Kudan(4425)IPOが新規上場承認されました。上場市場はマザーズになり、主幹事はSMBC日興証券が務めます。公開株数は170,900株、オーバーアロットメント25,600株と少ないため当選は激戦でしょう。同社は人工知覚(AP)に特化した企業になりIPOでも人気だと思われます。
業績は急成長しているようなので初値期待が出来ると思います。SMBC日興証券の主幹事が多いため口座がないと2018年12月は楽しめないかもしれません。ソフトバンク共同主幹事も引き受けています。一見、どんな企業なのかわからないあたりが興味をそそります。
半導体やセンサー、カメラなどへ同社のサービスが提供されています。同社によるとAI(人工知能)と同様に重要になる技術がAP(人工知覚)になるそうです。機械が人間のコントロールから離れ、自律的に機能する方向へ向かっているためだそうです。
Kudan(4425)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 人工知覚技術の研究開発及びソフトウェアライセンスの提供 |
公開予定 | 12月19日 |
ブックビルディング期間 | 12月04日~12月10日 |
想定価格 | 3,260円 |
仮条件 | 3,260円~3,720円 |
公開価格 | 12月11日 |
企業情報 | https://www.kudan.eu/ |
【手取金の使途】
差引手取概算額362,401千円については、268,543千円を連結子会社であるKudan Limitedへの投融資資金に、72,407千円を事業展開資金に、15,500千円を本社移転費用に充当し、残額につきましては、平成35年3月期のKudan Limitedへの投融資資金に充当する予定であります。具体的には以下の通りであります。
①投融資資金については、Kudan Limitedが行っているAP(人工知覚)アルゴリズム・組み込み要素技術の研究開発にかかる人件費及び採用費用等として268,543千円を充当する予定であります(平成31年3月期:13,060千円、平成32年3月期:77,779千円、平成33年3月期:79,920千円、平成34年3月期97,783千円)。
②事業展開資金については、主に米国及び中国を中心としてAP(人工知覚)アルゴリズムのライセンス販売拡大のため、事業展開に付随する人件費及び採用費等として72,407千円を充当する予定であります(平成31年3月期4,259千円、平成32年3月期17,037千円、平成33年3月期17,037千円、平成34年3月期17,037千円、平成35年3月期17,037千円)。
③本社移転費用については、平成32年3月期中に当社の本社移転を予定しているため、敷金に係る費用として12,000千円、備品購入等に係る費用として3,500千円を平成32年3月期に充当する予定であります。
※なお、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する予定であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 123,000株 |
売出株数 | 47,900株 |
公開株数(合計) | 170,900株 |
オーバーアロットメント | 25,600株 |
上場時発行済み株数 | 6,866,200株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約223.8億円 |
幹事団 | SMBC日興証券(主幹事) ←また主幹事 みずほ証券 いちよし証券 大和証券 マネックス証券 ←幹事多し エース証券 岡三証券 岡三オンライン証券 丸三証券 ←口座開設少ない |
Kudan(4425)上場評判とIPO分析
想定発行価格3,260円を基に吸収金額を算出すると約5.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.4億円規模の上場となります。時価総額が223.8億円と大きいですが、上場規模は小さいようです。同社グループはAP(人工知覚)の基幹技術であるSLAM、ALAM、VIO、SfM、他関連アルゴリズムをハードウエアに組込むための「KudanSLAM」としてソフトウェアライセンス化し、顧客に提供しています。
AP(人工知覚)は、人間の「眼」と同様に機械に高度な視覚的能力を与えるものです。具体的には、イメージングデバイス(例:カメラ)が取得したデータを、コンピュータプログラムによって数理的に処理し、立体感や運動感覚をリアルタイムかつ緻密に出力して、記憶と照合までを行う一連のソフトウェアを指します。
同社グループは、コンピュータビジョンと呼ばれる既存技術(2次元的処理を中心としたセンサ・画像処理の基礎技術の集合)を再構築して土台とし、そこから独自にAP(人工知覚)の技術を開発してきました。
採用される基盤技術には、産業用ロボット、家庭用ロボット、次世代モビリティ(自動車など)、飛行機器(ドローンなど)の自動制御に必須の技術です。
また、次世代コンピュータのユーザインターフェースとなるAR(拡張現実)、VR(仮想現実)等の空間認識に必要です。加えて、次世代デジタル地図やビッグデータとなるダイナミックマップ(現実環境の状況が速やかに反映される動的な地図システム)やデジタルツイン(現実環境とリアルタイムに同期した仮想空間情報)の技術基盤となるため、極めて広範な技術応用が見込まれています。
この他、関連技術であるAI(人工知能)やIoT(Internet of Things)との技術統合を目下進めており、さらなる技術応用の広がりを見込んでいるそうです。Machine Perception(機械知覚)、Deep Percetpion(深層知覚)やNeural Percetpion Network(知覚ニューラルネットワーク)に関する研究開発も行っています。
同社グループのAP(人工知覚)技術は、今後中長期的にAP(人工知覚)の技術発展と応用拡大が継続することによる技術需要を戦略的に取り入れるため、既存の製品開発用の需要だけではなく、新奇性と複雑性が高い将来技術の研究開発需要に対して強みを備えています。
強みの一つにアルゴリズムの独自性があり、立体的な幾何構造を高度に認識するための根幹となる画像特徴点の認識手法では、高速かつ高精度の独自手法を開発しています。
さらに、「柔軟で高い性能」「センサ利用の柔軟性」「演算処理環境の柔軟性」「部分機能利用の柔軟性」等の特徴があります。また、連結子会社はイギリスに1社あります。
Kudan(4425)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第3期 | 第4期 |
決算年月 | 平成29年3月 | 平成30年3月 |
売上高 | 88,516 | 204,668 |
経常利益又は経常損失 | △90,212 | 4,179 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失 | △92,700 | 3,678 |
包括利益 | △78,524 | △2,288 |
純資産額 | 192,518 | 190,229 |
総資産額 | 208,609 | 206,720 |
1株当たり純資産額 | 31.91 | 29.36 |
1株当たり当期純利益金額又は1株当たり当期純損失金額 | △14.60 | 0.57 |
自己資本比率(%) | 92.3 | 92.0 |
自己資本利益率(%) | – | 1.9 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △62,508 | △25,737 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △2,407 | △1,175 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 201,848 | – |
現金及び現金同等物の期末残高 | 193,907 | 167,896 |
第5期第2四半期連結累計期間(平成30年4月01日~平成30年9月30日)
売上高321,211千円
営業利益206,720千円
経常利益203,142千円
四半期純利益196,392千円
機械(コンピュータやロボット)に関する先端技術領域において、AP(人工知覚)は、AI(人工知能)と同等に重要な技術の一つと考えております。AP(人工知覚)は、機械(コンピュータやロボット)の自動制御、次世代コンピュータのユーザインターフェースとなるAR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)の空間認識の要となる技術であり、さらにはAI(人工知能)と融合が進むことで今後幅広い産業での応用と普及を見込んでおります。
このような状況下、当社はAP(人工知覚)の基幹技術の一つであるSLAMの独自開発を続けております。前連結会計年度中には、SLAMをソフトウェアライセンス化したKudanSLAMの様々な先端技術企業への提供を開始致しました。後述の通り、当社グループの経営成績に寄与致しましたが、将来のAP(人工知覚)の普及と応用可能性から、引続き成長が見込まれると考えております。
Kudan(4425)従業員と株主の状況
会社設立は2014年11月19日、東京都新宿区新宿六丁目27番45号に本社を構えます。社長は大野智弘氏(昭和44年11月22日生まれ)、株式保有率は52.98%です。従業員数はわずか3名で平均年齢38.4歳、平均勤続年数2.6年、平均年間給与6,557,000円です。連結従業員数はやや増え14人です。臨時雇用の採用はありません。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
大野 智弘 | 3,780,200 | 52.98 |
Jun Emi | 788,000 | 11.04 |
John Williams | 385,600 | 5.40 |
飯塚 健 | 283,400 | 3.97 |
Net Capital Partners Limited | 206,000 | 2.89 |
美澤 臣一 | 190,000 | 2.66 |
Ardian International Limited | 150,000 | 2.10 |
【目論見抜粋】
本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である大野智弘、売出人であるJohn Williams、飯塚健及び美澤臣一、当社役員かつ当社株主である項大雨及び村井孝行、当社株主であるJun Emi、Net Capital Partners Limited、Ardian International Limited、高橋秀明、斉藤誠、Pacific Standard (Hong Kong) Co Ltd、井上瑞樹、大島裕、JIG-SAW株式会社、青木友子、CHINA ORIENTAL INC.、前田英仁、TFK CAPITAL PARTNERS PTE. LTD.、森山聡、緑川正博及び宮林隆吉、当社新株予約権者である千葉悟史及びOsian Hainesは、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成31年6月16日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。
また、当社は、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利あるいは義務を有する有価証券の発行又は売却(株式分割による新株式発行等及びストック・オプションに係る新株予約権の発行を除く。)を行わないことに合意しております。
上位株主には180日間(平成31年6月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。ベンチャーキャピタル保有株は少ないようです。
Kudan(4425)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格を下限とし仮条件は上限方向に広げられ3,260円~3,720円の範囲で決定しました。上限3,720円による市場からの吸収額は約6.35億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.31億円です。上場規模は小さいままになります。2019年3月期の連結業績予想は売上77.9%増、経常利益25倍増の1億円(前期は400万円)の大幅な増収増益を見込んでいます。EPS14.99を基にPERを算出すると約218.14倍、BPS118.79を基にPBRを算出すると約31.32倍となります。指標は割高ですが、何が基準となるのかわかりにくい業種になります。
初値予想10,000円~18,000円
幹事名 | 配分単位(株) |
SMBC日興証券(主幹事) | 154,100 |
みずほ証券 | 6,800 |
いちよし証券 | 3,400 |
大和証券 | 2,500 |
マネックス証券 | 1,700 |
エース証券 | 800 |
岡三証券 | 800 |
丸三証券 | 800 |
類似企業 | PER | PBR |
ALBERT(3906) | PER366.75倍 | PBR33.31倍 |
シルバーエッグ・テクノロジー(3961) | PER40.39倍 | PBR4.26倍 |
PKSHA Technology(3993) | PER193.15倍 | PBR19.26倍 |
主幹事のSMBC日興証券狙いでよいと思います。上場時発行済み株数が多い割に公開株数が少なく初値は高騰しそうです。公開株数が少なく単価が大きいため利益も必然的に大きくなりそうです。
上場日がソフトバンクと被ってしまいましたが、Kudanは個人投資家中心の売買になると思われるためターゲット層が違います。多少注目度が落ちると思いますが、ソフトバンクと違い気配を切り上げていく時間も長そうです。
SMBC日興証券主幹事が立て続けに承認されているので、口座を開設するだけではなく資金も必要です。なぜならば抽選に参加するには銘柄別に資金が必要になるからです!
参加者には苦しい展開ですが、資金が尽きて申し込めない方も今回は続出しそうです。資金効率よく申し込みを行いましょう。
Kudanのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
平成29年7月01日~平成37年6月9日 | 59,600 | 180 |
平成30年7月01日~平成38年6月24日 | 181,000 | 400 |
平成30年7月01日~平成38年6月24日 | 6,400 | 400 |
平成30年11月30日~平成38年6月24日 | 48,200 | 400 |
平成31年3月31日~平成39年3月13日 | 48,200 | 400 |
平成31年6月29日~平成39年6月13日 | 16,000 | 400 |
平成31年6月29日~平成39年6月13日 | 3,200 | 400 |
平成32年6月29日~平成40年6月18日 | 25,600 | 600 |
平成32年9月30日~平成40年9月02日 | 3,200 | 600 |
上場時点で関係があるストックオプションは295,200株あるようです。新株予約権行使の条件を見る限り売却可能のようです。「権利行使時において、当社または当社子会社の取締役、監査役、従業員、顧問もしくは関係協力者のいずれかの地位にあることを要する」
Kudan(4425)IPO私見と申し込みスタンス
KudanのIPOは人気でしょう。上場時発行株数が大量にあるにも関わらず小規模の上場となっており、何か意図を感じます。もしく株価が高くなり公募増資の実施や第三者割当狙いかもしれませんが初値は好調でしょう。人工知覚というワードに新奇性を感じます。人工知能同様に今後は必要になる分野になるそうですから、技術革新が行われ知らないうちに世の中に広まっているパターンでしょう。
ソフトバンクと上場日が被ってしまいましたが、ソフトバンクよりも同社のほうが利益が断然でます。ただ当選しにくいだけです。そこが問題なんですが、投資センスがない方はめげずにIPO抽選に参加しておきましょう。是が非でも当選してみたい方は、ソフトバンクを狙ってみてはいかがでしょうか。
Kudan(4425)IPO主幹事です! 【私はネット口座だけで当選しています】
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