タンゴヤ(7126)のIPOがジャスダックに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数210,000株、オーバーアロットメント31,500株です。上場規模は想定発行価格1,570円から計算すると約3.8億円になります。
初値倍率が凄そうな極小規模のIPOが登場しました!!
※タンゴヤ公式サイト引用
ただオーダースーツの企画・販売を行う企業のためコロナ禍を考えると微妙だと思います。初値2倍はクリアーしてくると思いますが、初値持越しはどうだろうか?と感じています。
直近ではコロナ前の第72期が最高益となっています。オーダースーツで約5.37億円の四半期利益はスゲーと思いましたが、その後は勢いがありません。
今期も第3四半期で1.52億円の利益は凄いと思いますが、コロナ禍が改善する見通しが危ぶまれているため不安があります。
また設立から72年以上経過し老舗企業となっており「今更上場しなくも?」と思うところがあります。しかしベンチャーキャピタル出資も行われているため、VCの資金回収にも利用されそうです。
ロックアップはかかっていますが、上場規模を絞ってきているあたりが少しいやらしいと感じます。業種的にも仕方がないと思いますけどね。
タンゴヤ(7126)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | JASDAQスタンダード |
業種 | 小売業 |
事業内容 | メンズ、レディースのオーダースーツ及びオーダーシャツ等の企画・販売 |
上場日 | 8月24日 |
ブックビルディング期間 | 8月05日~8月12日 |
想定価格 | 1,570円 |
仮条件 | 1,540円~1,600円 |
公開価格 | 1,600円 |
初値結果 | 1,703円(公開価格1.06倍) |
監査人 | 仰星監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額192,216千円については、「1新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当による自己株式の処分の手取概算額上限45,498千円と合わせた手取概算額合計上限237,714千円について、設備資金として①事業拡大に向けた新規出店のための販売設備、②事業拡大に対応するための基幹システムの開発資金にそれぞれ充当する予定。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 140,000株 |
売出株数 | 70,000株 |
公開株数(合計) | 210,000株 |
オーバーアロットメント | 31,500株 |
上場時発行済み株数 | 1,751,372株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約27.5億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SMBC日興証券 野村證券 SBI証券 マネックス証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 auカブコム証券 |
タンゴヤ(7126)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,570円を基に吸収金額を算出すると約3.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.8億円規模の上場となります。超軽量級のIPOなので公開価格割れはないと思いますが、需要がどの程度あるのか先読みが難しそうです。売上も結構凄いですし利益もある程度出ています。ただ業績が鈍化傾向にあるため今期予想を確認しないと判断ができません。第72期の売上が97億円を超えているため驚きました!
タンゴヤの前身は、1928年大阪府大阪市東区(現中央区)において、田丸正二氏が毛織物卸売商「丹後屋羅紗店」を個人創業したことに始まります。
その後、1949年に「株式会社丹後屋羅紗店」として法人化、1964年に現在の「タンゴヤ株式会社」へ商号変更し、2009年には当時グループ会社であったデパーチュアにて主たる事業である「Global Style」ブランドを立ち上げ、2012年11月にデパーチュアを吸収合併し現在に至っています。
※有価証券届出書引用
事業はメンズとレディスのオーダースーツ及びオーダーシャツ等の企画・販売を主たる事業としています。
主な取扱品目はオーダースーツやオーダーシャツ、オーダーコート、オーダーシューズであり、その他関連商品については既製商品(ネクタイ、ベルト等)の販売を行います。
※有価証券届出書引用
同社商品を販売しているのは札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、京都、福岡、広島、熊本、鹿児島に27店舗を展開しています。
主な店舗業態としてプライベートフィッティングルームを設置している「GINZA Global Style」を中心に2019年8月から店内にウェイティングカフェを併設した「GINZA Global Style COMFORT」業態も積極展開しています
また、レディスオーダースーツは2018年10月に「GINZA Global Style Ladies」ブランドを立ち上げ、13店舗で販売を行っています。
さらに上記実店舗に加え、2020年6月に「GSオンラインオーダーサービス」を開始し、オンラインでもオーダー商品を注文できる販売チャネルの構築も行っています。
※有価証券届出書引用
GINZA Global Styleは、「高感度で高品質、且つ低価格から中価格のお買い得感のあるオーダービジネスウェアをご提供する」という上質感と選ぶ楽しさを付加した店舗業態となっています。
1着あたり24,000円(税別)~100,000円未満(税別)の価格帯になるそうです。また、最大の特徴は「プライベートフィッティングルーム」です。
オーダーメイド商品は既製服と違い、採寸、生地選びなど顧客にとって時間のかかるプロセスがあるため、その時間を最大限に楽しんでいただけるよう店舗環境を整備したことが特徴です。
無料で個室空間を貸切ることができるため家族や友人、会社の同僚の方々とも気兼ねなくオーダーを楽しむことができます。この他にも店舗ごとに特徴があり、顧客ファースト目線で営業を行っています。
タンゴヤ(7126)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第72期 | 第73期 |
決算年月 | 2019年7月 | 2020年7月 |
売上高 | 9,720,122 | 9,017,925 |
経常利益 | 632,691 | 257,098 |
当期純利益 | 537,714 | 184,799 |
資本金 | 80,000 | 80,000 |
純資産額 | 683,122 | 815,230 |
総資産額 | 5,397,594 | 6,069,860 |
1株当たり純資産額 | 518.57 | 618.86 |
1株当たり当期純利益金額 | 397.43 | 140.29 |
自己資本比率(%) | 12.7 | 13.4 |
自己資本利益率(%) | 85.2 | 24.7 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | 10.1 | 10.0 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 342,406 | △713,742 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 517,475 | △155,153 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △555,190 | 1,270,265 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,020,809 | 1,421,969 |
- 売上高6,427百万円
- 営業利益227百万円
- 経常利益237百万円
- 四半期純利益152百万円
オーダースーツ業界では、新型コロナウイルス感染再拡大による消費マインドの悪化や大企業を中心とした出社制限や在宅勤務の広がりなど、働き方の変化によるスーツ需要の落ち込み等の影響を大きく受けています。
しかし、新規出店やGSオンラインオーダーサービスでの積極的な営業施策等を推進しているとあります。表参道店、札幌パルコ店、クラックス仙台店に出店しています。さらに大名古屋ビルヂング店を増床し新規顧客獲得に大きく寄与しているそうです。
タンゴヤ(7126)の株主状況とロックアップについて
会社設立は1949年4月26日、大阪市中央区淡路町三丁目5番1号に本社を構えます。社長は田城弘志氏(1965年3月15日生まれ)、株式保有率は26.62%(409,241株)です。従業員数218人で臨時雇用者0人、平均年齢33.0歳、平均勤続年数5.0年、平均年間給与3,567,000円です。オーダースーツの販売店舗を運営する事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
田城 弘志 | 409,241株 | 26.62% | ○ |
株式会社GSマネジメント | 382,000株 | 24.84% | ○ |
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合 | 170,000株 | 11.06% | ○ |
田丸 祥一 | 84,670株 | 5.51% | × |
三菱UFJキャピタル6号投資事業有限責任組合 | 65,000株 | 4.23% | ○ |
鷹岡株式会社 | 50,000株 | 3.25% | × |
ナントCVC投資事業有限責任組合 | 50,000株 | 3.25% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である田城弘志並びに当社株主かつ当社役員である佛圓悠馬、名本育広、吉田招代、中川智雄及び当社株主である株式会社GSマネジメントは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2022年2月19日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。
この他、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタル6号投資事業有限責任組合、ナントCVC投資事業有限責任組合には90日目の2021年11月21日までのロックアップ適用となり、発行価格の1.5倍以上でロックアップ解除となります。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には180日間(2022年2月19日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定はありません。
この他、ベンチャーキャピタル3社に対して90日間(2021年11月21日まで)のロックアップと、ロックアップ解除倍率1.5倍が設定されています。
親引けは17,000株を上限としてタンゴヤ社員持株会が引受先となり実施予定です。
タンゴヤ(7126)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が1,540円~1,600円に決定しました。吸収金額は最大で3.9億円になり時価総額は28.0億円を見込んでいます。
紳士服市場はコロナ禍やクールビズなどにより低迷しているようですが、オーダースーツ市場は成長を続けているようです。
これは意外な結果だと個人的に感じますが、類似企業の業績が悪化しているにも関わらず同社業績は安定しています。そのため評価対象になると考えられます。
問題はロックアップが解けた後に売却してくると思われる株主です。ベンチャーキャピタルや創業家と思われる株を確認すると29万7,700株あるためこれが問題となっています。
修正値2,200円~2,500円
※注目度C
2021年7月期の単独業績予想は売上83.16億円となり前期比7.77%減になります。経常利益は3.12億円となり前期比21.40%増を見込みます。
四半期利益は2.07億円となり前期比12.5%増を予想しています。減収となりますが利益は前期を超えてきます!コロナ禍で上場タイミングを逃がしたようにも感じますが、一定の評価はできると考えています。
また、EPS157.41からPERは10.16倍、BPS762.00からPBRは2.10倍になります。PERは低く抑えられているため初値利益が狙えそうです。さらに配当金が15.71円出ることになっており、配当利回りは0.98%になります。
様々なメディアを確認した感じでは、オーダースーツ市場で生き残っているためプレミアム的な初値が期待できるようです。ただロックアップが外れる公開価格1.5倍以上は気を付けたほうがよさそうです。
創業家は経営から撤退していますが、関係者と思われる株主も複数人存在しています。ロックアップが掛かっていないため早期売却を行う可能性があります。本来であれば3,000円以上の株価を狙っていたようですがコロナで一変したと言えます。
今回の上場はVC資本が入っているためとにかく上場させたい思惑があると感じます。公募組は公開価格1.5倍の初値が最低でも狙えると考えています!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 178,500株 | 85.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 10,500株 | 5.00% |
SMBC日興証券 | 8,400株 | 4.00% |
野村證券 | 8,400株 | 4.00% |
SBI証券 | 2,100株 | 1.00% |
マネックス証券 | 2,100株 | 1.00% |
公開株数が少ないため主幹事を落とすと当選は難しいように思います。平幹事に資金を用意し入金を行っても厳しいでしょう。それでも当選できる方はいると思いますが完全に運です!
上場規模が小さいため初値2倍程度は見込めるのかもしれませんが、老舗企業の小売業に資金が集まるのか微妙です。公開価格割れはないでしょう。
入金の必要がないのは野村證券だけとなっています。口座開設している方は申込んでおきましょう。
逆に資金拘束されるマネックス証券も株数が少ないため今回は激戦だと思います。とりあえず申込を行う投資家は一定数いるでしょうからね。
マネックス証券のIPOルールについて詳しくまとめました。評判が良いことはわかっていますが、完全抽選方式を取り入れているため誰にでも当選チャンスがある証券会社です。当選実績も合わせてご紹介したいと思います。 …
また、IPOが少ない時期に証券口座の準備を行っておきましょう。
大和証券グループのCONNECT(コネクト)の証券口座の準備はできていますか?大和証券が主幹事を引受ける時は忘れずに申込を行っておきたい証券会社です。
IPOルールは下記記事でまとめています!
大和コネクト証券でIPOの取扱いが発表されました。IPOルールや抽選に参加する際の注意事項などを徹底的にまとめてみたので、応募を行う前に確認を行っておきましょう。実は凄いことに気が付きました。当選確率を高める方法 …
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詳しくは下記記事にまとめています。インタビュー記事なども見ることができます!
WARASHIBE(ワラシベ)で会員登録キャンペーンが行われます。口座開設だけでAmazonギフト券2,000円分が貰えるため興味がある方は急いで申込を行ったほうがよいでしょう。先着1,000名という条件が設定されていま …
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
オンリー(3376) | PER35.79倍 | PBR0.37倍 |
タカキュー(8166) | PER-倍 | PBR2.33倍 |
青山商事(8219) | PER14.46倍 | PBR0.21倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2020年4月17日~2028年4月16日 | 220,300株 | 521円 |
ストックオプション(新株予約権)は行使期限に全株が入っています。
権利行使期間の開始日にあたる2020年4月17日もしくは「上場した日のいずれかの遅い日から行使できる」と行使条件にあります。そのため上場直後から行使可能となっています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。タンゴヤ(7126)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ
タンゴヤIPOは投資家にもわかりやすい事業なので好みがはっきり分かれそうです。業績の鈍化が気になりますがコロナ禍がおさまらないと事業の抜本的改善は難しそうです。企業努力だけでは長続きしないと考えられます。
※タンゴヤ公式サイト引用
上場後に取り組む強化施策として来店客数の増加や商品戦略などが目論見に書かれています。しかし、日本の現状を見る限り企業努力だけでは難しいでしょう。
また、レディスオーダースーツの販売強化やオンラインオーダーサービスの販売強化などにも取り組むそうです。この他、SNSの活用を行いオムニチャネル戦略による実店舗への送客効果による店舗売上の拡大を狙います。
上場承認時点で27店舗を運営し都心及び全国の政令指定都市への出店が中心となっています。今後は全国政令指定都市に加え、大都市近郊エリアへの出店にも注力していく計画となっています。
業績からも競合企業と比較して優位な状況にあるようにも思えますが、激戦区のためオーダースーツ市場における競争は継続するでしょう。
コロナ禍により在宅で仕事を行う方も増加傾向にあり、生活スタイルも変わりつつあります。タンゴヤにとっては逆風でしょう。
ただIPOの需要を考えると想定で約3.8億円の上場規模のため公開価格割れは考えられません。公募組は積極的にIPO抽選に参加してよさそうです。
店頭に無理して裁量で配分を受けるような銘柄でもなさそうです。
ZUU(4387)のグループ会社が運営するCOOL(クール)に口座開設を行うとAmazonギフト券が1,000円分貰えます。
上場企業や上場企業のグループ子会社へ貸付を行うため比較的安心して投資ができそうです。詳しくは下記記事でまとめています。
ソーシャルレンディングを行っているCOOL(クール)でキャンペーンが行われていました。新規会員登録を行うとAmazonギフト券が1,000円分貰えます。 上場しているZUU(4387)のグループ会社なのでご存知の方も多い …
上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました
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