ナルミヤ・インターナショナル(9275)IPOが東証2部に新規上場承認されました。主幹事はSMBC日興証券となり、公開株数5,466,900株、オーバーアロットメント523,300株、市場からの吸収額はなんと約106億円となります。さらにファンド売出し案件となり不人気間違いなしなのかもしれません。
事業内容は「ベビー・子供服の企画販売」となっているためIPOにおいて人気とは言い難いです。Eコマースなども取り扱っているためITが少し絡んでいるのはプラス要因です。悪材料がそろっているようですから個人的には積極的に申し込みは控えたいと考えています。
業績は悪くないため業績評価はできると思います。多様なブランドを保有し、百貨店やショッピングセンター、アウトレットモールなどにも出店しています。アパレル専門店やZOZOTOWN、楽天などメジャーサイトへの出店も行っているそうです。
ナルミヤ・インターナショナル(9275)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証2部 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | ベビー・子供服の企画販売 |
公開予定 | 9月06日 |
ブックビルディング期間 | 8月22日~8月28日 |
想定価格 | 1,770円 |
仮条件 | 1,540円~1,560円 |
公開価格 | 8月29日 |
企業情報 | http://www.narumiya-net.co.jp/index.html |
【手取金の使途】
差引手取概算額455,023千円については、海外販売の手取概算額(未定)と合わせて、195,000千円を当社の新規出店時の設備投資資金(平成32年2月期出店予定の店舗のうち13店舗)として、150,000千円をCRM強化のための新ECシステム開発資金として、残額を物流センター及び直営店舗の業務効率の向上を目的としたRFIDの導入及び基幹システムの更新資金として充当する予定であります。なお、これらの資金の決済は、新規出店時の設備投資資金及びCRM強化のための新ECシステム開発資金については平成32年2月期末までに、RFIDの導入及び基幹システムの更新資金は平成32年2月期に20,000千円、平成33年2月期に残額が行われる予定であります。
また、上記調達資金は具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 282,500株 |
売出株数 | 5,184,400株 |
公開株数(合計) | 5,466,900株 |
オーバーアロットメント | 523,300株 |
上場時発行済み株数 | 9,906,830株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約175.35億円 |
幹事団 | SMBC日興証券(主幹事) ←IPOするなら必須 大和証券 野村證券 みずほ証券 東海東京証券 SBI証券 ←ポイントを貯めよう |
ナルミヤ・インターナショナル(9275)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,770円を基に吸収金額を算出すると約96.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約106億円規模の上場となります。東証2部上場でこの規模だと残念な結果になる可能性があり、さらに「再上場案件」となるため厳しい船出も予想されます。業績は思いのほか好調のようです。下記画像を見ていただくと売上高平均成長率が14.9%となっています。また営業利益も拡大を続けているようです。Eコマースの売上は自社サイトと他社サイトを利用して売上の12.7%にまで拡大しているそうです。
店舗は百貨店においては一進一退のようですが現在587店舗あります。ショッピングセンターにおいては前年比で+7.1%の増加率となっています。現在は152店舗になるようです。アウトレットモールは20店舗で合わせて759店舗網になるようです。
下記画像は連結業績になりますが、今期が第3期のためデータ不足となっています。ただ業績は問題なさそうです。
今後は中国最大のEコマースサイト「Tモール」へ進出するため、現地のビジネスパートナーとライセンス契約を締結したそうです。出店時期は平成30年8月になるため今月です!さらにインバウンド向けにプロモーションも行っており、外国人観光客(家族旅行)への対応を強化するそうです。
成功すれば大きな利益を生みそうですが、上場時点ではまだ業績に含まれていません。
いずれ東証1部を目指すと思いますが、株主が入れ替わらなければいけない問題もあります。私の勝手な思惑ですが、株主優待を餌に個人投資家を増やして1年後に東証1部へ?
バロックジャパンリミテッド(3548)のように株価が下落し続けないことを祈ります。ベビー・子供服の利益率はわかりませんが、百貨店で買うと高いですよね。店舗代も高いでしょうがそれを上回るような価格設定です。同社のデータでは38.5%を占めています。
ナルミヤ・インターナショナル(9275)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第1期 | 第2期 |
決算年月 | 平成29年2月 | 平成30年2月 |
売上高 | 11,468,773 | 26,954,523 |
経常利益 | 684,962 | 1,280,215 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 696,343 | 760,276 |
包括利益 | 700,081 | 776,342 |
純資産額 | 3,849,135 | 3,092,236 |
総資産額 | 13,230,914 | 13,560,459 |
1株当たり純資産額 | 407.19 | 321.90 |
1株当たり当期純利益金額 | 82.87 | 80.43 |
自己資本比率(%) | 29.09 | 22.44 |
自己資本利益率(%) | 18.09 | 22.06 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,797,519 | 1,168,693 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △8,670,453 | △300,569 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 9,483,168 | △1,493,545 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 2,610,233 | 1,984,811 |
第3期第1四半期累計期間(平成30年3月01日~平成30年5月31日)
売上高6,613百万円
営業利益424百万円
経常利益385百万円
四半期純利益1,101百万円
※平成30年3月01日付で株式会社ナルミヤ・インターナショナル(旧ナルミヤ)を吸収合併。これに伴い、抱合せ株式消滅差益875百万円を特別損益に計上しているとのこと
当第1四半期累計期間に百貨店ではジュニアブランド「X-girl STAGES」(エックスガールステージス)などを中心に5店舗、ショッピングセンターではトドラーブランド「petit main」(プティマイン)及びジュニアブランド「Lovetoxic」(ラブトキシック)で10店舗を新たに出店致しました。
既存店舗では、百貨店で展開しているトドラーブランド「ANNA SUI mini」(アナスイ・ミニ)、「X-girl STAGES」、ショッピングセンターでは「petit main」、「Lovetoxic」がともに堅調な売上で推移しております。Eコマースも昨年年末に実施したスマートフォンのユーザインタフェースの改修や、新規会員の獲得キャンペーンの施策が効果を発揮し、順調な売上となっております。
ナルミヤ・インターナショナル(9275)従業員と株主の状況
会社設立は2016年6月08日、東京都港区芝公園二丁目4番1号に本社を構えます。社長は石井稔晃氏(昭和35年3月13日生まれ)、株式保有率はわずか1.37%です。沿革では昭和27年12月に広島県広島市に呉服店を設立したところから始まるようです。その後、色々とあるようで結局VCに吸収され今回放出という流れでしょう。従業員数は1,018人で臨時雇用者が344人、平均年齢32.8歳、平均勤続年数6.7年、平均年間給与3,511,941円となります。沿革では、SBI Value Up Fund1号投資事業有限責任組合にTOBされたあとに、日本産業第四号投資事業有限責任組合へ譲渡されているようです。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
日本産業第四号投資事業有限責任組合 | 2,697,030 | 27.41 |
Shepherds Hill Fund Ⅱ, L.P. | 2,259,000 | 22.96 |
Manaslu Fund Ⅱ, L.P. | 2,253,000 | 22.90 |
Sonora Fund Ⅱ, L.P. | 2,244,000 | 22.80 |
石井 稔晃(社長) | 135,000 | 1.37 |
ナルミヤ・インターナショナル従業員持株会 | 108,300 | 1.10 |
上田 千秋 | 36,000 | 0.37 |
【目論見抜粋】
本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である日本産業第四号投資事業有限責任組合、Shepherds Hill Fund Ⅱ, L.P.、Manaslu Fund Ⅱ, L.P.及びSonora Fund Ⅱ, L.P.は、SMBC日興証券株式会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の平成30年12月4日までの期間中は、SMBC日興証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式の売却等(ただし、その売却価格が募集における発行価格又は売出における売出価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後にSMBC日興証券株式会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)を行わない旨を約束しております。
上位株主には90日間(平成30年12月04日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍に設定されています。1.5倍は無理そうなので、90日で放出されることを頭に入れておいたほうがよさそうです。
ナルミヤ・インターナショナル(9275)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格1,770円に対して、仮条件は1,540円~1,560円と大幅に引き下げられています。これにより吸収額を仮条件上限1,560円で計算しなおすと約85.3億円、オーバーアロットメントを含めると約93.4億円となります。約12.6億円の規模縮小となり、株数などの変更はありません。2019年2月単体予想では売上298億円、経常利益16.4億円になる予想がでています。単体で前期の業績を超えることから業績に問題はないようです。しかしながらIPOではどちらかと言えば不人気事業になり初値買い意欲に乏しいと思います。
初値予想1,770円~1,970円
初値予想(第2弾)1,560円~1,760円
仮条件上限の1,560円を基にEPS192.55からPERを算出すると約8.10倍、BPS418.29を基にPBRを算出すると約3.73倍となります。配当は年79円を予定しており今期実施は30.85円となります。年間配当利回りは5.06%にもなるため配当狙いの買い需要も発生しそうです。また上場後は株主優待にも期待したいところです。
Eコマースや中国などのアジア開拓による収益が期待でき、長期では利益が取れそうな銘柄です。しかしIPOでは不人気の東証2部上場で衣類製造小売業、ファンドによる再上場案件とマイナス材料が多くなっています。基本的にパス案件になりますが、配当利回りによる買い支え期待も多少あり微妙な銘柄です。
ベンチャーキャピタルには90日間のロックアップがかけられ、ロックアップ解除倍率1.5倍の設定があります。90日後に株価が上向いていれば、既存VCの売り圧力も長期的に考えられるでしょう。
幹事名 | 配分単位(株) |
SMBC日興証券(主幹事) | 3,990,900 |
大和証券 | 820,000 |
野村證券 | 273,300 |
みずほ証券 | 273,300 |
東海東京証券 | 54,700 |
SBI証券 | 54,700 |
類似企業 | PER | PBR |
アダストリア(2685) | PER17.56倍 | PBR1.23倍 |
ハニーズホールディングス(2792) | PER13.81倍 | PBR0.94倍 |
バロックジャパンリミテッド(3548) | PER10.91倍 | PBR2.06倍 |
当選を狙われる方はSMBC日興証券からの申込みは必須でしょう。当選確率はかなり高いと思われます。大和証券あたりも良いかもしれません。東海東京証券から申込む方は少ないと思われるため確率は高いのかもしれません。
SBI証券からの申込みはIPOチャレンジポイント狙いとなりそうです。仮条件を見ないとわかりませんが、あまり人気がないと現段階では考えています。どうせならベンチャー企業に投資をしてみます?9万円でしたが下記のベンチャー企業に投資してみました。
ナルミヤ・インターナショナルのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
平成29年3月17日~平成40年5月10日 | 216,000 | 340 |
ストックオプションは216,000株となり、すでに行使期限に入っているようです。詳細情報が目論見に書かれているため「第1回新株予約権」を気になる方はご確認ください(長いんですよ~)
ナルミヤ・インターナショナル(9275)IPO私見と申し込みスタンス
ナルミヤ・インターナショナルのIPOは上場規模とファンド売出し株数の多さが不人気の理由でしょう。今後、個人的に注目するポイントは仮条件の設定と株数の変更などが行われるのかです。上場規模が縮小するようには思いませんが、ソフトバンク上場の前に消化しておきたい主幹事の思惑もあるのかな?と感くぐっています。業績が良いため配当設定なども気になりますが、3%程度配当があれば考え方が変わるかもしれません。無事上場をしてくれることを陰ながら祈っています。
悲観的な内容ですが、Casa(7196)のような展開もあるためファンド案件でも業績が良ければ期待はあります。2018年で言えば信和(3447)もファンドですがこちらは横ばい状態となっています。
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