プリントネット(7805)IPOが新規上場承認されました。上場市場はジャスダックになり、主幹事はみずほ証券が務めます。上場による公開株式は1,606,100株と多く、オーバーアロットメント240,000株の設定も用意されています。想定発行価格による市場からの吸収は約25.1億円です。
事業内容は「インターネットを用いた印刷物の受注販売」となっおり、ラクスル(4384)と似ていると思っていたら、株主名簿に名前があります。ラクスルと違うのは自社工場があることでしょう。業績は拡大傾向にあるようです。
時代的にネット販売が出来ない企業は衰退しています。システム費用は掛かりますが、ユニフォームネクスト(3566)やピーバンドットコム(3559)などもネット注文が出来るからこそ人気となった銘柄です。
プリントネット(7805)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | JASDAQスタンダード |
業種 | その他製品 |
事業内容 | インターネットを用いた印刷物の受注販売 |
公開予定 | 10月18日 |
ブックビルディング期間 | 10月01日~10月05日 |
想定価格 | 1,360円 |
仮条件 | 1,360円~1,400円 |
公開価格 | 10月09日 |
企業情報 | https://odahara.jp/ |
【手取金の使途】
手取概算額929,400千円については、第三者割当増資の手取概算額上限300,288千円と合わせた、手取概算額合計上限1,229,688千円について、全額を平成31年10月期に(仮称)関東工場の設備投資資金に充当する予定であり、具体的な充当時期までは安全性の高い金融商品で運用する方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 750,000株 |
売出株数 | 856,100株 |
公開株数(合計) | 1,606,100株 |
オーバーアロットメント | 240,000株 |
上場時発行済み株数 | 5,220,400株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約71億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) 岡三証券 岡三オンライン証券 いちよし証券 東洋証券 SBI証券 マネックス証券 ←完全平等抽選 |
プリントネット(7805)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,360円を基に吸収金額を算出すると約21.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約25.1億円規模の上場となります。業績は好調に推移しており増収増益になります。平成26年までは苦戦しているようですが、時代に乗ることが出来た勝ち組でしょうか。主力事業はネット印刷通信販売になり、印刷物の仕様や料金が掲載されたwebサイト上で顧客からの受注を受け、国内工場にて印刷・加工を行い工場より顧客に向けて発送します。特徴としてはBtoB(印刷業者、デザイン業者からの業務受託)の占める割合が多く、平成27年10月期、平成28年10月期及び平成29年10月期の発送代行サービスの売上高に対する利用割合は62.3%、66.5%及び71.0%と上昇しています。
受注は全て同社Webサイトを通して行われ、一般の印刷会社が行うような営業活動は行っていないそうです。商品はWebサイトでパンフレット、フリーペーパー、チラシ、新聞折込チラシ、社名入り封筒、うちわ、選挙ポスター、カレンダー等の幅広い商品ラインナップを提供し顧客の囲い込みを行っています。
この他にも、顧客のニーズに応えるため東京都23区内では最短で当日お届け可能な体制を構築しています。また、業界でいち早く「Japan color標準印刷認証」を取得し、安定した品質で印刷物を提供しているそうです。
プリントネットは自社コールセンターで電話サポート等の充実したサービスを特長とし、ビジネスユースでの利用が増加傾向にあるようです。プリントプロは、印刷品質を維持したままサービスを簡素化することで低価格を実現し、より低価格志向のお客様をカバーすることで、顧客のすそ野を広げるアプローチを図っています。
※プリントプロは平成30年4月にサービスを開始
国内の商業印刷市場は縮小していますが、ネット通販を行う同社のような企業は売り上げが伸びる傾向にあります。そもそも同社は、地元官公庁及び民間企業向けに印刷製本・販売を行うため、小田原廣實が個人創業したことからはじまった印刷会社になります。
ラクスルと違うのは自社に資材課や製造部があることでしょう。東京には第1工場と第2工場があり、本社が鹿児島にも関わらず都心中心の事業展開のようです。平成25年3月には大阪支店を閉鎖、平成27年7月には沖縄支店閉鎖などもあるようです。
プリントネット(7805)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第31期 | 第32期 |
決算年月 | 平成28年10月 | 平成29年10月 |
売上高 | 5,858,142 | 6,848,390 |
経常利益 | 523,029 | 657,429 |
当期純利益 | 386,717 | 408,860 |
資本金 | 93,440 | 178,162 |
純資産額 | 908,478 | 1,486,783 |
総資産額 | 4,233,078 | 4,612,880 |
1株当たり純資産額 | 214.26 | 332.58 |
1株当たり当期純利益金額 | 96.57 | 92.42 |
自己資本比率(%) | 21.5 | 32.2 |
自己資本利益率(%) | 60.3 | 34.1 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 875,947 | 799,875 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △253,501 | △762,793 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 61,125 | △66,970 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 1,151,207 | 1,121,319 |
第33期第3四半期累計期間(平成29年11月01日~平成30年7月31日)
売上高5,495,619千円
営業利益655,041千円
経常利益658,606千円
四半期純利益429,460千円
印刷業界につきましては、用紙価格に関する値上げの動きは落ち着いたものの、電子メディア等の普及による紙媒体の減少に加え、人件費や運送費の高騰、過当競争による受注金額の下落など、引き続き厳しい経営環境となっております。このような状況下において当社は、供給能力増強のため新印刷機導入等の設備投資の実施、また、サービス、受注サイト、顧客対応について、お客様目線での改善を続けてまいりました。
プリントネット(7805)従業員と株主の状況
会社設立は1987年7月16日、鹿児島県鹿児島市城南町10番7号に本社を構えます。社長は小田原洋一氏(昭和40年9月30日生まれ)、株式保有率は33.02%です。従業員数230人で臨時雇用者41人、平均年齢33.7歳、平均勤続年数4.8年、平均年間給与4,010,000円となります。臨時従業員の年間平均雇用人員は1日7.5時間換算です。氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
PNコーポレーション株式会社 | 2,000,000 | 44.07 |
小田原 洋一 | 1,498,200 | 33.02 |
森田 樹里 | 200,000 | 4.41 |
大日本商事株式会社 | 80,000 | 1.76 |
ラクスル株式会社 | 40,000 | 0.88 |
日本アグフア・ゲバルト株式会社 | 40,000 | 0.88 |
富士フィルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社 | 40,000 | 0.88 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である小田原洋一、当社株主であるPNコーポレーション株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の平成31年4月15日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。
上位株主には180日間(平成31年4月15日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見に書かれていません。
プリントネット(7805)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格を下限として、仮条件範囲は1,360円~1,400円に決定しました。仮条件上限に伴う市場からの吸収額は約22.5億円、オーバーアロットメントを含めると約25.8億円です。2018年10月単体業績予想は売上売上7.7%増(5.24億円増)、経常利益10.4%増(6,800万円増)の増収増益となります。EPS106.66を基にPERを算出すると約13.13倍、BPS557.43を基にPBRを算出すると約2.51倍です。配当は予定されていません。
初値予想1,700円~2,000円
初値予想(第2弾)1,500円~1,800円
同日上場の銘柄はなく、イーソルから3日間の空白が生まれるため上場日程的に有利です。上場規模はやや大きいサイズですが、初値利益が見込めるため多くの方が参加すると思われます。また、ベンチャーキャピタル出資はなく、ストックオプションも行使期限を迎えている株はありません。
初値がそれほど高くなければ、ホールドする方も多そうな銘柄となっています。岡三オンライン証券での取り扱いも多そうなので少し期待したいと思います。
幹事名 | 配分単位(株) |
みずほ証券(主幹事) | 1,445,700 |
岡三証券 | 80,300 |
いちよし証券 | 32,100 |
東洋証券 | 16,000 |
SBI証券 | 16,000 |
マネックス証券 | 16,000 |
類似企業 | PER | PBR |
ラクスル(4384) | PER212.65倍 | PBR14.92倍 |
共立印刷(7838) | PER11.84倍 | PBR0.95倍 |
光村印刷(7916) | PER36.79倍 | PBR0.42倍 |
公開株数が多く主幹事以外からの当選も可能だと思います。類似企業のラクスル(4384)は不人気と言われていましたが、上場をした後、株価は上昇する結果となっています。今回も意識した買いが個人投資家を中心に入る可能性があります。
引受け幹事も申し込みやすくなっているため積極的に申し込みをすることで当選期待はあります。今回は岡三証券配分が多いはずなので岡三オンライン証券からの当選期待もできそうです。
プリントネットのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
平成30年11月1日~平成34年10月31日 | 67,500 | 612 |
ストックオプションの行使期限は平成30年11月からとなり、上場時点では関係がありません。株数も多くないことから上場後の影響もそれほどないと考えられます。条件は任期満了による退任、定年退職等その他正当な理由のある場合は売却可能となります。
プリントネット(7805)IPO私見と申し込みスタンス
プリントネットは当選しやすそうなIPOになると思います。業績は拡大傾向にありネットを使った事業なので、買い需要はあるでしょう。気になるのは上場規模がやや大きいことですが、ラクスルを見る限り初値利益は狙えると思います。株単価も低く手掛けやすいため人気化することを願います。印刷プロセス工程を短縮させコストを削減する方法なども取り組んでいるようですし、上場による資金は全額設備投資に使うようなので同社への需要は多いと思われます。人材育成の課題はあるようですが、期待できる事業となります。
さらに、オフセット印刷におけるインキのノンVOC化については他社に先駆け、平成28年10月期から100%ノンVOCインキを使用しているそうです。ノンVOCインキとは、構成成分中の高沸点石油系溶剤を植物油等に置き換えて1%未満に抑えたインキです。
近年は新規参入企業数は減少傾向にあり、業界に新規参入する企業数は減少傾向にあるようです。今後は上位数社が市場規模の約3/4を独占する予測も出ているようです。個人情報保護対策としてプライバシーマークを取得し、情報セキュリティへの対応策としてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得しています。
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