レジル(176A)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。売出株中心のIPOなので内容をよく確認しておきましょう。
主幹事は大和証券が務め公開株数5,155,100株、オーバーアロットメント773,200株です。上場規模は想定発行価格1,080円から計算すると約64.0億円になります。
※レジル公式サイト引用
再生可能エネルギーの導入や脱炭素の推進などに取り組む企業です。
主力事業はマンション一括受電サービスになり20年来の主力商材となっています。顧客ストックの積み上がりから長期安定収益の獲得を実現する事業基盤だそうです。
業績は安定していますが、IPOとしては微妙な案件だと思います。
ただ今の地合いなら儲かりそうな気がします。海外販売がどの程度あるのかで機関投資家のスタンスがわかりそうです!
レジル(176A)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 4月24日 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 電気・ガス業 |
事業内容 | 集合住宅への電力供給及び分散型電源の開発法人への再生可能エネルギーを主体とした電力供給エネルギー事業者へのBPO及びSaaSの提供を通じたDX支援 |
ブックビルディング | 4月09日~4月16日 |
想定価格 | 1,080円 |
仮条件 | 1,100円~1,200円 |
公開価格 | 1,200円 |
初値結果 | 1,205円(公開価格1.004倍) |
企業情報 | https://rezil.co.jp/ |
監査人 | PwC Japan有限責任監査法人 |
手取金の使途 | マンション防災サービスの設備投資資金の一部に充当する予定 |
項目 | 株数データ |
公募株数 | 150,000株 |
売出株数 | 5,005,100株 |
公開株数(合計) | 5,155,100株 |
オーバーアロットメント | 773,200株 |
上場時発行済み株数 | 18,345,000株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約198.1億円 |
幹事団 | 大和証券(主幹事) 野村證券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SMBC日興証券 みずほ証券 SBI証券 楽天証券 岡三証券 極東証券 |
委託見込 | 大和コネクト証券 auカブコム証券 SBIネオトレード証券 岡三オンライン |
レジル(176A)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格1,080円を基に吸収金額を算出すると約55.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約64.0億円規模の上場となります。同社グループは、レジル及び連結子会社(中央電力ソリューション株式会社、中央電力エナジー株式会社)の計3社で構成されています。
主にマンション向けに受変電設備設置による電力供給を行う分散型エネルギー事業、法人の脱炭素化支援や電力供給を行うグリーンエネルギー事業を行います。
また、電力会社等のエネルギー企業の後方業務の「DX」による業務改革支援を行うエネルギーDX事業を行っています。
※有価証券届出書引用
分散型エネルギー事業は「マンション一括受電サービス」を主力サービスとして展開しています。この他、それに付随して発生するマンション顧客に対する各種サービスを提供します。
マンション一括受電サービスとは、マンション内に地域電力会社が設置する受変電設備を同社グループにて入れ替えることになります。
マンション単位で商業ビル同様に高圧の電力を調達し、設置した受変電設備にて一般家庭向け低圧電力に変換しマンション各世帯や共用部分等へ電力を供給しています。
当該サービスを適応しないマンションは各世帯が低圧電力の電気料金を支払っている一方、当該サービスはマンションの各世帯等に高圧料金を基にした電気料金を提供し、地域電力会社から各世帯及び共有部分が低圧電力を受電する場合と比較してマンション全体での電気料金削減を可能とする仕組みになるそうです。
本仕組みによる電気料金の削減メリットを原資(割引原資)として、マンション各世帯や共用部分に各地域の大手電力会社の料金をベースとした割引率という形で還元を行っています。
※有価証券届出書引用
グリーンエネルギー事業は、再生可能エネルギーを中心とした電力小売サービスを展開しています。
主に同社が電力の調達及び顧客に対する電力供給(販売)を行っていますが、一部調達及び供給は子会社の中央電力エナジー株式会社で同様に実施しています。
電力調達主体を2社体制とすることにより効率的かつ良好な条件での調達に努めているそうです。
※有価証券届出書引用
エネルギーDX事業は、主にエネルギー業界の事業者向けの業務受託サービスを提供しています。
自社設備の保安・点検業務のリソースを活用した「電気保安管理サービス」及び同社グループの分散型エネルギー事業やグリーンエネルギー事業のために開発したシステムや業務フロー等をBPaaS形態により顧客企業に提供する「DX支援サービス」を展開しています。
当該事業において同社が顧客に対するDX支援サービスの提供を、中央電力ソリューション株式会社が顧客に対する電気保安管理サービスの提供をそれぞれ実施しています。
レジル(176A)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は1994年11月21日、東京都千代田区丸の内1丁目8番1号丸の内トラストタワーN館14階に本社を構えます。社長は丹治保積氏(1971年10月04日生まれ)、株式保有率は2.66%(533,250株)です。※新株予約権従業員数174人で臨時雇用者55人、平均年齢40.8歳、平均勤続年数6.1年、平均年間給与6,859,000円です。連結従業員数は209人で臨時雇用者は113人です。
連結のセグメント別従業員数は分散型エネルギー事業48人(臨時10人)、グリーンエネルギー事業45人(臨時3人)、エネルギーDX事業62人(臨時89人)、全社共通54人(臨時11人)となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
Team Energy GI株式会社 | 11,355,000株 | 56.78% | ○ |
中村 誠司 | 3,859,100株 | 19.29% | ○ |
関西電力株式会社 | 1,820,000株 | 9.10% | ○ |
丹治 保積 | 533,250株 | 2.66% | △ |
EEIスマートエナジー投資事業有限責任組合 | 367,100株 | 1.83% | ○ |
EEIクリーンテック投資事業有限責任組合 | 280,000株 | 1.40% | × |
みずほグロースパートナーズ1号投資事業有限責任組合 | 280,000株 | 1.40% | ○ |
上位株主には180日間(2024年10月20日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
売出人のEEIスマートエナジー投資事業有限責任組合、みずほグロースパートナーズ1号投資事業有限責任組合には90日間(2024年7月22日まで)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率は発行価格(売出価格)の1.5倍以上となっています。※EEIクリーンテック投資事業有限責任組合は売出株で全株式を処分
この他、新株予約権保有者に対し180日間のロックアップが付与されています。こちらは解除倍率設定はありません。
上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
親引けはありません。
レジル(176A)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件が1,100円~1,200円に決定し上場による吸収金額は最大で約71.1億円、時価総額は約220.1億円になります。
上場規模が大きく機関投資家需要が少ないと簡単に割れそうです。株価設定的には妥当だと判断されており公開価格割れは現時点で考えられていません。
エネルギー価格高騰を受け新電力から撤退した企業もあり、業界構造は一巡していると言われています。類似企業比較は難しいとされ一番近い上場企業はアースインフィニティ(7692)になるようです。
ただ同社をそのまま比較対象にするには難しいようですね。
レジルの高圧一括受電は、価格競争が厳しい低圧小売りとは異なると観測されています。高圧一括受電の場合は契約してしまえば乗り換えリスクが低く中長期的に利益が発生するストック型のビジネスモデルになります。
某紙によれば主幹事が大手なので機関投資家の参戦が見込めるらしく何とかなるみたいです。個人的には大和証券主幹事でも割れる時は簡単に割れるため損したくない方はIPOに参加しないほうがいいと思います。
「何とかなるだろう」と言われていたIPOも地合いにはかないませんからね。割れた銘柄は下方向に動く力がしばらく強くなるため覚えておきましょう。
修正値1,200円~1,350円
再修正1,200円前後
最終予想1,150円
※注目度A、再修正は2024年4月17日追記
業績を確認すると2024年6月期の連結予想を確認することができました。売上378.27億円となり前期比-22.59%減、経常利益25.69億円となり前期比30.27%増となります。
四半期利益は18.08億円となり前期比34.52%増を予想しています。
公開価格が1,200円決定の場合の指標はEPS99.23からPER12.09倍、BPS422.37からPBR2.84倍になります。配当金が30円予想されているため配当利回り2.50%になります。
同社の契約期間は10年~15年の長期契約になり新規契約を獲得できれば業績に即反映されそうです。電気代金などの物価高騰により一定のニーズが見込めるため上場後の業績には期待できそうです。
ただIPOとして問題なのは上場規模が大きいことです。ニッチなIPOは意外とセカンダリーに期待できますが少し規模が大きいと思っています。
海外販売が20%以上ないと出だしは厳しいかもしれません。
IPOが減少するタイミングでも少し不安要素が多い銘柄のようです。ファンド持ち分もあるため上値は重たそうです。初値で5%~10%上昇すればいいと公募組は想定しておくと良いかもしれません!!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
大和証券(主幹事) | 4,124,100株 | 80.00% |
野村證券 | 515,500株 | 10.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 103,100株 | 2.00% |
SMBC日興証券 | 103,100株 | 2.00% |
みずほ証券 | 103,100株 | 2.00% |
SBI証券 | 77,300株 | 1.50% |
楽天証券 | 77,300株 | 1.50% |
岡三証券 | 25,800株 | 0.50% |
極東証券 | 25,800株 | 0.50% |
大和証券主幹事で上場規模が大きめなので当選を狙えそうです。海外配分次第だと思いますがこのクラスのIPOで利益をコツコツ狙いたいと思います。
大和証券から委託販売が行われる大和コネクト証券をご存知でしょうか?まだ証券口座を開設していない方はお勧めします。
トライアルHDのIPOでも当選者を多くお見かけしました。今回も株数が多いため期待できそうです。IPO抽選ルールは下記記事にまとめています。
毎年当選を頂いているため今年も申込み続ければ当選できると思っています!
大和コネクト証券でIPOの取扱いが発表されました。IPOルールや抽選に参加する際の注意事項などを徹底的にまとめてみたので、応募を行う前に確認を行っておきましょう。実は凄いことに気が付きました。当選確率を高める方法 …
大和証券といえばイークラウドで1,000円分のえらべるPayが貰えるキャンペーンが始まりました。
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代表の波多江直彦氏にインタビューもしてきたので投資の参考になるかもしれません!
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
グリムス(3150) | PER13.52倍 | PBR3.98倍 |
アースインフィニティ(7692) | PER46.09倍 | PBR16.16倍 |
イーレックス(9517) | PER-倍 | PBR0.77倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2022年6月21日~2029年6月20日 | 626,750株 | 1,010円 |
2023年5月20日~2030年5月19日 | 195,000株 | 1,010円 |
2023年12月27日~2030年12月26日 | 758,600株 | 1,010円 |
2024年6月01日~2032年5月31日 | 167,850株 | 991円 |
2025年4月29日~2033年4月28日 | 24,400株 | 991円 |
2025年12月16日~2033年12月15日 | 29,600株 | 991円 |
ストックオプション(新株予約権)は1,580,350株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数18,195,000株に対する新株予約権の割合は9.90%に相当します。新株予約権による潜在株式数は1,802,200株です。
レジル(176A)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
レジルIPOの抽選には参加予定です。既存株主の売出案件なのでイメージは良くありませんが、ストック収益と言えるため「大丈夫では?」と考えています。マンション一括受電サービスは契約期間10年~15年の長期契約となっています。
※レジル公式サイト引用
2021年頃から国内で小売電気事業者が相次いで破綻する混乱があったのは記憶に新しいと思います。また、ウクライナ問題によりエネルギー価格の上昇が続いています。
注目される材料はあるようです。
今現在、発電事業者や送配電事業者との関係を構築し約2,200棟のマンション顧客及び約7,500契約のビル・工場等の法人顧客を確保しているそうです。
再生可能エネルギー発電への取り組みも進め、エネルギーDX事業を拡大し収益化につなげているとあります。
ESG投資や脱酸素、再生エネルギー、そしてDX関係の材料があります。
関西電力など特定の電力調達先へ依存している部分もあるそうですが、利益が安定しているためIPO時に問題視されるようなことはなさそうです。
売出株を捌ければ株価も安定するのでは?とIPO時には楽観視しています。2023年6月末における連結総資産額に占める有利子負債割合は35.92%でした。
顧客ストックの安定性の維持・確保ができれば安定した利益が期待できます!
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