップが開設できるECプラットフォームを提供しています。


中国の個人輸入代行業者向け越境ECサービスとして、化粧品や日用雑貨等の消費財の販売を行っています。


元々、中国向けに日本マーケット開拓を目的として設立された経緯がある企業なので、越境EC事業には違和感がありません。


本来は商業印刷システムや新聞・出版社向けトータルシステムの開拓が目的ですけどね。


HOUSEI(ホウセイ)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は1996年3月15日、東京都新宿区津久戸町1番8号神楽坂AKビル9階に本社を構えます。社長は管祥紅氏(1967年1月22日生まれ)、株式保有は目論見上で確認できません。


従業員数157人で臨時雇用者14人、平均年齢41.4歳、平均勤続年数8.0年、平均年間給与6,028,000円です。連結従業員数は326人で臨時雇用者は27人です。


連結会社のセグメント別従業員数は、情報システム事業285人(臨時23人)、越境EC事業9人(臨時3人)、全社共通32人(臨時1人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
佰瑞祥鴻(香港)有限公司2,347,000株38.28%
KSK合同会社2,315,500株37.76%
EPSホールディングス株式会社900,000株14.68%
メディカル・データ・ビジョン株式会社187,500株3.06%
篠崎 弘美118,800株1.94%×
石 自力30,500株0.50%
芦野 雄一14,300株0.23%×
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年1月23日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。また、篠崎弘美氏は売出株で113,000株を処分することになっています。


親引けは行われません。


HOUSEI(ホウセイ)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が380円~400円に決定し上限は想定発行価格の420円を下回ります。割高感があったとは思いませんが成長性を考えて下げられた可能性があります。


同社のビジネスは新聞社などのメディア業界を対象としたシステムに強みを持っています。しかし、紙媒体のメディア事業は縮小傾向にあることが想定されるため将来性を考えた場合に不安があります。


中長期的に現状のままでは事業規模が縮小していくことが目に見えてわかるため、他の収益を探すことが生き残るポイントだと考えられます。


競合他社の撤退などがあり同社の業績は好調となっています。しかし、機関投資家の評価はあまり良いとは言えないようです。


大手初値予想700円~1,000円
修正値500円~600円
直前予想560円

※注目度B


業績を確認すると2022年12月期の連結予想を確認することができました。売上44.75億円となり前期比9.09%増、経常利益3.92億円となり前期比38.03%増となります。


四半期利益は2.73億円となり前期比0.74%増を見込みます。


公開価格が400円決定の場合の指標はEPS43.57からPER9.18倍、BPS443.39からPBR0.90倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


成長イメージが良いとは言えない状況ですが、短期資金を呼び込むことは可能だと考えています。需給不安があるように感じますが個人的には問題ないと思います。


中国子会社の存在が大きく業績に影響する状況、さらに代表の管祥紅氏が中国湖北省の出身であることからカントリーリスクもあると思います。


同日上場のunerry(ウネリー)に資金が向かいやすいことを考えても公開価格割れは避けられると思います。公募組は利益を狙えるIPOだと思うので積極的に参加してもいいと考えています。


割れる可能性は低いと思いますが、将来性を求めて投資するタイプの銘柄ではなさそうです。割安の株価設定はパニック売りを防げるはずです!


幹事名割当株数引受割合
みずほ証券(主幹事)1,577,600株87.02%
SBI証券181,300株10.00%
楽天証券18,100株1.00%
あかつき証券9,000株0.50%
いちよし証券9,000株0.50%
松井証券9,000株0.50%
マネックス証券9,000株0.50%


しっかり利益が出ているため初値売却益が見込めそうです。株単価も低く投機的な資金を呼び込むことができると思います。


公開株数も多いため当選確率は通常よりも高そうです。ただ利益は数万円出れば良い方かもしれません。初値が倍々になる勢いはないと思います。


公開株数が多いためSBIネオトレード証券での取扱いも期待できるかもしれません。基本的にSBI証券が主幹事を引受けた場合に取扱いが見込まます。たまに平幹事でも取扱いが行われています。


IPOルールは下記記事でまとめています。




また、FXの自動売買で新しいサービスを始めたマイメイトも人気です。AI(人工知能)を搭載しているため自分でエージェントを教育することで利益を積み上げることができます。


エージェントは自分がトレードを任せる「マイメイト」になります。興味があれば下記記事でガッツリ説明しているので参考になればと思います。


今月末まで2万ポイント貰えるタイアップ特典が付いています。その辺りも記事で説明しています!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
Ubicomホールディングス(3937)PER32.42倍PBR8.1倍
ベース(4481)PER19.56倍PBR5.76倍
エアトリ(6191)PER28.33倍PBR6.13倍
※2022年7月09日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2020年12月29日~2028年12月28日100,700株800円
2020年12月29日~2028年12月28日6,800株800円
2023年7月01日~2031年6月30日120,400株800円


ストックオプション(新株予約権)は107,500株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数5,904,000株に対する新株予約権の割合は3.9%に相当します。新株予約権による潜在株式数は227,900株です。


HOUSEI(ホウセイ)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

HOUSEI(ホウセイ)[5035]のIPOは人気があると思います。ただ短期筋がトレードをしなくなると面白みがない株になりそうです。


ベンチャーキャピタル出資がないため売り急ぐ株主はいないかもしれませんが、盛り上がるには事業内容がいまいちのような気がします。


同日上場のunerry(ウネリー)のほうが人気だと思います。


HOUSEI(ホウセイ)[5035]IPOのまとめ
※ホウセイ公式サイト引用


業績が良いため現段階で問題はないと思います。上場後の取り組みとしてはヘルスケア領域のシステム開発事業等の新規事業を行っていくとされています。


将来的なリスク分散のために色々と考えていることが伺えます。


北大方正集団が元は親会社になりますが、2014年にマネージメント・バイ・アウトを行い同社代表の管祥紅が100%株主となった経緯があります。そのため資本関係は解消されています。


また、中国のソフトウエア技術者の人件費が高騰しているそうなので、子会社の人材が流出する可能性も否定できないかもしれません。子会社が重要なポイントを押さえているように感じます。


IPOに当選したら上場日に売却したい銘柄だと考えています。


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