ロコガイド(4497)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数2,346,700株、オーバーアロットメント244,000株と株数が多いです。想定発行価格1,800円から吸収額を計算すると約46.6億円になります。
※この記事は2020年5月21日の再承認に合わせて最新の情報に更新しています
急成長している企業なのでIPO市場でも注目されると思います。ユーザーは無料で同社サービスを利用できるため利用価値が高いでしょう。
サービス利用店舗数や有料契約店舗数の増加がこれからも期待でき、ビジネス的にも面白いと考えられます。消費税の引き上げなども同社には好材料になったと考えられます。
ジモティー(7082)のように上場後さらに知名度が高くなり業績につながる期待があります。IPOとして考えるとあまり良い感じはしませんけどね。
ロコガイド(4497)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」の運営 |
上場日 | 6月24日(再承認) |
ブックビルディング期間 | 6月08日~6月12日 |
想定価格 | 2,640円⇒1,800円に修正 |
仮条件 | 1,800円~2,000円 |
公開価格 | 2,000円 |
初値結果 | 4,605円(公開価格2.3倍) |
企業情報 | https://locoguide.co.jp/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
【手取金の使途】
差引手取概算額3,880百万円については、販売促進費及び人件費等、地域情報サービスの成長に係る投資資金、また地域等における広告代理事業に係る仕入等のための運転資金に充当する予定であります。業容の拡大のためには、ユーザー獲得のための販売促進活動、優秀な人材を確保し育成する活動、また地域情報領域への取組みに係る活動が重要な課題と認識しております。具体的には以下に充当する予定であります。
①当社ブランドの認知向上及びユーザー数拡大に向けたキャンペーン等の販売促進費 1,135百万円
②折込チラシ領域の小売企業への販売促進等の活動を支えるための人件費及び採用費 1,306百万円
③地域情報サービスの成長に係る投資資金 220百万円
④地域等における広告代理事業に係る仕入等のための運転資金 1,218百万円
当社では、地域情報や地域広告の領域等において、広告代理事業の収益化の取り組みを進めていく予定であります。地域情報に関連するフリーペーパーを発行する企業等を中心として、期毎に注力エリアを設定、拠点を確保した上で当該サービスを推進してまいります。
※なお具体的な資金需要が発生し支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 2,346,700株 |
売出株数 | 0株 |
公開株数(合計) | 2,346,700株 |
オーバーアロットメント | 244,000株 |
上場時発行済み株数 | 9,386,700株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約247.8億円⇒約169億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) クレディ・スイス証券 SBI証券 野村證券 大和証券 マネックス証券 楽天証券 ←後期型抽選 三田証券 ※SMBC日興証券が幹事から外れています |
委託見込 | SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
ロコガイド(4497)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,800円を基に吸収金額を算出すると約42.2億円となり、オーバーアロットメントを含めると約46.6億円規模の上場となります。上場規模が大きく人気が見込めるのか微妙です。※2020年3月の上場承認は約68.4億円規模だったため21.8億円の規模縮小になりますロコガイドは地域情報に関するサービスの提供を行い、ユーザー利便性の向上を目指している企業です。チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」では折込チラシを中心とした日々の買い物情報をパソコンやスマートフォンで簡単に閲覧できる仕組みを作り、小売企業などの経営効率化を支援する事業を行います。
クックパッド(2193)から新設分割によりトクバイを2016年7月に設立し、2016年12月に経営陣によるMBOでクックパッドから独立しています。
トクバイは地域のユーザーと小売企業をつなぐ情報マッチングサイトであり、小売企業には新聞折込チラシの画像データやお買い得商品などを掲載することによる販促支援サービスを、ユーザーにはスマートフォンを中心としたインターネットを通じて、地域の買い物に関する情報が得られるという情報提供サービスを運営しています。
トクバイはユーザーに対して、地域の食品スーパーマーケットや、ドラッグストア、ホームセンターといった小売店舗の情報を無料で閲覧することができる機能を提供しています。
ユーザーはトクバイを利用する際に、郵便番号や位置情報によって普段よく利用するお店を登録することができます。日々更新されるお買い得商品の情報やクーポン、タイムセールといった情報をEメールやスマートフォンアプリのPUSH通知などの形式で受け取ることができるようになります。
また食品など購入を検討している商品情報を閲覧すると、同様の商品が他小売店舗で販売されているかどうか、販売されている場合はいくらで販売されているかといったことがわかり、生活費を節約したいと考えている生活者に利用されています。
さらに買い物する商品などを記録することができるメモ機能も提供しており、日常的な買い物において欠かせないツールとなっています。
小売企業に対しては、インターネットを通じて情報掲載ができる管理機能を提供しています。同機能を利用することで、小売企業の販促部門はパソコンから複数の店舗に対しての情報配信ができ、また各店舗はパソコンに加えスマートフォンから簡単に情報配信ができるようになっています。
掲載できる情報は新聞折込チラシの画像データに加えて、お買い得商品や、旬の商品、タイムセールやクーポン、店頭でのイベント情報などのお知らせといったように多様な種類があります。
小売企業は情報掲載によって得られたユーザーの閲覧数などの効果情報に関しても、管理機能からいつでも確認することができるようになっています。
それによって掲載する情報を改善し、ユーザーによりよい情報を届けるための取り組みを進めることができます。「トクバイ」の利用によって、小売企業においては自社の販売促進費や工数削減、また情報掲載商品の販売増等を実現しています。
情報掲載のプランはSaaS型プラットフォームのサービスとして「無料掲載プラン」と「有料掲載プラン」にわかれています。
利用登録をすることで各機能が利用できるようになり、月額5,000円の「有料掲載プラン」では、チラシ・商品などの基本情報掲載に加えて、クーポンやお知らせなど掲載できる情報が増えます。
また優先的にサイト内で表示されることでユーザーの閲覧数を増加させることができるといった仕組みも提供しています。
小売企業にとって、新聞折込チラシのコスト負担が大きくなる中、「トクバイ」を利用することで新聞折込チラシを削減し、コスト負担を軽減させていくことができ「有料掲載プラン」を利用する小売企業も増加傾向が続いているそうです。
トクバイの主なユーザーは買い物を検討している最中の女性であり、広告主はそういったユーザーに広告配信をすることによって、購買動機を高めることができます。
事業の主な売上高は有料掲載店舗から得られる機能利用料及び「トクバイ」に掲載される広告料収入により構成されています。前期売上10億円、四半期利益1.56億円はちょっと凄いかもしれません。まだ第3期ですからね。ただ企業規模から考えて吸収額が大きいと感じます。
ロコガイド(4497)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第2期 | 第3期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 |
売上高 | 500,887 | 1,008,807 |
経常利益又は経常損失 | △200,017 | 145,684 |
当期純利益又は当期純損失 | △200,547 | 156,625 |
資本金 | 100,000 | 50,000 |
純資産額 | △30,960 | 338,131 |
総資産額 | 387,979 | 694,389 |
1株当たり純資産額 | △6.53 | 45.60 |
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失 | △36.86 | 23.55 |
自己資本比率(%) | △9.2 | 46.2 |
自己資本利益率(%) | – | 109.7 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △159,746 | 272,590 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △5,523 | 39 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 4,611 | 12,479 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 290,974 | 576,083 |
- 売上高1,037,062千円
- 営業利益266,919千円
- 経常利益265,436千円
- 四半期純利益157,050千円
2019年8月01日にトクバイからロコガイドへ商号変更しています。地域の買い物のみならず、地域の生活者の暮らしに欠かせないサービスの開発にも取り組むそうです。
主力事業であるチラシ・買物情報サービス「トクバイ」において更なるユーザー獲得を進めるために、店頭販促の実施等を継続的に行っています。また掲載情報量の拡大に努め専門小売業態でも導入を進めてきたそうです。機能面ではタイムセール等のお得な情報をまとめて見ることができるコーナーを新設し機能開発に取り組んでいます。
ロコガイド(4497)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2016年7月01日、東京都港区三田一丁目4番28号に本社を構えます。社長は穐田誉輝氏(1969年4月29日生まれ)、株式保有率は90.29%(6,796,000株)です。従業員数79人で臨時雇用者13人、平均年齢34.3歳、平均勤続年数2.4年、平均年間給与5,662,000円です。セグメントはインターネットメディア事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
穐田 誉輝 | 6,796,000株 | 90.29% | ○ |
沖本 裕一郎 | 304,000株 | 4.04% | ○ |
前田 卓俊 | 100,000株 | 1.33% | × |
片桐 優 | 68,000株 | 0.90% | × |
池田 拓司 | 50,000株 | 0.66% | × |
林 展宏 | 20,000株 | 0.27% | × |
小野寺 康崇 | 14,000株 | 0.19% | × |
【ロックアップについて】
本募集に関連して、貸株人である沖本裕一郎並びに当社株主である穐田誉輝は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年9月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等を除く)等を行わない旨を合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
穐田誉輝と沖本裕一郎には90日間(2020年9月21日まで)のロックアップが付与されています。またロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍となっています。
親引け設定はありません。
ロコガイド(4497)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は2社掲載予定です。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。※2020年5月21日再承認が発表されたため仮条件発表後に最新の情報を掲載予定です
※注目度A
※注目度5段階中上から3番目
想定発行価格1,800円を下限として仮条件範囲が1,800円~2,000円に決定しました。地合い改善となっているため仮条件引上げは予想できたものの公開株数が多いため200円の引上げで吸収額が5.2億円程度増えます。
5.2億円という数字はコロナ後に上場する企業1社分よりも大きな金額です。ただ大手予想はかなり強気となっています。信じてIPO抽選に参加したいと思いますが、上場日までに地合いが悪化すると規模的に公開価格割れも視野に入る可能性があります。公募組には少し難しいIPOだと思います。
2021年3月期の単独業績予想は売上18.7億円になり前期の14.2億円から31.5%増となっています。経常利益は4.9億円になり前期3.4億円から43.8%増を見込んでいます。新型コロナ感染症が追い風となり会員登録者数も大きく増加しています。クライアントの広告自粛が今後解かれるような展開になると、ロコガイド有料会員数が増加する可能性があるそうです。
ただ大手企業では仮条件設定自体が高値圏にあると指摘があります。前回の承認時想定発行価格が2,640円であったことを考えると見た目には割安感があります。しかし価格設定で大人の事情もあるように感じます。
EPS38.53からPERを計算すると約51.91倍、BPS530.59からPBRを計算すると約3.77倍になります。仮条件上限の2,000円で公開価格が決定すれば初値2,600円をまずは目指す展開とも言われています。
面白いIPOだと思いますが機関投資家の資金が流入しなければ公開価格割れも十分あり得ると思います。個人投資家は利益を狙いの参戦者が多いと思います。初値予想が修正された場合は数値の更新を行います。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 1,643,100株 | 70.02% |
クレディ・スイス証券 | 469,300株 | 20.00% |
SBI証券 | 93,800株 | 4.00% |
野村證券 | 46,900株 | 2.00% |
大和証券 | 23,400株 | 1.00% |
マネックス証券 | 23,400株 | 1.00% |
楽天証券 | 23,400株 | 1.00% |
三田証券 | 23,400株 | 1.00% |
事業内容に興味があるIPOなので抽選申し込みを検討しています。上記でも書きましたが吸収金額が大きく株数も多いため今の地合いで吸収できるのか不安です。機関投資家が参戦してくる上場サイズなので面白そうだと上場承認時点で考えています。
株数が多いため当選確率は普段よりも高いと考えられます。IPO抽選に参加するのかどうかわかれそうな銘柄なので仮条件発表に注目したいと思います。強気で攻めてきた場合は機関投資家の買い需要が見込めそうです!
主幹事みずほ証券の他にはマネックス証券からの抽選参加が期待できそうです。
マネックス証券のIPOルールについて詳しくまとめました。評判が良いことはわかっていますが、完全抽選方式を取り入れているため誰にでも当選チャンスがある証券会社です。当選実績も合わせてご紹介したいと思います。 …
また後期型抽選を行っている楽天証券だと需要申し込みを行っておいて、IPOに当選したい場合にのみ購入申し込みを行いたいと思います。この手法は微妙なIPOの場合に使えるので覚えておくと良いです。
楽天証券のIPO抽選ルール詳細を記事にしてみました。楽天証券と言えば過去のIPO取引実績がかなり多い企業です。しばらく取扱い数が少なかった時期もありますが、ここ数年取扱い数が増加傾向にあり、申込者も減っているようなので当 …
単元未満株をお手軽に買う方法が人気です。LINE証券で新しいキャンペーンが始まっています。簡単なクイズに正解するだけで3株または2株分の購入代金をもらえるキャンペーンが行われています。
LINE証券のサービスを自己分析し評判と評価としてまとめました。投資を行う際のメリットやデメリットについても調べているため参考になると思います。また、投資家の口コミについても取上げています。サービスが …
いずれIPOの取扱いも行ってくるでしょう。SBIネオモバイル証券みたいになるのかな?と考えています。LINE証券の単元未満株の提供はタッグを組んでいる野村證券からだと考えられます。
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
サイネックス(2376) | PER24.4倍 | PBR0.53倍 |
タウンニュース社(2481) | PER0倍 | PBR0.62倍 |
ジモティー(7082) | PER442.34倍 | PBR11.92倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2018年4月01日~2024年3月31日まで | 334,800株 | 139円 |
2019年4月01日~2024年3月31日まで | 152,400株 | 539円 |
ストックオプション(新株予約権)は発行株式総数の6.9%になるようです。また行使期限を487,200株全てが迎えています。
ベンチャーキャピタル出資はありません。
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最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。ロコガイド(4497)IPOの評価と申し込みスタンス
ロコガイドIPOは悪くないですがやはり吸収額が大きいため躊躇する銘柄です。地合いがイケイケ状態だと利益が見込めますが規模が大きいですよね。確実を業績を伸ばしているイメージがあるため業績不安はあまり感じられません。ベンチャーキャピタル出資もないことで公開株式以外の株流通も少ないと思います。
新聞などの折り込み広告市場は急激な規模縮小が続き、同社が属するインターネット広告市場へ取り込みが進んでいるそううです。この流れは今後も続くようです。
同社が収益拡大を行うには、知名度と高度なインターネット技術、そしてサービス開発力だと思います。新事業として地域のよりみち情報サービス「ロコナビ」の運営を開始したそうですが、こちらは売上規模が小さく総売上げの1%未満となっています。
現在のところトクバイによる収益が殆どなので、競合他社が大きな資本を基に参入すれば収益悪化となるようですが、現時点では優位性がありしっかりとした利益が出ているようです。
IPO抽選に悩む銘柄が多くなりIPO投資家も勝負をしなければならないようです。損失を出したくない方はスルーでよさそうです。
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