Will Smart(ウィルスマート)[175A]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。モビリティ業界のDX化に取り組む企業になります。


主幹事は大和証券が務め公開株数672,000株、オーバーアロットメント100,800株です。上場規模は想定発行価格1,380円から計算すると約10.7億円になります。


Will Smart(ウィルスマート)[175A]IPOが上場承認
※ウィルスマート公式サイト引用


2012年12月に株式会社ゼンリンデータコムの社内ベンチャーとして設立されています。


上場時の業績はいまいちのようですが大手企業からの出資を確認できます。上場規模が小さいため需給不安はなさそうです。


事業はIPO向きなので初値に期待したいと思います。


九州旅客鉄道(9142)と都築電気(8157)が売出しで全株式を売却するのは少し心配ですけどね。


Will Smart(ウィルスマート)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日4月16日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容モビリティ業界を中心とした事業課題解決に対してDX技術を駆使したソリューションの企画・提案、ソフトウェアの受託開発及び運用支援
ブックビルディング4月01日~4月08日
想定価格1,380円
仮条件1,320円~1,380円
公開価格1,656円
※仮条件上限を20%上回る価格に決定
初値結果1,580円(騰落率-4.59%)
企業情報https://willsmart.co.jp/
監査人有限責任監査法人トーマツ
手取金の使途
  • 人材採用及び人件費・教育費用
  • 設備投資


項目株数データ
公募株数200,000株
売出株数472,000株
公開株数(合計)672,000株
オーバーアロットメント100,800株
上場時発行済み株数1,444,000株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約19.9億円
幹事団大和証券(主幹事)
野村證券
楽天証券
マネックス証券
松井証券
委託見込大和コネクト証券
DMM.com証券


Will Smart(ウィルスマート)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,380円を基に吸収金額を算出すると約9.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約10.7億円規模の上場となります。


同社は課題発見のコンサルティングから解決のためのソフトウエアの開発、ハードウエアの提供及び納品後のサポートまで行うトータルサービスを提供しています。


一部、海外の先進技術を持つ開発パートナーの技術協力や国内開発パートナーの協力を仰ぎつつ、同社が主体となってシステム開発を行うことで顧客ニーズを満たしたIoTシステムを短い期間で提供することが可能だそうです。


Will Smart(ウィルスマート)[175A]の業績
※有価証券届出書引用


モビリティ業界ではインバウンド対応のための業務量の増加、高齢化による現場業務の労働力人口の不足、近年のカーボンニュートラル、CASEの進展や地域交通の再編に対応するソリューション不足等が課題となってきました。


これらの業界課題に対し、IoT及びWebシステム開発技術と業界知見を掛け合わせることで、時代の変化に伴って必要とされる新規需要やビジネスモデルの変化に適した企画提案を考案し、その仕組みを自ら開発することで業界の課題に対応しています。


また、顧客の発注に応じてシステムを受託開発する他、独自パッケージサービスとして展開しています。


ソフトウエアを開発する場合もあり、他社の類似課題に展開できるよう一般化することでより多くの企業に導入できるように汎用化もしているそうです。


収益はシステム開発を行った際の開発売上のみならず、その後の保守売上やパッケージサービスの利用料売上も主要な収益となっています。


Will Smart(ウィルスマート)IPOの事業系統図
※有価証券届出書引用


ソリューションは「総合情報配信サービス」「クラウド化支援サービス」「モビリティシステムサービス」「AI・データサイエンスサービス」「インポートサービス」にわかれます。


総合情報配信サービスは創業時からのサービスになり、屋外・店頭・公共空間・交通機関などの場所において、


ディスプレイなどの電子的な表示機器(デジタルサイネージ)を使って施設の館内情報や交通機関の運行情報などの情報を発信するサービスを行います。


Will Smart(ウィルスマート)の販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


クラウド化支援サービスでは、顧客企業が利用する販売や予約システムなどを中心にオンプレミスのシステムをクラウド化します。


モビリティシステムサービスは、ガソリン車・EV車両の双方に対応する車載デバイスと、車載デバイスから取得した車両データに基づく鍵の制御や車両管理を行うための機能等を有するIoTゲートウェイパッケージの提供等を行います。


AI・データサイエンスサービスは、地方行政や自治体、地方公共交通などの顧客を中心に、事業領域に特化した実証実験や地方公共交通再編のために複数の交通事業者や自治体などの交通利用データを分析、可視化することができるシステムの提供です。


インポートサービスは、ドライブレコーダー等の海外商材の輸入・販売を行います。


Will Smart(ウィルスマート)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2012年12月12日、東京都江東区富岡二丁目11番6号に本社を構えます。社長は石井康弘氏(1978年8月05日生まれ)、株式保有率は6.80%(103,000株)です。※新株予約権による潜在株式数


従業員数50人で臨時雇用者2人、平均年齢37.0歳、平均勤続年数3.6年、平均年間給与6,611,983円です。


セグメント別従業員数はモビリティ43人、インポート1人、全社共通6人(臨時2人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社ゼンリン845,000株55.81%
九州旅客鉄道株式会社222,000株14.66%
石井 康弘103,000株6.80%
ENEOS株式会社83,000株5.48%
都築電気株式会社50,000株3.30%
金 秉都43,000株2.84%
岡谷鋼機株式会社22,000株1.45%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には90日間のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


新株予約権を保有する石井康弘氏、金秉都氏、杉山賢治氏、及びその他13名は90日間のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍以上となっています。


また、九州旅客鉄道株式会社と都築電気株式会社は売出しで全株式を売却予定となっていますがロックアップの対象となっています。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは従業員持株会に対し10,000株を上限として実施予定となっています。


Will Smart(ウィルスマート)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,320円~1,380円に決定し上場による吸収金額は最大で約10.7億円、時価総額は約19.9億円になります。


2024年3月期に黒字化するのは大口顧客を獲得できたからだと観測されています。それに合わせて上場するように感じるため2025年3月期の業績が不安です。


また、九州旅客鉄道と都築電気が売出株により全株式を売却します。さかのぼれば四国電力とYKKAPも既にイグジットしています。


IoT関連株として直近上場のソラコム(147A)の恩恵を受けそうなタイミングなので公開価格は超えてきそうですが中長期で保有するには少し怖そうです。


大手初値予想2,000円~3,000円
修正値2,000円~2,500円
再修正2,100円~2,300円
最終予想2,000円

※注目度B、再修正は2024年4月09日に追記


業績を確認すると2024年3月期の単独予想を確認することができました。売上10.80億円となり前期比32.84%増、経常利益0.29億円となり前期-1.79億円から黒字転換となります。


四半期利益は0.24億円となり前期-2.87億円から黒字収支の予想が出ています。一応、上場時はギリギリ黒字になるようです。


公開価格が1,380円決定の場合の指標はEPS19.29からPER71.54倍、BPS248.07からPBR5.56倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


ゼンリン子会社で知名度的に安心感はあるものの不安だらけのIPOだと感じます。ただテーマ性があるため短期資金が向かうと観測されています。


ストック売上が低い、さらに業績水準が低く業績不安定なのでIPOが終われば右肩下がりの株価か?と想像できます。業績が上向けば問題ありませんが業績予想が開示されていない不安が大きいと思います。


kimukimu

IPOに当選したら公募組は短期で売り抜けたほうが良さそうですね。初値だけはある程度期待できそうです!!



幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)635,300株94.54%
野村證券26,800株3.99%
楽天証券3,300株0.49%
マネックス証券3,300株0.49%
松井証券3,300株0.49%


ゼンリンが親会社の赤字企業です。業績水準も低いようですね。


IT系企業で上場規模が小さいため投機資金に期待のIPOとなりそうです。


当選狙いなら主幹事の大和証券と委託販売が行われる大和コネクト証券からの申込みを優先しておきましょう。多分、全力で当選を狙いに行くと思います。


トライアルホールディングスのIPOは大和コネクト証券から多くの当選者がいたようです。面倒でも証券口座を開設しておくとチャンスがあると思います。


IPOルールは下記記事にまとめています。




COZUCHIの口座開設でAmazonギフトカード2,000円分が貰えるタイアップ特典を付けていただきました。


月末までのお申込みとなっているためよかったらご利用ください。投資をすると上乗せでアマギフが貰えるキャンペーンも行われています。


通常の公式サイトからお申込みいただいても適用となりません。詳しくは下記記事をご確認ください。当サイト限定の特典になります!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
フレクト(4414)PER41.66倍PBR11.17倍
スマートドライブ(5137)PER91.39倍PBR24.59倍
ゼンリン(9474)PER27.18倍PBR0.94倍
※2024年4月01日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました


ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2020年12月01日~2028年10月31日62,600株900円
2023年4月01日~2031年2月28日39,400株1,200円
2024年2月01日~2033年12月31日44,000株716円
2026年2月01日~2033年12月31日92,400株700円
2026年2月01日~2033年12月31日31,800株700円


ストックオプション(新株予約権)は146,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数1,344,000株に対する新株予約権の割合は20.10%に相当します。新株予約権による潜在株式数は270,200株です。


Will Smart(ウィルスマート)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

Will Smart(ウィルスマート)のIPOは業績予想を確認してからブックビルディングに参加したほうがいいかもしれません。


Will Smart(ウィルスマート)[175A]IPOのまとめ
※ウィルスマート公式サイト引用


大和証券案件は最近この手の上場が多い気がします。業績に期待が持てるようなら初値買いする投資家も多そうです。


逆に業績期待ができない場合は短命で終わる可能性があります。※2024年3月期は0.24億円の黒字予想でした


モビリティ業界のDX化は、危険運転や交通事故の防止、安全な輸送サービスの実現に向けた投資、AIなどの先端技術の活用など取り組むことが多い業界です。


開発費も掛かると思いますがDXやITの活用が欠かせません。同社は独自のポジショニングを築き競争優位性を高めているそうです。


上場会社は結果を出さなければ株価が上がらないためまずは業績でしょう。BtoBサービスなので顧客の投資予算があればといった感じでしょうね。


kimukimu

詳しい業績は追記したいと思います!



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